森林・林業分野における新規事業開発ガイドライン

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【林業×空間型VR】森林資源を活かした没入感溢れるデジタルコンテンツを社会実装する(https://flag.jissui.jp/n/ndf5beda98026)にて紹介しています。

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森林・林業分野における 新事業開発ガイドライン ~”森林”からの価値の生み方6パターンとその事例~ Guideline & case-study for forestry startups from the view of six value proposition patterns Ver1.0初版:2022.03 Ver2.0更新:2023.03

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 林業事業者と異分野事業者のコラボレーションによる新規事業を17案件採択し、 林野庁予算にて実証事業を支援した。 採択タイミング R2年度補正予算 R3年度補正予算 事業者名 事業名 フォレストデジタル株式会社 「デジタル森林浴」事業の社会実装・普及展開に向けた活動 ジオサーフ株式会社 林業DXを目指したAI搭載ドローンによる効率的な森林内デジタルデータの収集と利活用 国土防災技術株式会社 高機能資材を利用した川上収益向上事業 久万造林株式会社 「木のシアワセ視点」で再構築する、新しい林業のかたちづくり「黄金の森プロジェクト」 株式会社ソマノベース 林業界の課題解決を加速させるプラットフォームの開発 株式会社Andeco 広葉樹林の価値向上に向けたデジタルカタログ化サービスの実装事業 VUILD株式会社 小規模林業事業者のマイクロ六次産業化支援 森庄銘木産業株式会社 林業(農業)獣害被害低減事業 510GREENWORKS株式会社 未使用材の定期購入で楽しい木工ライフを手軽に 株式会社Molick 検索回数に応じて森に道を作る検索エンジン事業 ミリオンペタル合同会社 マウンテンバイカーと森林組合の森林活用事業 株式会社舗材サービス アカエゾマツの森林と恵の循環事業 VUILD株式会社 続・小規模林業事業者のマイクロ六次産業化支援 株式会社フランウッド 『フランウッド』(国産針葉樹材のハードウッド)の林業還元モデルと普及拡大の実証 株式会社はんぽさき 「境界明確化」「路網整備」「造林」における情報管理を飛躍的に向上する格安アプリの実証 株式会社Foreque DXを応用させたものづくり体験コンテンツの開発と実施 宮城十條林産株式会社 ドローン活用の成功体験による異分野技術導入インフラの構築 This material is confidential and the property of JISSUI. 1

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 本ガイドラインは、異分野事業者の森林・林業分野への参入を促すことを目的として、 これらの実証事業の事例を分析・整理したものである。 本ガイドライン のねらい ✓ 森林・林業分野における異分野からの参入を推進する。 ✓ 上記において、重要なポイントやよくある失敗などを周知し、成功確率を高める。 主な 想定読者 ✓ 森林・林業分野への参入に興味がある異分野事業者 主な コンテンツ ✓ 17件の実証事業を”価値の生み方”軸でパターン化したモデルとそのポイント ✓ 異分野事業者とのコラボレーションを行いたい森林・林業事業者 ✓ 上記パターン毎における、実証事業者の事例や工夫のtips This material is confidential and the property of JISSUI. 2

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 17件の新規事業を分析すると、”価値の生み方”に6つのパターンが存在した。 価値の生み方のパターン 森林・林業分野の 異分野技術導入 実証事業の位置付け 新たな価値の創出 (売上アップ) 異分野人材が森林のフィールドや素材を 活用して新たな価値を創出 ◼ フォレストデジタル(株) ①森林コンテンツ活用 ②森林フィールド活用 ③未利用素材活用 ◼ 久万造林(株) ◼ 森庄銘木産業(株) ◼ ミリオンペタル(合) …等 ◼ VUILD(株) ◼ (株)Andeco ◼ (株)foreque …等 ◼ フランウッド(株) ④木材機能改良 業務の効率化 (コストダウン) 現場の本質的な課題を理解している事業者が 異分野技術を活用して業務を効率化 ⑤人がやる業務の 機械・システム代替 ⑥業務自体の 削減・組み替え ◼ ジオサーフ(株) ◼ (株)はんぽさき ◼ 国土防災技術(株) ◼ 宮城十條林産(株) This material is confidential and the property of JISSUI. 3

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 価値を生むパターン毎に、ぶつかる課題や必要なリソースが異なる。 本ガイドラインでは、パターンを整理のうえ、参考になる事例を取り纏めた。 価値の生み方のパターン 森林・林業分野の 異分野技術導入 主な課題 異分野の 新たな価値の創出 (売上アップ) 異分野人材が森林のフィールドや素材を 活用して新たな価値を創出 業務の効率化 (コストダウン) 現場の本質的な課題を理解している事業者が 異分野技術を活用して業務を効率化 ①森林コンテンツ活用 コンテンツを作り続けられる ビジネスノウハウ 体制・仕組みを構築できるか (継続性&拡張性の確保) ②森林フィールド活用 活用事例を横展開して 多対多のマッチングにできるか (山主探索&ニーズ収集) ③未利用素材活用 製品自体の価値をどれだけ 高めることができるか。 (ブランディング&マーケティング) ④木材機能改良 素材提供に留まらず、自ら 顧客開拓・価値訴求ができるか。 (利用者目線のサービス設計) ⑤人がやる業務の 機械・システム代替 現場ニーズと技術を両方理解し 現実的な仕様に落とし込めるか (要件定義&システム設計) ⑥業務自体の 削減・組み替え 現場の業務改革や制度変更 とタイムラインをあわせられるか (コンサル&プロマネ) 森林・林業の 理解・入り込み This material is confidential and the property of JISSUI. 4

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン ”林業事業者”も、その活動方針により“大きい林業”と”小さい林業”に大きく別れる。 それぞれの課題とKPIの違いにより、相性の良い異分野事業者の取り組みが存在する。 林業事業者の分類 大きい林業(薄利多売型) 小さい林業(高付加価値型) 代表的な事業者 ✓ 森林組合およびその下請けとなる林業事業体 ✓ 自伐/自伐型林業を営む個人 林業経営の方針 ✓ 主に皆伐・再造林施業 ✓ 主に長伐期・多間伐施業 保有設備の傾向 ✓ 高性能林業機械や重機等の大規模設備 ✓ チェーンソーや軽トラックなどの小規模設備 ✓ 一人あたりの生産性向上に向けた機械化 ✓ 設備投資額に見合う生産量の追求 ⇒設備稼働率がKPI ✓ 立木あたりの価値向上に向けた事業の多角化 ✓ 少ない生産量で生活を営むための付加価値の追求 ⇒損益分岐を超える売上がKPI 売上 費用 収益 事業活動の課題とKPI 総原価 損益分岐点 利益 売上 費用 収益 利益 総原価 変動費 変動費 損益分岐点 固定費 固定費 売上高 相性の良い 異分野事業者の取り組み 業務の効率化 (コストダウン) 売上高 新たな価値の創出 (売上アップ) This material is confidential and the property of JISSUI. 5

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価値の生み方パターン別整理 新たな価値の創出(売上アップ):①森林コンテンツ活用

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【①森林コンテンツ活用】 (価値の生み方) “森林”に関する情報・素材をコンテンツ化することで、森や地方への興味を喚起する。 事例①:フォレストデジタル社 ◼ 壁や天井に自然の動画を投影する”デジタル森林浴”を、クラウド サービスとしてスペースを有する事業者に提供。 興味喚起 コンテンツ 消費者 森林 ◼ リラックス効果や、集客効果、投影コンテンツへの興味喚起などを 提供価値とし、コンテンツはクラウド上で適宜アップデートされる形 で月額課金をするビジネスモデル。 素材加工 コンテンツ化 森林関連の 素材収集 コンテンツ 配信 事業者 コンテンツ 提供 素材提供 素材 提供者 素材料 支払 コンテンツ料 支払 媒体 提供場所 This material is confidential and the property of JISSUI. 7

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【①森林コンテンツ活用】 (課題) 単発のイベントやセミナーではなく、継続的にコンテンツが配信される仕組みが必要。 ◼ 既存の取り組みは、森林・林業関係者による単発的なイベントやセミナー等に留まる。事業として成立させるには、継続的に コンテンツが生成され、配信され続ける仕組みをサービスとして確立させる必要がある。 興味喚起 コンテンツ 消費者 森林 素材加工 コンテンツ化 森林に関するコンテンツ素材は 森林関係者の”知る人ぞ知る” 属人的な情報が多い。 森林関連の 素材収集 コンテンツ 配信 事業者 コンテンツ 提供 素材提供 素材 提供者 素材料 支払 コンテンツ料 支払 イベントやセミナーなどの 単発コンテンツでは、十分な数の 消費者へ届けることができない 媒体 提供場所 This material is confidential and the property of JISSUI. 8

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【①森林コンテンツ活用】 (事例:フォレストデジタル社) “デジタル森林浴”の価値に、学術的なエビデンスを付与して継続的な利用ニーズを創出。 ◼ 森林総合研究所との共同研究により、”デジタル森林浴”のリラックス効果を論文化。これにより、コンテンツの提供価値を、 “リラックス空間”と定義することで、継続的に利用するユースケースを創出した。 森林総研との共同研究・実証実験 唾液・脈拍の測定 論文化とエビデンスの発表 心理状態のアンケート This material is confidential and the property of JISSUI. 9

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【①森林コンテンツ活用】 (事例:フォレストデジタル社) 素材収集に林業関係者の協力を仰ぐことで、より尖ったコンテンツを作ることができる。 ◼ 林業関係者に、360度カメラの撮影方法などをレクチャーし、各者が”知る人ぞ知る”独自のスポットを撮影。 ◼ コンテンツ化するメリットを、短期的な金銭的メリット以外(地域のPR、森林産業への興味喚起等)で説明することが重要。 ◼ 同時に、コンテンツ配信側では拡張性を担保した開発を行い、場所やビジネスモデルの制約を減らすことで市場規模を拡大。 素材収集 林業関連事業者に 撮影方法をレクチャーし 独自のスポットを撮影依頼 「地元の森林の良さを知ってもらう」等の 短期的な金銭メリット以外の価値を共有 コンテンツ化 360度カメラの撮影動画を 壁・天井に投影できる形に 加工・クラウド化 配信 部屋の広さや天井の 高さに応じてコンテンツを 自動補正する仕組み コンテンツの配信方法の拡張性を高めることで 場所やビジネスモデルの制約が減り、市場規模を拡大 This material is confidential and the property of JISSUI. 10

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【①森林コンテンツ活用】 (事例:フォレストデジタル社) オフィス関連事業者との連携によって、コンテンツ提供先の開拓を加速。 ◼ オフィス環境構築事業を有するオカムラ社へ提案し、2022年12月に2拠点へ導入。 ◼ オフィスに対する導入実績を創出するとともに、オカムラ社の顧客提案メニューとして展開していく関係性を構築 ◼ ⇒2023年3月に販売パートナー契約を締結。オカムラ社が全国に有する販売網を活かして共同提案を推進。 同じ顧客価値(オフィス環境改善)を提供する事業者との事業提携を実現 引用)フォレストデジタル株式会社プレスリリース(2023年3月)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000069887.html This material is confidential and the property of JISSUI. 11

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価値の生み方パターン別整理 新たな価値の創出(売上アップ): ②森林フィールド活用

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【②森林フィールド活用】 (価値の生み方) “森林を活用したい”ニーズを捉えて、適切な森林フィールドとマッチングしていく。 事業スキームの概要 事例①:久万造林社(多用途誘致型) ◼ 皆伐跡地を、再造林地と森林フィールド活用地をに分ける。 ◼ 森林フィールド側は地域の事業者にレンタル。MTB大会、写真撮影 等、様々なイベントに活用し、その収益から造林費用を捻出。 活用 フィールド 利用者 山主 利用許可 利用許可 利用許可 調整 フィールド 探索依頼 フィールド 把握者 利用希望者 集客 事業者 利用者 探索依頼 事例②:森庄銘木産業社(単用途展開型) 利用者 コミュニティ ◼ 初心者猟師と森林所有者をマッチングし、許可のある猟場を提供。 ◼ 猟師は森林利用料を支払う。その収入を活用した獣害対策や、実 際の猟の活動量が増えることで、獣害を抑制。 This material is confidential and the property of JISSUI. 13

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【②森林フィールド活用】 (課題) 多対多のマッチングができなければ、ビジネスモデルとしてスケールしない ◼ 一対一のマッチングは、事業者が間に入る価値が持続しない。 ◼ 山主orフィールド利用者のいずれかのコミュニティにアクセスできる事業者が、一対多のマッチングから始めることが有効。 活用 フィールド 利用者 山主 利用許可 利用許可 利用許可 調整 フィールド 探索依頼 フィールド 把握者 (例) ✓ 森林組合 ✓ 林業事業体 ✓ 自治体 …等 利用希望者 集客 事業者 利用者 探索依頼 利用者 コミュニティ 山主や、フィールド利用者とのネットワークを持つ事業者が 実施する(あるいはその協力を得る)ことが重要 (例) ✓ 競技団体 ✓ アウトドアコミュニティ ✓ 商工会議所 …等 This material is confidential and the property of JISSUI. 14

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【②森林フィールド活用】 (事例:久万造林社) 地域のコミュニティカフェで、森林フィールドを活用したいアイデアを先に収集していた。 ◼ 山主かつ造林事業者である久万造林は、自社ガレージ内でコミュニティカフェを運営。その顧客との交流のなかで、森林活 用に関するアイデア収集やマーケティングを行うことができており、初めから複数用途に使えるフィールド作りを検討した。 ガレージ敷地内を活用して コミュニティカフェを運営 地域の住民や事業者から 森林活用のアイデアを収集 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 地域の住民や事業者が自らが イベントを開催し、フィールドを使用 オフロードバイクコース マウンテンバイクコース ヨガ教室 フォトイベント キャンプ たき火 …等 フィールド設計前にニーズ収集ができていたため、 ある程度の利用を見込み、設計・着工することができた 顧客網を有する地域事業者が自ら企画・集客する ため、森林フィールド側は低リスクで貸し出しが可能。 This material is confidential and the property of JISSUI. 15

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【②森林フィールド活用】 (事例:森庄銘木産業社) 森林の利用許可が障壁となる狩猟等の用途では、地元林業関係者との連携が不可欠。 ◼ 森庄銘木産業のジビエ関連事業”カリツナギ”は、狩場が分からない新米罠猟師に対して、森林フィールドと地元罠猟師を マッチングすることで、新たな狩猟人口の増加につなげるサービス。 ◼ 許認可等も含めて自治体との連携も必須な取り組みであり、地元の歴史ある林業事業者である森庄銘木産業が自らハブと して機能することで、新米罠猟師が罠猟キャリアを開始するのに必要なリソースを集めることができた。 森庄銘木産業のジビエ関連事業”カリツナギ”の全体スキーム(実証中) 通常は協力を得るのに時間がかかるところ 地元の林業事業者が自ら実施することで プロトタイプを早期に実施できた This material is confidential and the property of JISSUI. 16

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価値の生み方パターン別整理 新たな価値の創出(売上アップ): ③未利用素材活用

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (価値の生み方) 未利用素材を、収集コストを上回る”高付加価値”商品に生まれ変わらせる。 事業スキームの概要 事例①:VUILD社(タンコロ×木材加工) ◼ 森林に放置されているタンコロを、 Shopbotを活用して加工。 山主 収集 回収事業者 収集許可 収集依頼 出品調整 広報 小売 EC ◼ 自伐等の小規模林業事業体が、自ら最終製品を製作・販売するこ とで収入を得て、持続可能な暮らしを実現させる。 出品 事業者 デザイン依頼 製造依頼 デザイン 製造 素材仕様を 提示 事例②:Andeco社(広葉樹×デジタルカタログ化) ◼ 現状ではチップ材として売るしかない広葉樹林において、用材とし ての価値がある立木に電子タグを付与することでデジタルカタログ 化し、高単価で売れる川下を確保した状態で伐採を行う。 購入 エンド ユーザー This material is confidential and the property of JISSUI. 18

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (価値の生み方) 未利用素材を、収集コストを上回る”高付加価値”商品に生まれ変わらせる。 事例③:foreque社 (杉の葉・製材所灰を活用した土産物開発) ◼ 森林に放置されている杉の葉を活用して、エッセンシャルオイルを抽出。エッセンシャルオイルを 大量に活用するワークショップ開発ならびに、土産物開発を行い、林業従事者の副収入に。 ◼ 製材所の乾燥機に用いられる杉端材の灰を釉薬に活用。灰の産廃処理費用を削減するとともに、 製材事業者の副収入に。 This material is confidential and the property of JISSUI. 19

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (課題①) 高価格帯の最終製品の作り方と売り方を知っているプレイヤーがチームに必要。 ◼ 最終製品の価格帯とロット数によって、素材回収や製造工程にかけられるコストが変わる。基本的にこれまで価値が無かっ た素材なので、相当高価格帯に振る前提にならないと、結果素材は集まらない。 ◼ 地域性やストーリーは、買うきっかけにはなるが、高単価の理由にはならない。エンドユーザー視点での価値を高める製品 づくりが重要になる。 山主 単価が低いと、損益分岐点を 超えるには多くの素材が必要 ⇒収集コストも上がってしまう 収集 回収事業者 収集許可 収集依頼 出品調整 広報 小売 EC 出品 購入 エンド ユーザー 事業者 デザイン依頼 製造依頼 素材仕様を 提示 デザイン 製造 最初から高単価の マーケティング・商品づくり を志向する必要がある This material is confidential and the property of JISSUI. 20

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (事例:VUILD社) 地域の自伐型事業者とデザイナーが協業し、タンコロを活用した自社製品を開発中。 自伐型事業者と連携して 伐採時の未利用材を回収 建築家・デザイナーを巻き込んだ ハッカソン・プロトタイピング タンコロの活用方法を探る“タンコロハッカソン”を開催。タンコロという素材に 興味を持ったデザイナーが、地域の林業事業者と共同でプロダクトを企画開発するに至った。 地域の自伐型事業者と デザイナーが共同で製品企画 VUILD社が有するデザイン・加工ツールにより 林業事業者が自ら製品の製造・販売が 可能になり収入アップにつながる。 This material is confidential and the property of JISSUI. 21

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (事例:Andeco社) 高単価商品を扱う川下側のニーズを基に選木し、立木段階でデジタルカタログ化を行う。 有用な広葉樹に電子タグを付与 選木者によって、広葉樹に見い出せる需要・使い方が異なる ⇒エンドユーザーを巻き込んで選木基準を作っていく デジタルカタログ化して情報公開 川下側のニーズを基に施業が可能になる。 This material is confidential and the property of JISSUI. 22

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (事例:foreque社) 地域の“旅館”の課題解決に資する商品として設計し、観光客への販売協力体制を構築。 ◼ 高単価の商品を販売するうえで、既に購買行動を取っている”観光客”にアプローチするのは重要。森林・林業が盛んな地域 においては、地元の観光・旅行事業者との連携が必要不可欠。彼らの課題に確り寄り添うことが、協力を得るポイント。 EC等 全国 消費者 事業者 観光関連 事業者 地域の旅館事業者は、コロナ禍の影響により 2つの大きな経営課題を抱えていた。 観光客 (観光客へアプローチする重要性) ✓ 既に消費行動を起こしている ユーザーであり、購買確度が高い ✓ 現地に来ているので、地域の ストーリーの価値を伝えやすい。 foreque社は、宿泊客への体験価値向上に資する 商品・サービスとして旅館側と共同で商品を企画・設計。 体験ワークショップ 課題① 顧客単価アップ コロナ禍で一度離れた顧客の数は完全に元には戻 らない。そうなると、顧客の体験価値を向上させ、顧 客単価をアップさせる必要があった。 課題② 人手不足 コロナ禍で従業員も一部離れてしまったこともあり、 従業員の採用・定着率向上を進めなければ、人手不 足で業務が回らない状況もあった。 土産物 食事 旅館スタッフが販売やサービス提供を行う体制を構築。 商品のストーリーを説明していくなかで、従業員自身が 地元に愛着が増すことで、定着率向上の効果も期待。 This material is confidential and the property of JISSUI. 23

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (課題②) “小さな林業”との連携には、業務の繁閑や、設備投資力の低さを考慮する必要がある。 ◼ 未利用素材の収集については、大きな林業よりは小さな林業の方が連携の相性が良い。 ◼ 一方、小さな林業のプレイヤーは、資本力は低く、収入も比較的不安定なため、その特性を考慮してお互いに無理の無い 連携体制を構築する必要がある。 製造工程における乾燥のボトルネック 山主 収集 収集許可 収集依頼 回収事業者 製材 ◼ 簡易製材機(ウッドマイザー等)が普及し始めてお り、地域でのシェアリング等も含めて事例あり。 乾燥 ◼ 設備の大規模化が進んでおり、効率化も進む中、 地域製材所の乾燥機のシェアリング等は進み難い。 加工 ◼ 簡易加工機(shopbot等)が普及し始めており、 地域でのシェアリング等も含めて事例あり。 事業者 デザイン依頼 製造依頼 素材仕様を 提示 デザイン 製造 未利用素材の回収における林業従事者の繁閑 季節単位の繁閑 日単位の繁閑 (地域や業態毎に繁忙期が異なる) (雨天時は突発的に手が空く) This material is confidential and the property of JISSUI. 24

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (事例:foreque社) 若手の新規就業者に対して、雨天時の仕事として杉の葉の収集・仕分け業務を発注。 ◼ 杉の葉を集めるだけのために、一日の時間を使うことは単価的に難しい。 ◼ ①他業務の”ついで”に実施できる業務、②雨の日など他業務が無い際に自分のペースで実施できる業務、の2つを組み合 わせると、(特に収入がまだ低い)若手新規就業者との連携を進めやすい。 日常の業務の合間に杉の葉を収集 雨の日などに、室内で枝と葉を仕分け エッセンシャルオイルを抽出し ワークショップや地ビール製造に活用 林業の新規就業者(地域興し協力隊等)に対する副業として依頼 雨天時に可能な軽作業であるため、特に若手・女性の就業者との相性が良い。 This material is confidential and the property of JISSUI. 25

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【③未利用素材活用】 (事例:VUILD社) 自然乾燥と簡易乾燥を併用して、低コストで木材を乾燥させる工程を開発。 ◼ 高単価・高品質の木工製品を製造するには、一定の乾燥工程が必須だが、小さい林業との連携において、通常の大規模な 木材乾燥設備を導入することは難しい。 ◼ 必ずしも既存の乾燥機と同等水準の乾燥を目指さず、コスト重視(目標価格50万円以下)での設計により、林業従事者が自 ら導入可能な価格を実現する。 ⚫ また、乾燥機兼サウナの用途を検討するなど、別の付加価値も付けることで、費用対効果を高める。 ①天然乾燥 (約6か月間) ②ビニールハウス乾燥 (約2か月間) ③天然乾燥+簡易乾燥機 天然乾燥 (約6ヶ月間) 目標価格 30万円以下 目標価格 50万円以下 サウナとしての 体験型サービスにも 活用可能 15-20%程度までは乾燥可能 ⇒建築用材としての用途では有効 2-3日で10%以下に ⇒内装材・木工品にも対可能に This material is confidential and the property of JISSUI. 26

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価値の生み方パターン別整理 新たな価値の創出(売上アップ): ④木材高機能化

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【④木材高機能化】 (価値の生み方) 木材に対して、物理的・化学的処理を施すことで、高機能化した素材として展開する。 事業スキームの概要 山主 事例①:フランウッド株式会社 (針葉樹のフラン樹脂加工によるハードウッド化) 市場 ◼ 耐久性が向上することにより、二酸化炭素の長期固定が可能。 脱炭素効果の高い素材として、各パートナーと設計・企画を推進。 収集 伐採事業者 ◼ 国産のスギ・ヒノキに対して、フラン樹脂加工を施すことで 比重・強度・耐久性を高め、外壁やウッドデッキを始めとした 高級ハードウッドの用途に適用可能にする技術を開発。 収集依頼 製材・化学処理 加工工場 事業者 情報提供 木材商社 納品 情報提供・納品 設計事務所 工務店等 提案・設計 施主 This material is confidential and the property of JISSUI. 28

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【④木材高機能化】 (課題①) 既存の商流に流すだけでは、既存商品と同じ価格感・施工方法でしか扱われない。 ◼ 設計事務所や工務店が木材の調達先を決定する機能を有するが、高機能化した木材の活用方法・価値訴求方法を十分に 理解できる事業者は多くない。素材のみを提供しても、その価値を十分に発揮できる利用方法にはならない。 ◼ 一方施主側には、脱炭素などもトレンドも含めて、木質化・木造化に対するニーズは増加・多様化の傾向あり。素材の機能 を十分に発揮できる施主や施工方法を検討する必要がある。 伐採事業者 収集依頼 製材・化学処理 加工工場 事業者 情報提供 木材商社 商習慣的に、設計事務所や工務店が木材の調達先の決定しているが、 必ずしも木質化・木造化の専門性を有する事業者ばかりではない。 納品 情報提供・納品 当該商品の価値や活用方法が十分に理解されないと、施主に対する 提供価値が薄れ、結果として既存商品と同じ価格感でしか取り扱われない。 設計事務所 工務店等 提案・設計 施主 This material is confidential and the property of JISSUI. 29

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【④木材高機能化】 (事例:フランウッド社) “素材業者”の枠を超えて、木質化・木造化を推進するパートナーとして業務に入り込む。 ◼ フランウッド社は、展示会への参加等をきっかけに、設計事務所や施主からの直接引き合いを得ることに成功。単なる素材 ではなく、脱炭素などのブランディングを協働で実施していくパートナーとして協業体制の構築を進めた。 伐採事業者 収集依頼 製材・化学処理 加工工場 事業者 情報提供 木材商社 ①設計者・施主に対する直接販売 初期は商社の既存商流に載せることなく、施主・設計・施工と一気通貫で 関与できる顧客のみに販売し、本製品が最も価値を出せる使い方から訴求。 納品 情報提供・納品 設計事務所 工務店等 ②共同ブランディング ①の中で、素材の機能的な価値以上に、”脱炭素”などのブランディングを 施主と共同で実施することで、素材としての機能以上の提供価値を付与 していくことを目指す。 提案・設計 施主 This material is confidential and the property of JISSUI. 30

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【④木材高機能化】 (課題②) 一定規模の需要と、素材安定供給の見込みが立たなければ、量産化に踏み切り難い。 ◼ 素材に木材を活用する限り、工場と素材生産地の地理的な関係は、コスト・製造安定性に大きく影響する。その観点では、 素材生産地毎に工場を分散して立地させるのが望ましい。 ◼ 一方、化学的処理などを行う場合、設備規模がコストに大きく影響する。その観点では、大工場に集約させるのが望ましい。 ◼ 結果として、一定程度のロットの需要と、素材の安定供給の見込みが立たなければ、量産化に踏み切るのが難しい。 集約立地 or 分散立地 かさばる木材の収集⇒分散メリット大きい 伐採事業者 木材収集範囲 市場 木材調達 事業者 構造的に スケールメリットが 相反する 製材・化学処理 加工工場 素材収集コスト大 工場加工コスト小 素材収集コスト小 工場加工コスト大 化学的的処理⇒スケールメリット大きい This material is confidential and the property of JISSUI. 31

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【④木材高機能化】 (事例:フランウッド社) 素材調達・製材までは地域事業者と連携して分散し、化学処理については集約化 木材収集範囲 木材収集範囲 木材収集範囲 製材 製材 製材 素材生産事業者が、地域の休眠製材所を活用する等をして 自ら製材まで実施し、化学処理を行う工場まで運搬。 最終製品自体が高単価であるため、 素材生産事業者にもメリットがある価格感で素材収集が可能 工場自体は集約化。 段階的に、資金調達と並行して工場をスケールアップさせていく。 高単価 需要家 This material is confidential and the property of JISSUI. 32

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【④木材高機能化】 (事例:フランウッド社) ニッチ層・ハイエンド層を先に獲得し、その成果をもって段階的にスケールアップしていく。 生産 体制 資金調達 ターゲット 顧客 資金調達 小規模 高単価 意匠性訴求 意匠性訴求 意匠性訴求 (ニッチファン) (ニッチファン) (ニッチファン) 低炭素ブランド訴求 低炭素ブランド訴求 (ハイエンド) (ハイエンド) メンテフリーの機能性訴求 (マジョリティ) 大規模 低単価 機能的価値が訴求可能になるのは、十分な資金調達ができ、量産化が実現した後。 その手前で、小規模高単価のターゲットから段階的に実績を積み上げていくことが重要。 This material is confidential and the property of JISSUI. 33

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価値の生み方パターン別整理 業務の効率化(コストダウン): ⑤業務の機械・システム代替

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (価値の生み方) 既存の業務フローを大きく変えずに、現場で使える機械・システムを導入していく。 事例①:ジオサーフ社(調査業務のドローン化) ◼ 林内を飛行できるドローンを活用し、飛行しながら位置情報、画像・ 動画情報を取得する。 ◼ 得られたデータを林内3Dデータや地図上に落とし込み、森林資源 調査・境界線確定業務等に必要なデータ収集業務を自動化する。 事業スキームの概要 林業事業体 事業者 企画提案 導入支援 機械・システム 導入 技術提供 事例②:はんぽさき(位置情報共有・地図配信アプリ) ◼ 等高線・林小班・森林計画図・森林簿など、林業従事者が必要とす る情報を統合してスマートフォンにて表示できるアプリケーション。 現場 技術者 ◼ 林業従事者がGIS処理をすることなく、サービス運営側から地図・ 地理的情報を配信が可能。その地理情報の上で、グループメン バーが互いの現在地・軌跡等を共有しながら行動できるもの。 This material is confidential and the property of JISSUI. 35

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (課題①) 業務と技術の両方を理解し、現実的な使い方や仕様に落とし込むプロセスが必要。 ◼ ニッチな林業用途に、最初から技術をフルカスタムしてしまうと、林業事業体が導入できる単価ではなくなってしまう。 ◼ 技術の導入にあたっては、まず当該技術が最も活きる活用方法や顧客を特定することで、カスタム領域を減らせる。 ◼ その利用実績を積み上げるなかで、解像度の高い顧客ニーズを捉え、最適なカスタム仕様の企画・設計が可能になる。 林業事業体 事業者 企画提案 導入支援 機械・システム 導入 現場 技術提供 現場ニーズのうち、重要性・緊急性などで 仕様の優先順位を付け、段階的に 開発・導入していく必要がある。 ⇒開発チームに現場経験者が必要 技術者 現場の声を全て聞いても、コスト感は合わない 既存技術を押しつけても、現場ではそのまま使えない ⇒一旦そのまま使える現場があるかを探す This material is confidential and the property of JISSUI. 36

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (事例:ジオサーフ社) 森林組合へのヒアリングを基に、対象業務を、難易度の割に負荷の高い領域にシフト ◼ 境界確定の業務は、業務負荷が高いが、位置情報と画像が取れさえすれば、ドローン等で代替可能な業務。 ◼ 開発当初は皆伐前の樹高・直径の計測等の業務代替も候補としていたが、境界確定の方が現行機器の精度でも対応でき る可能性が高く、当該領域のドローン代替をターゲットに再設定して段階的な実装を目指している。 現状の業務負荷 (頻度、時間、体力) 優先対応領域 ●境界確定 (現地立ち会い) ●間伐前後の状況把握 (現地検査対応) 難易度 (必要データ数、精度) 杭が見えれば 境界確定が可能 ●路線経路の検討 ●皆伐前材積確認 (樹高、直径) 当初想定していた用途 立木位置や太さ、地上高まで 精度高く計測する必要がある This material is confidential and the property of JISSUI. 37

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (事例:ジオサーフ社) 技術革新の速い要素には可変性をもたせ、トレンドに応じて適宜アップデートしていく。 ◼ 比較的難易度が低い業務への試験導入を先行し、実証期間中の技術革新に対応していく。 ◼ 特にカメラ、GPSなどの日進月歩な技術については、予め交換可能な仕様にすることが重要。 ◼ ハードウェアは交換が難しいため、ソフトウェアで対応可能な領域を予め多めに設計しておくことも重要。 製品仕様の可変性を担保したプロダクト作り 試作1号機 固定部分 • ドローン本体(飛行機構) 可変部分 • • • • 搭載カメラ 搭載GPS 制御システム 分析ソフトウェア 現行仕様で対応できる範囲で まずは現場で使ってもらう 試作2号機 本格導入 • (最新verで交換・アップデート) • (最新verで交換・アップデート) カメラ等の技術革新をある程度見込んで 将来的な活用範囲を検討していく This material is confidential and the property of JISSUI. 38

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (課題②) 小規模な組織では、多額の投資を回収できるほどの効率化は出来ない。 ◼ 林業事業体全般として小規模な事業者が多く、大きな投資体力を有する事業者は少ない。 ◼ 補助金を活用した設備等の導入については一定程度意思決定がなされるが、継続的に費用が発生する業務効率化のツー ルについては、業務改善に向けたモチベーションが高い事業者(人数規模が大きく、効率化の効果が一定期待できる…等) でないと、高い費用を払い続けることはできない。 ツール導入の 投資対効果が出せる 組織規模 ●●業務を 効率化するツール 実際の 組織規模 ✓ そもそも●●業務の量がそこまで多くなく、改善のモチベーションが低い。 ✓ イニシャルコストは補助金で賄えたとしても、その後のランニングコストが賄えない。 ✓ 組織規模に見合った支払い可能金額では、開発費用を賄えない。 This material is confidential and the property of JISSUI. 39

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (事例:はんぽさき社) 漁業・登山等、他用途とも仕組みを共通化していくことで、”激安”を実現する。 はんぽさき社の開発指針とポイント 【開発目標】 安価で効率的な地理的情報管理・地図配信を、森林・林業業界の中で当たり前にする。 【開発指針】 ①圧倒的に安くする ③初期仮説を信用せず 顧客が求める方向にピボットする ②多業界向けに汎用化する 漁業 位置情報共有 地図配信アプリ 林業 (共通仕様) 登山 一次産業業界でのツール普及において、”安さ”は最重要事項 ⇒多業界向けに汎用化することで、課題解決可能なユーザー数を増やすことができ、課金額の安さを正当化できる。 (本サービス”LivMap”は、1ユーザー680円/月 (予定)で提供予定) This material is confidential and the property of JISSUI. 40

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (事例:はんぽさき社) 複数地域・複数事業者と同時並行で実証を進めることで、共通課題を抽出する。 はんぽさき社の開発指針とポイント 【開発目標】 安価で効率的な地理的情報管理・地図配信を、森林・林業業界の中で当たり前にする。 【開発指針】 ①圧倒的に安くする 顧客A 顧客B 顧客C ②多業界向けに汎用化する 共 通鵜 課呑 題み をに せ 抽ず 出 ③初期仮説を信用せず 顧客が求める方向にピボットする Ex.写真共有機能 開発者 顧客D 特定顧客に売ることを目的とせず、課題把握のためにヒアリング ⇒複数の課題を纏めて解決できる機能を開発。 ⇒特定顧客や補助金の有無に依存しない事業モデルを構築可能。 ✓ 自治体: 災害時の状況共有に使いたい ✓ 林業事業体: 林道設計の際の情報共有に使いたい ✓ 他産業(登山等) 危険な場所などの情報共有をしたい 写真と位置情報を クローズドな範囲で 共有できる機能を実装 This material is confidential and the property of JISSUI. 41

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (事例:はんぽさき社) ユーザーヒアリング・実証では、”本質的なフィードバック”をくれる人の声を重視していく。 はんぽさき社が実施したヒアリング・実証の方法 A地域 B地域 C地域 都道府県職員にヒアリング 地域事業者の紹介依頼 (複数地域で並行) (複数地域で並行) ”本質的なフィードバック”をもらえそうなユーザーを 自治体経由して紹介してもらい、ヒアリング・実証を実施。 フィードバック内容を重視すべきユーザーの特徴 先進的な取組に積極的な 事業者からヒアリング (複数地域で並行) (複数地域で並行) ヒアリング事業者と 実証実験を実施 (複数地域で並行) (複数地域で並行) ✓ 一定程度のITリテラシーを有する (クライアント/サーバの仕組みの理解等) ✓ 担当業務や経験業務が幅広く、業務上の 課題を俯瞰・時系列で捉えられている。 ✓ 既存のツールを組み合わせて、何かしらの 形で課題を解決しようとしている。 実証結果を踏まえて開発内容を検討 システム開発・新機能実装 フィードバック内容について、重視すべき意見とノイズを 判別しながら、実装すべき機能を検討していく。 各地域の 他事業者へ展開 各地域の 他事業者へ展開 各地域の 他事業者へ展開 This material is confidential and the property of JISSUI. 42

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑤業務のシステム化・機械化】 (事例:VUILD社) 林業従事者が自ら設計・調達できる環境を用意することで、徹底的なコスト削減を図る。 ◼ 林業従事者向けに簡易乾燥機を開発するVUILD社は、特別な知識不要で、パラメトリックに躯体デザインができる仕組みを 用意。かつ、一部部品はホームセンターで調達できるものを活用する等で、設計費や部材運送費を大幅に削減可能。 パラメトリックに簡易乾燥機の躯体をデザイン 簡易乾燥機のセルフビルドキットの販売 躯体用の木材部品を 加工+発送 ホームセンターで 薪ストーブ・ポリカ板等を調達して 林業従事者が自ら組み立て ※)開発中につき、画像は現行サービスのものを引用。 This material is confidential and the property of JISSUI. 43

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価値の生み方パターン別整理 業務の効率化(コストダウン): ⑥業務自体の削減・組み替え

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (価値の生み方) 特定の技術等を活用し、現場の業務を制度も含めて抜本的に変えていく。 事業スキームの概要 事例①:国土防災技術社(下刈り省力) ●成長促進剤の開発(下刈り回数の削減) 国 自治体 補助制度等 変更 フジミンForest フジミン®とコンポスト資材を混合して石膏で固めた植物活性剤 (2022年4月リリース予定)製品規格:10kg/袋 企画提案 導入支援 林業事業体 フジミンと比べて ① 降雨でじっくりと溶けて土壌に浸み込むため、効果の持続性が向上 ② 肥料成分を含有しているため、生育促進効果が向上 ③ 水で希釈する必要がないため、作業効率が向上 事業者 企画提案 導入支援 業務改革 ●忌避剤の開発(獣害対策業務の組み替え) 技術提供 現場 技術者 ●種子散布手法の開発(植林業務の廃止) 富士見工業で開発 This material is confidential and the property of JISSUI. 45

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (価値の生み方) 特定の技術等を活用し、現場の業務を制度も含めて抜本的に変えていく。 事例②:宮城十條林産(ドローン&WEB GIS) ◼ ドローンを有するが十分に活用しきれていない事業体に対して、 計測・解析に関する実務の研修・サポートを行う。 ◼ 機体自体の動作はドローン代理店が研修し、宮城十條林産社がそ の活用方法に係る業務全般をカバーする形で連携体制を構築。 ◼ WebGISツールをmapry社と共同開発。 ◼ 事業者と自治体の両方が当該ツールを導入することで、ドローンで 得たデータを基に、現地検査を省略していく取組を加速させること を目指す。 This material is confidential and the property of JISSUI. 46

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (課題①) 導入までに時間がかかるため、長期プロジェクトとして進める体力とマネジメント力が必要。 ◼ いま実施している業務を「やらなくてよい」ことを証明するには時間がかかる。予め手戻りを起こさないプロマネが重要。 ◼ 本格導入には、現在の業務の前提となっている国・自治体の制度も変えていく必要がある。 ◼ 開発コストを回収していくには、他用途(土木、自然調査…等)への適用も並行して検討する必要がある。 業務自体の削減・組み替えにつながるプロダクトの導入の流れ 効果試験 パイロット導入 目的 • 特定条件において、どの程度 効果がでるかを検証 • 実際に導入するにあたっての 業務上の課題等を抽出 • 投資回収 導入対象 • 試験区画 • 可能であれば複数地域に設定 • 地域の先進的な事業者 • 可能であれば複数地域に設定 • 全国の事業者 国 自治体 • 制度変更に向けた渉外・基準作り 本格導入 • 補助金制度等の変更 This material is confidential and the property of JISSUI. 47

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (事例:宮城十條林産社) 早めに最初の成功体験を得られるよう、ドローンを使った業務全体の設計・運用まで支援。 ◼ 早めの成功体験が不可欠。一方、異分野技術をいきなり使いこなせる林業従事者は多く無い。 ⚫ 異分野技術は、早めの成功体験が得られないと、「やっぱり使えない」というレッテルが地域や事業者間に広まってしまう傾向にある。 ◼ ドローンを使って業務をどう効率化するか、その業務全体をマニュアル化し、実地研修等でフォローすることで、「自分達でも できる」「何だ便利じゃないか」という感触を最初に得られれば、そこからは徐々に自走し始める。 業務全体をカバーするマニュアル 実際にマニュアル通りに実施してみる研修 This material is confidential and the property of JISSUI. 48

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (事例:宮城十條林産社) ドローン販売代理店と連携して、機体販売・研修サービスを事業者の成長にあわせて提供。 ◼ これまで宮城県内でドローンショップ仙台は、販売代理店としてドローン販売と機器操作の研修サービスまでは提供するも、 事業体の実務までは踏み込めておらず、ドローンを十分に活用しきれていない事業者も多く存在する状況だった。 ◼ 宮城十條林産社は、ドローンショップ仙台との連携体制を構築。機体面と実務面の両方に係る研修サービスを設計すること で、事業者がドローンを実務面も含めて使いこなせるところまでフォローできる体制を整えた。 ①計測・解析サービス ④研修サービス(実務) ②機体販売 ③研修サービス(ドローン) DS 当 社 自 ら 計 測 不 可 能 な 林 業 事 業 体 仙 台 移行 ⑤解析サービス な 林 業 事 業 体 自 ら 計 測 可 能 (高度な機体販売) This material is confidential and the property of JISSUI. 49

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (事例:国土防災技術社) 林業の地域性・長期サイクルという特性を考慮し、複数並行して検証を進める必要がある。 ◼ 予め複数の地域や現場により試験地を設定しておき、同時並行で進めることで、地域特殊性やその他外部要因の影響を極 力減らすことができる。 ◼ なお、複数地域での試験地設定には、森林組合との連携が有効。都道府県担当者に主旨を説明のうえ、森林組合担当者を 紹介してもらう流れが推奨される。 ◼ なお、考慮すべき要素については、地域を超えて事例を知っている学者・業界団体(日本森林技術協会等)等に技術的アド バイスをもらうことも有効である。 試験地の設定方法(イメージ) A地域 (九州地域、鹿多、急傾斜) B地域 (中国地域、鹿多、急傾斜) C地域 (関西地域、鹿少、緩傾斜) A-1 A-2 A-3 B-1 B-2 B-3 C-1 C-2 C-3 ●●実施 ●●実施 ■■実施 ■■実施 ●●実施 ●●実施 ■■実施 ■■実施 ●●実施 ●●実施 ■■実施 ■■実施 対照区 (何も実施しない) 対照区 (何も実施しない) 対照区 (何も実施しない) This material is confidential and the property of JISSUI. 50

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (事例:国土防災技術社) 実証したい項目以外の外部要因で、1年以上の手戻りが発生するリスクがある。 事例①:成育状態を整えられなかったことによる手戻り ◼ 成長促進剤の効果検証において、実証地の土壌状態が悪く、植栽した苗木の多くが枯損してしまった。 ◼ 苗木の状態が悪く、通常の苗木より枯損率が高く、本来測定したかった成長促進効果が分かり難くなった。 ◼ これらを踏まえて、今後は必要に応じて地質改良材なども使用し、成育状態を整えたうえで検証 ◼ ⇒時間がかかる実証事業に手戻りをかけないように、外部要因を極力排除したうえで複数地域で実証するべき。 (ボトルネックを認識して実証を計画できるか) 事例②:プロダクトの効果検証と、使用方法の検証を同時に実施してしまったことによる手戻り ◼ 例)忌避剤の効果検証において、ドローン散布を試みたが、ダウンウォッシュの影響等もあり上手くいかなかった。 ◼ 例)上記を踏まえて散布方法を手動に切り替えたところ、鹿の忌避効果が確認できた。そのうえで、散布効率につ いては並行して複数方法を別途検証を進めている。 ◼ ⇒できる方法から順番に実装して、成果を積み上げていくなかで、将来的な制度変更に向けて渉外していくべき。 (検証項目を事前に明確にし、必要な実証方法のパターンを計画できるか) This material is confidential and the property of JISSUI. 51

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (課題②) 地域毎にルールや運用が異なり、全国に普及していくプロセスが不明確。 ◼ 森林・林業関係のルールや補助事業などは、国が大枠を設計したうえで、実際の運用は各都道府県・市区町村に委ねられ ている部分が大きい。 ◼ 例えばドローンによる検査業務の省力についても、林野庁としては一定の方針を出しているが、それを具体的な仕様まで落 としているのは、2022年度時点で東北地域では宮城県のみというのが現状。 ◼ それ以外の地域では、どういったドローンで、どういった検査であればよいのかが定められていないため、事業者側も思い 切った投資・業務改革が行い難い。 都道府県 林野庁 ドローン活用の指針 検査要領への反映 検査省略の実績 宮城県 省略可能を明記 仕様記載あり 実績有り ●●県 省略可能を明記 仕様記載無し 実績無し ●●県 省略可能の記載無し 実績無し 対応状況が 地域毎に異なる ①異分野事業者としては、どこから参入すればよいか分からない ②特定地域に参入したあと、全国展開する目処が分からない。 This material is confidential and the property of JISSUI. 52

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 【⑥業務自体の削減・組み替え】 (事例:宮城十條林産) ルールが柔軟な地域から入り、その成果を周辺地域に横展開していく。 ◼ 宮城十條林産においては、ドローンを活用した補助金申請業務の効率化にあたって、当該ルールが整備され、かつ実際に 活用実績のある宮城県、徳島県を中心に、コンサルティング事業を展開。 ◼ 当該実績を踏まえて、東北各県のルール整備を推進し、徐々に展開地域を広げていく戦略を採る。 宮城十條林産社の地域展開 先行導入地域① 宮城県 ✓ 検査省略が可能な形に検査要領が対応(○) ✓ ドローンの具体的な仕様が詳細まで規定(○) ✓ 検査省略の実績有り(○) 東北各県 全国展開 先行導入地域② 徳島県 ✓ 検査省略が可能な形に検査要領が対応(○) ✓ ドローンの具体的な仕様が詳細まで規定(△) ✓ 検査省略の実績有り(○) 先行導入地域で実績を作ることで、徐々に他地域の ルール整備も進んでいく This material is confidential and the property of JISSUI. 53

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まとめ

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン まとめ 森林というフィールド・素材を活用する事業は、林業従事者のみではプロダクトアウトの発 想になりがち。高付加価値の商品づくりができる異分野事業者とのコラボが重要である。 ◼ 付加価値を高める取り組みは、小回りの効く”小さな林業”のエコシステムとの連携が相性が良い。 ◼ 事業としての拡大可能性(スケーラビリティ)を確保するうえで、地域を越えた山主等のネットワーク構築が必要。 価値の生み方のパターン 森林づくり分野の 異分野技術導入 主な課題 新たな価値の創出 (売上アップ) ①森林コンテンツ活用 コンテンツを作り続けられる 体制・仕組みを構築できるか (継続性&拡張性の確保) ②森林フィールド活用 活用事例を横展開して 多対多のマッチングにできるか (山主探索&ニーズ収集) ③未利用素材活用 製品自体の価値をどれだけ 高めることができるか。 (ブランディング&マーケティング) ④木材高機能化 素材提供に留まらず、自ら 顧客開拓・価値訴求ができるか。 (利用者目線のサービス設計) 異分野事業者のノウハウを活用した高付加価値の商品を、”小さい林業”のプレーヤーとの協業で作りあげていく This material is confidential and the property of JISSUI. 55

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン まとめ いずれの取組も、価格設定を最初にしていることがポイント。高価格帯の商品・サービスを ベンチマークしながら、観光事業者等の周辺事業者との協働体制の構築が求められる。 ◼ 設定した価格に応じて、商品設計・営業戦略を立てていく。 ◼ 観光事業者や設計事務所など、自社の商品を扱う事業者の課題解決まで検討することが重要。 ポイント① 価格設定・高価格帯商品のベンチマーク ポイント② 周辺事業者との協働体制 foreque社 フォレスト デジタル ⇒星野リゾートの土産物をベンチマーク して、価格設定とパッケージをデザイン フランウッド社 デジタル 森林浴システム オフィス 事業者 オフィス環境 提案 企業 ⇒初期は南洋材(イペ等)の代替材として 価格設定し、それにあわせてブランディング foreque 地域産品と ストーリー 旅館 体験価値 向上 宿泊客 フランウッド 高機能木材と 脱炭素ブランディング 設計会社 脱炭素 ソリューション 施主 ⇒ただモノを売るのではまく、周辺事業者の 課題解決・価値向上につながる形で提供する This material is confidential and the property of JISSUI. 56

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン まとめ 林業への技術適用は難しくて時間がかかり、製品を開発しただけでは使われない。現場 実務と技術の両方を理解し、業務も含めて見直していく”SIer”的な存在が求められる。 ◼ 業務効率化を進める取り組みは、資金力のある”大きな林業”のエコシステムとの相性が良い。 ◼ 時間がかかることを前提に、”できることから”、”同時並行で”進めていくことで、実績を積み上げていくことが必要。 ◼ 技術者が林業の実務の全体像を把握するのは非常に時間がかかる。林業事業者自らが、異分野技術等への理解を深めて、 主体的に必要な技術を組み合わせていくことが、”林業SIer”となる近道ではないか。 価値の生み方のパターン 森林づくり分野の 異分野技術導入 主な課題 業務の効率化 (コストダウン) ⑤人がやる業務の 機械・システム代替 現場ニーズと技術を両方理解し 現実的な仕様に落とし込めるか (要件定義&システム設計) ⑥業務自体の 削減・組み替え 現場の業務改革や制度変更 とタイムラインをあわせられるか (コンサル&プロマネ) “大きな林業”の実務に理解が深いプレーヤーが、異分野技術を主体的に組み合わせて、業務課題を解決していく This material is confidential and the property of JISSUI. 57

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森林・林業分野における新事業開発ガイドライン まとめ 一方、事業体の規模が小さい状況では、異分野技術等導入の投資対効果は出にくい。 ①大規模事業者による先行実装、②多分野への汎用化、のいずれかが重要になる。 STEP0:異分野での業務経験 STEP1:事業者内での業務効率化 STEP2:林業SIerとして横展開 各種事業体 ポイント① 大規模事業者に よる異分野人材 の内部化 各種事業体 大規模事業体 各種事業体 ✓ 異分野技術等の企画・開発 ✓ 異分野経験を有する人材が、技術導入を 営業等の経験を有するが、 ペイできる規模感の事業者内に入り込み 業界内部までは踏み込めていない。 中から業務効率化を図る。 ポイント② 共通仕様化に よる市場規模の 拡大・拡張 林業 登山 防災 共通仕様 共通基盤 ✓ 多分野への展開を前提として、共通仕様・ 共通基盤の構築に対して投資する。 (当初は赤字となるため、リスクマネーが必要) ✓ 当該人材が、技術と業務の両方が分かる 人材となり、異分野技術等の横展開を推進 ⇒ルール整備が加速し、所属事業体に とっても有利な業務環境が整っていく。 林業 登山 防災 共通仕様 共通基盤 ✓ 林業分野での実績を基に、多分野へ展開を進める ✓ ユーザー総数が増え、安価での提供が正当化される。 This material is confidential and the property of JISSUI. 58