スタディストにおけるOSSガイドラインの策定

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March 01, 24

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関連スライド

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 @corrupt952

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 ⾃⼰紹介 ● 長谷川 和樹 / Kazuki Hasegawa / @corrupt952 ● 株式会社スタディスト プロダクト技術責任者 & 茨谷企画(個人事業) ● 趣味 … 読書・ゲーム ○ ● グラブルリリンクの完成度が高くて良い エンジニア・学生がゆるく集まって交流できるような 物理空間を作りたい confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 オススメの店 ゑびす本店 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストのサービス紹介 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved. 4

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スタディストのサービス紹介 ビジュアルベースの⼿順書で”伝えるを”もっと簡単に マニュアル作成‧共有システム 導⼊社数 confidential 2,000 社 海外100社 国内 Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved. 5

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 ⽬次 1. スタディストのOSS 2. OSSガイドラインの策定までの道のり confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 話すこと‧話さないこと ● 話すこと ○ OSSガイドラインの策定までの簡易的な話 ● 話さないこと ○ 経緯の詳細などの長くなりそうな話 時間が短いので他に聞きたい方は交流会で話しましょう🚀 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストのOSS紹介

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 スタディストのOSS 社内で作成する必要のあるライブラリは、コードを公開する前提で進めることが多く、スタディストには以下のよ うなプロジェクトがあります。 ※ 他にもありますが、一部のみ抜粋 ● scimaenaga ○ ● fluent-plugin-timestream ○ ● ScimRailsをForkして機能追加した Gem Fluentdで利用可能な Timestreamプラグイン sleepydog ○ confidential Clojure向けのDatadog Tracer Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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OSSガイドラインの策定までの道のり

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 ガイドライン策定の⽬的 スタディスト社内でのガイドライン策定の目的は、以下の 2つを明確にするために開始しました。 ● 業務に関連するコードの著作権の帰属ルール ● 業務に関連する OSS活動による勤怠ルール これまでは、暗黙的によしなに進めていたものを一定範囲で明確化し、 「組織・従業員ともに問題の発生や認識のずれを事前に抑止する」というのも別の目的としてありました。 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 業務に関連するコードの著作権の帰属ルール 著作権帰属のルールでは、基本的に業務中に書いたコードは組織に帰属します。 しかし、業務で利用している OSSライブラリや、 元々個人で開発していたライブラリを業務時間内で変更や開発 を行うケースが発生しますが、この時の著作権帰属に関する疑問が生じる可能性があります。 ● 業務で利用している OSSに変更を加えた場合 ● 業務で利用されている従業員個人で開発した OSSを業務時間内で改善や開発を行う場合 ● 業務中に新規の OSSライブラリやコードを開発して公開する場合 帰属ルールを決めることの目的は、業務でのコード開発や OSSへの貢献における不確実性を解消し、会社・従 業員双方にとって透明性・公平性を担保したルールを決めることにありました。 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 業務に関連するOSS活動による勤怠ルール 帰属ルールとも関連していますが、業務に関連する OSS活動に関する勤怠ルールについては曖昧で、以下の ようなケースを明確にしておくことが目的としてありました。 ● 業務に関連する OSS活動を業務時間中に行った場合(個人プロジェクトも含む) ● 業務に関連する OSS活動を業務時間 外に行った場合 また、これらを明確にしておくことで、組織としても労務的・法的なリスクを一定低減させることもできます。 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 ⼤まかな流れ ガイドラインを策定するための大まかな流れは、以下になります。 1. 草案を作成する 2. 労務・法務に頭出しをして調整する 3. 労務・法務のレビューを元に修正する 4. 社内の正式ルールとして明文化する confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 ガイドラインの草案 ガイドラインの策定には、 SmartHRさんの OSSガイドラインを参考に草案を作成しました。 これをベースに主に以下 2つについて労務・法務と合わせて 社内ルールとしてスタディスト用にローカライズしました。 ● 著作権の帰属ルール ● 勤怠ルール confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 著作権の帰属ルールをどうするのか? 著作権の帰属ルールを定める過程で行った主要な作業について紹介します。 帰属ルールを明確にするため、法務部門との綿密な連携が必要とされました。 ● 法務への頭出し ● 法務からのレビューとルールの修正 社内では協力的なこともあり、スムーズに進めることができました。 また、認識ずれや理解不足な点は綿密に連携するような協力体制で臨みました。 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 勤怠ルールをどうするのか? こちらも基本的には著作権の帰属ルールと同様の流れになります。 ● 労務・法務への頭出し ● 労務・法務からのレビューとルールの修正 ここでは、従業員による OSS活動が勤怠ルールに違反しないように落とし所を見つけるのが主要な作業になり ました。 焦点となったのは「 OSS活動」に該当する活動を社内で認識を合わせることに多くの時間を使いました。 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 ガイドラインの策定 これらの議論を元に社内で正式なルールとして決めることができました。 ガイドライン策定以降、これを参照しながら作業を進めてくれています。 元々はよしなにやっていた暗黙的なルールが一定明確になったことで働きやすさや労務的・法的リスクが低減 したとも言えます。 社外秘扱いになっているため現在ガイドラインの公開はできませんが、 開発部の公式ドキュメントである「ハンドブック」というサイトに載せ、 はれて正式なルールとすることができました。 いずれは社外にも公開したいですね。 confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 幸運だったこと 策定までの流れを振り返り幸運だったことが 3つありました。 これらがなければ策定できなかったかもしれないですし、より多くの時間のかかっていた可能性が高いです。 ● スタディスト社内の労務・法務が協力的であったこと ● 法務から技術界隈の特異性を理解している著作権の研究をしている方への相談ができたこと ● SmartHRさんが高品質な OSSガイドラインを公開してくれていたこと confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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まとめ

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 まとめ ● ● ● OSSガイドラインの策定する目的は以下 2つを明確にすること ○ 業務に関連するコードの著作権の帰属ルール ○ 業務に関連する OSS活動による勤怠ルール SmartHRさんのOSSガイドラインが参考になる ○ これがなかった場合は社内での議論はかなり時間がかかっていた可能性アリ ○ 完成度が高いため一読してみる価値アリ 明確になったことで OSS活動や、コードの公開ルールも以前よりかは分かりやすくなった confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 近いうちにスタディストとして OSSプロジェクト‧開発者を⽀援していきたい confidential Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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スタディストに興味を持ったら 気軽に声をかけてください🚀

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おまけ

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スタディストにおけるOSSガイドラインの策定 個⼈で⽀援している組織/開発者 全てのプロジェクトを支援できているわけではないですが、個人事業の売上の一部で支援しています。 ● Homebrew ○ ● aquaproj ○ ● CLIツールのバージョン管理マネージャー @koic ○ ● 言わずと知れたパッケージマネージャー RuboCopなどのコミッター @sosukesuzuki ○ confidential Prettierのメンテナー Copyright © 2023 Studist Corporation. all rights reserved.

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