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November 17, 25
スライド概要
ウェルスナビ株式会社 技術広報チームの公式アカウントです。
ウェルスナビ 新データ分析基盤へ の移⾏の取り組み 1
⾃⼰紹介 髙橋 貞治(Sadaharu Takahashi) ウェルスナビ株式会社 データ基盤開発チーム / マネージャー 職歴 モバイル向けエンタメコンテンツ運営会社を経て、 ウェルスナビへ⼊社。異業種となる⾦融業界へ 2 @2025 WealthNavi Inc.
アジェンダ 1. プロダクト紹介・扱うデータ 2. 組織・チーム紹介 3. 新データ基盤移行 4. 今後の課題や取り組み 3 @2025 WealthNavi Inc.
1. プロダクト紹介・扱うデータ 2. 組織・チーム紹介 3. 新データ基盤移行 4. 今後の課題や取り組み 5. 4 @2025 WealthNavi Inc.
プロダクト紹介 全自動の資産運用サービス ● ● ● ● 2016年リリース 預かり資産約 1兆6,000億 円 運用者数約 45万人 国内 No.1 ※2 ※3 ※1 ロボアドバイザーとして マーケットを牽引 ※1 一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2025年3月末 現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 ウエルスアドバイ ザー社調べ(2025年6月時点) ※2 2025年9月26日時点 ※3 2025年6月30日時点 5 @2025 WealthNavi Inc.
プロダクト紹介 個人向け金融プラットフォームを目指す 資産運⽤からサービス領域を拡⼤してお客様をサポートできるよう、 個⼈向け⾦融プラットフォームを⽬指した取り組みを継続 ※画面はイメージです 6 @2025 WealthNavi Inc.
これからのウェルスナビ ロボアドバイザーおよびMAPの普及拡⼤のため 三菱UFJ銀⾏と国内最⼤規模のデジタルバンクを⽴ち上げ、⼀体運営する MAP(Money Advisory Platform) ウェルスナビ デジタルバンク MAP ロボアド 保険 MAP embed PFM (個⼈資産 管理) 次世代アプリ 共通のコーポレート機能 (経営管理、⼈事、コンプライアンス、コーポレートITなど) ※画面はイメージです 7 @2025 WealthNavi Inc.
データの種類① お客様の資産運⽤に関わる中核的なデータ 入金 出金 積立設定 積⽴⼊⾦‧クレカ⼊⾦ スポット⼊⾦など 出⾦履歴 出⾦依頼‧状況 積⽴⼊⾦の設定状況や 変更履歴 NISA 証券投資 NISA⼝座の利⽤状況 成⻑枠‧つみたて枠 評価額 保有証券 3 8 @2025 WealthNavi Inc.
データの種類② 資産運⽤ 以外の顧客属性や⾏動データ 問い合わせ内容 口座開設 セキュリティ 問い合わせ内容 返答内容 ⼝座開設状況 NISA⼝座開設状況 多要素認証(パスキー設定) の状況 顧客情報 MA・CRMツール 共通ID アクセス状況、属性情報、 ⼊⾦額、リスク許容度 MarketoやKarteなどの マーケティングデータ ウェルスナビIDと 顧客の紐付け 3 9 @2025 WealthNavi Inc.
扱うデータのこれから ⾦融プラットフォームのデータを集約して横断で分析できる基盤へ 資産運用 データ分析基盤 連 携 中 保険 資産管理 AWS BigQuery データパイプラ イン データ ウェルスナビ ID基盤 (プロダクト共通の ID) 10 MAP TBD TBD @2025 WealthNavi Inc.
1. プロダクト紹介・扱うデータ 2. 組織・チーム紹介 3. 新データ基盤基盤移行 4. 今後の課題や取り組み 11 @2025 WealthNavi Inc.
チームとデータ基盤の変遷 分析用テーブルの運用破綻から、新チーム発足〜新データ基盤への移行へ 2023年末 2024年初頭 2024年7⽉〜 〜2025年10⽉ データエンジニア管理 の分析⽤テーブルの 運⽤が破綻 体制変更に伴い、 他チームと統合 データエンジニアチー ムに新メンバーが着任 新データ基盤への 移⾏を進捗 2024年初頭 2024年〜 2025年3⽉ 事業側での 分析⽤テーブルの運⽤ 開始 新データ基盤 プロジェクト発⾜ データ基盤開発 チームが独⽴ 12 @2025 WealthNavi Inc.
チームとデータ基盤の変遷 社内で使う全 KPIの分析用テーブルの運用破綻・チーム再編 2023年末 2024年初頭 データエンジニア管理 の分析⽤テーブルの 運⽤が破綻 体制変更に伴い、 他チームと統合 分析テーブル 1680カラム 1つのテーブルに共通的な KPIが集約 ・ユーザー側は使い勝手が良く追加が促進 ・データエンジニア側では全ての KPIの把握 と保守が困難に 2024年初頭 事業側での 分析⽤テーブルの運⽤ 開始 A事業チーム 分析テーブル 13 B事業チーム 分析テーブル @2025 WealthNavi Inc.
チームとデータ基盤の変遷 新チーム発足〜新データ基盤への移行へ 金融プラットフォーム化を目指し 複数プロダクトに対応すべく、 新データ基盤のプロジェクトが立ち上がる 2024年7⽉〜 〜2025年10⽉ データエンジニアチー ムに新メンバーが着任 新データ基盤への 移⾏を進捗 マネージャークラスのメンバーが着任し プロジェクトを進捗 データ基盤チームが再独立して 新データ基盤の移行を進めている 2024年〜 2025年3⽉ 新データ基盤 プロジェクト発⾜ データ基盤開発 チームが独⽴ 14 @2025 WealthNavi Inc.
組織とチーム体制 事業側 データ分析体制 データマネジメント データ基盤開発 アライアンス 共通データの管理 施策分析を実施 ローデータ管理 マーケティング データアナリティクス カスタマーサービス ⾃治区(後述)管理 データを使った システム開発‧運⽤ 顧客影響のある数字 の算出 顧客エンゲージメント 15 @2025 WealthNavi Inc.
1. プロダクト紹介・扱うデータ 2. 組織・チーム紹介 3. 新データ基盤移行 4. 今後の課題や取り組み 16 @2025 WealthNavi Inc.
旧データ基盤の課題 なぜ新データ基盤構築が必要になったか 単⼀事業のみを前提とした基盤 ● 創業から資産運⽤のみの事業構成であったため、特にDWHのデータ設計が事業追加を考慮されてい なく、⾦融プラットフォーム化を⽬指す会社の⽅向性に対応できないことが⾒えてきた 運⽤的な課題 ● 肥⼤化し破綻した分析テーブルの代替となるテーブルが、事業部署で複数作成される ● 集計の属⼈化、同じようなKPIの数値が、異なるテーブル間で定義される品質の問題が発⽣ 技術的な課題 ● データ基盤を熟知したメンバーが不在。データ基盤の全様把握が難しくなった ● データパイプライン管理のEmbulkも障害頻発(内部DBのエラーなど) 17 @2025 WealthNavi Inc.
新データ基盤構築へ データ利⽤システム データ設計 データパイプライン 全てを⾒直し、作り直すことに 利⽤ツール リリースフロー データ運⽤⽅法 18 @2025 WealthNavi Inc.
データ基盤の課題と解決 「単⼀事業」の課題解決 旧データ基盤 新データ基盤 BigQueryのプロジェクトがロボアド単⼀ 事業を前提としていて、事業追加するよ うに設計されてなかった ● プロジェクトを再定義 ● 事業別と全社共通で使⽤するプロジェ クトを定義し作成し、事業追加に対応 ● コストも利⽤事業に乗るよう設計 ウェルスナビ KPI 事業A rawデータ 分析用データマート群 中間データ群 全社共通 過去の名残りの数々 19 rawデータ 共通テーブル 各自治区 システム用 ウェルスナビ ID 外部データ 外部データ @2025 WealthNavi Inc.
データ基盤の課題と解決 「運⽤」の課題解決 旧データ基盤 新データ基盤 ● 事業部別での分析テーブルの作成 ● 複数チームで使⽤するKPIを洗い出 し、共通テーブルを作成 ● 共通テーブルはデータエンジニアの管 理として品質担保 ● 運⽤による属⼈化と、品質担保の問題 ● 同じようなカラムのKPIが存在し、定 義が曖昧なデータが発⽣ ● 事業側での運⽤負荷が発⽣ ● 事業チーム別のデータセットを⾃治区 として提供 ● ⾃チームのみで使⽤するKPIやPoc的 に取りたいデータは⾃治区で⾃由に作 成できるように 20 @2025 WealthNavi Inc.
データ基盤の課題と解決 「技術的負債」の課題解決 旧データ基盤 新データ基盤 旧データ基盤に詳しいメンバーの不在 となり、運⽤が困難に 旧データ基盤を最低限必要なシステム・ ワークフローに絞り移行 ワークフロー管理の Digdagが頻繁に障害 アップデートもできず都度火消し状態 マネージドサービスの MWAAをメインとして ワークフロー管理 リリースや障害対応が非効率 (本番サーバーに入り実行確認もインフラ チーム依頼が必要 etc) リリースフローの整備により、インフラチー ムへの依頼を局所化 21 @2025 WealthNavi Inc.
新データ基盤アーキテクト全体像 関連システムなど KPI用 スプレッドシート 資産運用 社外 KPIレポートメール送 信 キャンペーン達成者 抽出システム 各種CRM・MAツール とのデータ連携 22 @2025 WealthNavi Inc.
新データ基盤アーキテクト全体像 主な特徴 ● Airflowによる全ワークフローの可視化 →旧基盤ではできてなかった ● EKSコンテナ内に個⼈情報を直接扱う 処理を集約 →外部チームリリースの対象 ● データパイプライン同⼠の連携をシン プルに(dataset駆動で連携) →連携を把握しやすくなった ● MAツールからAPIで取得していた処理 をバルクローダー(Appflow)を利⽤ →メンテコストを省⼒化 @dag( dag_id="sample_dag", start_date=datetime(2025, 1, 1), schedule=[dataset], # データセット更新を待ち実行 23 @2025 WealthNavi Inc.
新データ基盤の移⾏の振り返り① 良かった‧達成できた点 ● 移⾏するにあたり、全てのワークフローやシステムを調査したので、歴が浅いメンバーの中 全ての処理内容やCRM‧MAツールの理解が進んだ ● 技術選定経緯などのADR(Architecture Decision Record)の作成と、発⽣する⼿順や各開発シ ステムのREAD ME‧⼿順書の作成を⾏った ● 新しいシステムを開発したが担当が異なるケースが発⽣したので、ナレッジ共有を定期的に実 施した もう⼀歩‧改善点 ● 各所からのデータ抽出をAppflowにまとめるが理想だったが、全てのツール‧APIに対応して おらず結構Pythonを書いた→技術選定は全てを⾒通すのは中々に難しい 24 @2025 WealthNavi Inc.
1. プロダクト紹介・扱うデータ 2. 組織・チーム紹介 3. 新データ基盤移行 4. 今後の課題や取り組み 25 @2025 WealthNavi Inc.
今後の展望 データ基盤を「強く」するために取り組みたいこと アーキテクトの強化 複数プロダクトデータの投入 データカタログの導入 ・複数プロダクト投入前に カタログの運用フローを固める →AI Readyなデータの状況に ・データ基盤とワークフローの複 数プロダクト化 ・データを利用したシステムも 複数プロダクト対応に 26 ・デジタルバンクや複数プロダクト でのデータ増大への対応 →データ連携方法やアーキテク チャの改善強化 @2025 WealthNavi Inc.
データカタログの導⼊ ● データ基盤運⽤での1つの課題はドメイン知識 ○ サポートの1つとして、データ内容の問い合わせ対応が多い ○ 新しいデータ抽出を⾏う場合、⾃分たちも開発担当に問い合わせることが多い ○ 共通テーブルを作成したが、その細かい定義も⾔語化して整理したい 複数プロダクト投入前に整備へ Geminiも助けてくれそう 27 @2025 WealthNavi Inc.
複数プロダクト投⼊&アーキテクト強化 ● 複数プロダクト対応 ○ ○ ○ ○ 事業ごとのデータソースの違い 個人情報のリスク 分析したいKPIの定義 関連ツール( CRM・MA)のマルチプロダクト化 ● アーキテクト強化・改善 ○ ○ ○ マネージドツールのバージョンアップ戦略 デジタルバンク開業による、データ増大への対応 ■ データの連携処理の見直し etc 全量洗い替え処理の改善 ■ データ処理時間の削減・コスト対策にも 28 @2025 WealthNavi Inc.
Appendix 1 定期的にWealthNaviの開発(技術‧組織)に関する情報を発信しています。 開発者ブログ 技術広報に関する お問い合わせ先 https://zenn.dev/p/wn_engineering ブックマーク追加や記事への「いいね」していただけると嬉しいです ウェルスナビ 技術広報チーム([email protected]) 29 @2025 WealthNavi Inc.
Appendix 2 ウェルスナビでは複数の開発系ポジションで採⽤を強化しています。 データエンジニア モバイル開発エンジニア エンジニアリングマネージャー バックエンド開発エンジニア QAエンジニア 主な採⽤中職種 ● ● ● ● ● 採⽤情報詳細 下記URL(QRコード)よりご確認ください。 https://recruit.wealthnavi.com/ 採⽤に関する お問い合わせ先 ● ● 「カジュアルに話を聞いてみたい」という温度感でも構いません。 ウェルスナビ採⽤チーム([email protected])までご連 絡お待ちしております。 30 @2025 WealthNavi Inc.
【重要な注意事項】 ● 本資料は、断定的判断を提供するものではなく、情報を提供することのみを⽬的としており、いか なる種類の商品も勧誘するものではありません。最終的な決定は、お客様⾃⾝で判断するものと し、当社はこれに⼀切関与せず、また、⼀切の責任を負いません。 ● 本資料には将来の出来事に関する予想が含まれている場合がありますが、それらは予想であり、ま た、本資料の内容の正確性、信頼性、完全性、適時性等を⼀切保証するものではありません。本資 料に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は⼀切の責任を負いません。また、当社は、新 しい情報や将来の出来事その他の情報について、更新⼜は訂正する義務を負いません。 ● 本資料を利⽤することによりお客様に⽣じた直接的損害、間接的損害、派⽣的損害その他いかなる 損害についても、当社は⼀切の責任を負いません。 商号等:ウェルスナビ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第2884号 加入協会:日本証券業協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 31 @2025 WealthNavi Inc.
ご清聴ありがとうございました 32 @2025 WealthNavi Inc.