知識ゼロ・経験ゼロでもマップは作れる “作り続ける”ことで見えてきた道 | Unreal Fest Tokyo 2025

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December 05, 25

スライド概要

本講演へのアンケートにご協力をお願い致します:
https://forms.gle/avZnAnuYqG66At2H8

講演動画:
https://youtu.be/UrQS-IM5nEw

講演内容:
UEFNを用いたマップ開発のプロセスを、企画から開発、テスト、運用に至るまで各工程に沿って解説しています。
さらに、プレイ数を伸ばすための工夫や考え方を具体例を交えて紹介。
後半では、技術的なノウハウにスポットを当て、シーングラフを活用したマップ制作の実例や、実際に公開する中で見えてきたメリットや注意点についても詳しく共有しています。



講演者:
ICE_N(個人インフルエンサー)

ICE_Nについてはこちら:
https://x.com/ice_n_game

Unreal Fest Tokyo 2025公式サイト:
https://www.unrealengine.com/ja/events/unreal-fest-tokyo-2025

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Unreal Engineを開発・提供しているエピック ゲームズ ジャパンによる公式アカウントです。 勉強会や配信などで行った講演資料を公開しています。 公式サイトはこちら https://www.unrealengine.com/ja/

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

UEFNなら知識ゼロ・経験ゼロからでもマップは作れる! “作り続ける”ことで見えてきた道 ICE_N #unrealfest

2.

2 #unrealfest

3.

プロフィール ICE_N ● 2023.6よりUEFNに取り組み ● 公開マップ数 65マップ ● 総プレイ数 500万 ● 1マップでの最大同時接続数 5K ● Epicイチオシ 4マップ選定 3 #unrealfest

4.

目次 ● UEFNとは ● ノウハウ ● 概念 ● 技術 ● さいごに これまでの開発からの気づきがベースになります。 私自身の憶測や考え方が入るため、ご了承ください。 4 #unrealfest

5.

UEFNとは 5 #unrealfest

6.

UEFNとは ● Fortniteにて自分で開発したマップを制作、公開するツール ● 公開したマップではFortniteユーザがプレイ可能 6 #unrealfest

7.

ブランドへの対応 ● 対応するブランドゲームコレクション多数(どんどん増えている) 7 #unrealfest

8.

2024振り返りより 約15万円 約1500万円 約1.5億円 2024の振り返り https://www.fortnite.com/news/fortnite-ecosystem-2024-year-inreview-celebrating-creators-and-looking-ahead?team=personal 8 #unrealfest

9.

UEFNを使ったマップの作り方 ● UEに似たツールを利用し、仕掛けとVerseで制御する キャラクター、武器、アイテム、建物などが提供されている ● 仕掛けとは ● プレイヤースポナーの仕掛け ● 爆破の仕掛け・・など ● Verseとは ● 独自のプログラミング言語 ● 統合開発プラットフォームはVscode ※Verseは必須ではない 9 #unrealfest

10.

UEFNのメリット ● Fortniteのアセットが利用できる ● サーバを建てる必要がない ● 強力な集客がある(ディスカバリー) ● 幅広い世界観のマップが開発可能 ● 収益化が可能 10 #unrealfest

11.

ノウハウ(概念) 11 #unrealfest

12.

プレイ数の伸ばし方 ● プレイ時間を伸ばす ● 同時接続数を上げる ● この2つはセットで考えると良い ● プレイ時間が伸びると、同じタイミングでプレイされるため、同時接続数が上がることにつながる ● プレイ時間の長いマップとは?? ● 1回が長いマップ ● タイクーン、ローグライク、エスケープ、ストーリー(ホラー等)、ARPG、デスラン ● 短いラウンド×複数回 ● BOX FIGHT、タイムトライアル 12 #unrealfest

13.

プレイ数の伸ばし方 ● ディスカバリー ● ディスカバリーにどうやって載せてもらえるかが命綱 ● New & Updateに載り、数字次第で他のカテゴリに載るかが判定される ● 一度もディスカバリーに載らないマップもある ● 短時間で作ったマップが載らない傾向??(私の経験談のため憶測) ● お気に入り ● 以前にはなかった、クリエイターのお気に入りから、 プレイヤーごとのディスカバリーに挙がる仕組みができた お気に入りに登録されることで、新作が遊んでもらえる仕組みができたのは大きい! 13 #unrealfest

14.

ディスカバリー ● ディスカバリー ● ディスカバリーの上位にどれくらいの時間掲載されるかが肝 ● ほとんどの人は基本的にはディスカバリー頼みになるはず ● どうやったらディスカバリーに載るのかは公開されているので、要確認 ● しっかり更新する ● バグ対応 ● システム追加 ● ミニゲーム追加 ● 新武器、新アイテム追加 ● レベル配置変更 ↑ ここまではEpic頼みで主体的ではない 自分でできる努力・かつ最もやるべきなのは・・・ ディスカバリーの仕組み https://dev.epicgames.com/documentation/ja-jp/fortnite/how-discover-works 14 #unrealfest

15.

Epic Pick’s(Epicイチオシ) ● Epic pick’sに載せてもらえるようなマップを作る!! Epic pick’sは毎週4マップをハイライト 15 #unrealfest

16.

Epic Pick’s(Epicイチオシ) ● 選定基準 ● イノベーション(独自性、技術的な実現、楽しさがすべて) ● ゲームプレイ(仕組み、デザイン、リプレイ性) ● 環境 ● 選定の流れ ● Initial Review ● Playtest Review ● 確認 ● Final Review & スケジュール Epicイチオシ https://dev.epicgames.com/documentation/ja-jp/fortnite/epics-picks-in-fortnite 16 #unrealfest

17.

自マップ内での周遊(ポータル) ● 自マップの目立つところにポータルを設置 マッチメイキングポータルを ショップの横に設置 ● 配置場所 ● スタート地点 ● ストーリーものであればゴール地点 ● ショップの近く ● 配置方法 ● マップと同系統のマップ ● 最もアピールしたいマップ 17 #unrealfest

18.

自マップ内での周遊(ポータル) インプレッションが上がって、 プレイヤーがいるマップ ● マップ1つでは安定は難しい ● マッチメイキングポータルを設置して自分のマップ内で周遊してもらえる仕組みを 作ること プレイヤーがいるマップ にポータルを設置 18 #unrealfest

19.

マップ作りの流れ ● 企画 ● 検証 ● アセット探し ● システム構築・レベルデザイン ● テスト ● 公開~運用 19 #unrealfest

20.

企画 ● 企画のみで時間は割かないようにしている ● 自分の持っているアセットから考える ● 前作を開発中に考える ● 複数候補のうち、どれがいいのかが分からなければ全部やるのでよいのでは? ● 考えたマップが面白いかどうかは遊んでみてやっと最終確認ができる →机上で面白いはず!と思ってもグレーボックスでは遊んでみるとかなり印象が変わる 作りながら改善し、いつの間にか面白くなっていくケースもある 公開後のアップデートで面白くなることも。 20 #unrealfest

21.

検証 ● UEFNのアップデートが入ったタイミングで実施 ● 検証から閃くことが多い ● 簡易的な機能検証のみではすべての問題は洗い出せない →作って、公開して、運用するしか問題は見いだせない 制約や非機能面の問題は運用して初めて気づくケースあり 例: ● シーングラフのsweepを利用してエンティティ配下にエンティティをつけまくるとラグがひどい →何個まで可能??ラグが発生する以上に配下にしたい場合はどうすればよい? ● プレイヤーの視点に合わせて、視点近くのメッシュを特定したい →タグを利用するけど、対象が膨大になったときはどうすればよい? 21 #unrealfest

22.

アセット探し ● Fab等のセールのタイミングで探す ● お気に入りのクリエイターの新作を見る ● アセットでできそうなマップを考える → アセットから閃き ● 最初は低価格のアセットでも購入に抵抗はあった まだ稼げてないのに・・という思いから パフォーマンスを考慮すると購入した方が圧倒的に良い場合は迷わず購入するようになった 購入額に見合わないケースはあるが、保証されないと動けないのであれば、機会損失 22 #unrealfest

23.

システム構築 ● タスク管理 セッション開始までの時間、待機しないように並行作業する ● Verse ● サムネイル ● プロモーション動画 ● アセット整理 ● アセット(共通的に活用できる自分の資産) ● 毎回利用するものはセットで管理する (game_manager,custom_player,custom_ui,player_data等) ● Utilityは育てていく ● 開発補助 ● GitHub Copilot ● Epic Developer Assistant 23 #unrealfest

24.

システム構築 ● やりがちなVerseでのミス ● 複数人、長時間でヘビーユーズした場合、ゴミが溜まるケースあり →テストしにくい、再現しにくいので気づきにくい 気づいても、複合的な問題で解決がしにくい プレイ数が伸びた時に気づき、後悔 ● 配列やマップに情報がたまり続ける ● 非同期処理を量産して、消していない ● 他のプレイヤーが再度同一サーバーに復帰した際にサーバーが落ちる ● 他のプレイヤーが離脱した際にサーバーが落ちる 24 #unrealfest

25.

テスト ● マルチプレイでのテスト時の観点 ● 1人でプレイ ● 途中参加(複数人プレイ) → 次のラウンドからスポーンする設定はありがち ● 離脱 ● 復帰 ● 安定テスト 25 #unrealfest

26.

ノウハウ(技術) 26 #unrealfest

27.

シーングラフ 「箱(エンティティ)」に 「モノや機能(コンポーネント)」をセットし、 「再利用(プレファブ化)できる エンティティ シーングラフのイメージ サッカーボール 落ち物ゲームの部品 サッカーボール メッシュ 落ち物ゲーム用のメ ッシュ 重力 コンポーネント コンポーネント 再利用 重力 再利用 他のコンポーネントと のぶつかり検知 プレファブ 他のコンポーネントと のぶつかり検知 叩くと逆方向に飛ぶ ぶつかったら破裂 ポイント コンポーネントの組み合わせで全然違うことが実現できる 27 #unrealfest

28.

シーングラフを使用したマップの例1 28 #unrealfest

29.

シーングラフを使用したマップの例1 ● アクションRPG ● シーングラフの活用例 ● オリジナル武器 ● 矢(生成・移動) ● 敵にヒット ● ヒットした敵のレベルから報酬計算 ● ゴールド ● 敵を倒すとゴールド生成 ● プレイヤーorペットがゴールドに近づくと吸収し、ゴールド加算 ● 宝箱 ● 宝箱の生成 ● 宝箱にインタラクト ● フタを開ける ● ゴールド噴出 ● ゴールド付与 29 #unrealfest

30.

シーングラフを使用したマップの例2 30 #unrealfest

31.

シーングラフを使用したマップの例2 ● モノをくっつけて巨大にするマップ ● シーングラフの活用例 ●球 ● プレイヤー前に生成 ● プレイヤーの動きに合わせて移動 ● プレイヤーが発射ボタンを押すと前方に移動(他のプレイヤーを妨害) ● 条件に合致したモノにあたるとくっつける ● くっつけるモノ(家具、車、家) ● 家具、車、家を生成 ● モノにレベルを設定し、プレイヤーのレベルに応じてくっつけるかどうかを判定 31 #unrealfest

32.

シーングラフのメリット ● コリジョンを簡単に検知できるようになった ● どのようなものにヒットしたかの判別が可能 →クリーチャー、NPC、プレイヤー、的 クリーチャーごとの経験値 32 #unrealfest

33.

シーングラフのメリット ● 動的にエンティティの親子付けができるようになった シーングラフを利用した場合 親エンティティ 親エンティティを動かすと 子エンティティがついてくる 子エンティティ 親子関係の解消も動的に可能 シーングラフを利用しない場合(建築小道具) 親小道具 子小道具 従来の仕組みでは 動的には設定はできない 事前にレベル配置する必要あり 33 #unrealfest

34.

シーングラフのメリット ● 小道具を事前に準備しなくてよくなった →メッシュの複数バリエーションを容易に実現 コンテンツドロワーのスタティックメッシュをVerseから指定可能 各メッシュで小道具を作る必要がない! 従来は100のメッシュがあれば100の小 道具を作る必要があった メッシュコンポーネントをverseで指定す るのみ 34 #unrealfest

35.

シーングラフ利用時の注意 ● LUF座標系がベースのため、XYZ座標系との変換が必要 現状、LUF座標のみですべてを開発するのは不可能 例えば、fort_characterのGetTransform()はLUFにないなど・・ フルパスでXYZかLUFか指定が必要 XYZ→LUFに変換 35 #unrealfest

36.

シーングラフ利用時の注意 ● エンティティはアウトライナー上でフォルダ配下に入らない レベルの階層分けができない フォルダに入らない 36 #unrealfest

37.

マップ開発時の工夫点 37 #unrealfest

38.

マップ開発時の工夫点 ● 更新 ● サムネイル ● 更新の都度、A/Bテストを繰り返す ● システム ● システムは最初に作りきらず、更新で追加していく ● 初期リリースにすべてを入れることが重要ではない (最初にすべて出し尽くすと更新することがなくなる) 38 #unrealfest

39.

さいごに 39 #unrealfest

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クリエイターとしての本質を追い求めよう ● 作る楽しさ ● 遊んでもらえる喜び ● 革新的なゲーム性 ● プレイヤーに体験してほしいこと ● 表現したかった事 ・・・など 40 #unrealfest

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あるべき方向性 ● 同じようなマップばかりになると ● クリエイターが増えたことのメリットがない ● シナジーが生まれない ● ゲームジャンルを作らない限りはある程度、真似になる ● 最初はすでにあるマップを参考にしながら作るしかない ● ・・・が2,3マップ作れば作り方は分かるので、そこから先はオリジナリティが必要 ● 同じようなマップを作らないことで幅が出る 色んな発想のマップが増えることで フォートナイト自体の活気につながるはず 41 #unrealfest