【Docswell用】System Fixer-組織へシフトレフトさせるQAの在り方

>100 Views

March 07, 26

スライド概要

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-fukuoka-2026/proposal/49598/system-fixer-qa

※実際に発表したものからアニメーション等を抜いたものです

profile-image

大阪のテスターです

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

ダウンロード

関連スライド

各ページのテキスト
1.

組纖へシフトレフトするQAの或り方 や ま ず ん Scrum Fest Fukuoka 2026.3.7 11:25-11:45 天神トラック@ex-放生会 Short Session(20min)

2.

QA採用とか、その他相談受けるときによくある話 CTO・EM・QAマネージャー テスターは いらないわ テスト実行など “シフトレフト“ 大嫌いなの していたいわ バグを出さないQAを 求めているの 2

3.

どうして開発現場でシフトレフトが求められたのか ⚫ よくある理由:アジャイルテスティング、品質コストとか ⚫ “シフトレフト”でよくある例(アジャイルの用例) ※出典:JSTQB Foundation Level シラバスp.28 ⚫ 「テストをする観点から仕様書をレビューする」 ⚫ 「CIやCDを用いる」 ⚫ 「コンポーネントテストレベルで非機能テストの実施を始める」 要件定義 設計 プログラミ ング テスト 本番 もう十分だった はずでしょう? 3

4.

ほんまか? 4

5.

こういう感じの”層”なのでは? 現実・プロダクト 要件定義 設計 プログラミ ング テスト 本番 組織・ルール・システム 5

6.

ってことはもうすでに品質富士山で言及済み ログラス社 コタツさんの ログラスQAのミッション・ビジョン・バリューを策定しました, https://note.com/k_kotatsu1992/n/nd639aa4b5692 6

7.

ってことはもうすでに品質富士山で言及済み ここに働きかけたかった QAエンジニアの話 ログラスQAのミッション・ビジョン・バリューを策定しました, https://note.com/k_kotatsu1992/n/nd639aa4b5692 7

9.

組纖へシフトレフトするQAの或り方 や ま ず ん Scrum Fest Fukuoka 2026.3.7 11:25-11:45 天神トラック@ex-放生会 Short Session(20min)

10.

やまずんとは ⚫ バキバキQA/Dirty Tester ⚫ 昨年から個人事業主:やまずんを開業した ⚫ 大阪のテスター→駆け出しSystem Fixer ⚫ 椎名林檎が好き(aikoよりも) ⚫ 所属(コミュニティ) ⚫ testingOsaka ⚫ スクラム祭り 実行委員 ⚫ JaSST nano お世話係軍団 ⚫ バキバキQAチャンネル 10

11.

この発表の注意 ⚫ やまずんが所属する組織・団体とは関係ありません ⚫ さまざまな組織を見てきた内容を複合した体験を話します ⚫ やまずんはやまずんのことしか代表しません ⚫ (資料を後で見る人向け)スライドに記載された内容が全てで はなく、口頭で補足した内容もあります 11

12.

この発表のゴール(こうなっていてほしいという願い) ⚫ 「あいつが悪い」「人間性」でモヤ ついて終わるのではなく、「システ ムや構造に着目してみる」という視 点を持っている ⚫ それらに介入するための具体的な行 動のアイデアを持っている ⚫ 既存のロールにとらわれず、自分の 強みを活かした生き方を再定義する 勇気を持っている 12

13.

QAとしてのやまずん 13

14.

やまずんのQAエンジニアとしての特性 ※”QAエンジニア”にもいろいろあるのであくまで私の例です! ⚫ テストを専門性に持つQAエンジニア ⚫ やまずんのテストの捉え方:「現実で起こった問題」を言葉にすること ⚫ やがてテスト以外の現実で起こる“問題“を敏感に感じ取ってしま うようになる やまずんは口だ け達者な文句ば かり言うやつっ て意見もあるね ⚫ 本番でクレームに繋がってしまったけど、実は要件を策定している段階 で、作り手の違和感を感じていたが、取り込むことができなかったなあ ⚫ ふりかえりで合意したアクションや学びが、次の週には忘れ去られてし まい、同じことを何度も“学習”してる ⚫ 「私の職務の責任の範囲はここです」の間からすり抜ける、誰かの困り ごとや声にならない声 14

15.

やまずんにとっての「品質保証」 ⚫ 「顧客満足を作る仕組みを作ること」 ⚫ ※媒体によって表現を変えることがよくある ⚫ やまずんの専門性である「テスト」は品質保証にとって大事だと思ってる ⚫ でも、あくまで「手段」という位置付け ⚫ 「テストをすること」は品質保証の目的ではない いちいち一言 多いテスターだ なあ ⚫ ※一方で、「手段は目的じゃないから重要ではないという論調は嫌い」という ことも付言しておきたい 「日本での品質保証の意味は, 顧客との間で明示的に約束しようがしまいが, 徹底的に満足させてやろうとすること」 飯塚悦功、p.54 書影:マネジメントシステムに魂を入れる 15

16.

氷山モデル ⚫できごと ⚫パターン ⚫構造 D E E P ⚫メンタルモデル 出典 Northwest Earth Institute / Donella Meadows システム思考モデルに基づく 16

17.

そんなやまずんに対して言われがちなこと ⚫ 「QAエンジニアはテストだけしておいてほしい」 ⚫ 「あなたはどの立場で物言ってるの?」 ⚫ 「あなたはQAではない(褒めてるつもり)」 葛藤 ちゃんとやるこ とやってから やりたいことや れって話じゃな いの? キャリアの迷走 17

18.

「QAエンジニア」の専門性を新たに作る ⚫ なぜ私は「キラキラQA」ではなく「Dirty Tester」 なのか ⚫ 「手を汚すこと」「泥臭い現場」にいることの「誇り」 ごまはゴシゴシ 妖精だね! ⚫ テスターとして、QAの専門性を活かして、「できご とや現実と地続きである」からこそできること 自分なりの「QAエンジニア像」を言葉にしてみる 18

19.

造語:System Fixerの誕生 ⚫ System ⚫ 組織の仕組みや関係性といった「システム」を扱う ⚫ Fixer 痛いおじさんだ ねえ ⚫ 「直す(Fix)」 ⚫ だた単に元に戻したり、全く新しい枠組みを作るとも違う ⚫ ましてやどこかのベストプラクティスを押し付けるものではない ⚫ 「金継ぎ」のように割れた現実さえも価値に変えること ⚫ 時に裏から手回しする「フィクサー」のような汚れ仕事も厭 わない 19

20.

System Fixerケーススタディ ※複数の実例を元にしたフィクション 20

21.

【Case 1:クレーム対応におけるFIX】 できごと ⚫ クレーム発生時に、「聞き取りのチェックリスト」や多様な 項目のレポート作成、複数の報告先があった ⚫ お客様「いちいち面倒なこと聞くし遅いなあ」 ごまもランプ会 社にクレーム出 すことあるよ ⚫ クレームを聞き取りする部門「困ってるのはわかるし早く対 応したい」 パターン ⚫ 「ルール」に則って、堅実な・合意を取れている対応をする こと 21

22.

Case1:裏側 この裏で起こりがちなこと ⚫ 作成されたルールは数年前のもの 実はわかっていないがちなこと ⚫ そのルールのオーナーが誰か(何か)わからない ⚫ ルールに違和感があるが、更新方法・変更方法もわからない ⚫ そもそも組織が大きい場合、誰に何を言えばいいかわからない 22

23.

Case 1:自ら地雷を踏みにいく System Fixerとしての介入 ⚫ (緊急性の高いクレームに対して)「正規の報告」を一旦遮断して、 クレームの解決に全集中の呼吸を行う ⚫ これにはもちろん、説明責任と時にはお叱りが伴う 願いってなんで 3つだけ なのかな? ⚫ これを有効活用する ⚫ 「大変申し訳ありませんでした」 ⚫ 「後学のために聞きたいんですが、このルールってなんであるんで すかね?」 ⚫ いろんな部署の人に聞いてみると、、 ⚫ 「なんでああなってるか不思議なんですよね」 ⚫ 「え、これって僕ら(の部署)が必要って言ってたんですか?」 23

24.

Case 1:現行踏襲の上に追加する ⚫ 現状のルールを明文化し、「緊急対応」(修羅場)などの条項を追加 ⚫ あくまで現行踏襲するための明文化のスタンスでいる ⚫ 緊急対応をツールに落としこみ、ルールへの認知負荷を最低限にして行 動できるようにする ⚫ ルールのオーナーは「個人」ではなく「役割」や「組織」 僕の前の姿の話 題には誰も触れ てはいけない ポイント:「緊急で対応する部分」と「現行踏襲のまま、組織の改善活動 で改善できる部分」を切り分ける 「誰も触れてはいけない」という暗黙の了解にあえて言及する 周りからの「あいつは何を言い出したんだ」の目線を恐れても言葉にする 実際に、そんなことを言う人はいないことが多い 24

25.

【Case 2:部署関係におけるFIX】 できごと ⚫ ある部門で何か問題が起こったと感じたとき ⚫ 別の部門のある人に「これって(問題に見えるけど)どう思いますか?」という コミュニケーションが発生している ⚫ たまにある→ 「これは問題ではないです」 空気を読むこと に長けた組織だ ね ⚫ 結果、ちょっと嫌な気持ちになる ⚫ 積み重なると「表出しない、なんとなく対立的な雰囲気」が生まれる パターン ⚫ 何か問題が起こったとき、伝え先が部門を超える場合、条件付けがある ⚫ ある人が“それ“判定しないと“問題”にならない ⚫ 結果「問題の共有」に心理的な障壁ができてしまう 25

26.

Case 2:裏側 この裏で起こりがちなこと ⚫ 「顧客リスク(例)に該当するものを報告する」というルールがある ⚫ 「顧客リスクが具体的に何か」などの記述はない ⚫ 多くの場合、一見ある人が握っているように見える さらにその先で見えてくるもの(例) ⚫ 実はそのある人もルールに従っているだけでハラハラしながら「顧客リスク」認定をして いる ⚫ 辛いのはお互い様だった ⚫ 「顧客リスク」などの判定基準は当該部門ではなく、ガバナンスを管掌する当事者じゃな い部門が管理している場合も多い ⚫ それを当該部門も覚えておらず、誰の悪意でもなく「空白地帯」となっている ⚫ (正しく押し付け合うリスクは誰も何も咎められない) 26

27.

Case 2:二枚舌を使ってレバレッジをかける System Fixerとしての介入 ⚫ 当事者に対して(アホになる) ⚫ 「顧客リスクってなんですか?」 ⚫ 「よく見たらどこにも書いてないですね。私はわからなかったのでちょっと担当部署に聞 いてみますね」 社内政治の技術 ばっかり鍛えよ うとしてない? ⚫ 担当部署に対して(賢くなる) ⚫ 「これ記載されていないから、現場では属人化した状態で回していますね。今はいいです が企業統制として、問題を見過ごしてしまうリスクがあるように思えました」 ⚫ 「一旦叩きで考えてみました。現行を踏襲しつつ明確にできる修正案はこれですが、どう ですか?私はなんでもやります」 ポイント:「重要なポイントを見極める」「二枚舌」 ⚫ 全ての言葉を定義しようとしない。一部のレバレッジが効く部分を見極める ⚫ 部門を跨ぐ場合は、その部門の言葉や問題意識に合わせた表現をする 27

28.

関与する時のポイント ⚫ パターンに則って行動する、時に暴走させる。 ⚫ 問題を表出化させる ⚫ それに対する反発をきちんと受け止める ⚫ 「なんか変なので私がやってみます」 お前みたいな奴 を”空気読めな い”って言うんだ よ ⚫ (紐解いてシステムに疑う) ⚫ 批判的な視点 ⚫ 本来システムとしてどうあるべきか ⚫ 自分は何かを変える危険人物である(自己批判) ⚫ その上で「変える」ということに対するハードルを下げる 28

29.

System Fixerの危うさ ⚫ System Fixerという言葉に対してよく言われること ⚫ 「正解を押し付けられる感じがする」 ⚫ 「直すという言葉選びに傲慢さを感じる」 ⚫ SystemをFixすることは、たとえ相手の中に正解があったとし 傷ついちゃうな らやめちゃえば いいのに ても“合理性”を理由に抑圧してしまう危険性がある ⚫ それが仮に2%であっても否定することには変わりない ⚫ “手段を選ばない” ⚫ これが苛烈すぎると人を傷つける ⚫ 自分自身も傷つく。(押し通して絶えていく) 29

30.

だから倫理観をすごく大事にしている(つもり) ⚫ 自分の「道徳心」を問い続ける ⚫ その道徳心は人それぞれだけど、自分を守るために格率 をきちんと持っておく 何言ってんだ ⚫ 「人を自己実現の対象として扱わない」 ⚫ 人を手段として扱った瞬間、道徳的に価値がなくなる 30

31.

System Fixerから みなさまへの問いかけ 31

32.

お前たちはこんなことを感じたことはないか? ⚫ なんだかモヤモヤした気持ちで仕事している ⚫ 納得できないまま仕事をしている ⚫ 悲しんでいたり、怒りを感じている人がいる ⚫ 同調圧力や文脈によって抑圧されている人がいる ⚫ こうだから我慢しないといけない 32

33.

お前たちはこんなことを感じたことはないか? それが大人だから 仕方がないよね ⚫ なんだかモヤモヤした気持ちで仕事している ⚫ 納得できないまま仕事をしている ⚫ 悲しんでいたり、怒りを感じている人がいる みんなのためだから ⚫ 同調圧力や文脈によって抑圧されている人がいる マネージャーにな るため必要だから ⚫ こうだから我慢しないといけない キャリアアップのため に必要だから 仕方がない 33

34.

では素晴らしい提案をしよう 34

35.

– シ にス なテ らムお なフ前 いィも かク ?サ 35

36.

お前もSystem Fixerにならないか? ⚫ 誰かの権威に頼ったり、自分に与えられた役割の中でど うふるまうかを考えるのしんどくない? ⚫ 自分の手でつくり、現場をFixする勇気 ボクはこの古び たランプを直し たいね ⚫ これがあなたの「生きやすさ」や「活躍の幅」を別のものに して、組織にとってよりよい変化につながるかもしれない ⚫ 劣等感、カテゴライズ そういうのは忘れてみましょう あなたの周りの 「直したいシステム」はなんですか? 36

37.

お前もSystem Fixerにならないか? ⚫ 誰かの権威に頼ったり、自分に与えられた役割の中でど うふるまうかを考えるのしんどくない? ⚫ 自分の手でつくり、現場をFixする勇気 ボクはこの古び たランプを直し たいね ⚫ これがあなたの「生きやすさ」や「活躍の幅」を別のものに して、組織にとってよりよい変化につながるかもしれない ⚫ 劣等感、カテゴライズ そういうのは忘れてみましょう あなたの周りの 「直したいシステム」はなんですか? 37

38.

参考文献 いつもありがと ね〜 イラスト:タスマニアデビ男 引用文献 • テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス Version 2023V4.0.J02、日本ソフトウェアテスト 技術者資格認定組織(JSTQB)、2023年、JSTQB、https://jstqb.jp/dl/JSTQBSyllabusFoundation_VersionV40.J02.pdf (2026/3/4参照) • ログラスQAのミッション・ビジョン・バリューを策定しました、コタツ、2023年、note、 https://note.com/k_kotatsu1992/n/nd639aa4b5692 (2026/3/4参照) • マネジメントシステムに魂を入れる、飯塚悦功(著)・日本適合性認定協会(編)、2023年、日科技 連出版社 • 世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方、ドネラ・H・メドウズ (著)・枝廣淳子(訳)、2015年、英治出版 参考文献 • 最難関のリーダーシップ ―― 変革をやり遂げる意志とスキル、ロナルド・A・ハイフェッツ/マー ティ・リンスキー/アレクサンダー・グラショウ(著)・水上雅人(訳)、2017年、英治出版 • 関係性を生きる RELATIONSHIP MATTERS 人間関係を飛躍的に進化させる新しいパラダイム、フェ イス・フラー(著)・ CRR Global Japan、森川有理(訳)、2024年、CRR Global Japan • 人と組織の進化を加速させるシステム・インスパイアード・リーダーシップ Systems Inspired Leadership、フランク・ウイト・デ・ウエルド/マリタ・フリジョン(著)・CRR Global Japan、森 川有理(訳)、2023年、パブフル • Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン、メアリーリン・マ ンズ/リンダ・ライジング(著)・川口恭伸(監修)・木村卓央/高江洲睦/高橋一貴/中込大祐 (訳)、2014年、丸善出版 • 本能、椎名林檎、1999年、東芝EMI • 正しい街(アルバム『無罪モラトリアム』収録)、椎名林檎、1999年、東芝EMI • 修羅場、東京事変、2005年、東芝EMI • 鬼滅の刃 8、吾峠呼世晴、2017年、集英社 • 椎名林檎論 乱調の音楽、北村匡平、2022年、文藝春秋 38 • 林檎コンプレックス―椎名林檎的解体新書、丹生敦、2003年、太陽出版