Docswellを使いましょう

(ダウンロード不可)

関連スライド

各ページのテキスト
1.

オイラーの公式の証明 テイラー展開および微分方程式によるアプローチ 2026年3月28日

2.

オイラーの公式の定義 オイラーの公式 (Euler’s formula) 任意の実数 θ に対して、以下の等式が成り立つ。 eiθ = cos θ + i sin θ (1) ここで、e はネイピア数、i は虚数単位(i 2 = −1)である。 本資料では、式(1)の妥当性を示すため、以下の2つの数学的手法を用いて証明を 行う。 1 マクローリン展開(テイラー展開)を用いた証明 2 微分方程式を用いた証明

3.

証明手法1:マクローリン展開によるアプローチ I 無限回微分可能な関数 f (x) の原点 x = 0 におけるテイラー展開(マクローリン展 開)は次のように与えられる。 f (x) = ∞ (n) X f (0) n=0 n! x n = f (0) + f 0 (0)x + f 00 (0) 2 x + ... 2! (2) 指数関数 ex 、余弦関数 cos x、正弦関数 sin x のマクローリン展開は、それぞれ以 下の級数として表現される。

4.

証明手法1:マクローリン展開によるアプローチ II x2 x3 x4 x5 + + + + ... 2! 3! 4! 5! x2 x4 x6 cos x = 1 − + − + ... 2! 4! 6! x3 x5 x7 sin x = x − + − + ... 3! 5! 7! ex = 1 + x + (3) (4) (5)

5.

証明手法1:マクローリン展開によるアプローチ III 複素関数への拡張を前提とし、式(3)における変数 x に純虚数 iθ を代入する。この 際、虚数単位 i の累乗の周期性(i 1 = i, i 2 = −1, i 3 = −i, i 4 = 1, . . . )を利用す る。 代入を実行すると以下の級数を得る。 (iθ)2 (iθ)3 (iθ)4 (iθ)5 + + + + ... 2! 3! 4! 5! θ2 θ3 θ4 θ5 = 1 + iθ − −i + + i − ... 2! 3! 4! 5! eiθ = 1 + (iθ) +

6.

証明手法1:マクローリン展開によるアプローチ IV 得られた級数を実部(i を含まない項)と虚部(i を含む項)に分離する。これら の級数は絶対収束するため、項の並べ替えは解析的に正当化される。     θ2 θ4 θ3 θ5 e = 1− + − ... + i θ − + − ... 2! 4! 3! 5! iθ 括弧内の級数は、それぞれ式(4)および式(5)で示した cos θ と sin θ のマクローリン 展開に他ならない。 したがって、次式が導出される。 eiθ = cos θ + i sin θ これにより、マクローリン展開を用いた証明が完了する。 (6)

7.

証明手法2:微分方程式によるアプローチ I 関数 f (θ) を次のように定義する。 f (θ) = e−iθ (cos θ + i sin θ) この関数 f (θ) を変数 θ で微分する。積の微分法則を適用する。 df (θ) d  −iθ  d = e (cos θ + i sin θ) + e−iθ (cos θ + i sin θ) dθ dθ dθ = −ie−iθ (cos θ + i sin θ) + e−iθ (− sin θ + i cos θ) (7)

8.

証明手法2:微分方程式によるアプローチ II 右辺を e−iθ でくくり、整理を行う。   df (θ) = e−iθ −i cos θ − i 2 sin θ − sin θ + i cos θ dθ = e−iθ (−i cos θ + sin θ − sin θ + i cos θ) = e−iθ · 0 =0 すべての θ に対して導関数が 0 であるため、関数 f (θ) は定数関数であることが示 された。すなわち、f (θ) = C(C は積分定数)である。

9.

証明手法2:微分方程式によるアプローチ III 定数 C を決定するために、初期条件として θ = 0 を代入する。 f (0) = e−i·0 (cos 0 + i sin 0) = 1 · (1 + i · 0) =1 したがって、任意の θ に対して f (θ) = 1 である。 式(7)に代入すると、 e−iθ (cos θ + i sin θ) = 1 両辺に指数法則より eiθ を乗じることで、目的の等式を得る。 eiθ = cos θ + i sin θ (8)

10.

応用:オイラーの等式 オイラーの公式 eiθ = cos θ + i sin θ において、偏角 θ = π を代入する。 eiπ = cos π + i sin π = −1 + i · 0 = −1 移項して整理することで、「オイラーの等式」が導出される。 オイラーの等式 (Euler’s identity) eiπ + 1 = 0 (9) この等式は、解析学(e)、代数学(i)、幾何学(π)、および算術の基本単位 (0, 1)を一つの簡潔な関係式で結びつけており、数学における重要な恒等式と して位置づけられる。