ダイナミックリチーミングから学ぶ 不確実な状況に適応し続けるための チーム作り

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August 27, 22

スライド概要

なぜ、安定したチームが必要なのか?
安定したチームを維持しづらい時代に、どうすればよいのか?
ダイナミックリチーミングを意識して組織を成長させ、弾力的で柔軟な構造を作ったり、ダイナミックリーチングを可能にするために既存の組織を調整して、安定したチームが維持しづらい時代を乗り越えるためのヒントになればと思います。

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Toshiyuki Ohtomo

@toshiotm

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Cybozu, Inc - Agile Coach, Cafigla LLC. - 代表, 京都アジャイル勉強会(http://kyoaja.connpass.com)共同主催 CSP-SM, CSP-PO, Certified LeSS Practitioner 絶賛子育て中!

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各ページのテキスト
1.

ダイナミックリチーミングから学ぶ 不確実な状況に適応し続けるための チーム作り 2022/08/27 サイボウズ株式会社 大友聡之(@toshiotm) Scrum Fest Sendai 2022

2.

大友 聡之 • サイボウズ株式会社/アジャイルコーチ • Ca gla LLC. • 『SCRUMMASTER THE BOOK』共訳 • 京都アジャイル勉強会 • https://toshiotm.medium.com/ fi • @toshiotm

3.

あらかじめおことわり スライド中に出てくる書籍の翻訳はすべて拙訳です。 正式なものではありませんので、その点ご了承下さい。

4.

安定したチームは 壊してはいけない

5.

【資料公開】30分で分かった気になるチームトポロジーより抜粋 https://www.ryuzee.com/contents/blog/14566

6.

リチャード ハックマン 『真のチーム』の必須条件 • 課せられた「仕事」が明確なこと • チームの内と外を隔てる「境界」 も明確なこと • 仕事のやり方を管理する「権限」 が具体的に決められていること • メンバーの顔ぶれがあまり変わら ない「安定性」があること https://www.nytimes.com/2013/01/21/business/j-richard-hackman-an-expert-in-team-dynamics-dies-at-72.html

7.

リチャード ハックマン 『真のチーム』の必須条件 • 課せられた「仕事」が明確なこと • チームの内と外を隔てる「境界」 も明確なこと • 仕事のやり方を管理する「権限」 が具体的に決められていること • メンバーの顔ぶれがあまり変わら ない「安定性」があること https://www.nytimes.com/2013/01/21/business/j-richard-hackman-an-expert-in-team-dynamics-dies-at-72.html

8.

この1ヶ月で チームに人が増えたり 減ったりした人?

9.

「真のチーム」の必須条件 メンバーの顔ぶれがあまり変わらない「安定性」があること • 働くところ、住むところを 別々に選べる時代 • 年功序列より、キャリアッ プ、給与アップを目指しての 転職 • 企業の採用が回復しており、 売り手市場になってきている https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20211222̲hr̲04.pdf

10.

「顔ぶれがあまり変わらない」 を維持することが難しい状況に なってきている

11.

なぜ安定したチームがほしいのか?

12.

ブルース タックマン タックマンモデル • 形成期(Forming) • 混乱期(Storming) • 統一期(Norming) • 機能期(Performing) • 散会期(Adjourning) ff https://sites.ehe.osu.edu/inspire-archive/sta -members/bruce-tuckman/

13.

ブルース タックマン タックマンモデル 頻繁にチームに人が出入りする 現在の状況で、5つのステージ を毎回丁寧にやり直すことは難 しい ff https://sites.ehe.osu.edu/inspire-archive/sta -members/bruce-tuckman/

14.

Tuckman Was Wrong! Doc Norton on Reteaming Models タックマンは間違っていた!ドク・ノートン、リチーミングモデルを語る ”2007年にMonterey Naval Postgraduate Schoolが行った調査で は、調査対象となったチームのうち、 最初の4つの段階をすべて通過したの はわずか2%であることが示されてい る、〜また、ストーミングは段階では なく、チームがパフォーマンスを発揮 しているときに頻繁に起こり、より健 全な状態で継続的に行われるプロセス です。 https://www.infoq.com/news/2019/04/tuckman-team-model-wrong/

15.

4つの段階を直線的に 進んで行きたいのか?

16.

そうではなく パフォーミング段階に達 したい

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ブルース タックマン タックマンモデル タックマンモデルのパフォーミングとは、どんな状態のことなのか? ”Finally, the group attains the fourth and nal stage in which interpersonal structure becomes the tool of task activities. Roles become exible and functional, and group energy is channeled into the task. Structural issues have been resolved, and structure can now become supportive of task performance. This stage can be labeled as performing.” fl fi ”グループは第4段階に達し、対人関係構造が課題活動の道具となる。役割分担が柔 軟かつ機能的になり、グループのエネルギーがタスクに注がれるようになる。構造 的な問題は解決され、構造はタスクの遂行をサポートするようになる。この段階 は、パフォ ーマンスと呼ぶことができる。”

18.

安定してチームを維持し続ける ことが許されない中で どうするか?

19.

"好むと好まざるとにかかわらず、あなたのチームは変化していくものです。人は チームに加わり、チームから去っていくのです。ダイナミックリーチングを意 識して組織を成長させ、弾力的で柔軟な構造を作ることもできますし、ダイナ ミックリーチングを可能にするために既存の組織を調整することもできます。" https://agile-scrum.com/2021/05/

20.

Dynamic Reteaming The Art & Wisdom of Changing Teams 著者のHeidiさんがいろいろな組 織で経験したり、興味深い組織 にインタビューをする中で、適 応力の高い組織が行っていたリ チーミングのパターンを導き出 し、ダイナミックリチーミングと いう概念で紹介。 https://www.heidihelfand.com/

21.

Dynamic Reteaming The Art & Wisdom of Changing Teams • エコサイクル(Ecocycle) • パナーキー(Panarchy) • 5つのパターン(Five Patterns) • ひとりずつ(One-by-One) • 成長と分割(Grow-and-Split) • 隔離(Isolation) • マージ(Merging) • 切り替え(Switching)

22.

エコサイクル(Ecocycle) Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 https://www.liberatingstructures.com/31-ecocycle-planning/

23.

エコサイクル(Ecocycle) Liberating Structureの エコサイクルプランニングという考え方を元に ダイナミックリチーミング用に 手が加えられたもの Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 https://www.liberatingstructures.com/31-ecocycle-planning/

24.

Liberating Structuresとは ちょっと寄り道…… Liberating Structures https://www.liberatingstructures.com/ls/

25.

Liberating Structuresとは 形式的で自由のない ミーティングスタイルではなく 自由で創造的に関わるための 考え方と実践できるツール Liberating Structures https://www.liberatingstructures.com/ls/

26.

エコサイクル(Ecocycle) Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 https://www.liberatingstructures.com/31-ecocycle-planning/

27.

エコサイクル(Ecocycle) 貧困の罠(Poverty Trap) • チームの相性が悪く一緒に いる人達がうまく機能し ない • チームが取り組んでいる製 品が軌道に乗らない Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 などの理由で、うまく成長で きない状況のこと

28.

エコサイクル(Ecocycle) 硬直の罠(Rigidity Trap) • チームが大きくなりすぎ て、一緒に意思決定する ことが難い • 会議の時間が長く停滞し ているように感じられる Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 などの状況のこと

29.

エコサイクル(Ecocycle) エコサイクルのそれぞれの項目はしっかり決められ た状態ではない 自分の状況という表しにくいものを表現する時に、 今はどのあたりにいそうか? それはなぜか?を共有することで 得られる気づきが大事

30.

パナーキー(Panarchy) Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 https://www.liberatingstructures.com/32-panarchy/

31.

パナーキー(Panarchy) こちらもLiberating Structureの パナーキーという考え方を元に ダイナミックリチーミング用に 手が加えられたもの

32.

パナーキー(Panarchy) パナーキーは、 • システムがどのようにシ ステムの中に組み込まれ ているかを可視化 • これらの相互依存関係が Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 変化の広がりにどのよう に影響するかの理解を助 ける

33.

パナーキー(Panarchy) エコサイクルは複数のレベ ル(個人、チーム、組織な ど)で起こる。 それらが、相互に依存し て、変化が広がっていく。 Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

34.

5つパターン(Five Patterns) • ひとりずつ(One-by-One) • 成長と分割(Grow-and-Split) • 隔離(Isolation) • マージ(Merging) • 切り替え(Switching)

35.

なぜ、リチーミングを検討するのか? こんな事象がチームや現場で起こっていませんか? • 個人が成長できなくなっている、学びが薄い • チームへ貢献できていると感じられない • 人が抜けてチーム単独でプロダクトバックログアイテムを完成させられなくなった • いつも会議が長くなりプロダクト開発に時間が取れない • 良い文化を引き継ぐ前にどんどん人が変わっていってしまう • チームの居心地は良いけれど、他のチームとの交流がなく、他のチームが何をし ているのかわからない

36.

5つパターン(Five Patterns) • ひとりずつ(One-by-One) • 成長と分割(Grow-and-Split) • 隔離(Isolation) • マージ(Merging) • 切り替え(Switching)

37.

ひとりずつ(One-by-One) 概要 •ひとりずつ増減 •もっとも取り組みやすい方法 Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

38.

ひとりずつ(One-by-One) どんな状況で使用を検討するか •既存の文化を維持したまま人を 増やしたい •新しい人をチームに迎える時 •複数の新入社員を迎えるとき Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

39.

成長と分割(Grow-and-Split) 概要 •既存のチームが大きくなり「硬直の 罠」に陥ってしまっている場合などに 検討 •チームを分割する理由を明確にする •チームのミッションを確認する •各チームの参加者と新たにチーム名を 決める •決してトップダウンでいきなりチーム 分割を行わないようにする Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

40.

成長と分割(Grow-and-Split) どんな状況で使用を検討するか •チームでの会議時間が長くなっ ている •人数が多いため意思決定が難し くなっている •リモート会議で全員ビデオオフ で沈黙が続く •など Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

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隔離(Isolation) 概要 • 既存の文化を維持したくない場 合に検討 • 既存のチームから人を集め新た なチームを作ります Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

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隔離(Isolation) どんな状況で使用を検討するか • 新規開発(チームを孤立させる ことで新たなイノベーションを生 みたい) • 技術的に緊急な課題を解決した い • 既存のルールから解放したい Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

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マージ(Merging) 概要 • 2つ以上のチームが合流する方 法 Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

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マージ(Merging) どんな状況で使用を検討するか • 特定の課題を解決するために統 合したチームで取り組む • ビジネスの状況に応じて複数チ ームを統合する Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

45.

切り替え(Switching) 概要 • 人やチームが停滞しているよう に感じられる場合に検討される • 一時的にチーム間で人を入れ替 えることで、お互いのチームにと って学びや刺激がえられる Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

46.

切り替え(Switching) どんな状況で使用を検討するか • 業務内で学びが薄くなっている • 知識の共有が進まない • 他チームの人との交流がなく何 をしているかわからない Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

47.

Dynamic Reteaming The Art & Wisdom of Changing Teams • エコサイクル(Ecocycle) • パナーキー(Panarchy) • 5つのパターン(Five Patterns) • ひとりずつ(One-by-One) • 成長と分割(Grow-and-Split) • 隔離(Isolation) • マージ(Merging) • 切り替え(Switching)

48.

リチーミングによるメリット • 知識のサイロ化を抑えることができる • キャリアップの機会を提供することで、チームメンバーがチームを離れること を減らす • チーム間競争を減らし、チーム全体のメンタリティを高める • チームが硬直化せず、新しい人の受け入れが楽になる(可能性があります)

49.

チームとは? ダイナミックリチーミングでのチーム この本の中で著者は、たとえペアであっても “...and I would add that what makes them a team is the shared goal and the joint ownership of the outcome.” Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298 チームをチームたらしめているのは、目標を共有し、結果を共同で所 有していること

50.

チーム構成も変更可能な変数だと認識する •対人関係構造がタスクを遂行するサポートをしていない(パフォーミ ングになっていない) •メンバーが疲弊してやめていってしまう前にチーム構成も変更可能な 変数だと思って扱う

51.

チーム構成も変更可能な変数だと認識する ただし、チーム内でモヤモヤや違和感を抱えていることを 共有することは、それなりに勇気がいる時がある (自分だけかも問題)

52.

エコサイクルのワーク そこで……エコサイクルとパナーキーを活用 • 自分は今どんな状況? 組織 • チームは? チーム • 組織は? • まずはお気持ちの共有からやってみる • そうすると、チームの状況について、 もやもやしているのが自分だけなの か、そうではないのかが共有できる 私

53.

まとめ •「なぜリチーミングするのか」 目的をはっきりさせる •乱用はしない •ユーザーに価値を届け続けられ る、弾力的で柔軟な構造を作る Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

54.

“Reteaming done well takes great care and respect for people.” https://www.heidihelfand.com/ リチーミングを成功させるためには、人に対する細心の注意と尊敬が必要です

55.

おまけ

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チームアサインメント リチーミングをどうやって進めていくか リチーミングが必要な問題意識を共有して、より自由度の高い進め方を選ぶことがお勧め • トップの誰かがチームに入れた。 • マネージャーは、意見を聞かずにチームに入れ た。 • マネージャーが意見を取り入れてチームを編成 した。 • マネージャーやリーダーが自薦他薦を問わず選 抜した。 • チームメンバーが交換して、マネージャーに伝 えた。 • チームメンバーが自分たちでチームを結成した Dynamic Reteaming https://www.amazon.co.jp/dp/1492061298

57.

チームアライメント リチーミングしたあとのチームに必要なチームを整える作業 • ミッション • 納期 • 目的 • コミットメント • リソース • リスク https://www.teamalignment.co/

58.

おしまい