インフラエンジニアのスキルパターンを作ってみた話

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September 08, 23

スライド概要

2015年のJuly Tech Festaでの発表資料
DMMのネットワークチームでデザインパターンの手法を用いてスキルパターンを作ってみた話

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各ページのテキスト
1.

インフラエンジニアの スキルパターンを作ってみた話 2015/7/26 DMM.comラボインフラ統括本部コアテク部 佐々木 健

2.

プレゼンの前に スキルパターンシート を配布します。 受けとってくださいませ。

3.

自己紹介 名前: 佐々木 健 所属: DMM.comラボ インフラ統括本部 コアテク部 お仕事: ブログ書いてます。 かき氷配ってます http://tsuchinoko.dmmlabs.com/

4.

DMM.comの紹介

8.

サービスが増えて 会員も増えると それを支える人も沢山必要になる 現場ではどういう人が求められているのか?

9.

インフラチームで働くにあたって、 必要なスキル、能力をヒアリング ヒアリング結果を整理 この能力を持ってる人が望ましい??

10.

スキルパターンシートは 手元にありますか? 突然ですがワークショップをします。

11.

DMM.comラボ インフラチーム スキルパターン ver.0.9 [良い資質] [リーダーの資質] [仕事のノウハウ] 頑強な価値観 下を守る楯となる 最初に目的をはっきりさせる 旺盛な好奇心 部下の成長を考える 目的に合った作業をする 情報インプットのための努力 属人化を防ぐ ログを残す 素直で嘘を付かない 適切な権限移譲を行なう 依頼元を巻きこむ 工数を意識する 強い責任感 強い改善意識 [仕事に取り組む姿勢] 余裕を持つ 先手を打つ 心と身体の健康 知識を自分自身のものとする 慎重に作業をする 基本的技術を正しく理解している 失敗を怖れない 業務上必要な情報を把握している 失敗を共有し対応を行なう 隣接分野の知識を持ってる 真実を探す 柔らかいコミュニケーション 目標となる人がいる わからないことは聞く 大声を出さない、怒らない 整理されたドキュメントの作成能力 遠慮しない 積極的な声かけ ロジカルな思考 仕事を自分で見付ける、仕事を奪う スルー力 ファシリテーション技術 背中を見せる。やって見せて説明する。 外国語を操る 知っていることを発信する リクルーティングできる力 まずは手を動かしてみる チャレンジする [コミュニケーション]

12.

ワークショップ(10分間) 1.自分が身に付けてるスキルに◯を付ける 2.自分が身に付けたいスキルに☆を付ける 3.歩き回る 4.自分が身に付けたいスキルを持ってる人を探す。 5.スキルを身に付けてる人は、そのスキルを使って いるシチュエーション等を説明する。 6.10分の間にいろいろな人の話を聞きましょう。 質問があれば遠慮なく言ってください。

13.

眠気は覚めましたか?

14.

デザインパターンとは何か? 人の営みにはなんらかのパターンが存在する。 ● 最初にデザインパターンという概念を使い始めた のは建築の分野であり、アレグザンダーが始めた もの。 ● 様々なデザインから良いパターンを抽出し、それを 元に活用すれば良い設計ができるはず。 ● 設計は、物を作り出すというすべての行為で行な われることであり、デザインパターンという手法は、 建築以外にも適用が可能。 ●

15.

デザインパターンの適用例 建築(デザインパターン 1.0) ● 盈進学園東野高等学校の設計 ソフトウェア(デザインパターン 2.0) ● オブジェクト指向プログラミング ● AWSクラウドデザインパターン 人間行為(デザインパターン 3.0) ● ラーニングパターン ● コラボレーションパターン ● プレゼンテーションパターン

16.

パターンは「形(カタ)」 wikimedia:Kata01 wikimedia:Naginata_01

17.

デザインパターンの作り方(全体の流れ) 1.テーマを決める 2.パターンの種を集める 3.KJ法で分類 4.分類された個々のパターンに名前を付ける 5.リバイス(見直し作業)

18.

テーマを決める インフラチームで、良い仕事をするための、 スキルセットをパターンとして抽出する。 Wikimedia: Group_of_cats_circle_around_catfood Wikimedia:speed-cat

19.

パターンの種を集める 集めたいテーマの様々な事象について、以下の3つ のポイントを書き出していく。 - Context (どのような状況で) - Problem (どのような問題が生じやすく) - Solution (どのように解決すれば良いのか) ブレストやヒアリング等で収集する。 それをカードに書き出す。 Contextをちゃんと書くのが特に重要。

20.

パターンの種を集める(具体的に) やり方 ● 数人単位でヒアリング ● ヒアリングした結果はその場で付箋紙に書きおこし ヒアリング項目 1.新人や隣の机に座っている人向けに、今の仕事を進める上 で、一番大事だと思う能力やスキルを説明してください。 2.チーム内で共有したいトラブルや障害事例はありますか? 3.チームメンバーのこの能力は素晴らしい、というようなものは ありますか? 4.もう一度最初に戻って、今の仕事を進める上で大事だと思う 能力やスキルはありますか?

22.

KJ法で分類 KJ法 - wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/KJ%E6%B3%95 書き出されたカードをKJ法を使って分類していく。 分類にあたっては表面的な事象に囚われたりしな いように注意する。 カード間の距離を考えながら試行錯誤しながら分 類していく。

25.

パターンに名前を付ける グルーピングされた事象について、 - Context - Problem - Solution を整理し、そのパターンにピッタリ合う名前を付けて いく。

26.

リバイス(見直し作業) 抽出されたパターンを適用しやすくするために - Context - Problem - Forces - Solution - Actions - Consequence の情報を追記し、修正を繰り返すことで パターンの精度を高めていく wikimedia:ASURA_Kofukuji

27.

リバイス(見直し作業) 2 抽出されたパターンが本当に価値のあるパターン かを吟味する。 wikimedia:Yo_Ho_Ho

28.

DMM.comラボ インフラチーム スキルパターン ver.0.9 [良い資質] [リーダーの資質] [仕事のノウハウ] 頑強な価値観 下を守る楯となる 最初に目的をはっきりさせる 旺盛な好奇心 部下の成長を考える 目的に合った作業をする 情報インプットのための努力 属人化を防ぐ ログを残す 素直で嘘を付かない 適切な権限移譲を行なう 依頼元を巻きこむ 工数を意識する 強い責任感 強い改善意識 [仕事に取り組む姿勢] 余裕を持つ 先手を打つ 心と身体の健康 知識を自分自身のものとする 慎重に作業をする 基本的技術を正しく理解している 失敗を怖れない 業務上必要な情報を把握している 失敗を共有し対応を行なう 隣接分野の知識を持ってる 真実を探す 柔らかいコミュニケーション 目標となる人がいる わからないことは聞く 大声を出さない、怒らない 整理されたドキュメントの作成能力 遠慮しない 積極的な声かけ ロジカルな思考 仕事を自分で見付ける、仕事を奪う スルー力 ファシリテーション技術 背中を見せる。やって見せて説明する。 外国語を操る 知っていることを発信する リクルーティングできる力 まずは手を動かしてみる チャレンジする [コミュニケーション]

29.

パターンの嬉しいところ パターンには名前が付けられている。 ● デザインパターンは暗黙知を形式知に変換した もの。抽象化して名前を付けることで「言語」とし て使うことができコミュニケーションの道具とし て用いることが可能になる。 Contextが記述されている。 ● 適用領域がわかるので、間違った適用、濫用を 防ぐことができる。

30.

パターンの嬉しいところ 人の成長を助ける。 ● パターンは「良いもの」から抽出されている。そ のパターンを身につけることで成長することが可 能になる。 ● 武道における形。 人に優しい。 ● マニュアルは読んでいてもまったく面白くない。 ● パターンは頭に入りやすい形になっている。 失敗もアンチパターンとして記述できる。 ● アンチパターンは必ずリファクタリングできる。

31.

スキルパターンをどう現場で使うか 1.自分の持っているスキルセットを確認できる。 2.チーム内コミュニケーションに活用できる。 3.キャリアアップ、人事考課に活用できる? 4.採用に使える?

32.

パターンを用いた成長イメージ それぞれのパターンがどのぐらいできているかを評 価していくことで成長が意識できるようになる。 A B 5 L C K D 0 J E I F H G 1 年前 今

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人間行為のデザインパターンの例 慶應義塾大学の伊庭研究室がいろいろ作っている。 プレゼンテーションパターン http://presentpatterns.sfc.keio.ac.jp/ コラボレーションパターン http://collabpatterns.sfc.keio.ac.jp/ ラーニングパターン http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/

34.

参考文献

35.

おしまい