アジャイルなシステムをアジャイルにつくる

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November 21, 25

スライド概要

書籍「作る、試す、正す。」ではソフトウェアづくり、プロダクトづくりの視点に「システムづくり」を加えることで「遅れてやってくる問題(技術的負債やデッドエンド・ジャーニー)」を乗り越えていこうという主旨を置いています。

この方向を辿っていく先には、「アジャイル」との強い関連があります。システムづくりもまたこれまでのモノづくり同様にアジャイルにする。そして、目下のAI時代においてはシステム自体がアジャイルになっていく。

これらを合わせ持って「アジャイルなシステムをアジャイルにつくる」とはどういうことかについてお話しました。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

アジャイルなシステムを アジャイルにつくる 市 聡啓 Ichitani Toshihiro 谷 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

2.

聡啓 Ichitani Toshihiro 面 力 谷 方 20年以上にわたり現場と組織の両 からアジャイルを実践し、 場や役割を越えた協働を通じて「正しいものを正しくつくる」 あり を探究してきた。 個 や組織の を結び合わせ、変化を現実にしていく「芯」を 出すことに熱意を注ぎ、越境を続けている。 人 見 立 市

3.

https://www.amazon.co.jp/dp/4802513291/ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

4.

行 セオリー通りでありながら き詰まるプロダクトづくり Photo credit: Kylie_Jaxxon on Visual Hunt / CC BY-SA

5.

PSF→PMFを辿っていくことが プロダクトづくりにおけるセオリー Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 5

6.

PSFは検証の繰り返しで到達するも PMFが期待する規模にならない 価値はある … が、期待するほど 儲からない Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 6

7.

PSFと事業規模の期待は必ずしも 単純に事業規模の期待をさげられるわけでもない PSF可能な課題 = ①分かりやすい課題 ②ニッチすぎる課題 ①はレッドオーシャンでしかなく ②は規模が出ない 現実的に計算 できる収益性 7 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 一 組織が期待する 事業規模 致しない

8.

PSFは検証の繰り返しで到達するも PMFが期待する規模にならない 価値はある 価値はあるが 儲からない … が、期待するほど 儲からない (期待するほど) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 8

9.

技術的負債は 順調に溜まっていく Dead End Start 価値はありそう (というバイアス) プロダクトの価値 が拡充できない チャネル検証の 結果が今ひとつ 幅な追加投資は 難しい 今更ピボットも 中 もできない マーケティング 頑張ろう ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 止 大 デッドエンド・ジャーニー 9

10.

2つの問題の存在 技術的負債は 順調に溜まっていく 事業 Dead End Start 価値はありそう (というバイアス) リセット症候群 プロダクトの価値 が拡充できない チャネル検証の 結果が今ひとつ 幅な追加投資は 難しい 今更ピボットも 中 もできない 組織 事業化バイアス マーケティング 頑張ろう : : ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 止 大 デッドエンド・ジャーニー 10

11.

2つの問題の存在 技術的負債は 順調に溜まっていく 事業 Dead End Start 価値はありそう (というバイアス) リセット症候群 プロダクトの価値 が拡充できない チャネル検証の 結果が今ひとつ 幅な追加投資は ともするとMVPアプローチは 今更ピボットも の前の開発に 難しい 中 もできない 集中するあまり、より俯瞰的な学習がなく、 ただスクラップの を築いていきかねない マーケティング (実際には次の問題があるため、結局 発勝負になっている) 頑張ろう 目 一 山 : ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 止 大 デッドエンド・ジャーニー 11

12.

2つの問題の存在 技術的負債は 順調に溜まっていく 組織 Dead End Start 価値はありそう (というバイアス) 事業化バイアス プロダクトの価値 が拡充できない チャネル検証の 結果が今ひとつ 幅な追加投資は MVPアプローチの前提は 難しい 今更ピボットも 様々なピボット 中 もできない を繰り返すこと。現実にはサンクコストをゼロ にしたい従来の思考・評価が働き、適応できない マーケティング 「作ったからにはこれで儲けるんだよね 頑張ろう ? 小 大 : ! 」 12 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 止 大 デッドエンド・ジャーニー

13.

技術的課題 どのようにするかの課題。専 知識で解ける ①技術的負債を抑 する設計とは ②MVPアプローチの取り組み とは ③組織で 規模アジャイルやるには ①ビジネス側と開発の関 の不 致 ②既存事業の基準ですべてを評価 ③強固な現状維持バイアス 適応課題 価値観や前提を通じ合わせなければ解決できない https://www.amazon.co.jp/dp/4910063013 一 方 心 門 止 大 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 13

14.

正しいものを 正しくつくる Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 14

15.

事業開発・プロダクトづくりをアジャイルにする 仮説検証型アジャイル開発 仮説 案 (モデル化) 選択の幅最 (セットベース) 検証 計画 価値探索 スプリント プランニング 検証 (正しいものを探す) 評価 仮説検証 選択肢を 分に 広げた後に絞る MVP特定 開発計画 (リリースプラ ンニング) 十 小 大 (正しくつくる) MVP検証 スプリント レビュー 次の価値探索へ アジャイル 構想を早く形にして フィードバックを得る Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 立 アジャイル開発 スプリント レトロスペク ティブ 選択の振れ幅最 (ポイントベース) スプリント 開発 15

16.

…だけでは、突破できない Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 16

17.

プロダクトづくりの「外側」で 正しくなる状況をつくる が要る Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 17

18.

「仮説キャンバス」 的 実現 われわれはなぜこの事業をやるのか 段 提案価値を 実現するのに 必要な 段と は何か ビジョン 中 優位性 提案価値 顕在課題 提案価値や 実現 段の提供 に貢献する リソースが何か あるか われわれは 顧客をどんな 解決状態に するのか (何ができるよ うになるのか) 顧客が気づいて いる課題やニー ズに何があるか 評価指標 どうなればこの 事業が進捗して いると判断でき るのか (指標と基準値) ビジネスモデル ? ? ? ? 人 手 ? 手 足 ? ? ? 手 手 手 一 手 手 代替 段 と不満不 課題を解決する為 に顧客が現状、 取っている 段に 何があるか (さらに現状 段へ の不満はあるか) 潜在課題 多くの顧客が 気づけていない 課題、解決を 諦めている課題 に何があるか チャネル 状況にあげた たちに出会うた めの 段は何か 状況 どのような状況 にある顧客が 対象なのか (課題が最も 発 する状況 とは) 傾向 同じ状況にある が 致して うことはある か 対象となる市場の規模感は Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 生 期的に顧客にどういう状況に なってもらいたいか 市場規模 どうやって儲けるのか 長 行 人 目 内側のプロダクトづくりで、 18

19.

( ) ( 最初の提案価値が 新たな前提になる 手 目 目 目 目 手 手 手 手 二 ) のプロダクトは の現状 段になる Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 一 二 一 勝てる「前提 = 状況」 を作り出す 状況 (前提) は進む、 19 変化する

20.

( ) 指すことは、 で作る状況を “優位性” にする 顧客体験 の創出 組織のみが前提に できる “優位性” ( ) 新たな顧客体験、機会 … → 創出・獲得されるデータ 優位性があるからこそ 新たに対象にできる状況 目 目 手 目 目 手 手 二 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 一 自 一 より具体的に 20

21.

外側の何かで、 「仮説展開ストーリー」 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 21

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この外側にもう つ検査適応を作る 一 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 22

23.

そもそもの私達の関 価値ある 効率の良い プロダクト とは 業務・開発 プロセスとは チームや組織 になるには (モノ) (コト) (ヒト) 心 ? ? 高 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. ? 事 意欲の い

24.

そもそもの私達の関 事 価値ある 効率の良い プロダクト とは 業務・開発 プロセスとは チームや組織 になるには (モノ) (コト) (ヒト) …だけでは 意欲の い りない 時間(トキ)を加えて 変化(ヘンカ)を扱えるようになる 心 足 ? ? 高 ? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

25.

プロセスやタスク(コト)、 作るモノ、チームや巻き込む相 (ヒト)だけではなく、時間軸(トキ) も含めて 分たちのやっている こと(構造)を捉える必要がある 25 手 自 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

26.

モノ、コト、ヒトによる営みが トキとともに変わっていく構造の ことを「システム」と呼ぶ 事業 も システム、組織 も システム Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

27.

つまり、私たちのモノづくりに ソフトウェア、プロダクト だけではなく、 「システムをつくる」という 視点を取り れようという提 27 言 入 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

28.

「期待」→「価値」→「変化」 左によって を実現する 左によって を実現する 左によって を実現する Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 28

29.

われわれの営みを3つに分けて る ソフトウェア づくり 課題を前提に、 プロダクト づくり 状況を前提に、 実現 課題から探索する システム (構造) づくり 状況 見 自 体を作り出す 経時的な変化を扱う Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 手 段を探索する

30.

目 目 目 三つのモノづくりによって アウトプット→アウトカム→インパクト 指すは、アウトプット を狙う アジャイル開発 指すは、アウトカム 仮説検証型 アジャイル開発 指すは、インパクト 仮説展開ストーリー From-Toキャンバス Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

31.

システムづくりという より抽象度の い活動で、 チームと関係者が 定の 向性を 獲得するには 31 方 一 ? 高 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

32.

Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 32

33.

Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 33

34.

システムづくりとしての インセプションデッキ システムづくりとしての ふりかえり・むきなおり Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 34

35.

システムバックログ プロダクトバックログ チーム チーム チーム システムバックログ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 35

36.

システムバックログ プロダクトバックログ チーム チーム チーム システムバックログ 正しいものを「探す」 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 36

37.

システムバックログ プロダクトバックログ チーム チーム チーム システムバックログ 正しくなる状況を「作る」 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 37

38.

目 目 目 三つのモノづくりによって アウトプット→アウトカム→インパクト 指すは、アウトプット を狙う アジャイル開発 指すは、アウトカム 仮説検証型 アジャイル開発 指すは、インパクト 仮説展開ストーリー From-Toキャンバス Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

39.

目 目 目 三つのモノづくりによって アウトプット→アウトカム→インパクト 指すは、アウトプット を狙う アジャイル開発 アジャイル 指すは、アウトカム 仮説検証型 アジャイル開発 指すは、インパクト 仮説展開ストーリー From-Toキャンバス Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

40.

モノづくりを アジャイルにする ことの要諦 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 40

41.

再帰と偶発 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 41

42.

「反復」と「再帰」の違い (捉え によって起きてしまう反復の特徴) 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 42

43.

https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

44.

アジャイルとは「常に結合する」ということ スプリント インクリメント CI/CD 常に統合し検証可能にする インクリメントはこれまでの すべてのインクリメントに追加 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

45.

プロダクトだけではなくチームも つまり、チーム 体も「再帰」の対象 一 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 自 つの成果物になる

46.

再帰と偶発 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 46

47.

仮説検証とは、 分たちの思い通りに なることを確かめる活動ではない 自 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 47

48.

当てるのではなく、出会うために Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

49.

分かっていること(認識していること)は 仮説キャンバスに現れている。 それ以外はすべて分からないこととの出会い 分かっていないこと 分かっていること (認識していること) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 49

50.

繰り返すからこそ、出会える 再帰 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 50

51.

再帰するからこそ 分たちの 理解を更新できる 再帰するからこそ偶発的な 学びの機会が得られる 自 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 51

52.

作るモノを アジャイルにする ことの要諦 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 52

53.

作るモノ 体が アジャイルになるとは システム プロダクト ソフトウェア 53 ? 自 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

54.

モノそのものが状況にあわせて 変わっていくこと システム プロダクト ソフトウェア Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 54

55.

“サービス” およびサービスデザインとは モノを昇華させて、モノ単体の価値を 越えていくこと モノ モノ+コト(ヒト) → サービス コト ヒト Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

56.

現代においては AIによるモノ、コト、ヒトの補完が よりアジリティを めるようになっている モノ モノ+コト(ヒト) → サービス コト ヒト AIによる補完 高 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

57.

モノづくりと作るモノは 近接していく Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 57

58.

現に、その動きを得始めている DevOps / BizDevOps Dev リビングラボ ユーザー、関係者が主体 となってデザインする Ops Biz Dev Ops Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 58

59.

つまり、作り が 作るモノについての 当事者となっていく こと 59 身 自 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

60.

やがて作り もどこかで内包される 地域医療の保全 治体 病院連携 本 の健康 … 家族 病院 本 ダイエット (“ヘルスケア” 領域の例) 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 人 介護 他病院 治療の質の向上 人 自 “システム” をどこまで広げるかで 60

61.

必ずしも作るモノに 内包されなければ ならないわけではない。 ただ、作り と当事者が “外側から作りに 致したとき、 く” レベルの アジリティを突破できるはずだ。 一 行 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 61

62.

アジャイルなシステムを Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 62

63.

アジャイルにつくる Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 63

64.

それが、僕らのこれからの 世界との関わりかたに なっていくのかもしれない Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 64

65.

Our Journey Continues ! Photo on Visual hunt

66.

https://www.amazon.co.jp/dp/4802513291/ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.