組織を芯からアジャイルにする「インセプションデッキ」

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July 23, 22

スライド概要

書籍「組織を芯からアジャイルにする」をなぜ書いたのか、何を目指すのか。インセプションデッキとしてまとめました。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

組織を芯からアジャイルにする 〜アジャイルの回転を、あなたから始めよう〜 インセプションデッキ Ichitani Toshihiro 市⾕聡啓 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

2.

ハッシュタグ #devlove #シンアジャイル

3.

市⾕ 聡啓 Ichitani Toshihiro 組織や事業の参謀業 (株式会社レッドジャーニー) 株式会社リコー CDIO付DXエグゼクティブ 特に専⾨は ・仮説検証、アジャイル開発 ・組織アジャイル https://ichitani.com/

4.

重版出来 https://www.amazon.co.jp/dp/4798172561/

5.

2022.7.21 https://www.amazon.co.jp/dp/4802512384

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なんの本?

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効率化 1980年代以降の⽇本組織の呪縛 標準化 ルール化 “最適化” への最適化 組織が勝つために必要な絶対的価値観 より効率化 より 標準化 ルール化 迷わないようにするために 選択肢を絞る = 標準化 絞り続ければ…選択肢は1つ! もっと効率化

8.

最適化への 最適化 “最適化” と “他にありえる可能性” の間を 振り⼦のように動けるように オルタナティブの 可能性

9.

組織アジャイル 組織の運営や思考にアジャイルを適⽤する “効率への最適化” にオルタナティブを与える Photo credit: othree on Visualhunt.com

10.

アジャイル・ハウス 3F 2F 1F 基礎 組織運営のための「アジャイル」 探索と適応のための「アジャイル」 チームで仕事するための「アジャイル」 「アジャイルマインド」の理解 (「協働」のメンタリティ) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

11.

アジャイル・ハウス 3F 2F 1F 基礎 組織運営のための「アジャイル」 探索と適応のための「アジャイル」 チームで仕事するための「アジャイル」 「アジャイルマインド」の理解 (「協働」のメンタリティ) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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アジャイルの「回転」 仕事の結果(アウトプット)から次に何を 成すべきかを学ぶ。また⾃分たちの⾏動 ⾃体の⾒直しを⾏う (ふりかえり) 結果からの 適応 短い期間の中で仕事を進める。そのために 必要な状況共有と適宜コミュニケーション を重ねる 状況を踏まえ ⽅向性の判断 (かさねあわせ) 短い期間での 実⾏動 ⾃分たちを取り巻く環境と置かれている状況 を⾒て、適切な⽅向性を⾒出す(むきなおり) 計画作り ⽅向性に基づき次の短い期間(1-2週間)で それぞれが取り組むべきことを決める 単にやること合わせではなく、それぞれの ⼈の状態や関⼼の合わせも⾏う

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アジャイル・ハウス 3F 2F 1F 基礎 組織運営のための「アジャイル」 探索と適応のための「アジャイル」 チームで仕事するための「アジャイル」 「アジャイルマインド」の理解 (「協働」のメンタリティ) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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仮説検証型アジャイル開発 “考える"と”つくる”の連鎖 選択の幅最⼤ (セットベース) 検証 計画 仮説⽴案 (モデル化) 価値探索 スプリントプ ランニング 検証 (正しいものを探す) 評価 MVP特定 開発計画 (リリースプラ ンニング) 選択の振れ幅最⼩ (ポイントベース) スプリント 開発 アジャイル開発 (正しくつくる) スプリント レトロスペク ティブ MVP検証 スプリント レビュー 次の検証計画 (価値探索)へ 仮説検証 選択肢を⼗分に 広げた後に絞る アジャイル 早く構想を形にして フィードバックを得る

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アジャイル・ハウス 3F 2F 1F 基礎 組織運営のための「アジャイル」 探索と適応のための「アジャイル」 チームで仕事するための「アジャイル」 「アジャイルマインド」の理解 (「協働」のメンタリティ) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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ソフトウェア開発で培われた 探索と適応のすべを組織の運営に適⽤する = 「組織アジャイル」 (組織をアジャイルにする)

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インセプションデッキ

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インセプションデッキ(組織アジャイル版) われわれはなぜここにるのか? チームや部署で達成したい⽬的、⽬標を挙げる エレベータ われわれは ピッチ やらない トレード 期間を なぜここに (誰のため こと オフ 見極める いるのか に何を提供 リスト スライダー (線表) するのか) ご近所さんを探せ WHYを明らかにする 夜も眠れない問題 HOWを明らかにする ・デッキ作りの⽬的はチームや部署内で相互に取り組み内容に ついての共通認識を醸成すること ・全体は7個のアジェンダで構成されており、⼀つ⼀つを全員で 作り上げていく ・全員が⼀同が会して取り組む ※ドキュメントとして作りそれを回覧するといった進め⽅ は取らない。認識合わせのためのインタラクティブな対話 を重視する ・⼀度作って終わりではなく、ふりかえり、むきなおりの際に ⾒直しを⾏う エレペータピッチ(誰のために何を提供するのか) 端的に何を誰向けに提供するのか特徴を要約する 解決する課題や要望、対象となる顧客やユーザー、部署 重要な利点、代替⼿段/差別化要因など ご近所さんを探せ チームや部署の外部にいる関係者の洗い出しと、 チームとの関係性を図⽰化する やらないことリスト チームや部署として取り組まない(別の時期に⾏うなど) と明確に決めている事柄を挙げる トレードオフスライダー 品質/予算/締め切り/コストなどの基準についてどれを 優先するかを明⽰する 期間を⾒極める 直近の1ヶ⽉〜3ヶ⽉程度の時間軸でどういう⽬標を 達成したいかを可視化する 夜も眠れない問題 想定しているリスクを挙げる

19.

われわれはなぜここにいるのか 「最適化に最適化した組織」に 「探索」と「適応」を宿す( ”動ける体” にする) 「開発の現場」はもとより、限らず、 組織のタテヨコ全体にアジャイルを⾏き渡らせる 変⾰を「⼀⼈」から、「チーム・部⾨」から、 始められるためのすべを

20.

エレベータピッチ [これまで通りのことをするには特に問題を感じないが、 これまで通りではダメになりそうという予感がある]、 [DX部署や情報システム部⾨のみならず、⾮IT系の職種、 つまり組織のすべての⼈] に向けて 書かれた [組織を芯からアジャイルにする] は、 [アジャイルな組織論] です。 これは、 [現代における実践と、これまで脈々と受け継がれてきた アジャイルの知⾒に基づいて構成しているため、 現実感と信頼性] があり、 これまでの組織変⾰本 (⼼意気ややるべきことファースト) と違って [ “からだの動かし⽅” に焦点をあてている]。

21.

注⽬するべきは What(何をやるか)以上に How(どうやるか) あれこれやることを講じる前に ⾃分たち⾃⾝が「動ける体」をつくる 「動ける」とは試⾏する中で⽅向性を 変える判断と⾏動が取れること Photo credit: Monica's Dad on VisualHunt.com

22.

組織を芯からアジャイルにする26の作戦

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From-Toの From (今ココ) 「組織が変わる」 の切り⼝ 3つの最適化の 「呪縛」を捉え直す 2つの変⾰を同時に 組織を「⼀⼈の 取り組む(両利きの ⼈間」のように 変⾰) ⾒⽴てる 組織は戦略に従い、 探索と適応と最適化 戦略は意図に従う を周回する 「組織をアジャイルにする」 の⼊り⼝に⽴つ 組織アジャイルの成 関⼼を共通の意図に 熟度を測る よって近接させる ⼼臓のようにリズム を作ることで、 ために仕組みも動的 ⾎(関⼼)を組織に通 にする わせることができる 動的な動きを捉える フラクタル・アジャイル (組織アジャイルの構造化) アジャイルの回転を 再帰的に構造化する 「フラクタル・ アジャイル」 ミドルの回転(マネジ メント・アジャイル) 4つの⽅針 OODAのO2(情勢へ の適応)を組織内で合 わせる 具体的経験から 概念化を得る 「ものわかり」 ゴールの連鎖と、 適応の連鎖を繋ぐ ⼀⼈から、チームから アジャイルを始める ⼿元から始める、⼀ はじめるよりやめる ⼈から始める ほうを先⽴たせる バックログでチーム の「脳内」を表す 同時に取り組む課題 を⼀つに絞る 「⼀個流し」 「重ね合わせ」 「ふりかえり」 「むきなおり」の 段階をたどる 組織を変える⼒ 組織アジャイル適⽤ 7つの原則 アジャイルCoEの 組織アジャイルの経 8つのバックログ 験を問う5つの質問 「組織にアジャイルにする」 の⼿がかり スプリントの数 だけ、変わるチャン スを⼿にする 反復の刻みと解像度 の調整(組織アジャ イルの2つのかなめ) 組織アジャイルで働 かせる2つのちから 「求⼼⼒と遠⼼⼒」 From-Toの To (向かう先) 組織アジャイルの4 つの価値観

24.

⽬次 イントロダクション 第1章 われわれが今いる場所はどこか 1-1 どうすれば組織を変えられるのか 1-2 組織が挑むDXの本質 1-3 組織の形態変化を阻むもの 組織の芯を捉え直す問い 第2章 ⽇本の組織を縛り続けるもの 2-1 「最適化」という名の呪縛 2-2 ⽬的を問い直す 2-3 アジャイルという福⾳ 2-4 組織はアジャイル開発の夢を⾒るか 組織の芯を捉え直す問い 第3章 ⾃分の⼿元からアジャイルにする 3-1 どこでアジャイルを始めるのか 3-2 組織アジャイルとは何か 3-3 組織アジャイルの段階的進化 組織の芯を捉え直す問い 第4章 組織とは「組織」によってできている 4-1 最適化組織 対 探索適応組織 4-2 四⾯最適化、時利あらず 4-3 “⾎があつい鉄道ならば⾛りぬけてゆく汽⾞は いつか⼼臓を通るだろう" 組織の芯を捉え直す問い 第5章 組織を芯からアジャイルにする 5-1 組織の中でアジャイルを延ばす 5-2 組織をアジャイルの回転に巻き込む 5-3 組織の芯はどこにあるのか 組織の芯を捉え直す問い 付録1 組織の芯からアジャイルを宿す26の作戦 付録2 組織アジャイル3つの段階の実践 参考⽂献

26.

⽬次 イントロダクション 第1章 われわれが今いる場所はどこか 1-1 どうすれば組織を変えられるのか 1-2 組織が挑むDXの本質 1-3 組織の形態変化を阻むもの 組織の芯を捉え直す問い 第2章 ⽇本の組織を縛り続けるもの 2-1 「最適化」という名の呪縛 2-2 ⽬的を問い直す 2-3 アジャイルという福⾳ 2-4 組織はアジャイル開発の夢を⾒るか 組織の芯を捉え直す問い 第3章 ⾃分の⼿元からアジャイルにする 3-1 どこでアジャイルを始めるのか 3-2 組織アジャイルとは何か 3-3 組織アジャイルの段階的進化 組織の芯を捉え直す問い 第4章 組織とは「組織」によってできている 4-1 最適化組織 対 探索適応組織 4-2 四⾯最適化、時利あらず 4-3 “⾎があつい鉄道ならば⾛りぬけてゆく汽⾞は いつか⼼臓を通るだろう" 組織の芯を捉え直す問い 第5章 組織を芯からアジャイルにする 5-1 組織の中でアジャイルを延ばす 5-2 組織をアジャイルの回転に巻き込む 5-3 組織の芯はどこにあるのか 組織の芯を捉え直す問い 付録1 組織の芯からアジャイルを宿す26の作戦 付録2 組織アジャイル3つの段階の実践 参考⽂献

27.

本書は⼀⼈でも、チームや部署といった単位でも読んでも らいたい。特に、後者で読書会など開いて、本書で⽰す課題 や乗り越える⽅策について対話して欲しい。 そもそもアジャイルとは必ず正解へと導く、絶対的な⽅法 論などではない。組織の置かれている今ここから、向かいた い組織の姿へと⾄るためには、本書の内容をもとに⾃分たち ⾃⾝で「探索」のための取り組みようを講じていく必要があ る。 そこで各章の末尾に、組織で対話をするためのきっかけと して「問い」を⽤意した。

28.

組織の芯を捉え直す問い ・⾃分たちの組織が取り巻く環境、社会に対して⽴ち遅れて いると感じることは何か? ・デジタル利活⽤を前提とした社会や環境に適した組織、組 織活動とはどのようなものか? ・あなたの組織で探索しなければならないこととは何だろう か? ・新たな取り組みをはじめようとしたときに、真っ先にぶつ かる組織の制約とは何か? また、それはなぜ起こると考え られるか。

29.

やらないことリスト 「開発の話」を無理やり、組織にあてはめる 「アジャイル型組織」「アジャイル組織」的な話 これまでの組織変⾰系の書籍に書いてあること 「神の⽬」や「神の⼿」を持つものしかできない内容 ⼼意気のみの精神論

30.

パッケージデザイン

32.

https://shin-agile.link/

34.

夜も眠れない問題 “⽇本の組織が変わるかどうか” のただ⼀点 組織がこれまでの認識から踏み出し、新たな探索と適応を 得ていくには、皆さんの意志が必要となる。 組織は変わることができるのか? その回答を、皆さんとともに本書の中で辿っていきたい。

35.

期間を⾒極める 2021年11-12⽉ 企画⽴案 22年1⽉〜3⽉ とにかく 書き上げる 4⽉〜5⽉ 「ざらざら」から 「つるつる」へ (推敲とレビュー) 6⽉ ラスト ワンマイル (6/24 校了)

37.

すべての⼟⽇を捧げて、 ⼀⽇でも早く、届ける (1⽉はジャーニー本の校正と被って⼤変だった)

38.

ご近所さんをさがせ この本を書かせてくれた、現代の、 そしてアジャイル黎明期より繋がりのある皆さん “本書にお付き合いいただいた、吉⽥泰⼰さん、草野孔希さん、 脇阪善則さん、⽥中諭さん、川⼝賢太郎さん、⼭本浩道さん、 ⼩⽥中育⽣さん、菅原秀和さん、志村誠也さん、細⾕泰夫さん に重ねて謝意をお伝えします。 また、「正しいものを正しくつくる」に引き続き、編集者の 村⽥純⼀さんに伴⾛いただいたことが本書を書く上で ⼒なりました。最後に、この創作を⾒守ってくれた妻純⼦に 感謝します。"

39.

これから始まる ”ご近所さん”

40.

組織を芯からアジャイルにするコミュニティ シン・アジャイル 「アジャイル」を自分の居る場所からはじめよう。

41.

20年前の、10年前の、 「アジャイル」から、学びを得つつ 「今」の「アジャイル」をつくる つまり、シン・アジャイルの「シン」とは 新であり、真。 そして、伸、進、深。 ⼼の、そして芯からの、アジャイル。

43.

コミュニティも組織、 だからコミュニティの運営 ⾃体もアジャイルにする

44.

シンアジャイル バックログ スプリント プランニング 各⽂脈での アジャイルの 勉強会など ⾏政 ふりかえり むきなおり 6ヶ⽉くらいの タイムボックス (+適宜リファインメント) プロダクト アジャイル アジャイル 製造業 アジャイル スプリントレビュー スプリント レビュー = 6ヶ⽉に1回くらい ⽂脈越えて全員集合 (シン・アジャイルカンファレンス!) インクリメント (実践知)

45.

一緒にはじめましょう。 https://shin-agile.doorkeeper.jp/

46.

After Word (あとがき)

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アジャイル・ハウス 3F 2F 1F 基礎 組織運営のための「アジャイル」 探索と適応のための「アジャイル」 チームで仕事するための「アジャイル」 「アジャイルマインド」の理解 (「協働」のメンタリティ) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「組織アジャイル」の価値観とは

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・最適化に従うことよりも探索と適応を ・これまでの前提や判断基準よりも 他者との間で新たに得られた関係や可能性を ・固定化した⽂章よりも 利⽤ができるアウトプットを ・プロセス、ツールよりも個⼈との対話を、 そしてそこから⽣まれる互いへの関⼼を Photo on VisualHunt

51.

価値もしくは意味のある仕事をしたい、 ⾃分の⼿掛ける仕事に価値や意味を込めたい、 そう思うすべての⼈たちに本書を贈る

53.

Make Japan agile from the core. Photo on Visual hunt