金融の基幹システムを1年半かけて .NET 6に移行した話

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「持続可能なソフトウェア」の探求がライフワーク。C#、.NET、WPFあたりが住処。Microsoft MVP for Development Technologies(2017/01〜)。

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金融の基幹システムを 1年半かけて .NET 6に移行した話 Atsushi Nakamura Copyright 2022 @nuits_jp

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. About Me Copyright 2022 @nuits_jp

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About Me 中村 充志 / Atsushi Nakamura • • • • リコージャパン株式会社 所属 Enterprise(おもに金融)系SIerのITアーキテクト 「持続可能なソフトウェア」の探求がライフワーク .NET界 朝活部 日本支部長 • Blog • Twitter http://www.nuits.jp https://zenn.dev/nuits_jp @nuits_jp Copyright 2022 @nuits_jp Slide 3

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. Today's Materials Copyright 2022 @nuits_jp

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Today's Materials 金融の基幹システムを1年半かけて .NET 6に移行した話 https://zenn.dev/nuits_jp/articles/2022-08-26-migration-to-net6 Twitterの@nuits_jpアカウントから#csharptokyoハッシュタグをつけ てリンクを投稿します。 ついでにフォローしてってください! Copyright 2022 @nuits_jp Slide 5

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. Agenda Copyright 2022 @nuits_jp

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Agenda 1. プロダクト概要 2. プロジェクト概要 3. 顧客をどう説得したか 4. テスト戦略 5. 炎上 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 7

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Agenda 1. プロダクト概要 2. プロジェクト概要 3. 顧客をどう説得したか 4. テスト戦略 5. 炎上 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 8

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Agenda 1. 炎上 2. プロダクト概要 3. プロジェクト概要 4. 顧客をどう説得したか 5. テスト戦略 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 9

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. 炎上 Copyright 2022 @nuits_jp

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炎上 • TextFieldParser ⇒ CsvHelper移行 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 11

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炎上 外部システム① 本システム • TextFieldParser ⇒ CsvHelper移行 Copyright 2022 @nuits_jp 外部システム② 障害 Slide 12

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炎上 外部システム① 本システム • TextFieldParser ⇒ CsvHelper移行 外部システム② 障害 • デフォルトの挙動に差異があることに気が付かなかった • TextFieldParser :Trim有効 • CsvHelper :Trim無効 • 外部システムからの連携CSVの取込結果に差異が発生 • 幸い業務影響はなかった Copyright 2022 @nuits_jp Slide 13

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え?つまらん? Copyright 2022 @nuits_jp Slide 14

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Agenda 1. プロダクト概要 2. プロジェクト概要 3. 顧客をどう説得したか 4. テスト戦略 5. 炎上 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 15

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本当の炎上を見せてあげますよ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 16

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大炎上 • Windows Server 2008R2延長サポート終了:2022年7月12日 2021年 2022年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 ★プロジェクト開始 バッファー ★リリース予定日 ★DCでサーバー構築 リミット★ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 17

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大炎上 • Windows Server 2008R2延長サポート終了:2022年7月12日 2021年 2022年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 ★プロジェクト開始 バッファー ラックにケーブル が来てない! ★リリース予定日 ★DCでサーバー構築 リミット★ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 18

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大炎上 • Windows Server 2008R2延長サポート終了:2022年7月12日 2021年 2022年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 ★プロジェクト開始 バッファー ラックにケーブル が来てない! ★リリース予定日 ★DCでサーバー構築 リリース予定日 ★DCでサーバー構築 半導体不足でどうし ても3カ月かかる ★ 3カ月×10人の原価増 はわわ・・・ リミット★ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 19

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光ケーブルは半導体 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 20

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. プロダクト概要 Copyright 2022 @nuits_jp

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Product Overview • 業種:金融 • 仮称:Image Document Workplace(以降IDW) • 概要:画像化された、手書きの書類を扱うワークプレイス • 略歴 • 2013年4月に初期バージョンの開発開始 • 当初の利用者数200人 • 以後継続的に、年50~100人月程度開発 • 徐々に適用業務も広がった • 2020年12月に基幹システムに昇格 • 全国の営業店で受け取った書類はその場で画像化されIDW上へ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 22

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Product Overview(Before) 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.5.2 Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 23

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Product Overview(Before) 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.5.2 Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 24

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Product Overview(Before) 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.5.2 Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 25

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Product Overview(Before) 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.5.2 Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 26

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Product Overview(Before) 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.5.2 Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 27

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Product Overview(Before) 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.5.2 Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 28

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. プロジェクト概要 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 29

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 6. クラウド移行 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 30

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. マイナンバーを扱うシステムでコンプラ問題が 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 解決できる確証がなかったこと 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 6. クラウド移行 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 31

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 2020年の基幹システムリリース時に、「ガチ炎上」した 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 そのため顧客を含めたチーム全体にとって悲願 6. クラウド移行 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 32

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Project Schedule Client DB Server AP Server ・ ・ ・ フェーズ 1 2 3 4 2021年 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2022年 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 サーバー移行 機能追加・改修 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 33

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Project Schedule Client DB Server サーバー移行フェーズではOS・ミ ドルウェア・Runtimeの変更 AP Server ・ ・ ・ 接続の向きを変えるだけ フェーズ 1 2 3 4 Phase1:サーバー移行 2021年 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2022年 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 サーバー移行 機能追加・改修 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 34

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Project Schedule Client DB Server AP Server ・ ・ ・ Phase1:サーバー移行 Phase2:機能追加・改修 フェーズ 1 2 3 4 2021年 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2022年 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 サーバー移行 機能追加・改修 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 35

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で、.NETなに使おう? Copyright 2022 @nuits_jp Slide 36

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.NETどうする? 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ ここは仕方ない WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.7.2 ? Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 37

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.NETどうする? 顧客環境 Client DB Server AP Server ・ ・ ・ 何にすべきか? ここは仕方ない WPF Console App Windows Service .NET Framework 4.7.2 ? Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 38

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悩ましいスケジュール 項目 1 2 3 4 5 2021年 6 7 8 9 10 11 12 2022年 1 2 3 .NET 6 Release 物理移行フェーズ 要件定義~結合テスト システムテスト 受入テスト リリース 2つの選択肢 1. .NET Framework 4.8で永久に塩漬けする 2. .NET 6で2年おきにリプレースし続ける Copyright 2022 @nuits_jp ここまでの流れから 4.8じゃないの? Slide 39

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.NETと一緒にキャリアの塩付けはいやだ! Copyright 2022 @nuits_jp Slide 40

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最新.NETを適用していくメリット 1. 最新.NET自体の強み 1. 性能向上 2. 品質向上(nullableとか) 3. 生産性向上(便利機能は今後.NET向けに) 2. 将来的なクラウド利用に対する布石 3. エンジニアのモチベーションの向上 1. 生産性向上 2. 品質向上 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 41

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最新.NETを適用していくメリット 1. 最新.NET自体の強み 1. 性能向上 2. 生産性向上 3. 品質向上 2. 将来的なクラウド利用に対する布石 3. エンジニアのモチベーションの向上 1. 生産性向上 「幸福感の高い社員の創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%高い上に、欠勤率が 41%、離職率が59%低く、業務上の事故が70%少ない」 2. 品質向上 慶應義塾大学大学院 - 前野隆司教授 https://www.lifehacker.jp/article/245162great_place_to_work Copyright 2022 @nuits_jp Slide 42

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弊社「働き方変革」 https://kagayakutelework.jp/seminar/2020/pdf/tokyo04/ricoh201223.pdf Copyright 2022 @nuits_jp Slide 43

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弊社「働き方変革」 https://kagayakutelework.jp/seminar/2020/pdf/tokyo04/ricoh201223.pdf Copyright 2022 @nuits_jp Slide 44

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弊社「働き方変革」 「自己正当化ストーリー」 https://kagayakutelework.jp/seminar/2020/pdf/tokyo04/ricoh201223.pdf Copyright 2022 @nuits_jp Slide 45

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エンジニアの悪癖 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 46

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これでは顧客を説得できない Copyright 2022 @nuits_jp Slide 47

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. 顧客をどう説得したか Copyright 2022 @nuits_jp

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顧客の視点から考えてみる Copyright 2022 @nuits_jp Slide 49

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顧客から見た.NET6 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 50

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顧客から見た.NET6 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 51

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顧客から見た.NET6 コスト 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 52

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コスト 顧客から見た.NET6 技術的リスク ??? Copyright 2022 @nuits_jp Slide 53

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顧客から見た.NET6 コスト 同程度のウェイトか? 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 54

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顧客から見た.NET6 コスト 圧倒的に解消しやすい 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 55

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前提として Copyright 2022 @nuits_jp Slide 56

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前提 • 今回.NET 6にアップデート することは、大きなリスクはない 1. .NET Frameworkに依存する機能は「ほぼ」無い 2. 十分な体制 3. 十分な時間 4. 十分なコスト • 2年おきに更新しつづけることがリスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 57

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そのうえで・・・ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 58

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技術的リスクが低いと考える理由 1. .NET Frameworkから.NETへの移行は破壊的変更が多い 2. .NET 6から.NET 8への移行は基本的に後方互換性を期待できる 3. リスクの大きさ net4.5.2⇒net6.0 >>>超えられない壁>>> net6.0⇒net8.0 4. つぎの2つが用意できれば、今後のリスクは非常に小さい 1. 再現性あるテスト⇒自動テスト 2. 十分な品質のテスト Copyright 2022 @nuits_jp Slide 59

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 60

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 ※ テストの詳細は後半で Copyright 2022 @nuits_jp Slide 61

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顧客から見た.NET6 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 62

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顧客から見た.NET6 技術的リスク テスト品質の改善 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 63

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顧客から見た.NET6 テスト品質の改善 コスト 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 64

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何をもって倒す? Copyright 2022 @nuits_jp Slide 65

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顧客から見た.NET6 性能向上 品質向上 生産性向上 テスト品質の改善 コスト 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 66

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顧客から見た.NET6 クラウド適正 性能向上 品質向上 生産性向上 テスト品質の改善 コスト 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 67

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右に傾いたりしない Copyright 2022 @nuits_jp Slide 68

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顧客から見た.NET6 クラウド適正 性能向上 コスト 同じ尺度で定量的に比較が難しく 推測であって事実にならない ⇩ この状態では「やらない」になる 品質向上 生産性向上 テスト品質の改善 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 69

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顧客から見た.NET6 テスト品質の改善 コスト 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 70

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 71

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メンバー育成がひとつのGoalとなった理由 メンバー 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 わたし 社員A 社員B 社員C 社員D 社員E パートナーA パートナーB 徐々に品質が維持できなくなり・・・ パートナーC ・・・ パートナーZ この辺りから初期を 知る人がいなくなる Copyright 2022 @nuits_jp Slide 72

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炎上の要因 • 開発サイドと顧客サイドの双方に問題があった • 開発サイドの問題 • 未改修の機能が停止した • 改修箇所に依存する機能への影響想定が不十分だった • そもそも想定可能なメンバーが私一人しかいなかった 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 73

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 74

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 一度育成して終わりではない 育成後は維持する必要がある Copyright 2022 @nuits_jp Slide 75

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定期的なアップデートで維持できないか? Copyright 2022 @nuits_jp Slide 76

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コストの解消とメンバー育成 • およそ2年~3年でメンバーが入れ替わる • 2年おきに継続的にメンバーを再教育する • もっとも最適な教育はなにか? • ビジネス シナリオ テストの実施 • .NET のライフサイクルは3年 • LTSのリリース間隔は2年 • 同時に.NETをアップデートすることで実質ノーコストでテスト可能 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 77

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顧客から見た.NET6 テスト品質の改善 コスト 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 78

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顧客から見た.NET6 コスト メンバー再教育コスト 技術的リスク テスト品質の改善 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 79

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顧客から見た.NET6 コスト メンバー再教育コスト 対比して比較できる構造になっている 技術的リスク テスト品質の改善 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 80

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あとはシンプルです Copyright 2022 @nuits_jp Slide 81

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顧客から見た.NET6 コスト メンバー再教育コスト 技術的リスク テスト品質の改善 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 82

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顧客から見た.NET6 クラウド適正 性能向上 品質向上 生産性向上 コスト 技術的リスク メンバー再教育コスト テスト品質の改善 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 83

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顧客から見た.NET6 クラウド適正 性能向上 品質向上 生産性向上 コスト • 価値があることは理解している • 釣り合っていれば十分傾く 技術的リスク メンバー再教育コスト テスト品質の改善 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 84

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こうして.NET 6移行の理解を得ました Copyright 2022 @nuits_jp Slide 85

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ところで話が上手すぎると思った人? Copyright 2022 @nuits_jp Slide 86

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スタートは実はここ コスト 釣り合う要素は? 技術的リスク Copyright 2022 @nuits_jp Slide 87

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釣り合う要素を逆算し・・・ コスト メンバー再教育コスト 技術的リスク テスト品質の改善 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 88

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 89

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当初の顧客要求は少し異なった Copyright 2022 @nuits_jp Slide 90

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当初の顧客要求 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 91

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保守・運用側の課題 1. ・・・ 2. 業務とシステムの全体を把握している人材が不足している 3. ・・・ 4. ・・・ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 92

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マージして・・・ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 93

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逆提案した 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 94

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逆提案した 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する これらの具体的な施策もすべて提案に含めました 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 95

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逆提案した 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. これらの具体的な施策もすべて提案に含めました 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 あえて伝えなかったのは・・・ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 96

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私が.NET 6にしたくて仕方なかったことだけ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 97

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Thank You! おしまい! Copyright 2022 @nuits_jp Slide 98

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だと技術的な話が、ほぼ無くてさみしいので・・・ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 99

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 テスト品質の改善について 今回練り直した・・・ Copyright 2022 @nuits_jp Slide 100

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. テスト戦略 Copyright 2022 @nuits_jp

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ドキュメント・テスト体系 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 102

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設計とテスト 業務 1 業務シナリオ n 1 1 業務テスト n n 機能 1 機能シナリオ n 1 1 機能テスト 実装など Copyright 2022 @nuits_jp Slide 103

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設計とテスト 業務 1 業務シナリオ n 1 1 業務テスト n n 機能 1 機能シナリオ n 1 1 機能テスト 実装など Copyright 2022 @nuits_jp Slide 104

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設計とテスト 業務 1 業務シナリオ n 1 1 業務テスト n n 機能 1 機能シナリオ n 1 1 機能テスト 実装など Copyright 2022 @nuits_jp Slide 105

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Project Goal 1. OSのESU期限となる2022年7月までに新環境へ移行する 2. 移行に際し、業務に影響を与えず移行をする 3. 基幹システムに見合った、安定した開発/運用の実現 a. テスト品質の改善 b. 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 4. 非機能要件を見直し、見合った性能を確保する 5. 生産性向上のため機能追加・改修(性能改善含む)の実施 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 106

107.

設計とテスト 業務 1 業務シナリオ n 1 1 業務テスト n n 機能 1 機能シナリオ n 1 1 機能テスト 実装など Copyright 2022 @nuits_jp Slide 107

108.

設計とテスト 業務テスト 機能テスト Copyright 2022 @nuits_jp Slide 108

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設計とテスト 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 テスト品質の改善 業務テスト 機能テスト Copyright 2022 @nuits_jp Slide 109

110.

設計とテスト 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 業務テスト 機能テスト Copyright 2022 @nuits_jp Slide 110

111.

設計とテスト 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 テスト品質の改善 業務テスト 機能テスト Copyright 2022 @nuits_jp Slide 111

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設計とテスト 業務・システムともに習熟したメンバーの育成 テスト品質の改善 業務テスト 機能テスト .NETバージョンアップの主役 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 112

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機能テストの状態 1. 概ね十分なテストケース 2. 再現性が担保されたテストデータ 3. テストの実施は手動 4. 期待結果との比較は目視 これらの自動化がゴール Copyright 2022 @nuits_jp Slide 113

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機能テスト戦略 1. .NET Frameworkバージョンで手動テスト実施 2. Databaseの全テーブルをダンプして期待値を作成 3. Microsoft公式のガイドに従って.NETへ移行 • .NET Framework から .NET への移植の概要 https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/core/porting/ 4. テストの自動化 5. 実行結果をダンプしてNo.2の期待値と比較 上記はDatabaseに限定して説明しています Copyright 2022 @nuits_jp Slide 114

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バグも含めて現行動作を担保 10年動いているシステムのバグは、業務的にはとっくに仕様 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 115

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Project Schedule Client DB Server AP Server ・ ・ ・ Phase1:サーバー移行 Phase2:機能追加・改修 フェーズ 1 2 3 4 2021年 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2022年 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 サーバー移行 機能追加・改修 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 116

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機能テスト戦略 1. .NET Frameworkバージョンで手動テスト実施 2. Databaseの全テーブルをダンプして期待値を作成 3. Microsoft公式のガイドに従って.NETへ移行 • .NET Framework から .NET への移植の概要 https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/core/porting/ 4. .NET 6でテストの自動化 5. 実行結果をダンプしてNo.2の期待値と比較 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 117

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機能テスト戦略 1. .NET Frameworkバージョンで手動テスト実施 2. Databaseの全テーブルをダンプして期待値を作成 3. Microsoft公式のガイドに従って.NETへ移行 • .NET Framework から .NET への移植の概要 https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/core/porting/ 4. .NET 6でテストの自動化 5. 実行結果をダンプしてNo.2の期待値と比較 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 118

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めんどくさい。たとえば時間の扱いとか Copyright 2022 @nuits_jp Slide 119

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時間のパターン No. 期待値のパターン 1 固定値 2 3 説明 おもにテスト開始前に登録され、意図せず変更されないことを評価する。 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 120

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時間のパターン No. 期待値のパターン 説明 1 固定値 おもにテスト対象外のデータ。意図せず変更されないことを評価する。 2 可変 – DB初期化時刻以前 テスト開始前で、5分以内の時刻が必要といったケース 3 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 121

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時間のパターン No. 期待値のパターン 説明 1 固定値 おもにテスト対象外のデータ。意図せず変更されないことを評価する。 2 可変 – DB初期化時刻以前 たとえば、前回の実行から、所定の時間を経過していなかった場合、処理 をパスするような振る舞い 3 可変 - DB初期化時刻以後 UpdateAtのような列 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 122

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テストが難しくなる要素 1. 時間 2. 環境(例えばログのホスト名) 3. 冪等性の担保されていないサービス・ライブラリへの依存 3は、そっちを直せよって気分になりますが、例えば・・・ 個別に対応する内容じゃない 「PDFのメタデータには作成日時や更新日時が含まれている 同じ条件でPDFを生成しても、同じバイナリーにならない」 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 123

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ツール&ライブラリー作りました Copyright 2022 @nuits_jp Slide 124

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DbAssertions 提供機能 1. DatabaseからCSVでエクスポートして期待値を作成するツール 2. テスト実行後にDatabaseとCSVを比較するライブラリ https://github.com/nuitsjp/DbAssertions Copyright 2022 @nuits_jp Slide 125

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リポジトリをのぞいてみると・・・ No. 1 2 3 4 5 ディレクトリ 説明 DbAssertions DbAssertions.SqlServer DbAssertions.SqlServer.App DbAssertions.Test Sample Copyright 2022 @nuits_jp Slide 126

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リポジトリをのぞいてみると・・・ No. 1 2 3 4 5 ディレクトリ 説明 DbAssertions コアライブラリ。一応DB非依存で、No.2・3から依存されている。 DbAssertions.SqlServer DbAssertions.SqlServer.App DbAssertions.Test Sample Copyright 2022 @nuits_jp Slide 127

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リポジトリをのぞいてみると・・・ No. ディレクトリ 1 DbAssertions 2 DbAssertions.SqlServer 説明 コアライブラリ。一応DB非依存で、No.2・3から依存されている。 DbAssertionsのSQL Server向けの実装 • DBの値をエクスポートして期待値ファイルの作成 • ユニットテストへ期待値との比較するAssertionの提供 Appおよびテストコードから利用される 3 DbAssertions.SqlServer.App 4 DbAssertions.Test 5 Sample Copyright 2022 @nuits_jp Slide 128

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リポジトリをのぞいてみると・・・ No. ディレクトリ 1 DbAssertions 2 DbAssertions.SqlServer 説明 コアライブラリ。一応DB非依存で、No.2・3から依存されている。 DbAssertionsのSQL Server向けの実装 • DBの値をエクスポートして期待値ファイルの作成 • ユニットテストへ期待値との比較処理の提供 Appおよびテストコードから利用される 3 DbAssertions.SqlServer.App 期待値ファイルを作成するため、No.2をコンソールアプリケーション として提供する 4 DbAssertions.Test 5 Sample Copyright 2022 @nuits_jp Slide 129

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リポジトリをのぞいてみると・・・ No. ディレクトリ 1 DbAssertions 2 DbAssertions.SqlServer 説明 コアライブラリ。一応DB非依存で、No.2・3から依存されている。 DbAssertionsのSQL Server向けの実装 • DBの値をエクスポートして期待値ファイルの作成 • ユニットテストへ期待値との比較処理の提供 Appおよびテストコードから利用される 3 DbAssertions.SqlServer.App SQL Server用の期待値ファイルを作成するためのアプリケーション 4 DbAssertions.Test No.1・2のテストコード 5 Sample Copyright 2022 @nuits_jp Slide 130

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リポジトリをのぞいてみると・・・ No. ディレクトリ 1 DbAssertions 2 DbAssertions.SqlServer 説明 コアライブラリ。一応DB非依存で、No.2・3から依存されている。 DbAssertionsのSQL Server向けの実装 • DBの値をエクスポートして期待値ファイルの作成 • ユニットテストへ期待値との比較処理の提供 Appおよびテストコードから利用される 3 DbAssertions.SqlServer.App SQL Server用の期待値ファイルを作成するためのアプリケーション 4 DbAssertions.Test No.1・2のテストコード 5 Sample デモで利用するサンプルリソース置き場 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 131

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もうコード見てたって人、手を挙げて! Copyright 2022 @nuits_jp Slide 132

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お題 1. AdventureWorks - いつもいつもお世話になります 2. PersonスキーマのPersonテーブルを利用 3. 初期化時にID=1の行を更新 1. ModifiedDateを現在時刻に 4. テストでは、ID=2の行を更新 1. TITLEを「Mr.」に 2. ModifiedDateを現在時刻に 先ほどのリポジトリのSampleプロジェクトを参照 • https://github.com/nuitsjp/DbAssertions Copyright 2022 @nuits_jp Slide 133

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テスト自動化の手順 1. AdventureWorksをきれいな状態で起動する 2. テスト前の状態にデータを更新する(Initialize.sql) 3. 自動化対象を実行する(UpdateTitle.sql) 2回実行する 4. ツール(DbAssertions.SqlServer.App.exe)でDBをダンプする 5. テストを自動化する(Sample.csproj) Copyright 2022 @nuits_jp Slide 134

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実際に見てみよう! Copyright 2022 @nuits_jp Slide 135

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.NETどうする? 顧客環境 Client WPF DB Server AP Server 48プログラムを自動化 ・ ・ ・ Console App Windows Service .NET Framework 4.7.2 .NET 6 Windows 10 Windows Server 2008 R2 Copyright 2022 @nuits_jp Slide 136

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使いたい人は、ドキュメント書けってIssue建ててplz. Copyright 2022 @nuits_jp Slide 137

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.NET 6 migration of a financial company's mission-critical system. まとめ Copyright 2022 @nuits_jp

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まとめ プロジェクトスポンサーから見た場合、.NET Frameworkが選びやすい のは事実だと思います。 今回は私が顧客を説得できたシナリオを紹介しましたが、背景に強く依 存した内容です。 これをそのまま流用するというわけにはいかないでしょう。 技術者として、よりモダンな環境に身を置けるようにするため Copyright 2022 @nuits_jp Slide 139

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皆さん自身のwin-winのシナリオを見つけよう! Copyright 2022 @nuits_jp Slide 140

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Thank You! おしまい! Copyright 2022 @nuits_jp Slide 141