データを活用した地域公共交通の活性化最前線

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March 14, 24

スライド概要

3月14日(木)開催
東京大学生産技術研究所デジタルスマートシティイニシアティブ社会連携研究部門・最終シンポジウム「都市デジタルツインの5年前と現在地」における伊藤昌毅の発表資料です。

プログラムなど:
https://dss.csis.u-tokyo.ac.jp/event/20240314/
動画:
https://www.youtube.com/watch?v=85glG1gi3vE

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伊藤昌毅 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授。ITによる交通の高度化を研究しています。標準的なバス情報フォーマット広め隊/日本バス情報協会

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各ページのテキスト
1.

2024年3月14日 東京大学生産技術研究所 デジタルスマートシティイニシアティブ社会連携研究部門・最終シンポジウム 「都市デジタルツインの5年前と現在地」 データを活用した地域公共交通の活性化最前線 東京大学大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授 伊藤昌毅

2.

伊藤 昌毅 • • • • • • 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授 一般社団法人 日本バス情報協会 代表理事 静岡大学 土木情報学研究所 客員教授 専門分野 – – ユビキタスコンピューティング 交通情報学 – – – – – – – – 静岡県掛川市出身 2002 慶應義塾大学 環境情報学部卒 2009 博士(政策・メディア) 指導教員: 慶應義塾大学 徳田英幸教授 2008-2010 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別研究助教 2010-2013 鳥取大学 大学院工学研究科 助教 2013-2019 東京大学 生産技術研究所 助教 2019-2021 東京大学 生産技術研究所 特任講師 2021-現在 現職 – 運行管理者(旅客) 経歴 資格 2

3.

2018年〜2023年

4.

2018年 • 技術が作り出す未来の交通への期待 – Smart City 再始動 (日本では一度終わったテーマだった) – オリ・パラに向けた自動運転 Google Carへの注目 – MaaSへの期待 • 機械学習(ディープラーニング)が注目され始める – 2017年: “Attention Is All You Need” (Transformerを紹介する論文) – AIとは呼べなかった

5.

自動運転・CASE

6.

2020年!? • テスラは2020年に「完 全な自動運転」を実現 する – オートパイロット機能 – スマートサモン機能 https://wired.jp/2019/02/25/tesla-full-self-driving-promise/

7.

日本政府: 2020年? • x 2013年 https://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201311/09car.html 2015年 https://news.tvasahi.co.jp/news_politics/articles/000059910.html

8.

CASE: 自動車産業が見据えている方向性 • C: Connected – 通信・ネットワーク化 • A: Autonomous – 自動運転 • S: Shared and Services – サービス化 • E: Electric – 電動化 • 2016年にダイムラーが提唱・一企業に留まらない自動車産業の方向性を示 すキーワードとなる https://www.daimler.com/innovation/case-2.html

9.

TESLA • イーロンマスク氏による電気自動車ベン チャー企業 – 2003年創業 • 自動運転に対応したハードウェアを標準 装備 – カメラや超音波、レーダーなどで周辺を認識 – オートパイロット機能を提供 – 現在は完全な自動運転ではないが、将来は完全自 動運転に対応? – ソフトウェアアップデートで機能追加 • 利用者の運転行動を通してアルゴリズム を進化 • Webでカスタマイズ・オーダー https://ja.wikipedia.org/wiki/テスラ・モデル3

10.

• xx トヨタの求人広告が話題に(2017年) https://adgang.jp/2017/10/151302.html

11.

MaaS (Mobility as a Service)

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MaaS Global社による定義 • あらゆる種類の移動手段を単一の 直感的なモバイルアプリにまとめ ます。さまざまな事業者が提供す る移動の選択肢をシームレスに組 み合わせて、旅行計画から支払い まですべてを取り扱います。オン デマンドで旅行を購入する場合で も、手頃な価格の月額パッケージ をサブスクライブする場合でも、 MaaSは最善の方法であなたの移 動のニーズに応えます。

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国交省 都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会 • MaaSをテーマにした懇親会 • 委員 – – – – – – – – – 石田東生 筑波大学特命教授 (座長) 伊藤昌毅 東京大学生産技術研究所助教 鎌田実 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 川端由美 自動車ジャーナリスト、株式会社ローラン ド・ベルガー 須田義大 東京大学生産技術研究所教授 高原勇 筑波大学未来社会工学開発研究センター長 森本章倫 早稲田大学社会環境工学科教授 矢野裕児 流通経済大学流通情報学部教授 吉田樹 福島大学経済経営学類准教授 • 2019年3月に中間とりまとめ公表 http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000089.html

14.

国交省を挙げた体制(旧運輸省+旧建設省) • 事務局 – 道路局 – 総合政策局公共交通政策部交通計画課 – 都市局都市計画課都市計画調査室 – 道路局企画課評価室 • 参加者 – 総合政策局 • 公共交通政策部 – 交通計画課 • • • • 物流政策課 情報政策課 技術政策課 環境政策課 – 都市局 • 都市計画課 • 街路交通施設課 • 企画課 • 道路交通管理課 – 鉄道局 • • • • 総務課 都市鉄道政策課 鉄道事業課 技術企画課 • • • • • 総務課 旅客課 技術政策課 貨物課 安全政策課 – 自動車局 – 大臣官房 • 技術調査課 – 国土交通政策研究所

15.

日本が新たなモビリティサービスに取り組む意義 • 選択肢の拡大や、ワンストップでシームレスなサービスにより、 利用者の利便性の向上 • 移動の効率化や運転者不足解消で、持続的・安定的な交通・物 流手段の確保 • 混雑緩和や空間利用の効率化 • 都市・地域の課題解決を目指すスマートシティの実現 – 移動データからニーズに対応した路線への再構築 – 移動データとAI、IoTの活用による都市内の移動の全体最適化 • 自家用車から公共交通へのシフトによる環境負荷の低減

16.

方向性1: データ連携のポイント • • • • 形式やAPIの標準化の推進 協調領域(オープン化)と競争領域の明確化 MaaSの構築の容易化 MaaS間の連携(ローミング)の実現

17.

方向性2: 運賃・料金の柔軟化のポイント • 事前確定運賃、サブスクリプション、ダイナミックプライシン グの重要性への認識 – ワンストップの統合サービスとしての意味 – 都市内の移動の最適化の意味 • 法制上の整理(旅行業法の適用等) – 制度のあり方の検討の必要性 • キャッシュレス決済の必要性と課題認識 – ICカードの車載器などの投資コストとQRコードなど低コストな技術への期待

18.

方向性3: まちづくりとの連携のポイント • 都市と交通の相互作用を前提に、都市のハードウェア整備と都市交 通の変容を考慮したまちづくり • 都市・交通政策との整合化 – 立地適正化計画や地域公共交通網形成計画との整合性 • 多様なモード間の交通結節点の整備(拠点形成) – フィジカル空間での交通モード間のシームレス化 • 新型輸送サービスに対応した走行空間の整備(ネットワーク形成) – 道の駅を拠点とした自動運転サービスのような、道路空間の整備 • まちづくり計画への移動データの活用 – データに基づくスマートプランニング

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方向性4: 新型輸送サービスの推進のポイント • 国内で検討されている上記のようなモビリティを推進し、地域の モビリティ確保などを実現 • 欧米で研究開発されているデマンド交通は俎上に上がらず?

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方向性5: その他のポイント • 競争政策の見直し • 人材育成 • 国際協調 – 「我が国が主導的立場を果たしていくことが望ましい」

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データは裏方 • 「データ整備・継続的な更新」の必要性は理解されにくい • 「アプリ開発」「デジタル案内板」などの裏の業務としての データ

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第3回交通ジオメディアサミット 〜東京2020の交通をITで支えるために〜 • 2018年9月25日(火) 東大生研 コンベンションホールにて 230名超の参加者 – 東京2020交通の実務と学のトップ × Google 乗換案内トップ × 国内経路検索3 社経営陣と考える東京オリンピック・パラリンピックの交通情報のあり方 – 路線バスオープンデータの最新情報

23.

• あ

24.

GTFSオープンデータ • 公共交通の静的データ(路線、バス停や駅、時刻表)などを格 納する世界標準のフォーマット • 世界の公共交通事業者において、GTFSに準拠したデータを公 開することが一般的 • 日本では路線バス業界が「標準的なバス情報フォーマット」と して採用し整備、公開が進む

25.

GTFS形式 • 世界で広く使われる形式 • 乗換案内に必要な情報(バス停・駅+路線+時刻表+運賃)をまとめて格納 したファイル形式 バス停/駅+路線 時刻 運賃 35

26.

バス事業者や自治体による公共交通 オープンデータ整備が活発化 • • 全国で30近い事業者が整備・公開 4県が県を挙げたデータ整備中 2018年11月現在 伊藤調べ http://tshimada291.sakura.ne.jp/transport/gtfs-list.html

27.

2019年2月:90事業者

29.

ついに600を越えるも伸びは鈍化か

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日本でデータ整備が進んだ経緯

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乗換案内サービスで検索出来ますか? 駅すぱあと Yahoo!乗換案内 駅探 乗換案内 NAVITIME ジョルダン 乗換案内 Google Maps Apple Maps

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地域の公共交通は乗換案内に出てこない

33.

地域の公共交通は乗換案内に出てこない データ整備にはコストが掛かるため 利用者数が少ない地域のバスにまで 手が回らない 交通事業者が自ら 標準形式のオープンデータを用意して 乗換案内に提供する

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日本の公共交通データ流通の現状 JR 私鉄 交通新聞社 私鉄 私鉄 バス バス バス JTBパブリッシング バスデータに関しては、集約して販売する 事業者がなく、乗換案内事業者それぞれが 独自で一社一社のデータを集めている 乗換案内サービス事業者

35.

海外の事例: 交通事業者がオープンデータを提供 • 路線図、時刻表、リアルタイム車両位置情報などのデータの利用を開放 • 自由に使ってもらうことで、アプリの作成や工夫を凝らした印刷物などの情 報提供を促進 • アメリカ、ヨーロッパでは当たり前になりつつある

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オープンデータから様々なアプリが開発される • 大企業、ベンチャー−企業、個人がアプリ開発

37.

2014年〜 静岡県でコミュニティバスのオー プンデータ化の取り組み • 県庁、市役所、地元IT企業等とGTFS、GTFSリア ルタイムによるオープンデータ化を実現 – Google Mapsへ提供可能に • アイデアソン、ハッカソンで地域でのデータ活用 を目指す

38.

学会発表を繰り返す • 交通の専門家は学会に結集している • ならばそこに参加してオープンデータ を訴える

39.

「交通ジオメディアサミット 〜 IT×公共交通 2020年とその先の未来を考える〜」 開催 • • • • • 2016年2月12日開催(東大駒場第2キャンパス コンベンションホール) 195人来場 産(現場寄り): JR東日本、バイタルリード(出雲市の交通コンサルタント) 産(IT寄り): ジョルダン、ナビタイム、ヴァル研究所(駅すぱあと) 官: 国土交通省、学: 東京大学(私) コミュニティ: Code for Japan、 路線図ドットコムなど

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バス情報の効率的な収集・共有に向けた 検討会(2016年12月〜2017年3月) • 事務局: 総合政策局公共交通政策部交通計画課 • 外部委員 – – – – – – – – – – 伊藤昌毅 東京大学生産技術研究所(座長) ー川雄一 株式会社構造計画研究所 伊藤浩之 公共交通利用促進ネットワーク 井上佳国 ジョルダン株式会社 遠藤治男 日本バス協会 櫻井浩司 株式会社駅探 篠原雄大 株式会社ナビタイムジャパン 丹賀浩太郎 株式会社工房 別所正博 公共交通オープンデータ協議会 山本直樹 株式会社ヴァル研究所

41.

GTFSデータ一覧 • 旭川高専 嶋田鉄兵氏が管 理するGTFSオープンデー タの一覧 • https://tshimada291.sa kura.ne.jp/transport/gtf s-list.html

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データ活用の広がり

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ワンソース・マルチユース 乗り換え案内 マイ路線図・マイ時刻表 公共交通 オープンデータ 交通分析 service_id route_name 平日 250号線 [3102](片上→岡山駅) 行ラベル 06:52 08:40 10:35 15:11 17:05 総計 計画 最小 中央値最大 120 83 92 102 106 78 78 83 90 100 76 76 80 84 75 79 81 88 80 85 87 98 111 60 79.4 82 89 96 • • 40 計画 中央値 20 最小 最大 17:05 15:11 10:35 08:40 06:52 0 データを使った様々なアプリ開発や 交通分析が実現 データ分析やアプリ開発によって公 共交通の利便性が向上

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Google Mapsへの掲載 • GoogleはGTFS形式によるオープ ンデータを推奨 • 乗換案内に掲載されていない自治 体やバス事業者が利用促進のため にデータ整備 • 訪日外国人が利用するのはGoogle Maps

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「駅すぱあと/Yahoo!乗換案内」がオープン データを採用 • オープンデータ化されたバスデータを経路探索に採用 https://ekiworld.net/personal/app/spec/info.html?style=pc

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GTFSリアルタイムで攻めの情報発信 • バスロケやアラートを標準フォーマットで積極公開、利便性向上へ

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GTFS-JPオープンデータ整備の効果 • 北恵那バス馬籠線での調査 – 利用者の多く(76%)は外国人。馬籠宿 から妻籠宿へ向かうルートが大半 – 外国人のうち欧米の旅行者が85% • 外国人の15%がGoogle Maps検索で バスを知る。20代は4割以上 • 沖縄・石垣島での調査 – データ整備前(2018年2月)と整備後(2019 年8月)との比較 – 「バス・船の検索に不便があった」が約5割か ら約3割に改善 • • – 検索する際の不便や困難が大きく改善 • 2018年10月調査(中津川市が実施) http://www.city.nakatsugawa.gifu.jp/page/081195.html 国内: 約5割(n=88)から約3割(n=101) 海外: 約6割(n=9)から約4割(n=34) 検索できなかったとの回答が約7割から約3割に 2019年9月報告(沖縄県 観光2次交通検討委員会資料) https://oki2k.jp/files/ic_20190913_no4.pdf

48.

GTFS-GO • QGISプラグインとして 提供されているGTFS可 視化ツール • GTFSに基づいた路線図、 運行頻度図などを出力 が可能

49.

参考)GTFS-GOが欧米で話題に、運行頻度図 UKのスタートアップThe Data City社 GitHub上の評価☆が急上昇 が高評価 CTOのTweetをきっかけに話題に SEPTA地域鉄道 (米国ペンシルバニア州) https://twitter.com/yfreemark/status/1565030476439494658 英国内の鉄道 287RT, 1619いいね https://twitter.com/thomasforth/status/1564683686330736646 FLiXBUS (ドイツ・欧州各国) https://twitter.com/BorisMericskay/status/1565301466243506177 オープンソースとオープンデータによる 公共交通EBPMエコシステムに貢献 68

51.

シェアモビリティデータ

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GBFS • シェアモビリティの国際標準 フォーマット – シェアサイクル、シェアキック ボードなどのポートデータが公開 されている • 日本では2022年よりドコモ バイクシェア、ハローサイク リングのデータが公開 https://www.odpt.org

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ハローサイクリング・ドコモバイクシェアのポート位置

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2023年: 鉄道・バス・タクシー 地域公共交通は崩壊の寸前か • そもそも、人口減少、モータリゼーションによる地域公共交通 の衰退傾向 • 2020年〜: コロナ禍による乗客減 • 2022年〜: 運転手不足が深刻化 • 2024年〜: いわゆる2024年問題

55.

生産技術研究所前のバス停: 都市部にも減便の波が

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熊本における増便シミュレーション →渋滞解消効果を評価 • 幹線8方面で1時間あたり8〜2本、23時頃まで運行を仮定 • 簡易で網羅的な推計により効果推定 – 1日あたり543便増 – 年間532万人利用増、10.7億増収、9.3億円減益 • バス利用が532万人増により、車利用が403万人減り、平日朝夕と 土曜夕方を中心に速度が1km/h前後向上し、市民の走行時間が178 万時間、時間価値換算で47.6億円の便益 • 充分な費用対効果だが渋滞解消のたっめにはさらなる施策が必要

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バスの運行頻度 2023年4月平日 GTFSオープンデータを統合して 「GTFS-GO」にて可視化 7777

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使える本数とは? 30分間隔 ≒ 30本/日が最低ライン 車からの大転換には120本/日必要 熊本市公共交通グランドデザイン(2012年:初版) 富山市公共交通活性化計画(2007): https://www.city.toyama.toyama.jp/data/open/cnt/3/3974/1/13.koutuu_kasseika_keikaku.pdf 国交省 評価指標 30本/日 が基準 都市構造の評価に関するハンドブック(2014) 時間帯ごとの本数の例 時間帯 5 本数 1 https://www.mlit.go.jp/common/001104012.pdf 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 6 12 10 6 6 6 6 6 6 6 8 10 8 6 6 4 4 3 計120本 78

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79 増便すれば利用者は増える 富山ライトレール 栃木県小山市 おーばす 本数を3.5倍(曜日不明) 11年で1.8倍の経費増 ↓ ↓ 平日は2.2倍(感度0.49) 利用2.0倍(感度1.2) 休日は5.3倍(感度1.75) 富山県朝日町 山形県鶴岡市 5年で便4.1倍 ↓ 利用2.8倍(感度0.6) 便数4倍 ↓ 利用3倍(感度0.7) ※ルートを再設計、 バス停を58→79に増設 一概には言えないが、 100%(2倍に)本数を増やせば50%利用増は見込める!? 79

61.

80 増便・バスレーンシミュレーション(平日1日の例) 運転時間削減 短縮時間 バスレーン 短縮 適用 幹線 [分] 率 Lv 方面 路線(断面) 1_植木 1A_徳王 1B_池田三丁目 2A_高平橋 3 50% 2B_須屋小屋 3 50% 2C_城北校前 3 100% 2D_立田山 3 100% 3A_高杉 3 100% 3B_武蔵陸橋 3 100% 3C_塚の本 3 100% 3D_江南病院前 3 100% 4A_渡鹿四丁目 5 100% 4B_熊本学園大学入口 5 100% 4C_帯山小学校入口 5 50% 4D_京塚 5A_小楠公園前 3 50% 5B_東野中学校前 6A_下江津 6B_江津三丁目 6C_田井島(浜線バイパス) 6D_田迎(旧浜線) 6E_県立高等技術専門校前 7A_熊日前(国道) 7B_熊日前(旧道) 8A_新土河原一丁目 8B_島団地入口 8C_野口町 8D_野中公民館前 8E_稲荷入口 8F_高橋中間 2_合志・ 菊池 3_菊陽・ 大津 4_長嶺 5_益城・ 空港 6_嘉島 7_宇土・ 宇城 8_田崎・ 城山 増便率 8 2 3 3 3 3 3 3 3 3 6 6 8 8 6 2 2 2 2 8 2 2 4 2 2 3 2 2 3 時短感度(4%/分)を乗算 比例 反映 ×増便感度(0.5) 往復数 運転時間[h/日] 経費概算[円/日] 混雑 幹線部 輸送人員 収支概算[円/日] 増便 増加 1便人 増便増 増便増 レーン 増加 収入 収支率 収入 収支率 収支 現行 現行 増加 現行 増加 現行 増加計 後 率 数 加 加率 増加 率計 現行 現行 増加 増後 増減 91 123 177 62 35% 1,247千 439千 29.0 5,273 927 18% 0 927 18% 1,179千 95% 207千 82% -231千 23 34 14 7 48% 100千 48千 15.8 726 174 24% 0 174 24% 106千 106% 25千 89% -23千 38 49 71 18 26% 503千 128千 28.6 2,171 314 14% 149 463 21% 435千 87% 93千 84% -35千 24 49 65 65 100% 456千 457千 35.4 1,698 884 52% 155 1,039 61% 432千 95% 265千 76% -193千 33 49 61 24 40% 426千 172千 28.0 1,846 448 24% 275 723 39% 351千 82% 138千 82% -35千 42 49 77 8 10% 539千 55千 30.3 2,541 212 8% 330 542 21% 465千 86% 99千 95% 44千 41 49 58 6 11% 406千 45千 25.5 2,088 204 10% 275 479 23% 384千 95% 88千 105% 43千 38 49 64 14 21% 454千 97千 25.4 1,931 279 14% 265 545 28% 367千 81% 103千 85% 6千 29 49 50 29 59% 349千 206千 25.4 1,475 509 34% 238 747 51% 283千 81% 143千 77% -63千 28 49 45 29 64% 318千 204千 20.7 1,160 435 38% 191 626 54% 223千 70% 120千 66% -83千 61 93 81 27 33% 568千 189千 22.5 2,739 718 26% 691 1,410 51% 523千 92% 269千 105% 81千 65 93 104 29 28% 733千 206千 22.3 2,905 626 22% 706 1,332 46% 593千 81% 272千 92% 66千 78 123 118 59 50% 831千 416千 20.2 3,125 917 29% 404 1,322 42% 545千 66% 230千 62% -185千 93 123 137 44 32% 964千 311千 25.7 4,776 770 16% 0 770 16% 813千 84% 131千 74% -180千 75 93 130 28 21% 919千 196千 27.6 4,108 510 12% 277 787 19% 811千 88% 155千 87% -40千 21 34 55 34 62% 384千 238千 22.6 951 294 31% 0 294 31% 219千 57% 68千 46% -170千 18 34 31 29 94% 215千 203千 21.2 741 349 47% 0 349 47% 149千 69% 70千 52% -133千 12 34 17 33 196% 118千 232千 17.0 390 382 98% 0 382 98% 71千 60% 70千 40% -162千 21 34 30 19 62% 213千 132千 14.6 613 190 31% 0 190 31% 101千 47% 31千 38% -101千 93 123 171 56 33% 1,201千 396千 19.8 3,668 605 16% 0 605 16% 815千 68% 134千 59% -262千 26 34 34 10 31% 237千 73千 13.1 683 105 15% 0 105 15% 118千 50% 18千 44% -55千 28 34 32 7 24% 223千 53千 13.2 726 86 12% 0 86 12% 144千 65% 17千 59% -36千 46 63 61 24 38% 432千 166千 21.8 1,984 382 19% 0 382 19% 403千 93% 77千 80% -89千 32 34 31 2 8% 216千 17千 6.4 405 16 4% 0 16 4% 83千 39% 3千 37% -14千 16 34 16 19 113% 116千 130千 12.7 407 229 56% 0 229 56% 88千 76% 49千 56% -81千 44 49 57 7 11% 405千 46千 15.7 1,382 79 6% 0 79 6% 309千 76% 18千 72% -28千 36 34 27 -2 -6% 193千 -11千 7.3 522 -15 -3% 0 -15 -3% 93千 48% -3千 50% 8千 23 34 33 17 51% 233千 119千 13.4 601 154 26% 0 154 26% 125千 54% 32千 45% -87千 31 49 33 19 58% 230千 134千 17.7 1,096 318 29% 0 318 29% 209千 91% 61千 74% -73千 1日集計 全幹線 1,202 1,698 terminal桜町路線2,998 3,495 all 全路線 4,596 5,093 41%・496便増 1,878 2,571 3,818 723 723 723 39% 13,232千 5,098千 28% 18,115千 5,098千 19% 26,901千 5,098千 39%・510万円経費増 52,731 11,100 65,527 11,100 81,442 11,100 21% 17% 14% 3,958 3,958 3,958 15,058 15,058 15,058 29% 10,436千 23% 12,494千 18% 15,374千 29%・1.5万人利用増 79% 2,986千 69% 2,986千 57% 2,986千 73% -2,112千 67% -2,112千 57% -2,112千 299万増収 211万減益 80

62.

増便・バスレーンによる渋滞緩和の推計(私案) ◼ 増便 • 熊本市の幹線8方面のバスを48%増便。日中は7.5〜30分間隔に設定 シナリオ • 増便率の0.5倍の利用増を仮定(20%増便なら10%利用増) ◼ バスレーン • 3箇所の所要時間を3〜5分短縮と設定 • 所要時間×4%/分 の利用増を仮定(5分短縮なら20%利用増) ◼ 利用増・収支 • 年532万人(32%)、9.3億円減益 推計結果 ◼ 渋滞解消効果 • 交通量:年403万人削減 • 速度:14.0→15.1km/h(中央区平日8時)、走行時間:178万時間短縮 • 便益:47.6億円(公費支出の5.1倍の効果) 車1人削減あたり中央区1814円、他区824円 81

63.

官民連携で再生を果たしつつある地方鉄道 えちぜん鉄道 &福井鉄道 富山 ライトレール えちぜん鉄道会社案内より ひたちなか 海浜鉄道 VISIT富山県 より JR城端線 ・氷見線 ひたちなか海浜鉄道会社トップページより https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20231129/3060015024.html 82

64.

宇都宮LRTの盛況 土曜22:30発の行列 市長講演より LRT開業1カ月 平日利用、約1万3 千人で安定 休日は予測の4〜5倍 需要予測は開業1年目が平日1万2800人、土日 祝日4400人。運行会社の宇都宮ライトレールに よると、開業1カ月は平日はほぼ予測通りなのに対 し、土日祝日は4、5倍の利用が続いている。9月 3日には最多の約2万人を記録。敬老の日を含む3 連休は1日当たり約1万6千人が乗車した。 乗客のICカード利用率は93〜94% https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/794774 83

65.

交通DXで本来目指すべきこと デジタルなら「顧客や社会のニーズに基づいた交通」を別次元で実現出来るはず

66.

そもそもDXとは? • 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル 技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービ ス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組 織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確 立すること – 「DX推進指標」における定義, 経済産業省, 2019年7月 • 結果:顧客や社会のニーズに基づいた製品やサービス • 手段:データとデジタル技術を活用 • 波及効果:業務、組織、プロセス、企業文化・風土の変革

67.

DXの実現とは:デジタル人馬一体で高速PDCA が継続する状態を作る • すべてITがやってくれる – AI・自動運転を導入して任せればオッケー • 絶え間なくデータを突き付けられ、迅速な判断・実行を求められる – 判断の結果も、デジタル技術のおかげで即現場に反映される – 「何を判断するか」自体も進化する • 乗りこなす人間の側に相応の能力が求められる→組織風土の変革 – 「顧客や社会のニーズに基づいた交通」をあらゆるスケールで考え続ける必要 – 事務職において「同じ仕事をミスなくやり続ける」スキルからの脱却

68.

交通資源台帳のデジタル化・リアルタイム化・共有 • 地域の路線・車両・人員 などの資源をデータ化し リアルタイムに更新・共 有 – 利用者向けにはGTFS/GTFSRTなどの形で実施済み • リアルタイムにデータ化 されていなければ「地域 の輸送資源を総動員」は 無理

69.

地域の交通モード別移動実績(分担率) • 自家用車、バス、鉄道な どの利用者総数を経路ご とに可視化 – 熊本において各種交通統計や ICカードデータを利用し作成 – PT調査データに類似している が経路単位の精度は無い • 分担率を視覚的に把握。 交通モードを俯瞰して政 策立案へ

70.

交通サービスレベルの可視化・評価 中心地からの到達時間 地域ごとの通える高校数

71.

顧客や社会のニーズに基づいた交通とは? • 交通事業者の内情に合わせたサービス – 交通事業者単独での収支改善 – 運転手不足に合わせた減便 • 移動の課題を解決するサービス – 通勤、通学、通院の足の確保 – 渋滞の解消

72.

交通DXの対象の半分は行政組織 制度・政策・補助金の 効果や評価は? 国交省 制度・法令 地域交通のデータ一式 が溜まる(ただし紙) 運輸局 紙による 届出・申請・監査 検索、呼出、支払などの デジタル化が進行中 政策・補助金 協議会を開催 (ただしデータなし) 交通行政のDX 公共交通 事業者 自治体 スマホ アプリ 自治体へのデータ 提供義務なし 交通サービスのDX • 交通行政のDXが進まない限り公共交通事業者は帳票地獄が続く 利用者

73.

運輸局への紙による膨大な申請・届出業務 バス会社(永井運輸@前橋) 関東運輸局 太田恒平, 水野羊平, 三浦公貴, 伊藤昌毅, "GTFS-JPデータを用いた乗合 バス事業の電子申請に向けた基礎検討 〜帳票地獄からの脱却による働き 方改革を目指して〜", 第59回土木計画学研究発表会, 2019年6月9日.

74.

公共交通オープンデータのインパクト 交通事業者 自身の 業務効率化・高度化 利用者 の利便性 都市・地域 の交通政策 国(運輸局)の業務効率化 加藤博和先生資料 http://orient.genv.nagoya-u.ac.jp/kurashi1810-HirokazuKato-l.pdf

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データを肴に交通を議論・計画したい • 採択決定後から行 政(市・県)・バ ス事業者幹部、地 域ITコミュニティ などと打ち合わせ を重ねる • 熊本エリアにおけ る実証実験や フィールド調査な どを推進 94