IT×モビリティ: 車両・インフラ・利用者のデジタル化の先にあるモビリティサービスを考える

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January 18, 23

スライド概要

PCやスマホで完結するサービスだけでなく、モビリティサービスにおいてもデジタル化やソフトウェアによる高度化が進もうとしている。MaaS (Mobility as a Service) はその典型である。一方で、現実の社会の中でデジタルによるモビリティサービスを実現しようとすると、企業や組織間の壁、紙やアナログ主体の行政の壁など様々な障害が存在し、その実現のためには技術課題と社会課題の双方を解決する必要がある。この講演では、公共交通オープンデータの推進を端緒とする公共交通DXの取り組み、行政におけるデジタルデータ活用やデータに基づく政策立案の支援、信号制御や道路交通インフラの高度化の実現などのこれまでの取り組みを紹介しつつ、デジタル基盤上で実現するモビリティの姿とその実現への道筋を議論する。

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伊藤昌毅 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授。ITによる交通の高度化を研究しています。標準的なバス情報フォーマット広め隊/日本バス情報協会

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各ページのテキスト
1.

2023年1月18日 オンライン開催 日立 社内研究発表会 デジタルxモビリティ IT×モビリティ: 車両・インフラ・利用者の デジタル化の先にあるモビリティサービスを考える 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 伊藤昌毅

2.

伊藤 昌毅 • 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授 • 専門分野 • • – – ユビキタスコンピューティング 交通情報学 – – – – – – – – 静岡県掛川市出身 2002 慶應義塾大学 環境情報学部卒 2009 博士(政策・メディア) 指導教員: 慶應義塾大学 徳田英幸教授 2008-2010 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別研究助教 2010-2013 鳥取大学 大学院工学研究科 助教 2013-2019 東京大学 生産技術研究所 助教 2019-2021 東京大学 生産技術研究所 特任講師 2021-現在 現職 – 運行管理者(旅客) 経歴 資格 2

3.

伊藤×国土交通省 • • • • • • • 標準フォーマット関連 – – – – バス情報の効率的な収集・共有に向けた検討会 座長(H28年度) 標準的なバス情報フォーマット利活用検討会 座長(H29年度) バス情報の静的・動的データ利活用検討会 座長(H30年度) GTFS-JPに関する検討会 委員(R2年度) – 公共交通分野におけるオープンデータ推進に関する検討会 委員(H29年度-R3年度) – – 都市と地方における新たなモビリティサービスのあり方懇談会 委員(H30年度) 新モビリティサービス推進事業有識者委員会 委員(R1年度) – 交通政策基本計画小委員会 委員(R1年度-) – シェアサイクルの在り方検討委員(R1年度-) – 鉄道の混雑緩和に資する情報提供のあり方に関する勉強会 委員(R2年度) – 運行管理高度化検討会・ワーキンググループ(R2年度-) オープンデータ関連 MaaS関連 交通政策審議会 シェアサイクル 鉄道 点呼

4.

伊藤×経済産業省・総務省 • 経済産業省 オープンデータ関連 – 官民データの相互運用性実現に向けた検討会 座長(H29年度) – 情報共有基盤 利用促進ワーキンググループ 委員(H30年度) • 総務省 オープンデータ関連 – 地域情報化アドバイザー(R2年度〜R3年度)

5.

伊藤×地方自治体 • • • • • • • 沖縄観光2次交通の利便性向上に向けた検討委員会 座長(H30年度〜) 群馬県バスロケーションシステム実証実験 アドバイザー(R1年度) さいたま市 スマート駅広研究会 副会長(R2年度〜R3年度) 佐賀市 街なか未来技術活用モデルプラン策定業務有識者会議 委員(R2年度) 東京都 東京都における地域公共交通の在り方検討会 委員(R2年度〜R3年度) 熊本市 熊本版MaaS勉強会 有識者委員(R3年度〜) 杉並区地域公共交通活性化協議会 会長(R3年度〜) • その他自治体主催のイベントでの講演多数 – 静岡県掛川市、石川県能美市、群馬県、島根県安来市、沖縄県、富山県、岐阜県、北海道など

6.

2010〜 鳥取大学:「IT×公共交通」との出会い

7.

2010年〜2013年 バスネット: 鳥取大学発 バス・鉄道乗換案内 の開発 • 年間4万人を超えるユニークユーザ • 年間30万件を超える検索数 • 総務大臣賞 産学官連携功労者表彰,平成21年 • 総務大臣表彰 U-Japan大賞 地域活性化部門賞, 平成20年 • ほか受賞多数

9.

計画からバス利用過程全体の支援へ • バスを知り,バスに乗りたくなる「バスネット」 • 評判を伝え,バスに誘いたくなる「バスネット」 近所のバス 停はどこ? 認識 車よりも便 利なの? 欲求 便利だった! みんなも乗ろ う! 乗りたいけ どいつ来 る? 計画 バスネット バス移動 共有

10.

行動パターンからバスを提案 • スマートフォンが移動を記録し、よく行く場所を 抽出 • よく行く場所への経路を能動的に提案 – 「12分後に現在地を出発すれば,イオン鳥取北店に14:23に到 着します」 • Androidウィジェットとして実現 • 「バスでも案外早く着くんだ」 • 「まだ終バスに間に合うからゆっくりしよう」

11.

位置情報履歴から滞在点のみを抽出 1. 定期的に位置情報を取得 2. 移動中の地点を除く 3. クラスタリングで類似データを まとめる 4. 場所の名前を検索し紐付け

12.

次の行動を推測してバス乗車を提案 1クリックで経路を表示 よく行く場所を地 図で確認

13.

経路はわかった、その先は? • • • • バス停はどこにある?上り?下り? 乗るバスはどれ?間に合うかな? 遅れてるようだけど、いつ着く? お金はいつ払うの? • →バスの乗車を詳細に支援するナビゲーションシステム

14.

バス停まで: ピンポイントに徒歩ナビ • 地図と写真で、目的のバス停 まで迷わず導く • 距離や位置がわかるので、焦 らず歩ける

15.

バス停では: 焦らず、迷わずバスを待つ • 時間があれば、コンビニや郵 便局にも • 次々とバスが来ても迷わない • 必要な小銭が今のうちにわか る

16.

バスに乗ったら: 景色がわからなくても 安心

17.

画面に従うだけで、不安のないバス利用が実現 • 現在位置や時刻を元に状態を認識し、案内を 自動切換 • 乗り換えやバス停間の移動にも対応 • 並行してバス停詳細調査を実施 – 上下各バス停の正確な緯度経度 – 様々な角度からのバス停の写真 – 待合室、コンビニ等の有無 バスから 降車 バス停へ 到着 徒歩移動中 • ビッグデータ収集のための基盤技術としても 期待 バスへ乗車 乗車中 待機中

18.

スマートフォンによるバスロケーションシステムの開発 • GPS搭載スマートフォンを車載端末として利用することで,低コ ストな設置,運用を実現 – 鳥取市の15路線で運用→現在は鳥取県全域で稼働中 バスネット サーバ リアルタイム 位置情報 位置から遅れを 推測

19.

バスネット利用者の行動分析 • Webやアプリの利用データのビックデータ分析から、公共交通 への需要を明らかに 出発地設定 目的地 イオン鳥取北 (バス停) 鳥取駅 (バス停) 県庁日赤前 (バス停) イオン鳥取北 (バス停) 鳥取砂丘 (バス停) 500 450 400 350 300 250 利用数 順位 出発地 鳥取駅 1 (バス停) イオン鳥取北 2 (バス停) 鳥取駅 3 (バス停) 鳥商前 4 (バス停) 鳥取駅 5 (バス停) 目的地設定 200 150 100 50 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 時間帯 h 鳥取駅バス停 区間ごとの需要 地域別の需要分布 バス停ごとの乗降パターン 18 20 22 24

20.

アクセスログ解析システムの開発 • 直感的な解析を実現するWebインタフェースの開発 – Hadoopを使った分散処理でデータ解析を高速に実現 – 総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)地域ICT新興型研究開発に採 択

21.

公共交通のオープンデータ運動

22.

地域の公共交通は乗換案内に出てこない

23.

地域の公共交通は乗換案内に出てこない データ整備にはコストが掛かるため 利用者数が少ない地域のバスにまで 手が回らない 交通事業者が自ら 標準形式のオープンデータを用意して 乗換案内に提供する

24.

海外の事例: 交通事業者がオープンデータを提供 • 路線図、時刻表、リアルタイム車両位置情報などのデータの利用を開放 • 自由に使ってもらうことで、アプリの作成や工夫を凝らした印刷物などの情 報提供を促進 • アメリカ、ヨーロッパでは当たり前になりつつある

25.

GTFS形式 • 世界で広く使われる形式 • 乗換案内に必要な情報(バス停・駅+路線+時刻表+運賃)をまとめて格納 したファイル形式 バス停/駅+路線 時刻 運賃

26.

オープンデータから様々なアプリが開発される • 大企業、ベンチャー−企業、個人がアプリ開発

27.

DB(ドイツ鉄道)オープンデータハッカソン • ああ

28.

日本の公共交通データ流通の現状 JR 私鉄 交通新聞社 私鉄 私鉄 バス バス バス JTBパブリッシング バスデータに関しては、集約して販売する 事業者がなく、乗換案内事業者それぞれが 独自で一社一社のデータを集めている 乗換案内サービス事業者

29.

2014年〜 静岡県でコミュニティバスのオー プンデータ化の取り組み • 県庁、市役所、地元IT企業等とGTFSによるオー プンデータ化を実現 – Google Mapsへ提供可能に • アイデアソン、ハッカソンで地域でのデータ活用 を目指す

30.

学会発表を繰り返す • 交通の専門家は学会に結集している • ならばそこに参加してオープンデータ を訴える

31.

「交通ジオメディアサミット 〜 IT×公共交通 2020年とその先の未来を考える〜」 開催 • • • • • 2016年2月12日開催(東大駒場第2キャンパス コンベンションホール) 195人来場 産(現場寄り): JR東日本、バイタルリード(出雲市の交通コンサルタント) 産(IT寄り): ジョルダン、ナビタイム、ヴァル研究所(駅すぱあと) 官: 国土交通省、学: 東京大学(私) コミュニティ: Code for Japan、 路線図ドットコムなど

32.

バス情報の効率的な収集・共有に向けた 検討会(2016年12月〜2017年3月) • 事務局: 総合政策局公共交通政策部交通計画課 • 外部委員 – – – – – – – – – – 伊藤昌毅 東京大学生産技術研究所(座長) ー川雄一 株式会社構造計画研究所 伊藤浩之 公共交通利用促進ネットワーク 井上佳国 ジョルダン株式会社 遠藤治男 日本バス協会 櫻井浩司 株式会社駅探 篠原雄大 株式会社ナビタイムジャパン 丹賀浩太郎 株式会社工房 別所正博 公共交通オープンデータ協議会 山本直樹 株式会社ヴァル研究所

33.

2017年3月31日 「標準的なバス情報フォーマット」公開

35.

2018年7月:23 2019年2月:90 2018年11月:30 2019年7月:126 44

36.

22年3月 22年1月 21年11月 21年9月 21年7月 21年5月 21年3月 21年1月 20年11月 20年9月 20年7月 20年5月 20年3月 20年1月 19年11月 19年9月 19年7月 19年5月 19年3月 19年1月 18年11月 18年9月 18年7月 18年5月 18年3月 18年1月 17年11月 17年9月 17年7月 本年も順調にオープンデータが増加 オープンデータ提供事業者数 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0

37.

オープンデータとして公開 • Webページからデータを誰でもダウンロード出来るように

38.

ワンソース・マルチユース 乗り換え案内 マイ路線図・マイ時刻表 公共交通 オープンデータ 交通分析 service_id route_name 平日 250号線 [3102](片上→岡山駅) 行ラベル 06:52 08:40 10:35 15:11 17:05 総計 計画 最小 中央値最大 120 83 92 102 106 78 78 83 90 100 76 76 80 84 75 79 81 88 80 85 87 98 111 60 79.4 82 89 96 • • 40 計画 中央値 20 最小 最大 17:05 15:11 10:35 08:40 06:52 0 データを使った様々なアプリ開発や 交通分析が実現 データ分析やアプリ開発によって公 共交通の利便性が向上

39.

Google Mapsで検索可能に • • いつも使ってるスマホアプリから自然にバス 情報にアクセス可能 外国人も使っているアプリ

40.

「駅すぱあと/Yahoo!乗換案内」がオープン データを採用 • オープンデータ化されたバスデータを経路探索に採用 https://ekiworld.net/personal/app/spec/info.html?style=pc

41.

サイネージでの活用

42.

市民発のアプリも登場 • Aa 青バスなう! https://sonohino-kibunshidai.org/aobus_now/ UnoMap https://play.google.com/store/apps/details?id=work.momizi.unomap&hl=ja

43.

オープンデータ活用ハッカソン • アプリ、乗り換え案内以外へも活用が検討される

44.

都バスのサービスレベルを把握するマップを作成

46.

サービスレベル可視化:中心地からの到達時間

47.

サービスレベル可視化:地域ごとの通える高校数

48.

IT×公共交通のコミュニティを作り育てる

49.

「標準的なバス情報フォーマット 広め隊」結成 • このフォーマットに基づいた公共 交通データの整備を推進する自主 的な活動が全国で同時多発的に発 生 • バス事業者との協業 • 自治体との協業 • ツールの開発 • 公共交通利用促進の一環として 2017年11月 「くらしの足をみんなで考える全国 フォーラム2017」ポスター出展→

50.

全国でさまざま講演

51.

フリーのデータ作成ツール開発・提供・利用支援 • 西沢ツール – 西沢明氏開発 – 約40+自治体・事業者が利用 • 見える化共通入力フォーマット – 伊藤浩之氏開発 • 当初は三重県のプロジェクトで利用 – 約33自治体・事業者が利用

52.

その筋屋 • 無償配布されているダ イヤ編集システム • プロ向けダイヤシステ ムと同等の機能を備え、 バス事業の運営に利用 出来る • GTFS/標準的なバス情 報フォーマット出力機 能を備える http://www.sinjidai.com/sujiya/

53.

公共交通オープンデータ最前線 in インター ナショナルオープンデータデイ2018 開催 • 2018年3月3日(土) 東大生研 コンベンションホールにて 180名の参加者 – 22件の発表:国土交通省、トラフィックブレイン、その筋屋、みちのりHD、九 州産業大学、青森市営バス、NEXCO西日本、ヴァル研究所など

54.

日本バス情報協会 設立! 準備メンバー • 西沢明(東京大学 空間情報科学研究センター 客員研 究員)※代表 • 伊藤浩之(公共交通利用促進ネットワーク) • 伊藤昌毅(東京大学 生産技術研究所 特任講師) • 井原雄人(早稲田大学スマート社会技術融合研究機 構) • 太田恒平(株式会社トラフィックブレイン) • 野津直樹(株式会社トラフィックブレイン) • 諸星賢治(MoDip/株式会社トラフィックブレイン) https://www.gtfs.jp/blog/preparatory-committee/

55.

信号機をITで作ってみた 82

56.

DC信号灯器の開発 ・実物の信号灯器を改造してDC電源で動作する信号灯器を開発(三球電機) ・RS-232Cで接続したPC・Raspberry Piからの制御や明るさの調光が可能 テスト用 信号灯器全体 信号灯器内部 信号灯器外部IF 83

57.

IoT信号機を独自に開発 • DC12V, 5Vを供給 • ソーラー+蓄電池で安定した電源供給 • 省電力化により24時間駆動も視野に 横型灯器 ソーラー+蓄電池 • 自動車通行状況のセンシングに利用 • 画像認識と組み合わせ、リアルタイムで交差点へ進入する自動車 の位置や速度などを把握 IPカメラ 組込コンピュータ • 信号制御ロジックとして交通状態に最適な信号制御 • 画像認識として、カメラ画像から自動車を抽出、速度などを算出 • 通信機能として、複数の信号機同士を接続、情報交換 縦型灯器 NVIDIA Jetson Xavier NX Raspberry Pi 84

58.

実際に稼働する「交差点」を実現 • ソーラー電源装置 • (株)エル光源 • 信号機の開発、敷設工事 • 三球電機(株) • 組み込みコンピュータを制 御器ボックス内に設置 85

59.

通信はWi-Fiを利用・5GやBeyond 5Gへの拡張も想定 • 各ポールにWi-Fiルータを設置し相互に接続。 交差点内で完結したネットワークを構築 • Pub/Subモデルによる通信 • RabbitMQを利用 86

60.

交通センシング ーすべては測ることからはじまるが・・・ ー 超音波式車両感知器 路面からの反射で車が通過しているか どうかを連続的に判定 光ビーコン https://www.seiss.co.jp/products/its/sensor/ 89

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交通センシング ー機械学習の最新技術を応用 YOLO: ディープラーニングによって物体を検出、識別する最新手法 2016年に提案され改良が続いている 高速・高性能 高性能なPCで動画(1秒間30コマ)の認識が可能 Deep SORT: リアルタイム物体追跡の最新手法 前後のコマ同一の物体を認識、移動を検出 90

62.

低消費電力な小型組み込みプラットフォームに実装 • 「自動車の検出」という課題に向けたチュー ニング • NVIDIA製の小型組込プラットフォームJetson への実装 • • 機械学習を高速に処理するGPU搭載 消費電力15W、価格約5万円 91

63.

Step1: 信号ポールのカメラ(4台・4方向)から動画撮影 X 92

64.

Step2: 自動車の識別・追跡を高速に繰り返す 93

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Step3: 地図上に投影・車線上の位置や速度を推定 • 精度、速度はデモをご確認ください 94

66.

デジタルツインに交通シミュレータ SUMOを組み合わせて未来予測 95

67.

提案する信号制御ロジック • リアルタイムにその瞬間瞬間の最適な灯色を提示 • センサで交差点周辺の交通状況を正確に把握 • 「もしこの方向に青を出したらこの後どうなる?赤だったらどうなる?」というよ うな、数十秒後の近未来を網羅的に予測し評価 車1台1台の振る舞いを評価し、それを総合して最善手を決定 • • センサ技術+交通シミュレーション技術+小型高性能コンピュータが広く利用 出来る時代に可能になった信号制御ロジック 97