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January 08, 24
スライド概要
歯科医師、特に矯正医向けの最新矯正論文情報サイト。日々の診療や臨床、医学研究に役立つ最新海外論文をPubMedから情報を提供します。Evidence-Based Medicine(EBM)、科学的根拠に基づいた海外矯正情報をお届けしています。今回は2023年Angle Orthodontistに投稿された論文を紹介します。Treatment planning protocols with the Invisalign appliance: an exploratory surveyという論文です。本研究は、アライン・テクノロジー社から提供された初期DTPと矯正医が最終的に承認したプランの違いを明らかにすることを主目的として行われました。また、永久歯の抜歯の有無で、初期プランと最終承認のプランとの違いが異なるかどうかを検討しました。研究データは、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカで開業している16名の矯正歯科医がインビザライン矯正装置を用いた17,000人以上の患者データであり、500人の患者が無作為に抽出されました。本試験で矯正抜歯が規定された群(抜歯群)および抜歯が規定されなかった群(非抜歯群)を含むすべての群およびサブ群の正規性は、Shapiro-Wilk検定で評価した。統計解析により、矯正医が承認する前のDTPの総数やアラインテクノロジーが最初に提案したプランのアライナーの総数などが明らかにされました。
矯正歯科の海外最新論文をPubMedから紹介します。特にマウスピース型矯正(インビザライン)論文中心にお届けします。
Key-words: : Clear aligner therapy; Digital treatment planning; Invisalign Treatment planning protocols with the Invisalign appliance: an exploratory survey Maurice J. Meade ; Tony Weir Angle Orthodontist, Vol 93, No 5, 2023 DOI: 10.2319/111422-783.1 紹介者:矯正海外論文サイト https://kyousei-kaigaironbun.com
©kyousei-kaigaironbun.com 目次 1 • Introduction 2 • Materials and Methods 3 • Results 4 • Discussion 5 • Conclusions 6 • References
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Introduction ©kyousei-kaigaironbun.com 【背景】最近の研究において、アライン・テクノロジーが提供する初期のデジタル治療計画(DTP)が、 臨床医に受け入れられることはほとんどないことが示されている[1,12]。 【目的】 主目的:インビザライン矯正装置に関連するDTPプロセスの調査をすること。 すなわち、アライン・テクノロジー社から提供された初期DTPと矯正医が最終的に承認したプランの 違いを明らかにすること。 副目的:永久歯の抜歯の有無で、初期プランと最終承認のプランとの違いが異なるかどうかを検討する こと。
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Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com 【対象年】2018年から2022年の間に治療を開始した患者 【研究データ】Australasian Aligner Research Database (AARD)、オーストラリア、ニュージー ランド、アメリカで開業している16名の矯正歯科医がインビザライン矯正装置を用い た17,000人以上の患者データ 【対象者】データベースから500人の患者を無作為に抽出した。 【包含基準】2018年より前ではなく、インビザライン矯正治療のみであること。永久歯列で あること。骨代謝を変化させる可能性のある病状または処方された薬剤がないこと。治療計 画プロセスが完了し、初期治療段階のアラナーが製造されていること。 【収集データ】 1)矯正医が承認する前のDTPの総数。 2)アラインテクノロジーが最初に提案したプランのアライナーの総数。 3)矯正医が承認したプランのアライナーの総数。 4)最初のプランでアラインが規定したCRアタッチメントを装着した歯とIPRの総数。 5)矯正医が承認したプランのCRアタッチメントを装着した歯とIPRの総数。
Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com Statistical Analysis 記述統計量は、GraphPad Prism 9.0(GraphPad Software Inc, La Jolla, Calif)を 用いて算出した。 本試験で矯正抜歯が規定された群(抜歯群)および抜歯が規定されなかっ た群(非抜歯群)を含むすべての群およびサブ群の正規性は、Shapiro-Wilk 検定で評価した。 すべてのグループおよびサブグループが非正規分布であったため、グルー プおよびサブグループ間の有意差を検出するためにWilcoxon順位和検定お よびMann-Whitney検定を採用した。 スピアマン相関検定は、グループ間およびサブグループ間の関連を調べる ために用いた。無作為に選ばれた40人の被験者のデータは、Excelスプレッ ドシートに入力されたデータの相互評価信頼性を評価するために、相互相 関係数(ICC)検定によってチェックされた。
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Results ©kyousei-kaigaironbun.com Meade & Weir (2023) 包含基準を満たしたデータは314名、うち女性は72.85%であった。
Results ©kyousei-kaigaironbun.com 抜歯群における抜歯の数
Results ©kyousei-kaigaironbun.com 初回DTPを矯正医が承認した割合は、非抜歯群で54例(16.4%)、抜歯群では2例 (2%)であった。患者1人当たりのDTP回数の中央値は3回であった。承認前の DTP回数は抜歯群の方が有意に多かった(図1)。
Results ©kyousei-kaigaironbun.com 全群において、初回DTPと承認DTPとにアライナーの枚数が多いことが示された。 非抜歯群のDTPでCRアタッチメントが処方されなかったのは5名であった。 抜歯群のDTPでは、1歯あたりのCRアタッチメントの最小処方数は12であった。
Results ©kyousei-kaigaironbun.com 【1週間のアライナー交換の永久歯の抜歯が計画された患者】 初回のDTPと比較して、承認されたDTPでCRアタッチメントが規定された歯数 は有意な差はなかった。
Results ©kyousei-kaigaironbun.com 【2週間のアライナー交換の患者】 初回のDTPと比較して承認されたDTPはCRアタッチメントが処方された 歯の数が、有意に多かったことが示された。
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Discussion ©kyousei-kaigaironbun.com この調査結果は、歯科矯正医によるDTPの真摯な見直しと適切な修正の必要 性を強調する。 アラインが提案したDTPに依存することは、不適切な治療計画と満足のいか ない治療結果をもたらすと判断された可能性がある。 今回発表された研究では、アラインから最初の治療計画を受け取った後、IPR やCRアタッチメントに関する大幅な変更が必要であることが示された。 さらに、患者1人あたり最大14回のDTPの繰り返しが必要であったことから、 納得のいく治療計画を立てるためには、歯科矯正医の専門知識が必要である ことが明らかになった。
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Conclusions ©kyousei-kaigaironbun.com 今回発表された研究では、必要なDTPの数、アライナー、CRアタッチメント、 IPRの処方の違いに関して、初期DTPと承認されたDTPの間で大きな変化が見ら れた。 CATプロバイダーが提供するDTPを真摯に評価することが不可欠である。 DTP計画プロセスの効果を高めるために必要な要因を特定し、管理できるよう にするためには、さらなる研究が必要である。
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References ©kyousei-kaigaironbun.com
記事監修 ©kyousei-kaigaironbun.com Dr. 堀井和宏 (Kazuhiro Horii) 日本矯正歯科学会 臨床指導医(旧専門医)・ 認定医 日本舌側矯正歯科学会 American Association of Orthodontists 〒520-0832 滋賀県大津市粟津町4-7 https://www.horii-kyousei.com