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June 25, 26
スライド概要
新関西国際空港株式会社へ送付した公開質問状。
回答期限:2026年7月13日。
大阪国際空港(伊丹空港)を「軍事利用」可能とする「特定利用空港」への指定を反対する会です。
令和 8 年6月23日 新関西国際空港株式会社 代表取締役社長 保田 亨 殿 大阪兵庫くらしをまもる会 代表 印 連絡先住所:大阪府豊中市岡上の町 2-5-28-2F メールアドレス: [email protected] 大阪国際空港(伊丹空港)の「特定利用空港」指定に関する公開質問状 冠省 貴社におかれましては、日頃より関西の空の玄関口として、インフラの維持管理等にご尽力され ていることと存じます。 さて、現在政府が進めている「特定利用空港」の指定に関し、大阪国際空港に対し打診が行われて いる事実が確認されております。当会は、本空港周辺に居住する市民として、この指定が過去に国・ 自治体・住民間で結ばれた「存続協定」の前提を覆し、周辺住民の生活環境ならびに貴社の事業価値 に重大な影響を及ぼすことを強く危惧しております。 政府は本指定について「受入れの可否はインフラ管理者が判断する」と明言し、貴社に最終的な判 断権限とそれに伴う社会的責任を委ねています。つきましては、施設管理者として重大な意思決定 を担う貴社に対し、現在の「権限と責任の所在」について、以下の 10 項目の公開質問状を提出いた します。包括的な回答ではなく、各問に対し個別の明確なご回答をお願いいたします。 誠に恐縮ではございますが、本状に対するご回答は、令和 8 年 7 月 13 日(月)までに、上記住所宛 に書面でお送りいただくか、メールアドレスへ書面(PDF ファイル等)にてお願い申し上げます。 なお、本状は「公開質問状」であり、ご回答内容(期限内に無回答であった場合はその事実も含め) につきましては、関係自治体への共有、報道機関への提供、およびインターネット等を通じて一般に 公開させていただきます。 記 【問1:無制限の利用拡大リスクについて】 政府が本指定にあたり提示している「確認事項(案)」には、具体的な利用に関する「年間利用回 数の上限」 「離着陸を許可する時間帯」 「戦闘機等の機種の制限」等が一切明記されていません。 政府は「具体的な運用については協議して決めていく」と説明していますが、この制限なき枠組み に同意した場合、客観的事実として、後から国が「安全保障上の必要性」等を理由に利用拡大を求め た際、貴社が自らの権限で明確に利用を差し止めることができる法的な「拒否権(歯止め) 」は制度 1
上存在しない、という認識で合っておりますか。 【問2:「存続協定」の形骸化について】 本空港には過去の公害調停を経て結ばれた「存続協定」(運用は 7 時~21 時、発着回数 1 日 370 回まで等)が存在します。問1でもお伝えしたように、この「確認事項(案)」には利用に関する制 限について一切明記されていません。加えて、防衛省は本枠組みに関して「運用時間帯以外での利用 については、何ら決まったものはない」と明言し、制限を確約していません。 本指定に同意した後、運用時間外の利用を求められたり、発着枠の上限を超える恐れがある利用 を求められた場合、国からいかなる理由があれど、貴社はインフラ管理者として明確に利用を拒否 されますか。 もし確実に拒否するとは言えないという場合、この指定が「存続協定」のルールを根底から覆し、 なし崩し的に深夜早朝の軍事利用などを招く構造的リスクを内包しているという事実を認識してい ますか。 【問3:民間航空路線の圧迫と経済的損失について】 現在、本空港の民間機の発着枠はほぼ上限(370 回)に達していると認識しております。 「存続協定」を遵守するならば、自衛隊機や米軍機が訓練等で利用する場合、すでに就航している 民間航空機のダイヤを削減・変更せざるを得ず、就航航空会社および貴社の事業収益に直接的な不 利益(経済的損失)をもたらす構造にありますが、インフラ管理者としてこの経済的リスクをどのよ うに評価していますか。 【問4:爆発物・危険物の輸送リスク(航空法第 86 条の適用除外)について】 防衛省は、本枠組みにおいて「自衛隊機による弾薬等の危険物輸送(航空法第 86 条の適用除外)」 が行われ得ることを認めています。住宅密集地に隣接する本空港において、民間機では厳重に禁じ られている「爆発物・武器弾薬の輸送や積卸し」が合法化されることは、万が一の事故の際、周辺住 民の命と財産に深刻な脅威をもたらすという事実を認識していますか。 また、万が一事故が発生した場合、民間機では禁じられている危険物の取扱を容認した上で本指 定に同意した貴社に対し、インフラ管理者として極めて重大な責任が問われるという事実を認識さ れていますか。 【問5:司法の限界(飛行差し止め不可の現実)と伊丹の歴史について】 本空港は 1939 年(昭和 14 年)に「大阪第二飛行場」として開港し、敗戦直後の 1945 年に米軍 (GHQ)に接収され、 「伊丹空軍基地(Itami Air Base)」となりました。朝鮮戦争(1950 年〜)の 際には、米軍の極東における最重要の爆撃機・輸送機の拠点として機能しました。その際、米軍の要 求と占領下の権力を背景に、周辺の農地や集落が次々と強制的に接収(収用)され、地域の住民が生 活の基盤を奪われ、有無を言わさぬ立ち退きを強いられた痛ましい歴史を持っています。 1958 年に日本に返還された後からは米軍の軍事利用はないものの、本指定により日米共同訓練も 行いやすくなり、米軍にとって本空港の利用価値が再び高まり、米軍からの利用要請が来る可能性 2
が高まることが考えられます。 実際、政府は、 「本枠組みにおける『訓練』には日米共同訓練も含んでおり、自衛隊による利用 はこの枠組みにおける調整の対象となる」と明記しています。これは、米軍自身は契約主体になら ないものの、自衛隊が米軍を民間空港に引き入れて共同訓練を行うことは、この枠組みの中で公式 に認められていることを意味します。 実際、多数の指定空港で、米軍を交えた大規模な日米共同 訓練等が開始されています。 また事実として、全国の米軍基地周辺における騒音訴訟において、日本の裁判所は「日本政府には 米軍機の飛行を制限する権限がない(第三者行為論)」として、住民の「飛行差し止め請求」を過去 から現在に至るまで全て却下しています。 貴社は、米軍より運用時間外での利用の申し出や発着枠上限を超えての利用の申し出があった際、 インフラ管理者として米軍に対して明確に利用の拒否をされますか。 もし、米軍に対して明確に拒否をするとは言えないという場合、深刻な騒音被害や危険、その他住 民を巻き込むいかなる事態が生じても、日本の司法(裁判所)の力をもってして軍用機の飛行を止め ることは不可能であるという現実(被害者が泣き寝入りを強いられる構造)を認識していますか。 【問6:米軍利用と治外法権(日米地位協定)の壁について】 問5に続き、2004 年の「沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故」において日本の警察や消防が現場 から閉め出された事実を鑑み、本空港で米軍機による事故やトラブルが発生した場合、インフラ管 理者である貴社や日本の公的機関が現場保全・原因究明を主導できない(治外法権の壁に阻まれる) という致命的な構造リスクを認識していますか。 【問7:有事の軍事目標化について】 国際社会から見て本空港が「軍事作戦に組み込まれた拠点」と見なされ、有事に『軍事目標』とし て攻撃されるリスクが高まります。これに対し国は「攻撃目標となる可能性が高まるとはいえない」 と説明していますが、貴社はインフラ管理者として、この国の説明を独自の検証も行わずに全面的 に鵜呑みにする姿勢ですか。それとも、企業としての独自の客観的なリスク評価を行っていますか。 【問8:ガバナンスと説明責任について】 貴社は国が 100%株式を保有する特殊会社ですが、同時にインフラの安全と周辺住民の生活を守 る「独立した企業」としての責任を負っています。 本件のような重大なリスクを伴う指定判断において、貴社は「株主(国)の意向や説明を全面的に 信じて従う」という姿勢ですか。それとも、被害の当事者となる「住民の命と安全」を最優先とし、 国からの打診であっても独自の基準で厳しく審査・拒否し得るという姿勢ですか。 【問9:住民の「理解と同意」の必要性について】 政府は「受入れの可否はインフラ管理者が判断する」としています。 過去の公害調停という歴史的経緯を踏まえ、貴社は本指定の受け入れ判断にあたり、 「周辺住民お よび関係自治体の明確な理解と同意が不可欠である(同意なき強行突破はしない)」と考えています 3
か。貴社の合意形成に対する基本姿勢をお答えください。 仮に貴社が「国と自治体・住民、双方の意見を総合的に勘案して判断する」といった姿勢である場 合、それは論理的な帰結として「地元からの明確な反対があったとしても、最終的には貴社の一存で 指定に同意する(強行する)選択肢を残している」という認識で相違ありませんか。 【問10:本指定に対する貴社の最終判断について】 法的な拒否権の不在、民間枠の圧迫による経済損失、爆発物輸送のリスク、地位協定によるコント ロール喪失、飛行差し止めの不可、そして有事の軍事目標化リスク。 これら全ての懸念材料が存在する現在の構造において、インフラ管理者である貴社は、現在「本指 定に同意する方針」ですか、それとも「拒否する方針」ですか。現在の貴社の姿勢をお答えください。 草々 【回答に関するお願いと取り扱いについて】 本質問状は、本空港の周辺住民および関係自治体(10 市協等)の生活と命に直結する、極めて重 大かつ喫緊の課題に関するものです。インフラ管理者としての説明責任を果たすべく、以下の要領 にてご対応をお願いいたします。 1.回答期限 令和 8 年7月13日(月)17:00 まで ※貴社内での慎重な協議・検討に必要な期間として十分な猶予を設けております。万が一、合理的 な理由により期限内の回答が困難な場合は、必ず期限前に「遅延の理由」および「回答確約日」を書 面にてご連絡ください。 2.回答方法 以下の住所へ、貴社の責任ある役職者の署名または社印等を押印した回答文書での回答、または メールアドレスに、同回答文書の PDF データを添付のうえ、ご送付ください。 3.回答の公開について(重要) 貴社からのご回答内容は、本質問項目と併せてメディア(報道機関)、関係自治体、およびインタ ーネット等を通じて広く公開させていただきます。 なお、各設問に対して明確なご回答を頂けなかった場合(「回答を控える」 「関係機関と調整する」 等、実質的なゼロ回答を含みます) 、あるいは上記期限までにご回答自体を頂けなかった場合におき ましても、インフラ管理者としての「貴社の公式な姿勢」として、その事実を公表させていただきま す。あらかじめご承知おきください。 【本件に関する連絡先・回答送付先】 団体名:大阪兵庫くらしをまもる会 担当者:見岳 亮一郎 住 所:〒560-0023 大阪府豊中市岡上の町 2-5-28-2F メール:[email protected] 4