20200704_つぶやかれたビブリオバトル_ポスター

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July 04, 20

スライド概要

第19回情報メディア学会研究大会の発表ポスターです。

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1977年茨城県生まれ|皇學館大学文学部国文学科准教授・図書館司書課程|つくば→スロベニア→伊勢|図書館情報学(文学館・文学散歩・文学アーカイブ・ウィキペディアタウン・学生協働・読書会)|ビブリオバトル普及委員会代表理事(二代目)済|知的資源イニシアティブLibrary of the Year選考委員長|伊勢河崎一箱古本市

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各ページのテキスト
1.

つぶやかれたビブリオバトル ―ツイッターのデータから見た普及の進み方― 岡野 裕行(皇學館大学文学部国文学科 准教授) 桐村 喬(皇學館大学文学部コミュニケーション学科 准教授) 1. 研究の目的 2. ビブリオバトルの広がり ●2007年に谷口忠大が京都大学在籍中に考案したビブリオバトルは、 関西地域から徐々に全国へと広がっていった。 ●2010年には谷口らがビブリオバトル普及委員会を設立したことで、 全国的な普及を目指して活動が展開されるようになった。 ●ビブリオバトルが、いつ頃にどの程度話題になっていたのかは、 雑誌や新聞などのメディア報道の記録から探ることができるが、 個人レベルにおいて、どの程度話題にされてきたのかについては、 これまで特にまとまった研究がされてはいない。 ●本研究では、ツイッターに投稿された位置情報付きデータをもとに、 ビブリオバトルへに対する関心の推移を確認する。 ①これまでに以下のような評価を受けてきた。 ●2010年:大学生・大学院生を対象とした全国大会が始まった。 ●2012年:「Library of the Year 2012」大賞を受賞した。 ●2013年:文部科学省「第三次子どもの読書活動の推進に関する基本的な 計画」で言及された。 ●2014年:高校生を対象とした全国大会が始まった。 ●2016年:「第10回高橋松之助記念 文字・活字文化推進大賞」特別賞を 受賞した。 ●2016年以降:小中高等学校の国語科教科書に掲載されはじめた。 ②初期の大きなできごととして、2010年から毎年続く全国大会と、 2012年の「Library of the Year 2012」大賞受賞がある。 3. 研究の方法 ①2012年2月より桐村が収集しているツイッターの位置情報付きデータから、文字列のなかに「ビブリオバトル」という単語が 含まれるツイートを、都道府県別・月別にする。 ②2012〜2014年までの初期3年間分の抽出データについて、都道府県別・月別のツイート数の合計を算出して整理する。 ③その当時の実際の普及状況と照らし合わせしながら、以上のような特徴が見られた背景について検討する。 4. 調査結果 2012〜2014年までのツイートデータを都道府県別・月別に集計すると以下のようになる。 2012年 2013年 都道府県 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計 北海道 2 1 3 青森県 0 岩手県 0 宮城県 1 1 秋田県 0 山形県 0 福島県 0 茨城県 0 栃木県 0 群馬県 0 埼玉県 0 千葉県 0 東京都 1 1 1 12 15 神奈川県 0 新潟県 0 富山県 0 石川県 1 1 福井県 0 山梨県 0 長野県 0 岐阜県 0 静岡県 0 愛知県 3 1 4 三重県 0 滋賀県 1 1 京都府 1 1 2 大阪府 1 1 1 1 4 兵庫県 3 3 奈良県 1 1 1 3 和歌山県 0 鳥取県 0 島根県 0 岡山県 0 広島県 0 山口県 0 徳島県 0 香川県 1 1 愛媛県 0 高知県 0 福岡県 1 1 佐賀県 0 長崎県 0 熊本県 0 大分県 0 宮崎県 0 鹿児島県 1 1 2 沖縄県 0 合計 3 2 3 2 6 3 0 2 14 4 2 41 都道府県 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計 北海道 2 1 1 4 青森県 0 岩手県 1 4 5 宮城県 0 秋田県 0 山形県 0 福島県 0 茨城県 1 1 栃木県 0 群馬県 0 埼玉県 1 1 2 2 千葉県 1 3 東京都 2 1 1 3 2 2 1 1 5 18 神奈川県 2 2 新潟県 0 富山県 0 石川県 0 福井県 0 山梨県 0 長野県 1 1 岐阜県 0 静岡県 0 愛知県 1 1 1 1 4 三重県 1 1 1 滋賀県 1 京都府 1 2 1 3 1 10 18 大阪府 1 1 1 4 1 兵庫県 0 奈良県 1 1 2 和歌山県 0 鳥取県 0 島根県 0 岡山県 0 広島県 2 1 1 1 1 6 山口県 0 徳島県 0 香川県 0 愛媛県 0 高知県 0 福岡県 0 佐賀県 0 長崎県 0 熊本県 0 大分県 0 宮崎県 0 鹿児島県 2 2 沖縄県 0 合計 2 5 5 4 6 5 4 3 5 9 25 1 74 ※赤い囲い部分の分析は予稿に掲載 2014年 都道府県 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計 北海道 2 10 2 14 青森県 0 岩手県 1 1 宮城県 1 1 秋田県 1 1 山形県 1 1 福島県 0 茨城県 1 1 2 栃木県 0 群馬県 1 1 埼玉県 1 1 千葉県 1 2 3 東京都 2 1 1 1 3 3 3 2 1 6 3 3 29 神奈川県 1 1 1 2 5 新潟県 0 富山県 1 1 石川県 2 1 3 福井県 0 山梨県 1 1 長野県 1 1 岐阜県 0 静岡県 0 愛知県 1 1 1 1 1 5 三重県 1 1 滋賀県 1 1 1 3 京都府 2 3 5 5 5 2 1 3 1 27 大阪府 1 2 2 1 6 兵庫県 1 3 1 1 6 奈良県 1 3 1 3 1 9 和歌山県 0 鳥取県 0 島根県 0 岡山県 0 広島県 4 1 1 6 山口県 2 3 1 徳島県 0 香川県 1 1 愛媛県 1 1 高知県 0 福岡県 1 1 1 1 4 佐賀県 0 長崎県 0 熊本県 0 大分県 0 宮崎県 0 鹿児島県 0 沖縄県 0 合計 7 11 7 8 13 25 15 7 6 18 9 11 137 合計 都道府県 総計 北海道 21 青森県 0 岩手県 6 宮城県 2 秋田県 1 山形県 1 福島県 0 茨城県 3 栃木県 0 群馬県 1 埼玉県 3 6 千葉県 東京都 62 神奈川県 7 新潟県 0 富山県 1 石川県 4 福井県 0 山梨県 1 長野県 2 岐阜県 0 0 静岡県 愛知県 13 三重県 2 5 滋賀県 京都府 47 大阪府 14 兵庫県 9 奈良県 14 和歌山県 0 鳥取県 0 島根県 0 岡山県 0 広島県 12 山口県 3 徳島県 0 香川県 2 愛媛県 1 高知県 0 福岡県 5 佐賀県 0 長崎県 0 熊本県 0 大分県 0 宮崎県 0 鹿児島県 4 沖縄県 0 252 5. 本研究で明らかになったこと 6. 今後の課題 ①各都道府県にビブリオバトルが到達した時期がわかる。 ①ツイートされたデータの収集範囲をより広範囲にすることで、 2011年以前や2015年以降の状況も調査対象とする。 ②あくまでもツイッターのデータをもとに分析をしているため、 ビブリオバトルが実際に広がっている現実の状況と、そのまま 重なるように対応しているとは言い切れないため、実情との 照合も必要となる。 ③本研究の分析では、位置情報付きツイートのデータに依拠して いるため、実際に「ビブリオバトル」とツイートされた数は、 もう少し多く見られる。 ④「ビブリオ」「ビブバト」などの省略形のほか、 Bibliobattle という表記も散見されるため、表現の多様性にも注意を払う。 それぞれの都道府県において、ビブリオバトルを実施し始めていた各団体の 初期の関係者が、開催に合わせてツイートをしていたことが確認できる。 ●2012年2月:室蘭工業大学のサークル「ビブリオバトル室蘭」(北海道) ●2012年2月:堺市立図書館によるイベント開催(大阪府) ●2012年3月:奈良県立図書情報館によるイベント開催(奈良県) ②各都道府県でどの程度話題になっていたかがわかる。 ビブリオバトル関係者が多く集まる機会が催された際に、参加者同士での ツイートが増加していることが確認できる。 ●2012年6月:ビブリオバトル普及委員会「春のワークショップ2012」 (愛知県) ●2012年10月:「ビブリオバトル首都決戦2012 ファイナル」(東京都)