20190906_大学図書館における学生協働の取り組みに教員がどのように関わるか

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September 06, 19

スライド概要

第71回近畿地区図書館学科協議会の発表スライドです。

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1977年茨城県生まれ|皇學館大学文学部国文学科准教授・図書館司書課程|つくば→スロベニア→伊勢|図書館情報学(文学館・文学散歩・文学アーカイブ・ウィキペディアタウン・学生協働・読書会)|ビブリオバトル普及委員会代表理事(二代目)済|知的資源イニシアティブLibrary of the Year選考委員長|伊勢河崎一箱古本市

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各ページのテキスト
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岡 野 裕 行 皇 學 館 大 学 文 学 部 国 文 学 科 准 教 授 ど教取学大 の員り生学 よが組協図 う み働書 に にの館 関 に わ お る け か る 第 2 71 0 回 1 近 9 畿 年 地 9 区 月 図 6 書 日 館 ︵ 学 金 科 ︶ 協 議 会

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1.大学図書館における学生協働とは何か 岡野裕行.大学図書館における学生協働とは何か.情報メディア研究. vol.18,no.1,2019-06,p.29-40. https://doi.org/10.11304/jims.18.29

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1.大学図書館における学生協働とは何か 教員の立場から学生協働の取り組みを考える ①大学図書館における学生協働とは何か ●学生協働の認識はどのように変わってきたか(定義の変遷) ●これまでの学生協働の事例から学生協働の範囲を考える ②大学教員が学生協働に関わることの意義 ③大学教員は学生協働の取り組みにどのように関わるか

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1.大学図書館における学生協働とは何か 学生協働の目的 ①大学図書館の運営に利用者の視点を取り入れること。 ②学生スタッフの学習・キャリア形成支援を行うこと。 ③学生スタッフを通じて他の学生への学習支援を行うこと。 ※八木澤ちひろ.大学図書館における学生協働について:学生協働まっぷの事例から. カレントアウェアネス・ポータル.no.316,2013-06-20. http://current.ndl.go.jp/ca1795

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1.大学図書館における学生協働とは何か ラーニングコモンズと学生協働の違い ①ラーニングコモンズ ●空間の提供による学びの支援(空間のデザイン) ②学生協働 ●人材の対応による学びの支援(関係のデザイン) ※八木澤ちひろ.大学図書館における学生協働について:学生協働まっぷの事例から. カレントアウェアネス・ポータル.no.316,2013-06-20. http://current.ndl.go.jp/ca1795

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1.大学図書館における学生協働とは何か 協働・協同・調停の違い ①協働(collaboration) ●自らが属する組織や文化の異なる他者と,一つの目標に向けて 互いにパートナーとしてともに働くこと。 ②協同(cooperation) ●明確な目標や組織を持たない,比較的短期間のインフォーマルな 協力関係のこと。 ③調停(coordination) ●協同よりもフォーマルな関係であり,長期間にわたって特定の 計画を遂行するために,調整的な努力を行う関係のこと。 ※坂本旬.「協働学習」とは何か.生涯学習とキャリアデザイン.vol.5,2008, p.49-57.

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1.大学図書館における学生協働とは何か 協働の持つ特徴 ①長期間にわたる関係であること。 ②相互の緊張感が高い関係であること。 ③何らかのリスクは伴うが大きな成果が期待できる関係で あること。 ※坂本旬.「協働学習」とは何か.生涯学習とキャリアデザイン.vol.5,2008, p.49-57.

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1.大学図書館における学生協働とは何か 公共図書館において協働が成立する条件 ①オーナーシップ ●図書館は行政ではなく市民の持ち物である。 ②イコールパートナーシップ ●市民と行政とは対等関係にある。 ※岡本真.図書館行政における『協働』の現在と未来.地域開発.vol.626,2018, p.59-63.

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1.大学図書館における学生協働とは何か 学生協働の主語について ①学生が××と協働する ②××が学生と協働する

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1.大学図書館における学生協働とは何か 学生協働は学生と職員の活動なのか? 石川らは以下のように述べている。 その一方で重要なのは,学生や図書館員がこうした大学図書館 活動を「学生協働」としてどのように認識しているのかという 点である。やや厳しい言及となるが,例えば学生は大学図書館 が提供する学生参画型「サービス」の受益者として認識しては いないか。他方で,図書館員は学生アルバイトの「代替者」 として,さらには図書館員の業務の負担軽減や,大学図書館の 実績づくりとして捉えている可能性も否定できないであろう。 ※石川敬史,近藤秀二,安達美奈子,兵賀房代,泉佳代子.大学図書館における 学生協働の意義と課題:十文字学園女子大学ライブラリーサポーターの活動を中心に. 十文字学園女子大学紀要.vol.48,no. 2,2018,p.191-203.

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1.大学図書館における学生協働とは何か 学生協働は学生と職員の活動なのか? 廣田は“学生が主役になるにはどうすればいいのか”という 問いに対し,以下の7点を指摘している。 ①学生が教職員と接する機会を増やす。 ②学生間で協力して行う学習を支援する。 ③学生の主体的な学習を支援する。 ④学習の進み具合をふりかえらせる。 ⑤学習に要する時間を大切にさせる。 ⑥学生に高い期待を寄せる。 ⑦学生の多様性を尊重する。 ※廣田未来.お茶の水女子大学附属図書館の学生支援:ラーニング・コモンズと LiSAプログラム.情報の科学と技術.vol.61,no.12,2011,p.489-494.

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1.大学図書館における学生協働とは何か 学生協働は学生と職員の活動なのか? 茂出木は大学図書館職員に求められる能力について, 以下の3点を指摘している。 ①調査力 ●現状を客観的に把握し,他大学や世間の動向を察知すること。 ②構成力 ●課題と問題の切り分けができること。 ③アピール力 ●何が問題でどうすればいいのかを文章にできること。 ※茂出木理子.ラーニング・コモンズと図書館:お茶大図書館改革の裏側を語る. 北海道地区大学図書館職員研究集会記録.no.52,2010,p.3-13.

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1.大学図書館における学生協働とは何か 学生協働は学生と職員の活動なのか? ①石川・廣田・茂出木の論考は,いずれも大学図書館職員を 読み手に想定した文章である。 ②これらは本来の意図する内容である学生協働の論点整理の 記述に加え,学生協働の話題を大学図書館職員の業務と 結びつける視点を強化する働きも含んでいる。

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2.学生協働はどのように認識されてきたのか この10年間の学生協働の動向 ①学生協働には,以下の2つの目的が設定されている。 ●図書館活性化による図書館業務・サービスの向上 ●学生の修学及びキャリア形成教育の支援 ②学生を大学図書館のスタッフの一員と見なすことに加え, 学生への教育的効果やキャリア形成につなげることを 目的に含むようになっている。

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2.学生協働はどのように認識されてきたのか 学生協働の定義の変遷 A)学生と図書館職員の協働による図書館活性化のための 活動のこと。 ※廣田未来,茂出木理子.学生と図書館の協働の可能性:お茶の水女子大学 LiSAプログラムについて.大学図書館研究.no.87,2009,p.1-8. B)学生の修学及びキャリア形成教育を支援するとともに, あわせて図書館業務・サービスの向上につなげていく ことを目的とする活動のこと。 ※日高友江,岡田隆.学生協働(Library Assistant)によって変わる図書館サービス: 山口大学図書館の実践.大学図書館研究.no.87,2009,p.9-14. ↓ ●学生協働の主語が大学図書館職員側に置かれており,学生への「支援」 という視点が見られる。 ●大学図書館職員が主体となり,学生たちとどのように関係していくかを 学生協働の形として想定している。

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2.学生協働はどのように認識されてきたのか 学生協働の定義の変遷 C)自発的・自立的に学習支援に関与し,図書館スタッフの 一員としての働きをする活動のこと。 ※呑海沙織,溝上智恵子.大学図書館におけるラーニング・コモンズの学生 アシスタントの意義.図書館界.vol.63,no.2,2011,p.176-184. ※ただし,これは学生協働ではなく,「学生アシスタント」についての定義である。 D)図書館業務の一端を,職員とともに,利用者でもある 学生が担う活動のこと。 ※八木澤ちひろ.大学図書館における学生協働について:学生協働まっぷの事例から. カレントアウェアネス・ポータル.no.316,2013-06-20. http://current.ndl.go.jp/ca1795 ↓ ●既存の図書館サービスの範囲内における補助業務を想定している。 ●あらかじめ定められた枠内に学生たちの活動範囲が留められている。 ●“職員とともに”とあるように,職員の関与が必須のものとなっている。

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2.学生協働はどのように認識されてきたのか 学生協働の定義の変遷 E)大学図書館において,学生同士あるいは学生と職員が 共通の目的のため,協力して共に活動すること。 ※学生協働ワークショップin東京実行委員会.学生協働ワークショップin東京2014. http://www.lib.ocha.ac.jp/lib-student2014. html F)大学図書館の運営に主体的にかかわる学生活動のこと。 ※平尾元彦.キャリアから考える学生協働.大学教育.vol.12,2015,p.22-27. ↓ ●“職員と学生”という関係だけではなく,“学生同士”も想定している。 ●大学図書館職員の存在が活動条件に必須ではなく,多くの人たちと 関わり合う可能性が示されている。 ●“大学図書館において”や“大学図書館の運営に”とあるように, 活動空間の範囲は大学図書館内に限定されている。 ●パートナー関係の面では,大学図書館職員に限らないという解釈の幅を 持っているが,協働空間の面では制約が残っている。

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2.学生協働はどのように認識されてきたのか 学生協働の定義の変遷 G)なんらかの組織・団体と学生が協働して目的を達成する ことにより,学生に対する教育となるばかりでなく組織・ 団体にとってもメリットがある活動のこと。 ※若杉亮平,飯野昌子.北陸学院大学ヘッセル記念図書館における学生協働: 学生図書館サポーターの活動を中心に.北陸学院大学・北陸学院大学短期大学部 研究紀要.no.8,2015. ↓ ●“なんらかの組織・団体”という記述が見られるが,それに加えて 大学図書館という用語が定義に含まれなくなっている。 ●大学図書館以外の組織・団体とも協働関係が成立することで, 学生たちがいつ・どこで学生協働を行うのかが問い直されている。 ●学生協働の舞台が大学図書館という空間的な制約からも解放される。 ●実態としては大学図書館職員が学生協働に深く関与することに大きな 変化はないと考えられるが,学生協働の形態がより柔軟なものとなる。

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2.学生協働はどのように認識されてきたのか 学生協働の定義の変遷 H)大学の理念や大学図書館の目的を実現するため,複数人 の学生が教職員らとともに,他者性を認識し尊重しあい ながら,図書館運営へ主体的に関わる創造的な活動であり, 実践を反省的に振り返る成長と相互承認を含む働きのこと。 ※石川敬史,近藤秀二,安達美奈子,兵賀房代,泉佳代子.大学図書館における 学生協働の意義と課題:十文字学園女子大学ライブラリーサポーターの活動を 中心に.十文字学園女子大学紀要.vol.48,no. 2,2018,p.191-203. ↓ ●“大学の理念”を実現し,“創造的な活動”のための空間を想定するならば, 大学図書館内やキャンパス内に活動の境界線を引いてしまうことには, それほど意味はないのではないかという問い直しができる。 ●学生協働の取り組みには,むしろ大学図書館という施設の枠組みから 飛び出していく力を育むことも期待されており,大学図書館職員の 想像を超える活動の成果を期待しなければならない。

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3.学生協働の事例から見た学生協働の範囲 ①学生と大学図書館職員 学 内 ●企画展示 ●書架整理 ●カウンター業務 ②学生同士 ●ビブリオバトル ●トークイベント ③学生と学内各部署の職員 ●オープンキャンパス ●企画展示 ④学生と教員 ●キャリアデザインプログラム ●トークイベント ●司書課程カリキュラム ⑤学生とまちの人々・まちの文化 学 外 ●公共図書館の企画展示 ●ウィキペディアタウン ●一箱古本市 ⑥学生と他大学の学生や教職員 ●大学図書館学生協働交流シンポジウム ●学生協働ワークショップin東京 ●全国学生協働サミット ●学生協働フェスタin東海 ⑦学生と行政(官学連携) ⑧学生と企業(産学連携) ●十文字学園女子大学とキハラ ●金城学院大学と三省堂 ●愛知学院大学と同文舘出版・有斐閣 ウェブ ⑨学生によるウェブの活用 ●公式ウェブサイト・ブログ・SNSの活用 ●LINEスタンプの制作

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3.学生協働の事例から見た学生協働の範囲 参考文献 ●澁田勝.オープンキャンパスにおける図書館イベントの現状: 受験生・学生協働・教職協働の観点から.カレントアウェアネス. no.319,CA1817,2014.http://current.ndl.go.jp/ca1817 ●桂まに子.ウィキペディアタウン東山:京都女子大学図書館司書課程 におけるアクティブ・ラーニング実践.京都女子大学図書館情報学 研究紀要.no.5,2018,p.1-12. ●石川敬史,近藤秀二,安達美奈子,兵賀房代,泉佳代子. 大学図書館における学生協働の意義と課題:十文字学園女子大学 ライブラリーサポーターの活動を中心に.十文字学園女子大学紀要. vol.48,no.2,2018,p.191-203.

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3.学生協働の事例から見た学生協働の範囲 ウィキペディアタウン伊勢 伊勢河崎一箱古本市

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3.学生協働の事例から見た学生協働の範囲 全国学生協働サミット 学生協働フェスタin東海 皇學館大学「キャンパスダイアリー」より https://www.kogakkan-u.ac.jp/campuslife

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3.学生協働の事例から見た学生協働の範囲 キハラと十文字女子大学 http://www.jumonji-u.ac.jp/library/julic/ sangakukyodo̲kihara/index.html 金城学院大学と三省堂 http://www.kinjo-u.ac.jp/news/962.html https://twitter.com/promo̲sanseido

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4.学生協働が抱える課題と展望 学生協働を促進するための課題 ①学生支援のために設置された組織や施設でも,日常的に 学生に接触できる場を持っているわけではない。 ②学生との接しやすさに職員ごとの違いがあるならば, 相互の関与を促すための仕組みが必要である。 ●職員・学生間の交流だけではなく,学生・教員間や職員・教員間の 交流のための場と機会づくりも必要となる。

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4.学生協働が抱える課題と展望 学生を中心に据えた学生協働のあり方 ①大学図書館における学生協働は,学生が主役の活動で あること。 ●誰と協働関係を結ぶのかは学生自身が決定する。 ②学生協働の取り組みを効果的に進めるに,大学図書館と いう空間の制約から解放する視点を持つこと。 ●いつ・どこで協働をするのかは学生自身が決定する。 ③学生が大学図書館で得た学びの成果を,学外において 応用する方法を探ること。 ●どのような協働をするのかは学生自身が決定する。 ④学生自身が自らの学びとなる協働関係をデザインできる ように,大学図書館職員や大学教員がそのための環境 整備に動くこと。

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4.学生協働が抱える課題と展望 学生協働の展望 ①学生協働とは,学生自身が学内外のさまざまな人たちの 活動に触れながら協働関係を結び,新たなつながりと 成果を生み出す場の創出を可能とする関係のデザインを 目的とする。 ●ここでは大学図書館という空間や時間の枠組み,それに関わる人や 組織の制約を超えるような視点が求められる。 ②大学図書館の空間から学外へ出ていく活動は,短期的に 見れば図書館業務との関連性が薄いようにも思えるが, 中長期的な視点から見れば,何らかの形で大学図書館内 での活動にも還元されることになる。

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4.学生協働が抱える課題と展望 学生協働の展望 ③学生たちは協働相手とパートナー関係を結ぶことで, 学びの形を自らデザインし直す機会を得られる。 ●学生たちにとってみれば,大学図書館職員や大学教員との関係も, 学びの形を自らデザインする機会となる。 ●さまざまな学生協働によって学生たちが学び取ってきたものは, 大学図書館での日常的な活動の機会を通じて学内へと還元され, 大学教員や大学図書館職員にも影響を与えてくれる。 ●他大学の取り組みやまちの文化の動向を知ること,学生や教職員の 興味・関心を呼び起こすことなど,多様な観点から学生協働の きっかけを見出し,新たな活動を創出していくことができる。 ④学生協働という言葉が意味する範囲を,それに関係する 者たち同士で認識を更新し続ける必要がある。

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5.大学教員は学生協働の取り組みとどのように関わるか 大学教員が学生協働に関わる目的 ①司書課程の授業のなかで講じている内容について, 実践的に学ぶ機会を学生たちに提供するため。 ②大学の教育理念を実現するため。 ③大学図書館の設置目的に沿った教育の機会を学生たちに 提供するため。 ④学生たちが地域活動に取り組めるようにするため。 ●地域活動に関わる学外の団体と,何らかの形で接点を持つ。 ●まちの図書館やまちづくり団体,地元企業などとの関わりを持つ。 ●学外活動をするにあたって,学内的な承認手続きを得る。

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5.大学教員は学生協働の取り組みとどのように関わるか 大学教員が学生協働に関わる方法 ①司書課程カリキュラムの授業のなかに組み込む。 ②学生たちの課外活動の一環として関わる。 ●大学図書館の学生協働団体を設立する。 ●部活動・サークル・ボランティア団体などを設立する。 ③団体の顧問としての学生たちへに直接的なアドバイスを するほか,学内教職員とのつなぎ役・相談役となったり, 学外団体との交渉にあたったりする。

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ここからは配布した資料には未収録で, オフレコにしたい内部事情も含みます。

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6.「ふみくら倶楽部」の活動とどのように関わってきたか 皇學館大学附属図書館の職員と検討したこと ①もともとは附属図書館職員から「図書館業務に関わって くれる学生を探してほしい」「他大学で行われている 学生協働を本学でも実施したい」という要望に始まる。 ●本学の新規団体設立は,「2〜3年程度の活動実績をもとに公認団体 として承認するかを学生委員会が検討」という運用になっている。 ●そのため,当初は非公式サークルの形で2016年2月に動き出す。 ●安定的な予算もなく活動していたが,2019年に正式団体することを 大学側に求められ,現在は附属図書館付の団体として承認手続き中。 ※通常は学友会に所属する。附属図書館に位置づけるのは異例の対応。 ②司書課程の受講者のなかから,適正がありそうな学生を 教員が指名して附属図書館に紹介する。 ●今のところは公募形式ではなく,担当教員から個別に打診している。 ●普段の学生生活や受講中の様子も参考にしている。

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6.「ふみくら倶楽部」の活動とどのように関わってきたか 皇學館大学附属図書館の職員と検討したこと ③学外の団体から「本のイベントに関わってくれる本好きな 学生さんを紹介してほしい」と打診されるようになる。 ●伊勢河崎一箱古本市 今年で5回目。初回(2015年)の開催のときは「ふみくら倶楽部」を設立する 前で,指導教員(岡野)のゼミ生を中心に実施した。 ●ブックピクニック 少女まんが館TAKI1735と勢和図書館に打診され,2018年に初回を実施した。 三重県内の図書館・新刊書店・古本屋・ブックカフェ・出版社・作家と本学の 学生との連携事業。2019年の「全国図書館大会」での事例報告を依頼される。 ●公共図書館との連携 ウィキペディアタウン→伊勢市立図書館との連携事業。 子ども司書とのワークショップ→三重県教育委員会からの依頼による連携事業。 ●ビブリオバトル 三重県教育委員会などからの打診で,主に別団体「ビブロフィリア」が対応して いるが,「ふみくら倶楽部」にも依頼されることがある。

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6.「ふみくら倶楽部」の活動とどのように関わってきたか 皇學館大学附属図書館の職員と検討したこと ④設立当初想定していなかった「学外における活動」を, どう位置づけるのかを検討しなければならない。 ●図書館内の活動や学内他部署との連携は図書館職員が調整や交渉を行い, 学外活動は担当教員が積極的に関わると早い段階で(なんとなく)決まった。 ●「全国学生協働サミット」などの他大学との交流については, 図書館職員と担当教員が一緒になってサポートすることにした。 ⑤「ふみくら倶楽部」を大学公認の団体として位置づける ことになった。そのために規約の整備が必要となる。 ●非公式のままで活動を広げすぎて,大概的な説明が面倒になってきた。 ●予算面での心配もなくなるようにしたい。 ●学内活動と学外活動との関係や,活動の目的を明確に文言化したい。 ●継続性を持たせることを意識するようにした。 ※学友会ではなく,附属図書館に所属することの理由を明確にする。 ●「学生たちの学びと成長のため」という理由をつけるようにした。

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7.参考資料 岡野裕行.大学図書館における学生協働とは何か.情報メディア研究. vol.18,no.1,2019-06,p.29-40. https://doi.org/10.11304/jims.18.29