令和3年版犯罪白書

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October 31, 22

スライド概要

法務省
https://www.moj.go.jp/content/001365724.pdf

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令和3年版 犯罪白書 — 詐欺事犯者の実態と処遇 — 法務省 法務総合研究所 編

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令和3年版 犯 罪 白 書 - 詐欺事犯者の実態と処遇 - 法務総合研究所

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本書は再生紙を利用しております。

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はしがき 我が国の犯罪情勢は,刑法犯の認知件数が令和2年も戦後最少を更新するなど,全体としては改善 傾向が続いているが,個別に見ると,特殊詐欺,児童虐待,配偶者間暴力,サイバー犯罪等のように 検挙件数が増加傾向又は高止まり状態にある犯罪もある。さらに,若年層を中心とした大麻取締法違 反の検挙人員の急増,少年による家庭内暴力の認知件数の増加なども看過できない。また,出所受刑 者全体の2年以内再入率は,低下傾向にあり,令和元年の出所受刑者については初めて 16%を下回っ たが,満期釈放等による出所受刑者の再入率は仮釈放による出所受刑者よりも相当に高い状態で推移 しており,再犯防止対策の更なる充実強化が求められている。 近年の犯罪動向や再犯防止対策に関し,注目すべき犯罪類型の一つに,詐欺がある。中でも特殊詐 欺は,認知件数及び被害総額いずれも減少傾向にはあるが,令和2年の認知件数は1万 3,000 件を上 回り,検挙件数は平成 16 年以降最多となった。また,実質的な被害総額は 280 億円を超え,その被 害者は依然として高齢者が高い割合を占めている。出所受刑者の5年以内再入率を主要な罪名別に見 ても,詐欺は,覚醒剤取締法違反,窃盗,傷害・暴行に次いで高い。こうした情勢を踏まえ,近年, 刑事施設や少年院では,特殊詐欺事犯者を対象とした指導用教材や再非行防止指導の実施要領に基づ く実践がなされ,令和3年1月には,保護観察対象者に対する類型別処遇に「特殊詐欺」が新たな類 型として加えられるなど,処遇の充実が図られている。 法務総合研究所は,これまで犯罪白書において,主として刑法犯の動向の中で詐欺を取り上げ,平 成 16 年からはオレオレ詐欺を始めとする特殊詐欺について紹介してきた。しかし,詐欺が注目すべ き犯罪類型であると認識しながらも,高齢で無銭飲食を繰り返す者や,組織的な特殊詐欺を首謀する 者等,その態様及び手口が多岐にわたる詐欺事犯者の実情等を細やかに分析し,更なる対策を検討す るための素材を提供するまでには至っていなかった。そこで,本白書では,「詐欺事犯者の実態と処 遇」と題して特集を組むこととし(第8編),詐欺事犯全般,とりわけ特殊詐欺に焦点を当て,関連 する法令,詐欺事犯の動向や刑事司法の各段階における詐欺事犯者の処遇の現状,詐欺事犯者の再犯 の状況,詐欺被害者等を概観・分析するとともに,詐欺事犯者に関する特別調査を行い,その特徴を 明らかにした。これらを踏まえ,詐欺事犯の防止や詐欺事犯者の処遇・再犯防止対策の在り方につい て検討を行い,今後の議論の参考に供することとした。 令和2年は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大により我が国の国民生活・経済・社会が大きな 変容を余儀なくされた年であるが,同感染症が我が国の犯罪動向・犯罪者処遇に与えた影響の有無・ 程度を判断することは尚早と言わざるを得ない。それでも,本白書では,過去のデータと比較・検討 する過程を通し,同感染症が与えた影響が間接的に浮き彫りになるように試みた。さらに,令和3年 3月には,同感染症の世界的流行により,第 14 回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)が 約1年遅れで開催されたことから,コングレスの歴史や意義に触れ,京都コングレスの概要や成果に ついても紹介することとした(第7編)。 令和2年を中心とする最近の犯罪動向と犯罪者処遇の実情を扱った本白書のルーティーン部分が, 犯罪情勢の定点観測を行うための素材として,効果的な刑事政策の立案の基盤となるとともに,特集 部分が,詐欺事犯者の実情を知り,詐欺事犯の防止や再犯防止対策等に関する様々な問題に取り組む 上での基礎資料として広く活用されれば幸いである。 終わりに,本白書の作成に当たり,最高裁判所事務総局,内閣府,警察庁,総務省,外務省,財務 省,文部科学省,厚生労働省,国土交通省その他の関係各機関から多大な御協力を頂いたことに対 し,改めて謝意を表する次第である。 令和3年 12 月  法務総合研究所長 上 冨 敏 犯罪白書 伸 2021

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凡 例 【罪名・用語・略称】 第1 罪名等の定義 罪名等の定義は,特に断らない限り,次のとおりとするほか,各統計資料の区分による(特別 法の略称は,第3,1参照)。 1 刑法犯 「刑法犯」は,刑法(明治 40 年法律第 45 号)及び次の特別法に規定する罪をいう。ただし, 後記2及び3に該当する刑法の罪を除く。[注1] (ア)㋐,㋑, (イ)㋐, (ウ)㋐及び(エ)㋐参照 ①爆発物取締罰則(明治 17 年太政官布告第 32 号)②決闘罪に関する件(明治 22 年法律第 34 号)③印紙犯罪処罰法(明治 42 年法律第 39 号)④暴力行為等処罰法(大正 15 年法律第 60 号) ⑤盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和5年法律第9号)⑥航空機の強取等の処罰に関す る法律(昭和 45 年法律第 68 号)⑦人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(昭和 45 年 法律第 142 号)⑧航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律(昭和 49 年法律第 87 号) ⑨人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和 53 年法律第 48 号)⑩組織的犯罪処罰法 (平成 11 年法律第 136 号) (1)刑法犯の基本罪名には,次の罪を含む。[注1] (ア)㋒~㋔及び(ウ)㋑参照 ①未遂 ②予備 ③教唆及び幇助 ④強盗致死傷等の結果的加重犯 ⑤業務,目的,身分等によ る刑法上の加重減軽類型 ⑥盗犯等の防止及び処分に関する法律による加重類型 (ア)㋒,㋓,(ウ)㋑及び(エ)㋑参照 (2)次に掲げる刑法犯の罪名には,括弧内の罪名を含む。[注1] ①殺人(自殺関与,同意殺人)②強盗(事後強盗,昏酔強盗,強盗殺人,強盗・強制性交等) ③傷害(現場助勢)④脅迫(強要)⑤窃盗(不動産侵奪)⑥公務執行妨害(封印等破棄)⑦ 偽造(刑法第2編第 16 章から第 19 章までの罪における文書等の各偽造(不実記載・不正作 出等を含む。)及び同行使(供用等を含む。))⑧職権濫用(特別公務員暴行陵虐)⑨強制性 交等(準強制性交等,監護者性交等,強姦(平成 29 年法律第 72 号による改正前の刑法 177 条及び 178 条2項に規定する罪をいう。))⑩強制わいせつ(準強制わいせつ,監護者わいせ つ) 2 危険運転致死傷 「危険運転致死傷」は,自動車運転死傷処罰法(平成 25 年法律第 86 号)2条,3条,6条1 項及び2項に規定する罪並びに平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 208 条の2に規定す る罪をいう。[注1] (ア)㋑, (イ)㋐及び(ウ)㋐ 3 過失運転致死傷等 「過失運転致死傷等」は,自動車運転死傷処罰法4条,5条,6条3項及び4項に規定する罪 並びに自動車運転過失致死傷(平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 211 条2項に規定す る罪をいう。以下同じ。),業務上(重)過失致死傷をいう。[注1] (ア)㋕及び(イ)㋑ 4 特別法犯 「特別法犯」は,前記1ないし3以外の罪をいい,条例・規則違反を含む。[注1](ア)㋐及び(エ) ㋐参照 (1) 「道交違反」は,道路交通法(昭和 35 年法律第 105 号)及び保管場所法(昭和 37 年法律第 145 号)の各違反をいう。 (2) 「交通関係4法令違反」は,道交違反に,道路運送車両法(昭和 26 年法律第 185 号)及び自 動車損害賠償保障法(昭和 30 年法律第 97 号)の各違反を加えたものをいう。 (3) 「交通法令違反」は,交通関係4法令違反に,道路運送法(昭和 26 年法律第 183 号),道路 犯罪白書 2021 i

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法(昭和 27 年法律第 180 号) ,高速自動車国道法(昭和 32 年法律第 79 号),駐車場法(昭 和 32 年法律第 106 号),土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特 別措置法(昭和 42 年法律第 131 号),タクシー業務適正化特別措置法(昭和 45 年法律第 75 号) ,貨物利用運送事業法(平成元年法律第 82 号),貨物自動車運送事業法(平成元年法律 第 83 号),スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律(平成2年法律第 55 号)及び 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(平成 13 年法律第 57 号)の各違反を加えた ものをいう。 [注1]各統計資料による場合の特則 (ア)警察庁の統計による場合 ㋐ 「刑法犯」は,刑法(後記㋕に該当するものを除く。 )及び次の特別法に規定する罪をいう。 ①爆発物取締罰則 ②決闘罪に関する件 ③暴力行為等処罰法 ④盗犯等の防止及び処分に関 する法律 ⑤航空機の強取等の処罰に関する法律 ⑥航空の危険を生じさせる行為等の処罰 に関する法律 ⑦人質による強要行為等の処罰に関する法律 ⑧組織的犯罪処罰法 ⑨火炎び んの使用等の処罰に関する法律(昭和 47 年法律第 17 号)⑩流通食品への毒物の混入等の 防止等に関する特別措置法(昭和 62 年法律第 103 号)⑪サリン等による人身被害の防止 に関する法律(平成7年法律第 78 号)⑫公職にある者等のあっせん行為による利得等の 処罰に関する法律(平成 12 年法律第 130 号)⑬公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金 等の提供等の処罰に関する法律(平成 14 年法律第 67 号) ㋑ 第1編第1章,第3編第1章第1節並びに第4編第7章及び第8章における「刑法犯」 は,平成 14 年から 26 年は,危険運転致死傷を含む。 ㋒ 「暴行」,「脅迫」及び「器物損壊」は,暴力行為等処罰法1条及び1条の3に規定する加 重類型を,「傷害」は,同法1条の2及び1条の3に規定する加重類型を,それぞれ含み, 「暴力行為等処罰法違反」は,同法2条及び3条に規定する罪をいう。 ㋓ 「窃盗」は,不動産侵奪を含まない。 ㋔ 「器物損壊」は,信書隠匿を含む。 ㋕ 「過失運転致死傷等」は,自動車運転死傷処罰法4条,5条,6条3項及び4項に規定す る罪並びに道路上の交通事故に係る自動車運転過失致死傷,過失致死傷及び業務上(重)過 失致死傷をいう。 (イ)検察統計年報による場合 ㋐ 「刑法犯」は,前記1の罪に加え,危険運転致死傷を含む。 ㋑ 「過失運転致死傷等」は,自動車又は原動機付自転車による交通犯罪以外の業務上(重) 過失致死傷を除く。 (ウ)矯正統計年報及び保護統計年報による場合 ㋐ 「刑法犯」は,前記1の罪に加え,危険運転致死傷を含む。 ㋑ 「暴行」は,凶器準備集合を含む。 (エ)司法統計年報による場合 ㋐ 「刑法犯」は,刑法及び次の特別法に規定する罪をいう。 ①爆発物取締罰則 ②決闘罪に関する件 ③暴力行為等処罰法 ④盗犯等の防止及び処分に関 する法律 なお,自動車運転死傷処罰法違反は,「特別法犯」に含まれる。 ㋑ 「偽造」は,刑法第2編第 16 章の罪(通貨偽造の罪)及び同編第 19 章の罪(印章偽造の 罪)を含まない。 ii 令和 3 年版 犯罪白書

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第2 用語の定義 本白書における用語の定義は,特に断らない限り,次のとおりとする。 1 警察等 (1) 「認知件数」 警察が発生を認知した事件の数をいう。[注2]参照 (2) 「発生率」 人口 10 万人当たりの認知件数をいう。 (3) 「検挙件数」 警察等が検挙した事件の数をいい,検察官に送致・送付した件数のほか,微罪 処分にした件数等を含む。[注2]参照 (4) 「検挙率」 検挙件数 × 100 の計算式で得た百分比をいう。 認知件数 なお,検挙件数には,前年以前に認知された事件に係る検挙事件が含まれることがあるた め,検挙率が 100%を超える場合がある。 (5) 「検挙人員」 警察等が検挙した事件の被疑者の数をいう。[注2]参照 2 検察・裁判 (1) 「検察庁新規受理人員」 検察官認知又は直受の事件及び司法警察員(特別司法警察員及び国 税庁監察官を含む。)から送致・送付された事件の人員をいう。 (2) 「起訴率」 起訴人員 × 100 の計算式で得た百分比をいう。 起訴人員+不起訴人員 (3) 「起訴猶予率」 起訴猶予人員 × 100 の計算式で得た百分比をいう。 起訴人員+起訴猶予人員 (4) 「公判請求率」 公判請求人員 × 100 の計算式で得た百分比をいう。 起訴人員+不起訴人員 (5) 「通常第一審」 地方裁判所及び簡易裁判所において行われる通常の公判手続をいい,略式手 続を含まない。 (6) 「終局処理」 検察統計年報による場合は,検察庁間の移送及び中止によるものを,司法統計 年報又は最高裁判所事務総局の資料による場合は,裁判所間の移送及び回付によるもの(第 3編第2章及び第8編第3章第1節においては,更に併合審理され,既済事件として集計し ないもの)を,それぞれ除外した事件処理をいう。 (7) 「全部執行猶予率」 3 全部執行猶予人員 × 100 の計算式で得た百分比をいう。 有期懲役・禁錮人員 矯正・更生保護 (1) 「入所受刑者」 裁判が確定し,その執行を受けるため,新たに入所するなどした受刑者をい い,矯正統計年報における「新受刑者」に相当する。 (2) 「初入者」 受刑のため刑事施設に入所するのが初めての者をいう。 (3) 「再入者」 受刑のため刑事施設に入所するのが2度以上の者をいう。 (4) 「満期釈放等」 出所受刑者の出所事由のうち,満期釈放及び一部執行猶予の実刑部分の刑期 終了をいう。 (5) 「仮釈放率」 仮釈放者 × 100 の計算 満期釈放者+一部執行猶予の実刑部分の刑期終了者+仮釈放者 式で得た百分比をいう。 (6) 「全部(一部)執行猶予者の保護観察率」 保護観察付全部(一部)執行猶予言渡人員 × 全部(一部)執行猶予言渡人員 100 の計算式で得た百分比をいう。 犯罪白書 2021 iii

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4 少年 (1)少年 ① 「年少少年」 14 歳以上 16 歳未満の者をいう。 ② 「中間少年」 16 歳以上 18 歳未満の者をいう。 ③ 「年長少年」 18 歳以上 20 歳未満の者をいう。 (2)非行少年 ① 「犯罪少年」 罪を犯した少年(犯行時に 14 歳以上であった少年)をいう。 ② 「触法少年」 14 歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年をいう。 ③ 「ぐ犯少年」 保護者の正当な監督に服しない性癖等の事由があり,少年の性格又は環境に 照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年をいう。 (3) 「児童自立支援施設・児童養護施設送致」 家庭裁判所終局処理における児童自立支援施設・ 児童養護施設送致には,平成 10 年3月 31 日までの教護院・養護施設送致を含む。 (4) 「少年院入院者」 少年院送致の決定により新たに入院した者をいい,矯正統計年報における 「新収容者」に相当する。 5 その他 (1) 「pt」「ポイント」の略記。ポイントとは,比率の差をいう。 (2) 「人口比」 特定のグループに属する者の人口 10 万人当たりの人員をいう。 (3) 「女性比」又は「女子比」 男女総数のうち,女性又は女子(未成年の場合)の占める比率を いう。 (4) 「少年比」 少年・成人総数のうち,少年の占める比率をいう。 (5) 「高齢」・「高齢者」 65 歳以上の者をいう。 (6) 「来日外国人」 我が国にいる外国人のうち,特別永住者,永住者,在日米軍関係者及び在留 資格不明者以外の者をいう。ただし,警察庁の統計又は同庁刑事局の資料による場合,我が 国にいる外国人のうち,いわゆる定着居住者(永住者,永住者の配偶者等及び特別永住者), 在日米軍関係者及び在留資格不明者以外の者をいう。 (7) 「前科」 有罪の確定裁判を受けたことをいう。 (8) 「処遇」 警察等によって検挙された者が,その後,検察,裁判,矯正及び更生保護の各段階 で受ける取扱いをいう。 (9) 「全部執行猶予」 刑法 25 条に規定する刑の全部の執行猶予をいう。なお,本白書では,平 成 25 年法律第 49 号による改正前の刑法 25 条に規定する刑の執行猶予についても「全部執 行猶予」という。 (10) 「一部執行猶予」 刑法 27 条の2及び薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶 予に関する法律(平成 25 年法律第 50 号)3条に規定する刑の一部の執行猶予をいう。 (11) 「仮釈放」 一部執行猶予の実刑部分についての仮釈放を含む。 [注2] 特別法犯の「検挙件数」,「検挙人員」は,平成 28 年以前は「送致件数」,「送致人員」をいい, 過失運転致死傷等(前記[注1](ア)㋕参照)及び危険運転致死傷(平成 25 年法律第 86 号に よる改正前の刑法 208 条の2に規定する罪については,道路上の交通事故に係るものに限る。) は, 「送致件数」を「認知件数」及び「検挙件数」として,「送致人員」を「検挙人員」として, それぞれ計上している。 なお, 「送致件数」とは,警察が送致・送付した事件の数をいい,「送致人員」とは,警察が送 付・送致した事件の被疑者の数をいう。 iv 令和 3 年版 犯罪白書

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第3 1 略称 特別法の略称 我が国の主な特別法の略称は,次のとおりとする。なお,特別法に係る罪名については,図表 中では,表題・脚注を除き,「違反」を省略する。 [略称] [法令名] 医薬品医療機器等法� 医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭 和 35 年法律第 145 号) 外為法������� 外国為替及び外国貿易法(昭和 24 年法律第 228 号) 海洋汚染防止法��� 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和 45 年法律第 136 号) 刑事収容施設法��� 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成 17 年法律第 50 号) 携帯電話不正利用防止法 � 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務 の不正な利用の防止に関する法律(平成 17 年法律第 31 号) 裁判員法������ 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成 16 年法律第 63 号) 再犯防止推進法��� 再犯の防止等の推進に関する法律(平成 28 年法律第 104 号) 私事性的画像被害防止法 � 私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(平成 26 年法 律第 126 号) 児童買春・児童ポルノ禁止法� 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等 に関する法律(平成 11 年法律第 52 号) 児童虐待防止法��� 児童虐待の防止等に関する法律(平成 12 年法律第 82 号) 自動車運転死傷処罰法� 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成 25 年法律第 86 号) 銃刀法������� 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和 33 年法律第6号) 出資法������� 出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和 29 年法律 第 195 号) 心神喪失者等医療観察法 � 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関す る法律(平成 15 年法律第 110 号) ストーカー規制法�� ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成 12 年法律第 81 号) 精神保健福祉法��� 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和 25 年法律第 123 号) 組織的犯罪処罰法�� 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成 11 年法律 第 136 号) 鳥獣保護管理法��� 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成 14 年法律第 88 号) 出会い系サイト規制法� インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に 関する法律(平成 15 年法律第 83 号) 毒劇法������� 毒物及び劇物取締法(昭和 25 年法律第 303 号) 特殊開錠用具所持禁止法 � 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(平成 15 年法律第 65 号) 独占禁止法����� 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54 号) 特定商取引法���� 特定商取引に関する法律(昭和 51 年法律第 57 号) 入管法������� 出入国管理及び難民認定法(昭和 26 年政令第 319 号) 入札談合等関与行為防止法� 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害 すべき行為の処罰に関する法律(平成 14 年法律第 101 号) 廃棄物処理法���� 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和 45 年法律第 137 号) 犯罪白書 2021 v

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配偶者暴力防止法�� 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成 13 年法 律第 31 号) 犯罪収益移転防止法� 犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成 19 年法律第 22 号) 風営適正化法���� 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 122 号) 不正アクセス禁止法� 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成 11 年法律第 128 号) 暴力行為等処罰法�� 暴力行為等処罰に関する法律(大正 15 年法律第 60 号) 暴力団対策法���� 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第 77 号) 保管場所法����� 自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和 37 年法律第 145 号) 麻薬特例法����� 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を 図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成3年 法律第 94 号) 麻薬取締法����� 麻薬及び向精神薬取締法(昭和 28 年法律第 14 号) 酩酊防止法����� 酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律(昭和 36 年法 律第 103 号) 労働者派遣法���� 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法 律(昭和 60 年法律第 88 号) 2 国名の略称等 (1)国名の略称は,各統計資料における略称のほか,外務省「国名表」を参考にした。 (2) 「中国」は,特に断らない限り,台湾及び香港等を含む。 【資料源】 第1 資料の種類 統計,図表その他の計数資料は,特に法務省の大臣官房司法法制部,刑事局,矯正局及び保護 局並びに出入国在留管理庁から提供を受けたもの及び関係諸機関の調査等に基づくもののほか, 以下の官庁統計によるものである。 警察庁の統計(警察庁刑事局) 検察統計年報(法務省大臣官房司法法制部) 司法統計年報(最高裁判所事務総局) 矯正統計年報(法務省大臣官房司法法制部) 保護統計年報(法務省大臣官房司法法制部) [注3] (1)警察庁の統計は,「令和(昭和又は平成)○年の犯罪(昭和 38 年まで「犯罪統計書」)」をい う。 (2)総務省統計局の人口資料は,同局の人口推計をいい,国勢調査実施年には,国勢調査人口を 含む。ただし,令和2年の総人口,男女別人口及び都道府県別人口は,2年度実施の国勢調 査の人口速報集計を,2年の成人の各年齢層の人口は同年 10 月1日現在の人口推計を,同 年の少年人口(年少・中間・年長の区分,14 歳以上の区分等)は,元年 10 月1日現在の人 口推計をそれぞれ用いた。 (3)昭和 47 年以前の統計資料には,同年5月 14 日以前の沖縄県該当分の数値を含まない。 (4)平成元年の統計資料には,昭和 64 年1月1日から同月7日までの数値を含む。 (5)令和元年の統計資料には,平成 31 年1月1日から同年4月 30 日までの数値を,令和元年度 の統計資料には,平成 31 年4月1日から同月 30 日までの数値をそれぞれ含む。 vi 令和 3 年版 犯罪白書

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第2 資料の範囲 統計資料は,原則として,令和3年7月末日までに入手し得た範囲内で,令和2年分までを集 録した。 令和2年までの統計の中で,後日,当該関係機関から異なる数値が公表される場合は,次年度 以降の犯罪白書において適宜訂正する扱いとする。 【図表の表示方法】 第1 図表番号 図及び表の番号は,編,章,節の数字の後に一連番号を付して表示した(例えば,2-2-1-1 図 は,第2編第2章第1節の第1図を示す。)。 第2 数字等の表示 1 表中の数字等は,次のように表示している。 (1) 「-」 該当数が0のとき又は非該当のとき (2) 「0」 該当数が四捨五入して1にならないとき (3) 「0.0」 四捨五入して 0.1 にならないとき (4) 「…」 資料のないとき又は母数が0のときの比率 2 図中の数字は,次のように表示している。 (1) 「0」 該当数が0のとき又は非該当のとき (2) 「0.0」 四捨五入して 0.1 にならないとき 【その他】 第1 計数処理方法 構成比,比率等は,それぞれ四捨五入した。したがって,構成比の和が 100.0 にならない場合 がある。 また,各比率間の和や差を求めるときは,四捨五入する前に各数値の和や差を算出し,得られ た数値を四捨五入する方法によっており,各数値を四捨五入した上で,和や差を算出する方法に よって得られる数値とは一致しないこともある。 例 12.76 と 7.53 の差を求めるとき 「12.76 - 7.53」で得られた「5.23」を四捨五入して「5.2」とする方法によっており, 「12.8 - 7.5」で得られる「5.3」とは一致しない。 第2 本白書の「資料編」は,CD-ROM 版にのみ掲載し,紙面からは省いている。 本白書にある「CD-ROM 資料○-○参照」とは,CD-ROM 版にある「資料編」のエクセル データを参照という趣旨である。 また,「CD-ROM 参照」とは,CD-ROM 版にある図表のエクセルデータを参照という趣旨で ある。 CD-ROM 版にある図表及び資料編のエクセルデータの一部については,「統計表における機 械判読可能なデータ作成に関する表記方法について」 (令和2年 12 月 18 日統計企画会議申合せ) に従って作成されたものも掲載している。 犯罪白書 2021 vii

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目 次 はしがき 第1編 第1章 犯罪の動向 刑法犯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 第1節 主な統計データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 1 認知件数と発生率・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2 検挙人員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3 検挙率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 第2節 主な刑法犯・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 1 窃盗・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 2 強制性交等・強制わいせつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 3 その他の刑法犯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 第2章 特別法犯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 第1節 主な統計データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 第2節 主な特別法犯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 第3章 諸外国における犯罪動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 第1節 1 殺人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 2 強盗・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 3 窃盗・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 4 性暴力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 第2節 第2編 第1章 第2章 諸外国における犯罪・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 国外における日本人の犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 犯罪者の処遇 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 1 新規立法の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 2 法テラスの活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 検察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 第1節 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 第2節 被疑事件の受理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 第3節 被疑者の逮捕と勾留・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 犯罪白書 2021

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第4節 第3章 被疑事件の処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 第1節 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 第2節 確定裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 第3節 第一審・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 1 終局裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 2 科刑状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 3 裁判員裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 4 即決裁判手続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 5 公判前整理手続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 6 勾留と保釈・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 第4節 第4章 上訴審・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 成人矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 第1節 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 1 刑事施設等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 2 刑事施設における処遇・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 第2節 刑事施設の収容状況・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 1 刑事施設の収容人員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 2 刑事施設の収容率・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 3 入所受刑者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51 4 出所受刑者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 第3節 受刑者の処遇等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55 1 処遇の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55 2 作業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 3 矯正指導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 4 就労支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 5 福祉的支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 6 受刑者の釈放等に関する情報の提供・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 第4節 刑事施設の運営等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 1 刑事施設視察委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 2 給養・医療・衛生等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 刑事施設における新型コロナウイルス感染症への対策・・・・・・・・・・・・・・ 62 3 民間協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 4 規律・秩序の維持・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 5 不服申立制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 コラム1 第5節 未決拘禁者等の処遇・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65 第6節 官民協働による刑事施設等の整備・運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66 第5章 更生保護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 第1節 令和 3 年版 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 1 更生保護における処遇・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 2 更生保護の機関・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 犯罪白書

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第2節 仮釈放等と生活環境の調整・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 1 仮釈放等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 2 生活環境の調整・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 70 第3節 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 1 保護観察対象者の人員等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 2 保護観察対象者に対する処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75 3 保護観察対象者に対する措置等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81 4 保護観察の終了・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81 コラム2 新型コロナウイルス感染症の感染拡大下での更生保護・・・・・・・・・・・・・・ 82 第4節 応急の救護・更生緊急保護の措置等・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 第5節 恩赦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86 第6節 保護司,更生保護施設,民間協力者等と犯罪予防活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87 第6章 1 保護司・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87 2 更生保護施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88 3 自立準備ホーム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90 4 民間協力者及び団体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91 5 更生保護協会等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92 6 犯罪予防活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92 刑事司法における国際協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94 第1節 刑事司法における国際的な取組の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94 1 国際組織犯罪対策及びテロ対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94 2 薬物犯罪対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 95 3 マネー・ローンダリング対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 95 4 汚職・腐敗対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96 5 サイバー犯罪対策・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96 6 国際刑事裁判所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96 第2節 犯罪者の国外逃亡・逃亡犯罪人の引渡し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97 1 犯罪者の国外逃亡・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97 2 逃亡犯罪人の引渡し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97 第3節 捜査・司法に関する国際協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 1 捜査共助・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 2 司法共助・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 3 刑事警察に関する国際協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 第4節 矯正・更生保護分野における国際協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 99 99 1 国際受刑者移送・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 矯正・更生保護に関する国際会議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100 第5節 刑事司法分野における国際研修・法制度整備支援等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100 1 国連アジア極東犯罪防止研修所における協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100 2 法制度整備支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101 3 矯正建築分野における協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101 犯罪白書 2021

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第3編 第1章 少年非行の動向と非行少年の処遇 少年非行の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 104 第1節 少年による刑法犯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 104 1 検挙人員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 104 2 属性による動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105 3 罪名別動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 108 4 共犯事件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 109 第2節 少年による特別法犯・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 110 1 検挙人員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 110 2 薬物犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 111 3 交通犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112 第3節 ぐ犯少年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 113 第4節 不良行為少年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 114 第5節 家庭と学校における非行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115 1 家庭内暴力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115 2 校内暴力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 116 3 いじめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 116 第2章 非行少年の処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117 第1節 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117 1 家庭裁判所送致までの手続の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 118 2 家庭裁判所における手続の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 118 3 保護処分に係る手続の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119 4 少年法等の改正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120 第2節 検察・裁判・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120 1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120 検察(家庭裁判所送致まで) 2 家庭裁判所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 121 第3節 少年鑑別所・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 124 1 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 124 2 入所・退所の状況・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 124 3 鑑別・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 127 4 観護処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 128 5 非行及び犯罪の防止に関する援助・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 129 第4節 少年院・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 130 1 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 130 2 少年院入院者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 130 3 少年院における処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 134 コラム3 少年院における新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に 配慮した教育活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 137 令和 3 年版 4 出院者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 140 5 少年院の運営等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 141 犯罪白書

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第5節 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 1 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 2 少年の保護観察対象者・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 3 少年の保護観察対象者に対する処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 145 4 少年の保護観察対象者に対する措置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 146 5 少年の保護観察の終了・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 147 第3章 少年の刑事手続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 148 第1節 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 148 1 起訴と刑事裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 148 2 刑の執行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 148 3 仮釈放・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 148 第2節 起訴と刑事裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 149 1 検察庁での処理状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 149 2 通常第一審の科刑状況・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 150 第3節 少年の受刑者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151 第4編 第1章 各種犯罪の動向と各種犯罪者の処遇 交通犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 154 第1節 交通犯罪関係法令の改正状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 154 1 自動車運転死傷処罰法・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 154 2 道路交通法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 154 第2節 犯罪の動向・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 155 1 交通事故の発生動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 155 2 過失運転致死傷等・危険運転致死傷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 156 3 ひき逃げ事件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 158 4 道交違反・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 159 第3節 処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 160 1 検察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 160 2 裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 162 3 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 164 4 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 164 第2章 薬物犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 165 第1節 犯罪の動向・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 165 1 覚醒剤取締法違反・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 165 2 大麻取締法違反等・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 167 3 危険ドラッグに係る犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 168 第2節 取締状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 169 1 覚醒剤等の押収量の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 169 犯罪白書 2021

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2 密輸入事案の摘発の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 170 3 麻薬特例法の運用・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 171 第3節 処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 172 1 検察・裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 172 2 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 173 3 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 175 第3章 第1節 組織的犯罪・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 176 第2節 暴力団犯罪・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 177 1 組織の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 177 2 犯罪の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 178 3 処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 182 第4章 財政経済犯罪・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 185 第1節 税法違反・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 185 第2節 経済犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 186 第3節 知的財産関連犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 189 第5章 サイバー犯罪・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 190 第1節 不正アクセス行為等・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 190 第2節 その他のサイバー犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 191 第6章 児童虐待・配偶者間暴力・ストーカー等に係る犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 192 第1節 児童虐待に係る犯罪・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 192 第2節 配偶者間暴力に係る犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 193 第3節 ストーカー犯罪等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 195 1 ストーカー犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 195 2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 198 私事性的画像被害に係る犯罪(リベンジポルノ等) 第7章 女性犯罪・非行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 199 第1節 犯罪・非行の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 199 第2節 処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 201 1 検察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 201 2 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 202 3 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 206 第8章 令和 3 年版 組織的犯罪・暴力団犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 176 高齢者犯罪・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 208 第1節 犯罪の動向・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 208 第2節 処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 210 1 検察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 210 2 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 211 3 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 213 犯罪白書

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第9章 外国人犯罪・非行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 215 第1節 外国人の在留状況等・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 215 1 外国人新規入国者等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 215 2 不法残留者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 215 3 退去強制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 215 第2節 犯罪の動向・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 216 1 刑法犯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 216 2 特別法犯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 218 第3節 処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 219 1 検察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 219 2 裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 221 3 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 222 4 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 222 第4節 外国人非行少年の動向と処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 223 1 外国人犯罪少年の動向・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 223 2 外国人非行少年の処遇・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 224 第 10 章 精神障害のある者による犯罪等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 225 第1節 犯罪の動向・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 225 第2節 処遇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 225 1 検察・裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 225 2 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 225 3 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 226 第3節 心神喪失者等医療観察制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 226 1 審判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 227 2 指定入院医療機関による医療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 227 3 地域社会における処遇・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 228 第 11 章 公務員犯罪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 229 第5編 第1章 第2章 再犯・再非行 再犯防止推進法に基づく再犯防止施策・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 232 1 再犯防止推進法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 232 2 再犯防止推進計画・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 232 3 再犯防止施策の取組状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 233 再犯・再非行の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 234 第1節 検挙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 234 1 刑法犯により検挙された再犯者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 234 2 刑法犯により検挙された成人の有前科者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 235 犯罪白書 2021

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3 薬物犯罪により検挙された成人の同一罪名再犯者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 237 第2節 検察・裁判・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 238 1 起訴人員中の有前科者・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 238 2 全部及び一部執行猶予の取消し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 240 第3節 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 241 1 再入者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 241 2 出所受刑者の再入所状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 244 3 出所受刑者の再入率の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 247 4 再入者の再犯期間・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 249 第4節 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 249 1 保護観察開始人員中の有前科者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 249 2 保護観察対象者の再処分等の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 251 第5節 少年の再非行・再犯・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 255 1 少年の再非行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 255 2 保護観察処分少年及び少年院入院者の保護処分歴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 256 3 少年院出院者の再入院等の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 257 4 少年の保護観察対象者の再処分の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 259 第6編 第1章 統計上の犯罪被害・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 262 第1節 被害件数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 262 第2節 生命・身体への被害・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 264 第3節 性犯罪被害・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 265 第4節 財産への被害・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 266 第5節 被害者と被疑者の関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 267 第6節 国外における日本人の犯罪被害・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 268 第2章 令和 3 年版 犯罪被害者 刑事司法における被害者への配慮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 269 第1節 刑事手続における被害者の関与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 269 1 被害申告及び告訴・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 269 2 起訴・不起訴等に関する被害者等への通知・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 269 3 不起訴処分に対する不服申立制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 270 4 公判段階における被害者等の関与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 272 5 矯正・更生保護段階等における被害者等の関与・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 274 6 少年事件における被害者等への配慮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 275 7 法テラスによる被害者等に対する支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 275 8 地方公共団体における被害者支援に向けた取組・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 277 第2節 犯罪被害者等に対する給付金の支給制度等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 277 1 犯罪被害給付制度・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 277 2 国外犯罪被害弔慰金等の支給制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 277 犯罪白書

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3 被害回復給付金支給制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 277 4 被害回復分配金支払制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 278 5 自動車損害賠償保障制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 278 6 地方公共団体による見舞金制度等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 278 第3節 人身取引被害者保護・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 278 第7編 第1章 京都コングレス コングレスの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 282 第1節 コングレスとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 282 1 コングレスの役割・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 282 2 国連におけるコングレスの位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 282 第2節 コングレスの歴史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 282 1 コングレス設立までの経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 282 2 コングレスの変遷・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 283 第3節 コングレスの意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 284 1 ・・・・・・・・・・・・・・・ 284 国連被拘禁者処遇最低基準規則(ネルソン・マンデラ・ルールズ) 2 拷問及び他の残虐な,非人道的な又は品位を傷つける取扱い・ 又は刑罰を受けることからの全ての人の保護に関する宣言・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 285 3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 285 少年司法運営に関する国連最低基準規則(北京ルールズ) 4 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 285 非拘禁措置に関する国連最低基準規則(東京ルールズ) 5 バンコク宣言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 285 6 サルバドール宣言・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 285 7 ドーハ宣言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 286 第4節 コングレスに対する日本の貢献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 286 1 日本におけるコングレスの開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 286 2 コングレスで採択された基準規則等への関与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 286 3 UNAFEI によるワークショップの企画運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 287 第2章 京都コングレス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 288 第1節 京都コングレスの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 288 1 京都コングレス開催までの経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 288 2 京都コングレスの全体テーマ等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 288 3 コロナ禍における新たな形の国際会議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 289 4 京都コングレスの成果・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 290 第2節 京都コングレスにおける各種イベント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 291 1 コラム4 世界保護司会議と京都保護司宣言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 291 コラム5 京都コングレス・ユースフォーラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 292 全体会合・ワークショップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 295 コラム6 2 ・ ・・・・・・ 295 ワークショップ2「再犯防止:リスクの特定とその解決策」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 299 附属会合(アンシラリーミーティング) 犯罪白書 2021

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コラム7 3 第8編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 300 アンシラリーミーティング「実社会に役立つ研究」 展示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 301 詐欺事犯者の実態と処遇 第1章 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 304 第2章 詐欺に関連する法令・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 306 第1節 詐欺に関連する処罰法規・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 306 1 刑法・組織的犯罪処罰法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 306 2 詐欺と関係が深い特別法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 307 3 特殊詐欺対策関連の特別法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 308 4 その他の特別法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 308 第2節 詐欺被害者の救済に関する法律・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 309 1 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 309 2 犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律・・・ 309 第3節 詐欺の捜査に関係する法律・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 309 1 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 309 2 合意制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 310 第3章 詐欺事犯の動向等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 311 第1節 詐欺事犯の動向等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 311 1 認知・検挙・取締り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 311 コラム8 新型コロナウイルス感染症に関連する詐欺事犯・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 324 コラム9 特殊詐欺撲滅に向けた官民の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 338 2 検察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 341 3 裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 346 4 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 349 5 更生保護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 357 第2節 再犯・再非行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 365 1 検挙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 365 2 検察・裁判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 367 3 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 368 4 保護観察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 376 第3節 詐欺被害者・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 382 1 詐欺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 382 2 特殊詐欺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 384 3 被害回復・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 388 コラム 10 第4章 令和 3 年版 詐欺被害者の声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 389 再犯防止に向けた各種施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 391 犯罪白書

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第1節 矯正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 391 1 刑事施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 391 コラム 11 2 少年院・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 392 コラム 12 第2節 函館少年刑務所における特殊詐欺再犯防止指導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 391 多摩少年院及び新潟少年学院における特殊詐欺再非行防止指導・ ・ 393 更生保護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 395 コラム 13 被害者から被害に関する心情等を伝達された 保護観察対象者に対する指導の実例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 396 第5章 特別調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 398 第1節 調査の概要・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 398 第2節 全対象者調査の結果・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 399 1 調査対象事件の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 399 2 全対象者の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 401 第3節 特殊詐欺事犯者の調査の結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 408 1 特殊詐欺事件の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 408 2 特殊詐欺事犯者(確定記録調査対象者)の特徴・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 409 3 被害状況等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 418 4 科刑状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 421 第4節 再犯に関する調査の結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 423 1 全対象者調査による再犯の有無・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 423 2 全部執行猶予者に対する再犯調査の結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 428 第6章 おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 431 第1節 詐欺事犯の動向等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 431 1 認知・検挙状況等・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 431 2 処理状況等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 432 3 少年による詐欺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 432 4 再犯・再非行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 432 5 詐欺被害者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 433 第2節 特殊詐欺対策や詐欺事犯者処遇の経緯と現状・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 433 1 特殊詐欺撲滅に向けた取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 433 2 再犯防止に向けた取組・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 433 第3節 特別調査から判明した詐欺事犯者の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 434 1 全対象者の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 434 2 特殊詐欺事犯者調査の結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 435 3 詐欺事犯者の再犯状況と再犯に関連する要因・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 436 第4節 特殊詐欺対策や詐欺事犯者の処遇の在り方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 437 1 特殊詐欺の撲滅に向けた取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 437 2 詐欺事犯者の特性等を踏まえた処遇の充実・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 439 3 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 441 事項索引・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 443 犯罪白書 2021

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資 料 編 目 次(※ CD-ROM 収録) 資料1-1 刑法犯 認知件数・発生率・検挙件数・検挙率・検挙人員 資料1-2 刑法犯 認知件数・検挙件数・検挙人員(罪名別) 資料1-3 刑法犯 検挙率(罪名別) 資料1-4 特別法犯 検察庁新規受理人員(罪名別) 資料2-1 検察庁新規受理人員(罪名別) 資料2-2 検察庁終局処理人員 資料2-3 検察庁終局処理人員(罪名別) 資料2-4 地方裁判所における死刑・懲役・禁錮の科刑状況(罪名別) 資料2-5 刑事施設の一日平均収容人員 資料2-6 年末在所懲役受刑者人員(刑期別) 資料2-7 仮釈放・少年院仮退院審理事件 審理開始・許可等人員 資料2-8 保護観察開始人員・全部又は一部執行猶予者の保護観察率 資料2-9 保護観察開始人員(罪名別,男女別) 資料3-1 少年・成人の刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷等 検挙人員・人口比・少年比 資料3-2 少年による刑法犯 検挙人員・人口比(年齢層別) 資料3-3 少年による刑法犯 検挙人員(罪名別) 資料3-4 触法少年による刑法犯 補導人員(非行名別) 資料3-5 少年による刑法犯 罪名別検挙人員(男女別,年齢層別) 資料3-6 少年による特別法犯 検挙人員(罪名別) 資料3-7 家庭裁判所終局処理人員(ぐ犯の態様別) 資料3-8 犯罪少年の検察庁新規受理人員・人口比(年齢層別) 資料3-9 犯罪少年の検察官処遇意見・家庭裁判所終局処理結果の各構成比(年齢層別) 資料3- 10 少年保護事件 家庭裁判所終局処理人員(処理区分別,非行名別) 資料3- 11 少年鑑別所入所者の人員・一日平均在所人員(男女別) 資料3- 12 少年入所受刑者の人員(男女別,年齢層別,刑期別) 資料4-1 交通事故 発生件数・死傷者数・死傷率等の推移 資料4-2 覚醒剤取締法違反等 検察庁終局処理人員 資料4-3 覚醒剤取締法違反 通常第一審における有罪(懲役)人員(刑期別) 資料4-4 財政経済犯罪 起訴・不起訴人員 資料4-5 財政経済犯罪 通常第一審における懲役刑科刑状況 資料4-6 サイバー犯罪 検察庁終局処理人員 資料4-7 外国人の検察庁終局処理人員 資料4-8 来日外国人被疑事件 検察庁終局処理人員(罪名別) 資料4-9 被告人通訳事件 通常第一審における有罪人員・科刑状況(懲役・禁錮)の推移 資料4- 10 F 指標入所受刑者人員(国籍別) 資料4- 11 外国人の保護観察開始人員(国籍別) 資料5-1 再入者人員(罪名別,男女別) 資料5-2 入所受刑者の入所度数別人員(罪名別) 資料5-3 再入者の再犯期間別人員(前刑罪名別) 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 法務省赤れんが棟(右手前の建物) 【写真提供:法務省大臣官房秘書課】 1編 犯罪の動向 第 第1章 第2章 第3章 刑法犯 特別法犯 諸外国における犯罪動向

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第 1章 刑法犯 主な統計データ 第1章 刑法犯 第1節 令和2年における刑法犯の主な統計データは,次のとおりである。 なお,この節では,これまでの犯罪白書の統計との比較の便宜上,危険運転致死傷・過失運転致死 傷等に係る数値を参考値として掲載している(交通犯罪については,第4編第1章参照)。 令和2年の主な統計データ(刑法犯) 第1節 (前年比) ① [平成 13 年比] 認知件数 主な統計データ 刑法犯 614,231 件(- 134,328 件 , - 17.9%) [- 77.5%] 窃盗を除く刑法犯 196,940 件( - 19,054 件 , - 8.8%) [- 50.2%] (参考値) 刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷等 うち危険運転致死傷・過失運転致死傷等 うち危険運転致死傷 うち過失運転致死傷等 ② ③ 914,920 件(- 202,821 件 , - 18.1%) [- 74.5%] 300,689 件( - 68,493 件 , - 18.6%) 730 件( + 64 件 , + 9.6%) 299,959 件( - 68,557 件 , - 18.6%) [- 64.5%] 検挙件数 刑法犯 279,185 件( - 15,021 件 , - 5.1%) [- 48.5%] 窃盗を除く刑法犯 108,498 件( - 4,811 件 , - 4.2%) [- 37.8%] 182,582 人( - 10,025 人 , - 5.2%) [- 43.9%] 検挙人員 刑法犯 窃盗を除く刑法犯 94,118 人( - 4,345 人 , - 4.4%) [- 39.8%] (参考値) 刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷等 うち危険運転致死傷・過失運転致死傷等 うち危険運転致死傷 うち過失運転致死傷等 ④ 491,145 人( - 80,297 人 , - 14.1%) [- 58.9%] 308,563 人( - 70,272 人 , - 18.5%) 732 人( + 79 人 , + 12.1%) 307,831 人( - 70,351 人 , - 18.6%) [- 64.6%] 発生率 刑法犯 486.6 (- 106.7) [- 1,662.1] 窃盗を除く刑法犯 156.0 (- 15.2) [- 154.3] 刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷等 724.8 (- 161.1) [- 2,088.3] うち危険運転致死傷・過失運転致死傷等 238.2 (- 54.4) 0.6 (+ 0.1) 237.6 (- 54.5) (参考値) うち危険運転致死傷 うち過失運転致死傷等 ⑤ 注 2 令和 3 年版 [- 426.8] 検挙率 刑法犯 45.5% (+ 6.1pt) [+ 25.6pt] 窃盗を除く刑法犯 55.1% (+ 2.6pt) [+ 10.9pt] 警察庁の統計及び総務省統計局の人口資料による。 犯罪白書

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第1 編 刑法犯の認知件数,検挙人員及び検挙率の推移(昭和 21 年以降)は,1-1-1-1 図のとおりである (CD-ROM 資料 1-1 参照)。 1-1-1-1 図 刑法犯 認知件数・検挙人員・検挙率の推移 (昭和 21 年~令和2年) (万件) (万人) 400 (%) 100 令和2年認知件数 刑法犯 90 614,231 件 窃盗 窃盗を除く刑法犯 417,291 件 196,940 件 危険運転致死傷・過失運転致死傷等 300,689 件 (参考値) 80 350 刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷等 914,920 件 300 70 250 刑法犯検挙率 60 検挙人員 認知件数 検 挙 率 200 50 45.5 40 30 150 検挙人員 (刑法犯・危険運転致死傷・ 過失運転致死傷等) 100 20 検挙人員 (窃盗を除く 刑法犯) 0 昭和 21 注 50 犯罪の動向 10 検挙人員 (刑法犯) 491,145 25 30 35 40 45 50 55 60平成元 5 10 15 20 25 30令和2 182,582 94,118 0 1 警察庁の統計による。 2 昭和 30 年以前は,14 歳未満の少年による触法行為を含む。 3 昭和 40 年以前の「刑法犯」は,業務上(重)過失致死傷を含まない。 4 危険運転致死傷は,平成 14 年から 26 年までは「刑法犯」に,27 年以降は「危険運転致死傷・過失運転致死傷等」に計上している。 1 認知件数と発生率 刑法犯の認知件数は,平成8年から毎年戦後最多を更新して,14 年には 285 万 4,061 件にまで達 したが,15 年に減少に転じて以降,18 年連続で減少しており,令和2年は 61 万 4,231 件(前年比 13 万 4,328 件(17.9%)減)と戦後最少を更新した。戦後最少は平成 27 年以降,毎年更新中である。 同年から令和元年までの5年間における前年比の減少率は平均 9.2%であったが,2年は前年より 17.9%減少した。平成 15 年からの認知件数の減少は,刑法犯の7割近くを占める窃盗の認知件数が 大幅に減少し続けた(本章第2節1項参照)ことに伴うものである。 刑法犯の発生率の動向は,認知件数の動向とほぼ同様である。平成8年(1,439.8)から毎年上昇 し,14 年には戦後最高の 2,238.7 を記録したが,15 年から低下に転じ,25 年からは毎年戦後最低を 記録している(1-1-1-1 図 CD-ROM 参照)。 犯罪白書 2021 3

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令和2年における刑法犯の認知件数・発生率等を罪名別に見ると,1-1-1-2 表のとおりであるが, 窃盗の認知件数・発生率等の減少が著しい。 1-1-1-2 表 刑法犯 認知件数・発生率・検挙件数・検挙人員・検挙率(罪名別) (令和2年) 第1章 刑法犯 罪 名 認 総 数 知 件 数 発 生 率 検 殺 人 929 (- 21) 0.7 (- 0.0) 913 (- 32) 878 強 盗 1,397 (- 114) 1.1 (- 0.1) 1,358 (+ 32) 放 火 786 (- 54) 0.6 (- 0.0) 700 (+ 42) 強 制 性 交 等 1,332 (- 73) 1.1 (- 0.1) 1,297 凶 器 準 備 集 合 5 (+2) 0.0 (+ 0.0) 4 614,231 (- 134,328) 486.6 (- 106.7) 挙 件 数 検 279,185(- 15,021) 挙 人 員 検 182,582(- 10,025) 挙 率 45.5 (+ 6.1) (- 46) 98.3 (- 1.2) 1,654 (+ 50) 97.2 (+ 9.5) 582 (+ 63) 89.1 (+ 10.7) (- 14) 1,177 (-1) (+1) 22 (+ 17) 97.4 (+ 4.1) 80.0 (- 20.0) 第1節 主な統計データ 暴 行 27,637 (- 2,639) 21.9 (- 2.1) 24,315 (- 1,241) 24,883 (- 1,494) 88.0 (+ 3.6) 傷 害 18,963 (- 2,225) 15.0 (- 1.8) 16,890 (- 1,097) 18,826 (- 1,279) 89.1 (+ 4.2) 脅 迫 3,778 (+ 121) 3.0 (+ 0.1) 3,299 (+ 144) 2,862 (+ 98) 87.3 (+ 1.0) 恐 喝 1,446 (- 183) 1.1 (- 0.1) 1,256 (- 32) 1,515 (- 23) 86.9 (+ 7.8) 窃 盗 417,291 (- 115,274) 330.6 (- 91.5) 88,464 (- 5,680) 40.9 (+ 6.9) 詐 欺 30,468 (- 1,739) 24.1 (- 1.4) (- 517) 50.1 (+ 0.7) 横 170,687(- 10,210) 15,270 (- 632) 8,326 領 15,542 (- 1,712) 12.3 (- 1.4) 12,778 (- 1,287) 12,073 (- 1,203) 82.2 (+ 0.7) 遺 失 物 等 横 領 14,154 (- 1,703) 11.2 (- 1.4) 11,558 (- 1,451) 10,992 (- 1,367) 81.7 (- 0.4) 偽 造 2,090 (- 233) 1.7 (- 0.2) 1,558 (- 491) 1,023 (- 65) 74.5 (- 13.7) 賄 32 (-) 0.0 (- 0.0) 24 (-4) 38 (- 14) 75.0 (- 12.5) 任 62 (+7) 0.0 (+ 0.0) 58 (+ 13) 63 (+ 12) 93.5 (+ 11.7) 賭 博・ 富 く じ 118 (- 149) 0.1 (- 0.1) 112 (- 143) 495 (+ 43) 94.9 (- 0.6) 強制わいせつ 4,154 (- 746) 3.3 (- 0.6) 3,766 (- 233) 2,760 (- 166) 90.7 (+ 9.0) 公然わいせつ 2,463 (- 106) 2.0 (- 0.1) 1,784 (+ 14) 1,379 (- 85) 72.4 (+ 3.5) わいせつ物頒布等 988 (+ 14) 0.8 (+ 0.0) 887 (+7) 568 (+4) 89.8 (- 0.6) 公務執行妨害 2,118 (- 185) 1.7 (- 0.1) 2,072 (- 189) 1,666 (- 200) 97.8 (- 0.3) 贈 収 背 失 火 227 (- 28) 0.2 (- 0.0) 126 (+ 10) 99 (+4) 入 11,021 (- 1,832) 8.7 (- 1.5) 6,357 (+ 25) 3,682 (+ 226) 略取誘拐・人身売買 337 (+ 44) 0.3 (+ 0.0) 335 (+ 67) 266 盗品譲受け等 875 (- 14) 0.7 (- 0.0) 812 (- 22) 709 壊 64,089 (- 7,606) 50.8 (- 6.1) 8,576 (-6) 4,922 暴力行為等処罰法 20 (- 26) 0.0 (- 0.0) 20 (- 27) 25 他 6,063 (+ 443) 4.8 (+ 0.3) 3,931 (+ 284) 3,625 危険運転致死傷 730 (+ 64) 0.6 (+ 0.1) 730 (+ 64) 732 299,959 (- 68,557) 237.6 (- 54.5) 住 器 居 侵 物 そ 損 の 55.5 (+10.0) 57.7 (+ 8.4) (+ 31) 99.4 (+ 7.9) (- 36) 92.8 (- 1.0) (+ 132) 13.4 (+ 1.4) (- 31) 100.0 (- 2.2) 64.8 (- 0.1) (+ 79) 100.0 (-) 307,831(- 70,351) 100.0 (-) (+ 135) (参考値) 過失運転致死傷等 注 4 299,959(- 68,557) 1 警察庁の統計及び総務省統計局の人口資料による。 2 「遺失物等横領」の件数・人員は,横領の内数である。 3 ( )内は,前年比である。 4 「強制性交等」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦を含む。 令和 3 年版 犯罪白書

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1-1-1-3 図 第1 編 令和2年における刑法犯の認知件数の罪名別構成比は,1-1-1-3 図のとおりである。 刑法犯 認知件数の罪名別構成比 (令和2年) 住 居 侵 入 1.8 そ 4.1 強制わいせつ 横 領 2.5 傷 害 3.1 詐欺 5.0 他 0.7 暴行 4.5 器物損壊 10.4 注 の 総 数 614,231 件 窃盗 67.9 1 警察庁の統計による。 2 「横領」は,遺失物等横領を含む。 2 検挙人員 刑法犯の検挙人員は,平成 13 年から増加し続け,16 年には 38 万 9,297 人を記録したが,17 年か ら減少に転じ,25 年からは毎年戦後最少を更新しており,令和2年は 18 万 2,582 人(前年比1万 25 人(5.2%)減)であった(1-1-1-1 図 CD-ROM 参照)。 令和2年における刑法犯の検挙人員の罪名別構成比は,1-1-1-4 図のとおりである(罪名別の検挙 人員については,1-1-1-2 表参照)。 1-1-1-4 図 迫 1.6 住 居 侵 入 2.0 器 物 損 壊 2.7 強制わいせつ 犯罪の動向 脅 刑法犯 検挙人員の罪名別構成比 (令和2年) 1.5 その他 8.6 詐欺 4.6 横領 6.6 総 数 182,582人 傷害 10.3 窃盗 48.5 暴行 13.6 注 1 警察庁の統計による。 2 「横領」は,遺失物等横領を含む。 刑法犯について,検挙人員の年齢層別構成比の推移(最近 30 年間)を見ると,1-1-1-5 図のとおりで ある(男女別の年齢層別検挙人員の推移については,CD-ROM 参照) 。65 歳以上の高齢者の構成比は, 平成3年には 2.4%(7,128 人)であったが,令和2年は 22.8%(4万1,696 人)を占めており,検挙 人員に占める高齢者の比率の上昇が進んでいる(高齢者犯罪の動向については,第4編第8章参照) 。 犯罪白書 2021 5

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一方,20 歳未満の者の構成比は,平成3年には 50.8%(15 万 348 人)であったが,その後減少傾向に あり,令和2年は,9.8%(1万 7,904 人)となり,昭和 48 年以来初めて10%を下回った(少年非行の 動向については,第3編第1章参照) 。 1-1-1-5 図 刑法犯 検挙人員の年齢層別構成比の推移 第1章 刑法犯 (平成3年~令和2年) (%) 100 80 令和2年 65歳 以 上 50~64歳 40~49歳 30~39歳 20~29歳 20歳 未 満 60 第1節 40 主な統計データ 22.8 18.7 16.4 14.7 17.6 9.8 20 0 平成 3 注 1 2 3 5 10 15 20 25 30 令和2 警察庁の統計及び警察庁交通局の資料による。 犯行時の年齢による。 平成 14 年から 26 年は,危険運転致死傷を含む。 令和2年における刑法犯の検挙人員を罪名別に見るとともに,これを男女別に見ると,1-1-1-6 表 のとおりである(女性犯罪の動向については,第4編第7章参照)。 1-1-1-6 表 刑法犯 検挙人員(罪名別,男女別) (令和2年) 罪 刑 名 数 男 性 女 性 女性比 犯 人 878 児 殺 〕 16 強 盗 放 火 暴 傷 恐 喝 1,515 (0.8) 1,375 140 9.2 窃 盗 88,464 (48.5) 60,675 27,789 31.4 き 〕 51,622 (28.3) 30,574 21,048 40.8 詐 欺 8,326 (4.6) 6,849 1,477 17.7 横 領 12,073 (6.6) 10,576 1,497 12.4 遺失物等横領 10,992 (6.0) 9,699 1,293 11.8 造 1,023 (0.6) 828 195 19.1 他 24,358 (13.3) 22,159 2,199 9.0 殺 〔 嬰 〔 万 引 偽 そ 注 6 総 法 の 182,582 (100.0) 143,652 38,930 (0.5) 668 210 23.9 (0.0) 2 14 87.5 1,654 (0.9) 1,525 129 7.8 582 (0.3) 445 137 23.5 行 24,883 (13.6) 21,444 3,439 13.8 害 18,826 (10.3) 17,108 1,718 9.1 1 警察庁の統計による。 2 ( )内は,罪名別構成比である。 3 〔 〕内は,犯行の手口であり,殺人又は窃盗の内数である。 4 「遺失物等横領」は,横領の内数である。 令和 3 年版 犯罪白書 21.3

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第1 編 3 検挙率 刑法犯の検挙率は,平成7年から毎年低下し,13 年には 19.8%と戦後最低を記録したが,14 年か ら回復傾向にあり,一時横ばいで推移していたものの,26 年以降再び上昇しており,令和2年は 45.5%(前年比 6.1pt 上昇)であった(1-1-1-1 図 CD-ROM 参照)。 令和2年における刑法犯の検挙率を罪名別に見ると,1-1-1-2 表のとおりである。 第2節 主な刑法犯 窃盗は,認知件数において刑法犯の7割近くを占める(1-1-1-3 図参照)。その認知件数,検挙件 数及び検挙率の推移(最近 30 年間)を見ると,1-1-2-1 図①のとおりである。平成7年から 13 年ま で,認知件数の増加と検挙率の低下が続いていたが,14 年から検挙率が上昇に転じ,認知件数も, 戦後最多を記録した同年(237 万 7,488 件)をピークに 15 年から減少に転じた。認知件数は,26 年 以降,毎年戦後最少を更新し,令和2年は,41 万 7,291 件(前年比 11 万 5,274 件(21.6%)減)で あり,平成 27 年から令和元年までは前年比 8.5~11.2%の幅で減少していたのに対し,2年は前年 からの減少幅が大きかった。検挙件数は,平成 17 年から減少し続けており,令和2年は,17 万 687 件(同1万 210 件(5.6%)減)であり,認知件数と比べると,前年からの減少幅が小さかった。検 挙率は,前年より 6.9pt 上昇し,40.9%であった(1-1-1-1 図 CD-ROM 参照)。 窃盗を除く刑法犯の認知件数,検挙件数及び検挙率の推移(最近 30 年間)は,1-1-2-1 図②のと おりである。認知件数は,平成 16 年に 58 万 1,463 件と戦後最多を記録した後,17 年から減少し続 け,令和2年は,19 万 6,940 件(前年比1万 9,054 件(8.8%)減)であり,窃盗の認知件数と比べ ると,前年からの減少幅が小さかった。検挙率は,平成 16 年に 37.8%と戦後最低を記録した後,緩 やかな上昇傾向にあり,令和2年は 55.1%(同 2.6pt 上昇)であった(1-1-1-1 図 CD-ROM 参照)。 1-1-2-1 図 刑法犯 認知件数・検挙件数・検挙率の推移(窃盗・窃盗を除く刑法犯別) ① 窃盗 (万件) 300 (%) 100 250 80 200 60 150 検挙率 100 0 平成 3 40.9 40 417,291 20 170,687 50 5 10 15 認知件数 ② 犯罪の動向 (平成3年~令和2年) 20 25 30 令和 2 0 検挙件数 窃盗を除く刑法犯 (%) 100 (万件) 70 60 80 50 40 30 検挙率 60 55.1 犯罪白書 2021 40 196,940 7

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0 平成 3 5 10 15 20 認知件数 ② 25 30 令和 2 検挙件数 窃盗を除く刑法犯 (%) 100 (万件) 70 60 80 50 第1章 刑法犯 40 60 55.1 検挙率 30 40 196,940 108,498 20 20 10 0 平成 3 5 10 15 20 認知件数 第2節 注 1 2 主な刑法犯 1 0 25 30 令和 2 0 検挙件数 警察庁の統計による。 ②の平成 14 年から 26 年は,危険運転致死傷を含む。 窃盗 令和2年における窃盗の認知件数の手口別構成比は,1-1-2-2 図のとおりである(手口別の認知件 数については,CD-ROM 参照)。 1-1-2-2 図 窃盗 認知件数の手口別構成比 (令和2年) ひ っ た く り す り 仮 睡 者 ね ら い 自動販売機ねらい 色 情 ね ら い 払 出 盗 0.2 0.3 0.6 0.8 1.5 2.1 空き巣 3.3 その他の 非侵入窃盗 17.6 置引き 3.1 車上・ 部品ねらい 9.9 非侵入 窃盗 57.1 侵入窃盗 10.6 総 数 417,291件 万引き 20.9 注 忍 込 み 出 店 荒 し 事 務 所 荒 し その他の侵入窃盗 乗り物盗 32.4 1.4 1.3 0.9 3.6 自転車盗 28.9 オートバイ盗 2.2 自 動 車 盗 1.2 1 警察庁の統計による。 2 「払出盗」は,不正に取得し,又は不正に作成したキャッシュカード等を利用して ATM(CD を含む。)から現金を窃取するものを いう。 認知件数の推移(最近 30 年間)を態様別に見ると,1-1-2-3 図①のとおりであり,手口別に見る と,1-1-2-3 図②のとおりである。態様別では,侵入窃盗及び非侵入窃盗は,平成 15 年から減少し 続けている。侵入窃盗は,27 年から令和元年までは前年比 4.4~14.2%の幅で減少していたのに対 し,2年は前年から 23.7%減少し,非侵入窃盗は,平成 27 年から令和元年までは前年比 7.4~ 10.1%の幅で減少していたのに対し,2年は前年から 17.2%減少した。乗り物盗は,平成 14 年から 減少し続けているところ,27 年から令和元年までは前年比 10.0~13.4%の幅で減少していたのに対 し,2年は前年から 27.8%減少した。 手口別では,侵入窃盗である空き巣は,平成 27 年から令和元年までは前年比 5.7~13.7%の幅で 8 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 減少していたのに対し,2年は前年から 29.0%減少したほか,乗り物盗のうち自転車盗は,平成 27 年から令和元年までは前年比 8.3~13.1%の幅で減少していたのに対し,2年は前年から 28.4%減少 した。なお,特殊詐欺(第8編第3章第1節1項参照)に関係する手口である払出盗(不正に取得 し,又は不正に作成したキャッシュカード等を利用して ATM(CD を含む。)から現金を窃取するも の)及び職権盗(公務員等の身分を詐称し,捜査,検査等を装い,すきをみて金品を窃取するもの) の認知件数については,2年は払出盗が 8,970 件(前年比 51.1%増)と前年より大きく増加したの に対し,職権盗が 2,837 件(同 23.6%減)と大きく減少した(警察庁の統計による。)。 1-1-2-3 図 窃盗 認知件数の推移(態様別,手口別) (平成3年~令和2年) ① 態様別 ② (万件) 140 (万件) 60 非侵入窃盗 車上・部品ねらい 120 50 100 30 60 自動販売機ねらい 20 侵入窃盗 40 万引き 238,173 10 20 注 自転車盗 40 乗り物盗 80 0 平成3 5 手口別 10 15 20 自動車盗 135,025 44,093 0 30令和 2 平成3 5 10 25 空き巣 15 20 25 120,797 87,280 41,431 13,906 5,210 3,321 30令和 2 警察庁の統計による。 令和2年における窃盗の検挙件数の手口別構成比は,1-1-2-4 図のとおりである(手口別の検挙件 数については,CD-ROM 参照)。 犯罪の動向 1-1-2-4 図 窃盗 検挙件数の手口別構成比 (令和2年) 仮 睡 者 ね ら い す り ひ っ た く り 自動販売機ねらい 色 情 ね ら い 0.2 0.4 0.4 1.7 1.9 その他の 非侵入窃盗 16.8 置引き 払出盗 3.0 4.7 車上・部品ねらい 7.3 非侵入 窃盗 73.1 出 店 荒 し 忍 込 み 事 務 所 荒 し その他の侵入窃盗 空き巣 6.1 侵入窃盗 18.7 乗り物盗 総 数 8.2 170,687 件 自転車盗 5.6 2.4 2.4 1.5 6.4 自 動 車 盗 1.8 オートバイ盗 0.9 万引き 36.7 注 1 警察庁の統計による。 2 「払出盗」は,不正に取得し,又は不正に作成したキャッシュカード等を利用して ATM(CD を含む。)から現金を窃取するものを いう。 令和2年の窃盗の検挙率を態様・手口別で見ると,侵入窃盗(72.2%) ,非侵入窃盗(52.4%) ,乗り 物盗(10.4%)の順であったところ, 非侵入窃盗のうち万引きは71.7%であった(警察庁の統計による。 ) 。 犯罪白書 2021 9

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2 強制性交等・強制わいせつ 平成 29 年6月,刑法の一部を改正する法律(平成 29 年法律第 72 号)が成立し,同年7月に施行さ れた。同法により,①従来の強姦が強制性交等に改められ,被害者の性別を問わなくなり,かつ,性交 (姦淫)に加えて肛門性交及び口腔性交をも対象とし,法定刑の下限が引き上げられ,②監護者わいせ 第1章 刑法犯 つ・監護者性交等が新設され,18 歳未満の者を現に監護する者であることによる影響力があることに 乗じたわいせつ行為や性交等が処罰されることとなり,また,③強姦,強制わいせつ等(同法による改 正前の刑法176 条,177 条及び 178 条に規定する罪)の罪は親告罪であったが,これらの罪は,改正時 に,監護者性交等の罪とともに,非親告罪とされた。 強制性交等(前記改正前は強姦及び準強姦であり,改正後は強姦,準強姦,準強制性交等及び監護 者性交等を含む。 )の認知件数,検挙件数及び検挙率の推移(最近 30 年間)は,1-1-2-5 図のとおり である。認知件数は,平成9年から増加傾向を示し,15 年に 2,472 件を記録した後,23 年まで減少 第2節 し続け,24・25 年にやや増加したものの,26 年から再び減少し,28 年は昭和 57 年以降で最少の 主な刑法犯 1,332 件(前年比 73 件(5.2%)減。なお,前記改正によって対象が拡大した点には留意が必要であ 989 件であった。その後,平成 29 年から令和元年までやや増加したものの,2年は前年より減少し, る。 )であり,うち女性を被害者とするものは 1,260 件であった(6-1-3-1 表参照)。検挙件数も,平 成 15 年に 1,569 件を記録した後,減少傾向にあったが,29 年から令和元年まで増加に転じ,2年は 前年より減少し,1,297 件(同 14 件(1.1%)減)であった。検挙率は,平成 10 年から低下し,14 年に 62.3%と戦後最低を記録した後は上昇傾向にあり,29・30 年と低下したが,令和元年から上昇 し,2年は 97.4%(同 4.1pt 上昇)であった。 このうち,令和2年における監護者性交等の認知件数は 101 件,検挙件数は 102 件(検挙率は 101.0%)であった(警察庁刑事局の資料による。)。 なお,肛門性交のみ,口腔性交のみ,又は肛門性交及び口腔性交のみを実行行為とする強制性交等 について,令和2年に第一審判決があったものとして法務省刑事局に対し各検察庁から報告があった 件数は,66 件であった(法務省刑事局の資料による。)。 1-1-2-5 図 強制性交等 認知件数・検挙件数・検挙率の推移 (平成3年~令和2年) (件) 3,000 (%) 100 検挙率 2,500 80 2,000 60 1,500 40 1,000 5 10 15 認知件数 注 10 1,332 1,297 20 500 0 平成 3 97.4 20 25 30 令和2 0 検挙件数 1 警察庁の統計による。 2 「強制性交等」は,平成 28 年以前は平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦をいい,29 年以降は強制性交等及び同改正前の 強姦をいう。 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 強制わいせつ(前記改正前は準強制わいせつを含み,改正後は準強制わいせつ及び監護者わいせつ を含む。 )の認知件数,検挙件数及び検挙率の推移(最近 30 年間)は,1-1-2-6 図のとおりである。 認知件数は,平成の初期から増加傾向にあったが,平成 11 年から 13 年にかけて前年比 25.8~ 38.6%の勢いで増加し続け,15 年には昭和 41 年以降で最多の1万 29 件を記録した。その後,平成 21 年まで減少し,22 年から 25 年まで増加傾向にあったが,26 年から減少し続け,令和2年は 4,154 件(前年比 746 件(15.2%)減。なお,前記改正によって対象が縮小(口腔性交及び肛門性交が, 強制性交等の対象行為となった。)及び拡大(監護者わいせつが新設された。)した点には留意する必 要がある。)であった。検挙件数は,平成5年から 25 年までは 3,000 件台,26 年から 30 年までは 4,000 件台で推移していたが,令和元年に再び 3,000 件台となり,2年は 3,766 件(同 233 件(5.8%) 減)であった。検挙率は,平成 11 年に前年比 18.9pt,12 年に同 14.8pt 低下し,14 年には 35.5%と 昭和 41 年以降で最低を記録したが,その後は上昇傾向にあり,令和2年は 90.7%(同 9.0pt 上昇) であった(CD-ROM 参照)。 このうち,令和2年における監護者わいせつの認知件数は 89 件,検挙件数は 83 件(検挙率は 93.3%)であった(警察庁刑事局の資料による。)。 1-1-2-6 図 強制わいせつ 認知件数・検挙件数・検挙率の推移 (平成3年~令和2年) (%) 100 (千件) 12 90.7 検挙率 10 80 8 60 6 4,154 40 4 20 2 5 10 15 認知件数 注 20 25 30 令和 2 犯罪の動向 0 平成 3 3,766 0 検挙件数 警察庁の統計による。 3 その他の刑法犯 窃盗及び強制性交等・強制わいせつを除く刑法犯について,主な罪名・罪種ごとに認知件数の推移 (最近 30 年間)を見ると,1-1-2-7 図のとおりである。 犯罪白書 2021 11

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1-1-2-7 図 その他の刑法犯 認知件数の推移(罪名・罪種別) (平成3年~令和2年) (万件) 25 第1章 刑法犯 20 15 器物損壊 10 横領 第2節 粗暴犯 5 主な刑法犯 0 平成 3 注 64,089 50,403 詐欺 住居侵入 恐喝 5 10 15 20 25 30 令和2 30,468 15,542 11,021 1,446 1 警察庁の統計による。 2 「粗暴犯」は,傷害,暴行,脅迫,凶器準備集合及び暴力行為等処罰法違反をいう。 3 「横領」は,遺失物等横領を含む。 認知件数,検挙件数及び検挙率の推移(最近 20 年間)を罪名別に見ると,1-1-2-8 図のとおりで ある(詳細については,CD-ROM 資料 1-2 及び 1-3 参照。詐欺の認知件数,検挙件数及び検挙率に ついては第8編第3章第1節1項(1)ア及び同項(3)ア参照)。 なお,盗品譲受け等,公然わいせつ,わいせつ物頒布等,略取誘拐・人身売買,通貨偽造,文書偽 造等及び賭博・富くじの認知件数等については CD-ROM 参照。 1-1-2-8 図 ① 刑法犯 認知件数・検挙件数・検挙率の推移(罪名別) 殺人 (件) 1,600 検挙率 98.3 80 60 800 20 25 30 令和 2 89.1 (%) 100 検挙率 3 1 20 0 平成 13 15 20 25 30 令和 2 0 認知件数 12 令和 3 年版 犯罪白書 80 60 1,397 40 1,358 20 0 平成 13 15 ④ 20 25 30 令和2 暴行 (千件) 35 80 18,963 60 16,890 40 2 検挙率 2 0 傷害 (万件) 4 (%) 100 4 20 0 平成 13 15 97.2 6 929 913 40 400 (平成 13 年~令和2年) 強盗 (千件) 8 (%) 100 1,200 ③ ② 検挙率 88.0 0 (%) 100 20 27,637 80 24,315 60 15 40 30 25 10 5 0 平成 13 15 検挙件数 20 20 25 30 令和2 0

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脅迫 ⑥ 検挙率 3 0 30 令和2 検挙率 82.2 8 6 4 2 0 平成 13 15 ⑨ 20 25 97.8 検挙率 60 1,500 ⑩ 20 25 器物損壊 (万件) 25 30 令和2 60 40 20 25 1 700 30 令和 2 0 (%) 100 80 57.7 3 20 786 20 4 2 60 10 40 5 20 60 検挙率 0 平成 13 15 20 25 30 令和2 40 11,021 20 6,357 0 20 25 30 令和2 0 64,089 13.4 8,576 認知件数 1 2 80 80 検挙率 15 注 検挙率 住居侵入 40 0 (%) 100 (%) 100 20 0 平成 13 15 89.1 40 1,446 20 1,256 0 犯罪の動向 0 平成 13 15 30 令和2 (万件) 5 2,072 60 1 ⑪ 2,000 2,118 80 2 25 放火 80 (%) 100 3 20 (件) 2,500 1,000 40 15,542 500 20 12,778 0 0 平成 13 15 30 令和2 公務執行妨害 (千件) 4 ⑧ (%) 100 10 60 0 平成 13 15 横領(遺失物等横領を含む) (万件) 12 80 5 20 25 (%) 100 10 40 20 86.9 検挙率 15 60 3,299 1 ⑦ 87.3 80 2 0 平成 13 15 恐喝 (千件) (%) 100 3,778 20 第1 編 ⑤ (千件) 4 検挙件数 警察庁の統計による。 検挙件数には,前年以前に認知された事件に係る検挙事件が含まれることがあるため,検挙率が 100%を超える場合がある。 犯罪白書 2021 13

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(1)殺人(1-1-2-8 図①) 殺人の認知件数は,平成 16 年から 28 年までは減少傾向にあり,同年に戦後最少の 895 件を記録 した。その後はおおむね横ばいで推移しており,令和2年は 929 件(前年比 21 件(2.2%)減)で あった。検挙率は,安定して高い水準(2年は 98.3%)にある。 第1章 刑法犯 (2)強盗(1-1-2-8 図②) 強盗の認知件数は,平成 15 年に昭和 26 年以降で最多の 7,664 件を記録した後,平成 16 年から減 少傾向にあり,令和2年は 1,397 件(前年比 114 件(7.5%)減)と戦後最少を更新した。検挙率は, 平成 17 年から上昇傾向にあり,令和2年は 97.2%(同 9.5pt 上昇)であった。 令和2年における強盗の認知件数の手口別構成比は,1-1-2-9 図のとおりである。 1-1-2-9 図 強盗 認知件数の手口別構成比 第2節 (令和2年) 主な刑法犯 住宅強盗 10.8 その他 42.6 途 中 強 盗 0.4 その他の自動車強盗 1.4 注 非侵入 強盗 71.3 総 数 1,397 件 タクシー 強盗 5.7 侵入強盗 28.7 コンビニ強盗 8.7 その他の店舗強盗 6.0 金 融 機 関 強 盗 0.8 そ の 他 2.4 路上強盗 21.3 1 警察庁の統計による。 2 「タクシー強盗」及び「その他の自動車強盗」は,自動車に乗車中の者から自動車又は金品を強取するもの(暴行・脅迫を加えて運 賃の支払を免れるものを含む。 )をいう。 3 「途中強盗」は,金品を輸送中の者又は銀行等に預金に行く途中若しくは銀行等から払戻しを受けて帰る途中の者であることを知っ た上で,その者から金品を強取するものをいう。 (3)傷害・暴行・脅迫(1-1-2-8 図③~⑤) 傷害の認知件数は,平成 15 年に3万 6,568 件を記録した後,16 年から減少傾向にあり,27 年か ら令和元年までの5年間における前年比減少率は平均 4.5%であったが,2年は前年より 10.5%減少 した1万 8,963 件(前年比 2,225 件減)であった。暴行の認知件数は,平成 18 年以降おおむね高止 まりの状況にあり,2万 9,000 件台から3万 2,000 件台で推移していたが,令和2年は2万 7,637 件 (同 2,639 件(8.7%)減)と前年から大きく減少した。脅迫の認知件数は,平成 12 年以降 2,000 件 台で推移していたが,24 年に大きく増加し,同年以降は 3,000 件台で推移しており,令和2年は 3,778 件(同 121 件(3.3%)増)であった。いずれの検挙率も,平成 16 年前後からおおむね上昇傾 向にある。 (4)恐喝(1-1-2-8 図⑥) 恐喝の認知件数は,平成 13 年に1万 9,566 件を記録した後,14 年から減少し続けており,令和2 年は 1,446 件(前年比 183 件(11.2%)減)であった。 (5)横領(1-1-2-8 図⑦) 横領(遺失物等横領を含む。)の認知件数は,平成 16 年に戦後最多の 10 万 4,412 件を記録した後, 17 年から減少し続けており,令和2年は1万 5,542 件(前年比 1,712 件(9.9%)減)であった。 14 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 (6)放火(1-1-2-8 図⑧) 放火の認知件数は,平成 16 年に 2,174 件を記録した後,17 年から減少傾向にあり,令和2年は 786 件(前年比 54 件(6.4%)減)であった。 (7)公務執行妨害(1-1-2-8 図⑨) 公務執行妨害の認知件数は,平成 18 年に戦後最多の 3,576 件を記録した後,19 年から減少傾向に あり,令和2年は 2,118 件(前年比 185 件(8.0%)減)であった。 (8)住居侵入(1-1-2-8 図⑩) 住居侵入の認知件数は,平成 15 年に戦後最多の4万 348 件を記録した後,16 年から減少傾向にあ り,令和2年は1万 1,021 件(前年比 1,832 件(14.3%)減)であった。 (9)器物損壊(1-1-2-8 図⑪) 器物損壊の認知件数は,平成 15 年に 23 万 743 件を記録した後,16 年から減少し続けており,令 和2年は6万 4,089 件(前年比 7,606 件(10.6%)減)であった。検挙率は,平成 15 年まで低下し た後,16 年から上昇傾向にあり,令和2年は 13.4%(同 1.4pt 上昇)であったが,依然,刑法犯全 体と比べて著しく低い。 犯罪の動向 犯罪白書 2021 15

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第 2章 第2章 特別法犯 第1節 特別法犯 主な統計データ 令和2年における特別法犯の主な統計データは,次のとおりである。 令和2年の主な統計データ(特別法犯) 検察庁新規受理人員 第1節 ① 道路交通法違反 ② 覚醒剤取締法違反 ③ 218,540 人 (構成比) (前年比) (71.1%) (- 20,960 人, - 8.8%) 主な統計データ 13,644 人 (4.4%) (+ 319 人, + 2.4%) 軽犯罪法違反 8,267 人 (2.7%) (+ 592 人, + 7.7%) ④ 廃棄物処理法違反 7,665 人 (2.5%) (+ 622 人, + 8.8%) ⑤ 入管法違反 7,436 人 (2.4%) (+ 638 人, + 9.4%) ⑥ 大麻取締法違反 7,243 人 (2.4%) (+ 988 人, + 15.8%) ⑦ 銃刀法違反 5,823 人 (1.9%) (+ 30 人, + 0.5%) ⑧ 自動車損害賠償保障法違反 3,212 人 (1.0%) (- 132 人, - 3.9%) ⑨ 児童買春・児童ポルノ禁止法違反 3,064 人 (1.0%) (- 333 人, - 9.8%) ⑩ 犯罪収益移転防止法違反 2,502 人 (0.8%) (+ 104 人, + 4.3%) 30,172 人 (9.8%) その他 総 307,568 人 (100.0%) (- 20,485 人, - 6.2%) 数 【平成 13 年 総数】 1,009,850 人 注 【平成 13 年比】 [- 702,282 人, - 69.5%] 1 検察統計年報による。 2 「道路交通法違反」は,保管場所法違反を含まない。 特別法犯の検察庁新規受理人員の推移(昭和 24 年以降)は,1-2-1-1 図のとおりである(罪名別 の人員については,CD-ROM 資料 1-4 参照)。その人員は,特別法犯全体では,43 年に交通反則通 告制度が施行されたことにより大幅に減少した後,50 年代は 200 万人台で推移していたが,62 年に 同制度の適用範囲が拡大された結果,再び大幅に減少した。平成元年から 11 年までは増減を繰り返 していたが,12 年からは 21 年連続で減少しており,18 年からは,昭和 24 年以降における最少を記 録し続けている。他方,道交違反を除く特別法犯では,平成 13 年から増加し,19 年(11 万 9,813 人)をピークとして,その後は減少傾向にあるが,令和2年は8万 8,337 人(前年比 469 人(0.5%) 増)であった(CD-ROM 参照)。 16 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 1-2-1-1 図 特別法犯 検察庁新規受理人員の推移 (昭和24年~令和2年) (万人) 550 500 450 400 350 300 250 200 150 100 307,568 50 0 昭和24 注 30 35 40 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 道交違反 219,231 道交違反を除く 30令和2 特別法犯 88,337 1 刑事統計年報及び検察統計年報による。 2 「道交違反」は,次の法令の違反をいう。 昭和 24 年 自動車取締令,道路取締令,道路交通取締法及び道路交通取締令 25 年~ 34 年 自動車取締令,道路交通取締法及び道路交通取締令 35 年~ 37 年 道路交通法及び道路交通取締令 38 年~ 43 年 道路交通法,道路交通取締令及び保管場所法 44 年~令和2年 道路交通法及び保管場所法 令和2年における道交違反を除く特別法犯の検察庁新規受理人員の罪名別構成比は,1-2-1-2 図の とおりである。 犯罪の動向 1-2-1-2 図 特別法犯 検察庁新規受理人員の罪名別構成比 (令和2年) 青少年保護育成条例 2.2 覚醒剤 取締法 15.4 その他の条例 8.7 その他の 特別法 20.7 条例違反 10.9 総 数 88,337人 特別法犯(条例違反を除く) 89.1 風 営 適 正 化 法 1.8 犯 罪 収 益 移 転 防 止 法 2.8 児童買春・児童ポルノ禁止法 3.5 自 動 車 損 害 賠 償 保 障 法 3.6 注 1 2 銃刀法 6.6 大麻取締法 8.2 軽犯罪法 9.4 廃棄物処理法 8.7 入管法 8.4 検察統計年報による。 道交違反を除く。 迷惑防止条例違反の痴漢事犯の検挙件数(電車内以外で行われたものを含む。)は,近年減少傾向 にあり,平成 27 年以降 2,700~3,200 件台で推移していたが,令和2年は 1,915 件(前年比 874 件 (31.3%)減)であった(警察庁生活安全局の資料による。)。 犯罪白書 2021 17

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第2節 主な特別法犯 主な特別法犯の検察庁新規受理人員の推移(最近 20 年間)は,1-2-2-1 図のとおりである。なお, 交通犯罪,薬物犯罪,財政経済犯罪及びサイバー犯罪については,第4編第1,2,4及び5の各章 をそれぞれ参照。 第2章 特別法犯 銃刀法違反は,平成 21 年(6,989 人)をピークに一時減少傾向となったが,24 年以降はおおむね 横ばいとなっており,令和2年は 5,823 人(前年比 0.5%増)であった(CD-ROM 資料 1-4 参照)。 なお,3年6月,同法が改正され(令和3年法律第 69 号),人の生命に危険を及ぼし得る威力を有す るクロスボウについて,所持の禁止の対象とするとともに,所持許可制に関する規定を整備し,不法 所持に対する罰則の新設等が行われた(4年3月までに施行)。 廃棄物処理法違反は,平成 19 年(8,879 人)をピークに 20 年以降は7年連続で減少し,27 年以 降はおおむね横ばいで推移していたが,令和2年は 7,665 人(前年比 8.8%増)であった(CD-ROM 第2節 資料 1-4 参照) 。なお,平成 29 年6月,同法が改正され(平成 29 年法律第 61 号),産業廃棄物管理 票の交付・写し送付・回付義務違反,虚偽交付,虚偽記載,写し保存義務違反等産業廃棄物管理票に 関連する罰則の法定刑の引上げ等が行われた(30 年4月施行)。 主な特別法犯 風営適正化法違反は,平成 19 年(4,900 人)をピークに減少傾向にあり,令和2年は 1,570 人(前 年比 17.5%減)であった(CD-ROM 資料 1-4 参照)。 児童買春・児童ポルノ禁止法違反は,平成 11 年の同法施行後増加傾向にあり,特に 24 年以降7年 連続で増加していたが,令和元年から減少し,2年は 3,064 人であった(前年比 9.8%減) (CD-ROM 資料 1-4 参照)。なお,平成 26 年6月,同法が改正され(平成 26 年法律第 79 号),児童ポルノをみ だりに所持することなどが一般的に禁止されたほか,児童ポルノの製造の罪について盗撮の場合にも 処罰対象になるとともに(同年7月施行) ,自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持する ことなども処罰対象とされた(27 年7月適用開始)。 なお,配偶者暴力防止法違反については第4編第6章第2節,ストーカー規制法違反及びいわゆる リベンジポルノ等の行為を処罰することなどを内容とする私事性的画像被害防止法違反については同 章第3節をそれぞれ参照。 18 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 1-2-2-1 図 主な特別法犯 検察庁新規受理人員の推移 (平成13年~令和2年) ① 保安関係 (千人) 18 16 ② (千人) 10 軽犯罪法 12 7,665 6 10 8 8,267 銃刀法 6 4 5,823 4 2 0 平成13 15 2 20 25 30 令和2 風紀関係 3,000 風営適正化法 2,500 3 25 30 令和2 児童買春・ 児童ポルノ禁止法 3,500 4 20 児童買春・児童ポルノ禁止法等 (人) 4,000 5 青少年保護育成条例 2,000 3,064 1,957 1,500 2 売春防止法 1 0 平成13 15 0 平成13 15 ④ (千人) 6 注 廃棄物処理法 8 14 ③ 環境関係 1,570 543 20 25 30 令和2 1,000 児童福祉法 500 出会い系サイト規制法 0 平成13 15 20 25 30 令和2 214 34 検察統計年報による。 令和2年における公職選挙法(昭和 25 年法律第 100 号)違反の検察庁新規受理人員は,前年の 720 人から 566 人に減少した(CD-ROM 資料 1-4 参照)。 犯罪の動向 令和2年における各種選挙違反の検挙人員は,前年の 640 人から 45 人に大幅に減少した。違反態 様別に見ると, 「文書図画に関する制限違反」が 14 人(31.1%)と最も多く,次いで,「選挙の自由 妨害」10 人(22.2%) ,「買収,利害誘導」9人(20.0%),「運動期間の違反」5人(11.1%)の順 であった(警察庁の統計による。)。 なお,令和2年6月には,公職選挙法が改正され(令和2年法律第 41 号),住所要件を満たさない 者の立候補を抑止するため,地方議会議員選挙の立候補の届出書に添付する宣誓書の宣誓内容に「当 該選挙の期日において住所要件を満たす者であると見込まれること」が追加され,上記宣誓内容に虚 偽があった場合についても処罰対象とされた(同年9月施行)。 犯罪白書 2021 19

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第 3章 第3章 諸外国における犯罪動向 第1節 諸外国における犯罪動向 諸外国における犯罪 この節では,フランス,ドイツ,英国(イングランド,ウェールズ,スコットランド及び北アイル ランドをいう。以下この節において同じ。 )及び米国の4か国の犯罪動向を紹介し,我が国と対比す る。 統計資料については,国際連合(国連)薬物・犯罪事務所(UNODC:United Nations Office on Drugs and Crime) (注)が実施し,公表しているデータ(dataUNODC)を使用する。 UNODC の犯罪情勢等に関する調査(UN-CTS:United Nations Survey of Crime Trends and Operations of Criminal Justice Systems)においては,各犯罪を定義した上で,共通の調査 票を用いて各国に照会し,回答を集計して,各国の犯罪情勢等に関する指標として公表する手法が採 られている。UN-CTS で用いられている各犯罪の定義と各国における各犯罪の定義とは必ずしも一 致しないため,各国が UN-CTS の犯罪の定義とは異なる定義により集計した数値を回答し,UNCTS の統計数値として公表されることがあり得ること,各国における統計の取り方や精度は必ずし 第1節 も同一ではないこと,限られた犯罪の発生件数等から各国の犯罪動向を即断することはできないこと など,留意すべき点はあるものの,これらの国の近年の犯罪指標の推移を示すことは,国際的な犯罪 諸外国における犯罪 情勢を考察する上で参考となるものと考えられる。 本白書では,犯罪情勢を検討する上で重要な犯罪類型である殺人,強盗,窃盗及び性暴力につい て,前記4か国と我が国の犯罪指標の推移を掲載する(なお,本白書作成時点において入手かつ対比 可能であった各年の数値を掲載しており,その範囲は犯罪ごとに異なる。また,UN-CTS の調査票 では,各国は以前に回答した数値を修正することが可能であり,数値の変更が少なくないことや今後 も数値の変更があり得ることに留意する必要がある。)。 注 国連薬物・犯罪事務所(UNODC)は,不正薬物及び犯罪に関する調査・分析,国連加盟国 の不正薬物・犯罪・テロリズムに関する各条約の締結・実施及び国内法整備の支援,国連加盟国 に対する不正薬物・犯罪・テロ対策における能力向上のための技術協力の提供等を行うほか,国 連経済社会理事会の機能委員会である麻薬委員会,犯罪防止刑事司法委員会(コミッション) (第 2編第6章第1節参照)等の事務局を務めている。 20 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 1 殺人 この項でいう「殺人」とは,dataUNODC における「Intentional homicide」をいう。各国にお ける「殺人」の発生件数及び発生率(人口 10 万人当たりの発生件数をいう。以下この節において同 じ。 )の推移(平成 30 年(2018 年)までの最近5年間)を見ると,1-3-1-1 表のとおりである。 1-3-1-1 表 ① 日本 年 ③ 発生件数 発生率 (2014 年~2018 年) フランス 年 次 発生件数 発生率 395 0.3 2014 年 2015 363 0.3 2015 1,012 1.6 2016 362 0.3 2016 874 1.4 2017 306 0.2 2017 824 1.3 2018 334 0.3 2018 779 1.2 ドイツ 次 ④ 発生件数 発生率 792 1.2 英国 年 次 発生件数 発生率 2014 年 716 0.9 2014 年 589 0.9 2015 682 0.8 2015 652 1.0 2016 963 1.2 2016 789 1.2 2017 813 1.0 2017 809 1.2 2018 788 0.9 2018 … … 米国 年 次 発生件数 発生率 2014 年 14,164 4.4 2015 15,883 4.9 2016 17,413 5.4 2017 17,284 5.3 2018 16,214 5.0 犯罪の動向 注 次 ② 2014 年 年 ⑤ 各国における殺人の発生件数・発生率の推移 1 UNODC Research による dataUNODC の Homicide rates(殺人率)統計(令和3年(2021 年)5月 14 日確認)及び国連経済 社会局人口部の世界人口推計 2019 年版(World Population Prospects 2019)による。 2 「発生率」は,前記人口推計に基づく人口(各年7月1日時点の推計値)10 万人当たりの発生件数である。 3 前記「殺人率」統計において,「発生件数」の数値が入手可能であった年につき,「発生件数」及び「発生率」を示している。 4 「英国」は,イングランド,ウェールズ,スコットランド及び北アイルランドをいう。 犯罪白書 2021 21

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2 強盗 この項でいう「強盗」とは,dataUNODC における「Robbery」をいう。各国における「強盗」 の発生件数及び発生率の推移(平成 30 年(2018 年)までの最近5年間)を見ると,1-3-1-2 表のと おりである。 第3章 諸外国における犯罪動向 1-3-1-2 表 ① 日本 年 ③ 第1節 諸外国における犯罪 22 発生件数 発生率 (2014 年~2018 年) フランス 年 次 発生件数 発生率 3,056 2.4 2014 年 114,093 177.7 2015 2,426 1.9 2015 104,116 161.5 2016 2,332 1.8 2016 104,439 161.5 2017 1,852 1.5 2017 100,080 154.3 2018 1,787 1.4 2018 … … ドイツ 次 ④ 発生件数 発生率 英国 年 次 発生件数 発生率 2014 年 45,475 55.8 2014 年 52,556 80.3 2015 44,666 54.6 2015 53,270 80.9 2016 43,009 52.3 2016 61,440 92.7 2017 38,849 47.0 2017 79,212 118.7 2018 … … 2018 … … 米国 年 注 次 ② 2014 年 年 ⑤ 各国における強盗の発生件数・発生率の推移 次 発生件数 発生率 2014 年 322,900 101.3 2015 328,100 102.3 2016 332,800 103.0 2017 320,600 98.6 2018 … … 1 「発生件数」は,UNODC Research による dataUNODC の Robbery(強盗)統計(令和3年(2021 年)5月 14 日確認)による。 ただし, 「日本」の「発生件数」のうち,同「強盗」統計において数値が入手できなかった 2017 年及び 2018 年の数値は,警察庁刑事 局の資料による。 2 人口は,国連経済社会局人口部の世界人口推計 2019 年版(World Population Prospects 2019)による。 3 「発生率」は,前記人口推計に基づく人口(各年7月1日時点の推計値)10 万人当たりの発生件数である。 4 前記「強盗」統計又は警察庁刑事局の資料において,「発生件数」の数値が入手可能であった年につき,「発生件数」及び「発生率」 を示している。 5 「英国」は,イングランド,ウェールズ,スコットランド及び北アイルランドをいう。 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 窃盗 3 この項でいう「窃盗」とは,dataUNODC における「Burglary」, 「Theft of cars」及び「Theft」 という三つの類型の総計をいう。各国における「窃盗」の発生件数及び発生率の推移(平成 30 年 (2018 年)までの最近5年間)を手口別に見ると,1-3-1-3 表のとおりである。 1-3-1-3 表 ① 次 2014 年 2015 2016 2017 2018 次 2014 年 2015 2016 2017 2018 次 2014 年 2015 自動車盗 その他の窃盗 (472.1) 93,566 (73.0) 59,824 (46.7) 451,648 (352.4) 547,030 (427.4) 86,373 (67.5) 49,307 (38.5) 411,350 (321.4) 486,933 (381.1) 76,477 (59.9) 35,959 (28.1) 374,497 (293.1) 450,117 (353.0) 73,122 (57.3) 30,397 (23.8) 346,598 (271.8) 398,262 (313.1) 62,745 (49.3) 23,920 (18.8) 311,597 (245.0) 1,977,635 (3,080.7) 379,153 (590.6) 169,084 (263.4) 1,429,398 (2,226.7) 1,944,688 (3,017.2) 379,253 (588.4) 168,072 (260.8) 1,397,363 (2,168.0) 1,925,847 (2,978.1) 382,910 (592.1) 161,512 (249.8) 1,381,425 (2,136.2) … (…) … (…) … (…) … (…) … (…) … (…) … (…) … (…) 1,826,618 (2,242.6) 446,073 (547.7) 58,401 (71.7) 1,322,144 (1,623.3) 1,869,447 (2,285.7) 463,929 (567.2) 56,563 (69.2) 1,348,955 (1,649.3) 1,782,844 (2,169.1) 432,730 (526.5) 59,633 (72.6) 1,290,481 (1,570.0) 1,575,718 (1,906.3) 365,182 (441.8) 54,114 (65.5) 1,156,422 (1,399.0) 1,459,327 (1,755.6) 326,409 (392.7) 50,440 (60.7) 1,082,478 (1,302.2) 窃 盗 侵入盗 自動車盗 その他の窃盗 窃 盗 侵入盗 自動車盗 その他の窃盗 英国 年 次 2014 年 2015 2016 2017 2018 窃 盗 侵入盗 自動車盗 その他の窃盗 1,913,919 (2,925.5) 440,930 (674.0) 83,222 (127.2) 1,389,767 (2,124.3) 1,986,414 (3,016.1) 427,805 (649.6) 88,591 (134.5) 1,470,018 (2,232.0) 2,116,118 (3,191.8) 435,779 (657.3) 103,932 (156.8) 1,576,407 (2,377.8) 2,261,010 (3,388.4) 459,600 (688.8) 118,456 (177.5) 1,682,954 (2,522.1) 2,273,426 (3,386.0) 443,035 (659.9) 126,516 (188.4) 1,703,875 (2,537.7) 米国 年 次 2014 年 2015 2016 2017 2018 注 侵入盗 605,038 犯罪の動向 2016 2017 2018 ⑤ 盗 ドイツ 年 ④ 窃 フランス 年 ③ (2014 年~2018 年) 日本 年 ② 各国における窃盗の発生件数・発生率の推移 窃 盗 侵入盗 自動車盗 その他の窃盗 8,209,100 (2,576.0) 1,713,200 (537.6) 686,800 (215.5) 5,809,100 (1,822.9) 8,024,200 (2,500.7) 1,587,600 (494.8) 713,100 (222.2) 5,723,500 (1,783.7) 7,928,500 (2,454.5) 1,516,400 (469.5) 767,300 (237.5) 5,644,800 (1,747.5) 7,682,900 (2,363.4) 1,397,000 (429.7) 772,900 (237.8) 5,513,000 (1,695.9) 7,196,000 (2,200.0) 1,230,100 (376.1) 748,800 (228.9) 5,217,100 (1,595.0) 1 「発生件数」は,UNODC Research による dataUNODC の Burglary(侵入盗), Theft of cars(自動車盗)及び Theft(その他 の窃盗)の各統計(令和3年(2021 年)5月 14 日確認)による。ただし, 「日本」の「発生件数」のうち,同「侵入盗」, 「自動車盗」 及び「その他の窃盗」の各統計において数値が入手できなかった 2017 年及び 2018 年の数値は,警察庁刑事局の資料による。 2 人口は,国連経済社会局人口部の世界人口推計 2019 年版(World Population Prospects 2019)による。 3 「日本」の「自動車盗」はオートバイ盗を含み,車上・部品ねらいを含まない。 4 ( )内は,発生率(前記人口推計に基づく人口(各年7月1日時点の推計値)10 万人当たりの発生件数)である。 5 前記「侵入盗」 , 「自動車盗」及び「その他の窃盗」の各統計又は警察庁刑事局の資料において,「発生件数」の数値が入手可能で あった年につき,「発生件数」及び「発生率」を示している。 6 「英国」は,イングランド,ウェールズ,スコットランド及び北アイルランドをいう。 犯罪白書 2021 23

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4 性暴力 この項でいう「性暴力」とは,dataUNODC における「Sexual violence」をいう。各国におけ る「性暴力」の発生件数及び発生率の推移(平成 30 年(2018 年)までの最近5年間)を見ると, 1-3-1-4 表のとおりである。なお,性犯罪については,一般に暗数が多いとされており,発生件数 第3章 諸外国における犯罪動向 (認知件数)の統計のみによる比較には一定の制約があることに留意する必要がある。 1-3-1-4 表 ① 日本 年 ③ 第1節 諸外国における犯罪 24 発生件数 発生率 (2014 年~2018 年) フランス 年 次 発生件数 発生率 8,650 6.7 2014 年 30,959 48.2 2015 7,922 6.2 2015 33,283 51.6 2016 7,177 5.6 2016 37,480 58.0 2017 6,918 5.4 2017 41,587 64.1 2018 6,647 5.2 2018 … … ドイツ 次 ④ 発生件数 発生率 英国 年 次 2014 年 34,959 42.9 2014 年 2015 34,265 41.9 2016 37,166 45.2 2017 34,815 2018 … 発生件数 発生率 89,923 137.4 2015 118,760 180.3 2016 135,445 204.3 42.1 2017 166,104 248.9 … 2018 … … 米国 年 注 次 ② 2014 年 年 ⑤ 各国における性暴力の発生件数・発生率の推移 次 発生件数 発生率 2014 年 … … 2015 … … 2016 … … 2017 … … 2018 … … 1 「発生件数」は,UNODC Research による dataUNODC の Sexual Violence(性暴力)統計(令和3年(2021 年)5月 14 日確 認)による。ただし, 「日本」の「発生件数」のうち,同「性暴力」統計において数値が入手できなかった 2017 年及び 2018 年の数値 は,警察庁刑事局の資料による。 2 人口は,国連経済社会局人口部の世界人口推計 2019 年版(World Population Prospects 2019)による。 3 「日本」の「性暴力」は,強制性交等(強姦,準強姦,準強制性交等及び監護者性交等を含む。)及び強制わいせつ(準強制わいせつ 及び監護者わいせつを含む。)をいう。 4 「発生率」は,前記人口推計に基づく人口(各年7月1日時点の推計値)10 万人当たりの発生件数である。 5 前記「性暴力」統計又は警察庁刑事局の資料において,「発生件数」の数値が入手可能であった年につき,「発生件数」及び「発生 率」を示している。 6 「英国」は,イングランド,ウェールズ,スコットランド及び北アイルランドをいう。 令和 3 年版 犯罪白書

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第1 編 第2節 国外における日本人の犯罪 令和2年(2020 年)の日本人の出国者数は,317 万 4,219 人(前年比 84.2%減)であった(出入 国在留管理庁の資料による。)。 在外公館が邦人援護事務を通じて把握した国外における日本人による犯罪は,令和元年(2019 年) は 418 件(前年比 6.1%増),396 人(同 0.3%増)であった。罪名・罪種別に犯罪件数を見ると, 1-3-2-1 表のとおりである。 1-3-2-1 表 国外における日本人の犯罪件数 (令和元年(2019 年) ) 総 数 殺 418 (100.0) 注 傷 害 強制性交 薬物関係 人 ・ 等・強制 強 法令違反 暴 行 わいせつ 盗 窃 3 - (0.7) 31 41 26 (7.4) (9.8) (6.2) 盗 詐 外国為替 道路交通 銃 器 等 出入国 欺 ・関税関係 関係法令 売買春 関係法令 その他 ・査証 法令違反 違 反 違 反 22 16 (5.3) (3.8) 13 126 (3.1) (30.1) 31 (7.4) 7 (1.7) 3 99 (0.7) (23.7) 1 外務省領事局の資料による。 2 「出入国・査証」は,不法滞在等をいう。 3 「その他」は,脅迫・恐喝を含む。 4 ( )内は,構成比である。 犯罪の動向 犯罪白書 2021 25

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第2 編 職親プロジェクトの活動の様子 【写真提供:法務省矯正局】 更生保護施設における処遇の様子 【写真提供:法務省保護局】 2編 犯罪者の処遇 第 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 概要 検察 裁判 成人矯正 更生保護 刑事司法における国際協力

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第 1章 概要 警察等で検挙された者は,検察,裁判,矯正,更生保護の各段階で処遇を受けるが,令和2年にこ 第1章 概要 れらの各段階で処遇を受けた人員は,2-1-1 図のとおりである(非行少年に対する処遇の概要につい ては,3-2-1-1 図参照)。 2-1-1 図 犯罪者処遇の概要 (令和 2 年) 警 察 等  検察官認知等 微罪処分 5万2,039人 交通反則金 検察庁 検 新規受理 終局処理 80万3,752人 80万7,480人 察 起訴 刑法犯 過失運転致死傷等 特別法犯 19 万 5,092 人 30 万 1,092 人 30 万 7,568 人(うち道交違反を除く 25 万 3,444 人 公判請求 7 万 9,483 人 不起訴 略式請求 17 万 3,961 人 8万 8,337 人) 51 万 1,021 人 うち起訴猶予 44 万 8,072 人 (少年) 裁判確定 22 万 1,057 人 裁 懲役・禁錮 うち有期 4万6,970人 判 死刑 2人 無期 19 人 無罪 76 人 拘留 5人 実刑 1万 7,116 人 全部執行猶予 2 万 9,854 人 うち一部執行猶予 1,298 人 うち保護観察付 2,088 人 1万 6,620 人 1,290 人) 正 出所受刑者 (うち一部執行猶予 1万 8,923 人 1,489 人) 満期釈放 7,440 人 一部執行猶予の 実刑部分の刑期終了 288 人 仮釈放 1万 1,195 人 うち 保護観察付 うち一部執行猶予 1,201 人 更生保護 保護観察所 288 人 期間満了等 28 退院 仮出場 1万 1,195 人 保護観察開始 婦人補導院 矯 入所受刑者 (うち一部執行猶予 1万 4,779 人 その他 293 人 補導処分 労役場 留置 刑事施設 注 罰金 科料 17 万 2,326 人 1,366 人 家庭裁判所 裁判所 2,088 人 仮退院 0人 取消し等 1 警察庁の統計,検察統計年報,矯正統計年報,保護統計年報及び法務省保護局の資料による。 2 各人員は令和2年の人員であり,少年を含む。 3 「微罪処分」は,刑事訴訟法 246 条ただし書に基づき,検察官があらかじめ指定した犯情の特に軽微な窃盗,暴行,横領(遺失物等 横領を含む。 )等の成人による事件について,司法警察員が,検察官に送致しない手続を執ることをいう。 4 「検察庁」の人員は,事件単位の延べ人員である。例えば,1人が2回送致された場合には,2人として計上している。 5 「出所受刑者」の人員は,出所事由が仮釈放,一部執行猶予の実刑部分の刑期終了又は満期釈放の者に限る。 6 「保護観察開始」の人員は,仮釈放者,保護観察付全部執行猶予者,保護観察付一部執行猶予者及び婦人補導院仮退院者に限り,事 件単位の延べ人員である。そのため,各類型の合計人員とは必ずしも一致しない。 7 出所受刑者における一部執行猶予の実刑部分の刑期終了の人員については,一部執行猶予の実刑部分の刑期終了後に執行された他の 実刑について仮釈放となったが,仮釈放を取り消され,当該取消刑の執行を終了した場合を含まない。 8 「裁判確定」の「その他」は,免訴,公訴棄却,管轄違い及び刑の免除である。 令和 3 年版 犯罪白書

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1 新規立法の動向 (1)少年法等の改正,犯罪者処遇の充実に関する検討 第2 編 法務大臣は,平成 29 年2月,法制審議会に対し,少年法(昭和 23 年法律第 168 号)における「少 年」の年齢を 18 歳未満とすることや非行少年を含む犯罪者に対する処遇を一層充実させるための刑 事の実体法及び手続法の整備の在り方等について諮問を行い(諮問第 103 号),同審議会においては, それらの点について調査審議が重ねられ,令和2年 10 月,法務大臣に対する答申がなされた。 この答申においては,①罪を犯した 18 歳及び 19 歳の者について,家庭裁判所への送致,同裁判所 における手続・処分,刑事事件の特例等に関する法整備を行うこと,②犯罪者に対する処遇を一層充 実させるため,自由刑の単一化,若年受刑者に対する処遇調査の充実,刑の全部の執行猶予制度の拡 充等の法整備その他の措置を講ずることなどが掲げられた。 前記答申のうちの前記①を受け,令和3年2月,少年法等の一部を改正する法律案が国会に提出さ れ,同年5月 21 日,少年法等の一部を改正する法律(令和3年法律第 47 号)が成立した(4年4月 1日施行)。これにより,特定少年(18 歳以上の少年をいう。以下同じ。)について,家庭裁判所が 原則として検察官に送致しなければならない事件の範囲を拡大すること(検察官への送致についての 特例) ,保護処分の規定を整備し,ぐ犯をその対象から除外すること(保護処分についての特例),検 察官送致決定後の刑事事件の特例に関する規定(不定期刑等)は原則として適用しないこと(刑事事 件の特例) ,特定少年のとき犯した罪により公判請求された場合には,当該事件の本人であることを 推知できる記事等の掲載の禁止に関する規定を適用しないこと(記事等の掲載の禁止の特例)などを 内容とする少年法の一部改正が行われたほか,同改正に伴う更生保護法(平成 19 年法律第 88 号)及 び少年院法(平成 26 年法律第 58 号)の一部改正が行われた(詳細については,第3編第2章第1節 4項参照)。 (2)公判期日への出頭及び刑の執行を確保するための刑事法の整備に関する検討 法務大臣は,令和2年2月,法制審議会に対し,保釈中の被告人や刑が確定した者の逃亡を防止 し,公判期日への出頭や刑の執行を確保するための刑事法の整備について諮問を行い(諮問第 110 犯罪者の処遇 号) ,同審議会は,刑事法(逃亡防止関係)部会において,それらの点について調査審議を行ってい る。 (3)刑事手続において犯罪被害者の氏名等の情報を保護するための刑事法の整備に関する検討 法務大臣は,令和3年5月,法制審議会に対し,逮捕状・勾留状の呈示や起訴状謄本の送達を始め として,刑事手続を通じて犯罪被害者の氏名等の情報を保護するための法整備の在り方等について諮 問を行い(諮問第 115 号),同審議会において,それらの点について調査審議が重ねられ,同年9月, 法務大臣に対する答申がなされた。 (4)性犯罪に対処するための法整備に関する検討 法務大臣は,令和3年9月,法制審議会に対し,性犯罪に対処するための法整備について諮問を行 い(諮問第 117 号) ,同審議会では,刑事法(性犯罪関係)部会において,調査審議を行うこととさ れた。 (5)侮辱罪の法定刑に関する検討 法務大臣は,令和3年9月,法制審議会に対し,侮辱罪の法定刑について諮問を行い(諮問第 118 号) ,同審議会は,刑事法(侮辱罪の法定刑関係)部会において,その点について調査審議を行って いる。 犯罪白書 2021 29

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2 法テラスの活動 日本司法支援センター(通称「法テラス」。以下「法テラス」という。)では,被疑者・被告人に国 選弁護人を,少年に国選付添人を選任する必要がある場合に,裁判所等からの求めに応じ,法テラス と契約している弁護士の中から,国選弁護人・国選付添人の候補を指名して裁判所等に通知する業務 第1章 概要 等を行っている。令和2年度の法テラスにおける国選弁護人候補の指名通知請求等の受理件数は,被 疑者に関するものが7万 6,073 件(前年度比 4,072 件減),被告人に関するものが5万 76 件(同 2,934 件減)であり,国選付添人候補の指名通知請求の受理件数は 2,941 件(同 384 件減)であった (法テラスの資料による。)。  30 令和 3 年版 犯罪白書

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2章 第 第2 編 第1節 検察 概説 警察等が検挙した事件は,微罪処分(刑事訴訟法(昭和 23 年法律第 131 号)246 条ただし書に基 づき,検察官があらかじめ指定した犯情の特に軽微な成人による事件について,司法警察員が,検察 官に送致しない手続を執ることをいう。 )の対象となったものや交通反則通告制度に基づく反則金の 納付があった道路交通法違反を除き,全て検察官に送致される。なお,令和2年に微罪処分により処 理された人員は,5万 2,039 人(刑法犯では,微罪処分により処理された人員は5万 2,035 人であ り,全検挙人員に占める比率は 28.5%)であった(警察庁の統計による。)。 検察官は,警察官(一般司法警察員)及び海上保安官,麻薬取締官等の特別司法警察員からの送致 事件について捜査を行うほか,必要に応じて自ら事件を認知し,又は告訴・告発を受けて捜査を行 い,犯罪の成否,処罰の要否等を考慮して,起訴・不起訴を決める。 平成 28 年5月に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成 28 年法律第 54 号)により, 刑事手続を時代に即したより機能的なものとするため,刑事手続における証拠の収集方法の適正化及 び多様化等が図られ,これにより,検察官が行う捜査に関連するものとして,①取調べの録音・録画 制度の導入,②証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度(以下この節において「合意制度」と いう。 )の導入,③犯罪捜査のための通信傍受(以下この節において「通信傍受」という。)の対象犯 罪の拡大,④通信傍受の手続の合理化・効率化等がなされた(③については,同年 12 月施行,②に ついては,30 年6月施行,①及び④については,令和元年6月それぞれ施行。合意制度については, 第8編第2章第3節2項,通信傍受については,同節1項をそれぞれ参照。)。詐欺に係る通信傍受実 施事件数及び傍受令状発付件数については,8-3-1-29 表参照。 なお,検察庁における取調べの録音・録画は前記改正法施行以前から実施されており,令和元年度 の検察庁における被疑者取調べの録音・録画実施件数(前記改正法により録音・録画義務の対象とさ 犯罪者の処遇 れた事件以外の事件において実施したものを含む。)は,10 万 3,380 件であり,平成 27 年度(5万 9,411 件)の約 1.7 倍の水準であった(最高検察庁の資料による。)。 犯罪白書 2021 31

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第2節 被疑事件の受理 令和2年における検察庁新規受理人員の総数は,80 万 3,752 人であり,前年より9万 7,000 人 (10.8%)減少した。その中でも減少が大きかったのは,過失運転致死傷等であり,2年は 30 万 1,092 人で,前年より6万 9,508 人(18.8%)減少した。刑法犯の検察庁新規受理人員は,平成 19 第2章 検察 年から減少し続けており,令和2年は 19 万 5,092 人(前年比 3.5%減)であった。特別法犯は,平 成 12 年から減少し続けており,令和2年は 30 万 7,568 人(同 6.2%減)であったが,そのうち道交 違反を除く特別法犯は,前年よりわずかに増加し,8万 8,337 人(同 0.5%増)であった(CD-ROM 資料 2-1 参照) 。 令和2年における検察庁新規受理人員の罪種別構成比は,2-2-2-1 図のとおりである。 第2節 2-2-2-1 図 検察庁新規受理人員の罪種別構成比 (令和2年) 被疑事件の受理 その他の 特別法犯 11.0 道交違反 27.3 特別法犯 38.3 窃盗 10.4 総 数 803,752 人 刑法犯 24.3 その他の 刑法犯 13.9 刑法犯 窃盗 その他の刑法犯 過失運転致死傷等 特別法犯 道交違反 その他の特別法犯 (人員) 195,092 83,239 111,853 301,092 307,568 219,231 88,337 過失運転致死傷等 37.5 注 検察統計年報による。 令和2年における検察庁新規受理人員(過失運転致死傷等及び道交違反を除く。)のうち,検察官 が自ら認知し,又は告訴・告発を受けたのは,5,328 人であった(検察統計年報による。 )。 32 令和 3 年版 犯罪白書

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第3節 被疑者の逮捕と勾留 検察庁既済事件(過失運転致死傷等及び道交違反を除く。以下この節において同じ。)について, 第2 編 全被疑者(法人を除く。 )に占める身柄事件(警察等で被疑者が逮捕されて身柄付きで検察官に送致 された事件及び検察庁で被疑者が逮捕された事件)の被疑者人員の比率(身柄率),勾留請求率(身 柄事件の被疑者人員に占める検察官が勾留請求した人員の比率)及び勾留請求却下率(検察官が勾留 請求した被疑者人員に占める裁判官が勾留請求を却下した人員の比率)の推移(最近 20 年間)は, 2-2-3-1 図のとおりである。 勾留請求率は,平成 13 年以降,90%台前半で推移している。勾留請求却下率は,18 年以降,毎 年上昇していたが,令和2年は低下し,4.2%(前年比 1.0pt 低下)であった。 2-2-3-1 図 検察庁既済事件の身柄率・勾留請求率・勾留請求却下率の推移 (平成 13 年~令和2年) ① 身柄率 (%) 100 80 60 40 身柄率 34.8 20 0 平成 13 20 25 30 令和 2 勾留請求率・勾留請求却下率 犯罪者の処遇 ② 15 (%) 100 勾留請求率 95 93.7 90 85 80 10 勾留請求却下率 5 0 平成 13 注 15 20 4.2 25 30 令和 2 1 検察統計年報による。 2 「身柄率」は,検察庁既済事件の被疑者人員に占める身柄事件(警察等で被疑者が逮捕されて身柄付きで検察官に送致された事件及 び検察庁で被疑者が逮捕された事件)の被疑者人員の比率をいう。 3 「勾留請求率」は,身柄事件の被疑者人員に占める検察官が勾留請求した人員の比率であり,「勾留請求却下率」は,検察官が勾留請 求した被疑者人員に占める裁判官が勾留請求を却下した人員の比率をいう。 4 過失運転致死傷等及び道交違反を除く。 5 既済事由が他の検察庁への送致である事件及び被疑者が法人である事件を除く。 犯罪白書 2021 33

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令和2年における検察庁既済事件について,被疑者の逮捕・勾留人員を罪名別に見ると,2-2-3-2 表のとおりである。 2-2-3-2 表 検察庁既済事件の身柄状況(罪名別) (令和2年) 第2章 検察 逮 罪 総 刑 法 第4節 放 強 被疑事件の処理 殺 係 勾 281,342 176,076 7,426 97,683 157 留 関 犯 194,806 119,713 6,244 68,746 703 248 11 444 制 性 交 3,903 1,733 24 1,439 634 2 1,190 775 20,192 15,524 103 35.3 61,045 2,953 93.0 - 63.2 437 3 99.1 2,145 1 55.0 1,989 119 98.2 801 2 55.8 799 1 99.6 1 414 - 34.8 411 1 99.5 9,041 1,080 10,066 5 49.9 8,569 514 90.2 8,829 1,361 5,331 3 34.4 3,855 469 81.1 83,035 56,231 1,858 24,916 30 30.0 22,711 779 94.2 2,003 868 3 1,132 - 56.5 1,125 4 99.7 13,364 5,913 118 7,317 16 54.9 7,239 45 99.3 1,974 496 11 1,466 1 74.3 1,431 13 98.4 他 51,479 34,945 1,775 14,714 45 28.7 12,479 1,005 91.4 犯 等 人 盗 強 盗 詐 欺 恐 そ 喝 の 別 法 D+E (%) B+C 3,853 行 窃 勾 留 請 求 率 87,810 害 暴 係 34.8 火 傷 93.7 86,536 56,363 1,182 28,937 54 33.5 26,765 900 95.4 法 5,899 4,540 303 1,056 - 17.9 850 41 84.4 7,254 2,747 74 4,430 3 61.1 4,256 95 98.2 覚 醒 剤 取 締 法 13,530 3,922 32 9,568 8 70.8 9,521 22 99.7 7,323 1,993 17 5,309 4 72.6 5,269 8 99.3 10,099 6,387 440 3,269 3 32.4 1,902 566 75.4 42,431 36,774 316 5,305 36 12.6 4,967 168 96.1 銃 大 麻 入 刀 取 管 締 法 法 地方公共団体条例 そ 注 関 数 強 制 わ い せ つ 特 捕 警察等で 警察等で 逮捕され 検察庁 数 逮 捕 後 逮捕・身 身柄率 認 容 却 下 名 総 な い 者 で逮捕 釈 放 柄付送致 B+C (E) (%) (D) (A) (B) (C) A 1 2 3 4 5 6 の 他 検察統計年報による。 過失運転致死傷等及び道交違反を除く。 既済事由が他の検察庁への送致である事件及び被疑者が法人である事件を除く。 「逮捕されない者」は,他の被疑事件で逮捕されている者等を含む。 「強制性交等」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦を含む。 「地方公共団体条例」は,公安条例及び青少年保護育成条例を含む地方公共団体条例違反である。 第4節 被疑事件の処理 検察官が行う起訴処分には,公判請求と略式命令請求があり,不起訴処分には,①訴訟条件(親告 罪の告訴等)を欠くことを理由とするもの,②事件が罪にならないことを理由とするもの(心神喪失 を含む。 ) ,③犯罪の嫌疑がないこと(嫌疑なし)又は十分でないこと(嫌疑不十分)を理由とするも ののほか,④犯罪の嫌疑が認められる場合でも,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並 びに犯罪後の情況により訴追を必要としないこと(起訴猶予)を理由とするものなどがある。 検察庁終局処理人員総数(過失運転致死傷等及び道交違反を含む。以下この節において同じ。)に ついて,処理区分別構成比及び公判請求人員・公判請求率の推移(最近 20 年間)は,2-2-4-1 図の とおりである。令和2年における検察庁終局処理人員総数は,80 万 7,480 人(前年比9万 9,793 人 (11.0%)減)であり,その内訳は,公判請求7万 9,483 人,略式命令請求 17 万 3,961 人,起訴猶予 44 万 8,072 人,その他の不起訴6万 2,949 人,家庭裁判所送致4万 3,015 人であった。公判請求人 員は,平成 17 年から減少傾向にあり,令和2年は前年より 1,703 人(2.1%)減少した。公判請求率 は,平成 14 年から 26 年までは7%台で推移していたが,同年以降上昇傾向にあり,令和2年は前年 34 令和 3 年版 犯罪白書

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より 1.0pt 上昇して,10.4%であった(CD-ROM 参照。罪名別の検察庁終局処理人員については, CD-ROM 資料 2-3 参照)。 2-2-4-1 図 第2 編 検察庁終局処理人員総数の処理区分別構成比・公判請求人員等の推移 (平成 13 年~令和2年) ① 検察庁終局処理人員総数の処理区分別構成比 (%) 100 5.3 7.8 ② 公判請求人員・公判請求率 (万人) 16 14 80 10 12 60 (%) 12 10 55.5 公判請求率 特別法犯 8 79,483 8 40 28,993 公判請求 その他の不起訴 25 0 平成13 15 30 令和2 略式命令請求 家庭裁判所送致 2 2 9.8 20 4 刑法犯・過失運転致死傷等 4 21.5 0 平成13 15 注 6 6 20 10.4 20 25 30 令和2 50,490 0 起訴猶予 検察統計年報による。 起訴,起訴猶予及びその他の不起訴の人員並びに起訴率の推移(最近 20 年間)を,刑法犯,道交 違反を除く特別法犯に分けて見ると,2-2-4-2 図のとおりである(詐欺の起訴・不起訴人員等の推移 については,8-3-1-33 図のとおりである。)。なお,令和2年における検察庁終局処理人員総数の起 訴率は,33.2%であった(CD-ROM 資料 2-2 参照)。 起訴・不起訴人員等の推移 犯罪者の処遇 2-2-4-2 図 (平成13年~令和2年) ① 刑法犯 ② (万人) 30 25 (%) 100 5 20 25 30 令和2 起訴 注 8,607 60 35,345 48.8 40 4 20 41,812 2 64,778 0 80 6 40 37.4 70,641 20 10 85,764 8 60 37,976 15 (%) 100 10 173,395 20 0 平成13 15 (万人) 12 起訴率 80 起訴率 道交違反を除く特別法犯 0 平成13 15 起訴猶予 20 25 30 令和2 0 その他の不起訴 検察統計年報による。 犯罪白書 2021 35

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令和2年における不起訴処分を受けた者(過失運転致死傷等及び道交違反を除く。)の理由別人員 は,2-2-4-3 表のとおりである。起訴猶予により不起訴処分とされた者の比率は,平成 23 年と比較 して 0.9pt 上昇したのに対し,嫌疑不十分(嫌疑なしを含む。)により不起訴処分とされた者の比率 は,0.5pt 低下した(CD-ROM 参照)。 第2章 検察 2-2-4-3 表 不起訴人員(理由別) (令和2年) 総 数 起訴猶予 152,569 (100.0) 注 第4節 1 2 3 4 5 6 嫌疑不十分 105,986 告訴の取消し等 33,539 (69.5) 6,064 (22.0) (4.0) 心神喪失 そ 367 の 他 6,613 (0.2) (4.3) 検察統計年報による。 過失運転致死傷等及び道交違反を除く。 「嫌疑不十分」は,嫌疑なしを含む。 「告訴の取消し等」は,親告罪の告訴・告発・請求の欠如・無効・取消しである。 「その他」は,時効完成,被疑者死亡等である。 ( )内は,構成比である。 被疑事件の処理 検察庁終局処理人員総数,刑法犯及び道交違反を除く特別法犯の起訴猶予率の推移(最近 20 年間) を見ると,2-2-4-4 図のとおりである(過失運転致死傷等及び道交違反の起訴猶予率の推移について は 4-1-3-2 図 CD-ROM,罪名別・年齢層別の起訴猶予率については 4-8-2-1 図をそれぞれ参照)。 なお,検察庁と保護観察所等が連携して行う「起訴猶予者等に係る更生緊急保護の重点実施等」に ついては,本編第5章第4節参照。 2-2-4-4 図 起訴猶予率の推移 (平成13年~令和2年) (%) 100 80 総数 63.9 60 刑法犯 40 52.2 45.8 道交違反を除く特別法犯 20 0 平成13 注 36 15 20 1 検察統計年報による。 2 「総数」は,刑法犯,過失運転致死傷等及び特別法犯の総数をいう。 令和 3 年版 犯罪白書 25 30 令和2

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3章 第 第2 編 第1節 裁判 概説 刑事事件の第一審は,原則として,地方裁判所(罰金以下の刑に当たる罪及び内乱に関する罪を除 き,第一審の裁判権を有する。 )又は簡易裁判所(罰金以下の刑に当たる罪,選択刑として罰金が定 められている罪及び常習賭博罪等の一定の罪について,第一審の裁判権を有する。)で行われる。 通常第一審の裁判は,公判廷で審理を行う公判手続により行われ,有罪と認定されたときは,死 刑,懲役,禁錮,罰金,拘留又は科料の刑が言い渡される。なお,簡易裁判所は,原則として禁錮以 上の刑を科することはできないが,窃盗等の一定の罪については,3年以下の懲役を科することがで きる。3年以下の懲役若しくは禁錮又は 50 万円以下の罰金を言い渡された者については,情状によ り,一定期間,刑の全部又は一部の執行が猶予されることがあり(罰金刑については全部執行猶予の み) ,事案によっては,その期間中,保護観察に付されることがある。また,死刑又は無期若しくは 短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件を除き,明白軽微な事件については,即決裁判手続によるこ とができ,この手続では,懲役又は禁錮の言渡しをする場合は,刑の全部の執行猶予の言渡しをしな ければならない。簡易裁判所においては,略式手続による裁判を行うこともでき,その場合,書面審 理に基づいて 100 万円以下の罰金又は科料の裁判を行う。略式命令を受けた者は正式裁判を請求す ることができ,その場合,公判手続による裁判に移行する。 第一審判決に対しては,高等裁判所に控訴をすることができ,控訴審判決に対しては,最高裁判所 に上告をすることができる。 犯罪者の処遇 犯罪白書 2021 37

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第2節 確定裁判 裁判確定人員の推移(最近 10 年間)を裁判内容別に見ると,2-3-2-1 表のとおりである。裁判確 定人員総数は,平成 12 年(98 万 6,914 人)から毎年減少し,令和2年は,22 万 1,057 人(前年比 10.0%減)となっており,最近 10 年間でおおむね半減している(CD-ROM 参照)。その減少は,道 第3章 裁判 交違反の略式手続に係る罰金確定者の減少によるところが大きい(4-1-3-2 図 CD-ROM 参照)。同 年の無罪確定者は,76 人であり,裁判確定人員総数の 0.034%であった。 また,令和2年に一部執行猶予付判決が確定した人員は 1,298 人(前年比 10.6%減)であり,そ の全員が有期の懲役刑を言い渡された者であった(CD-ROM 参照)。 2-3-2-1 表 裁判確定人員の推移(裁判内容別) 第2節 (平成 23 年~令和2年) 有 確定裁判 年 次 総 数 死刑 無期 懲役 有 期 懲 罪 役 有 一部執行 全 部 執 行 全部執行 猶 予 猶 予 猶 予 率 期 禁 錮 全部執行 全部執行 猶 予 猶予率 罰金 拘留 科料 無罪 23 年 432,051 22 46 59,852 … 33,845 56.5 3,229 3,111 96.3 365,474 8 2,964 77 24 408,936 10 38 58,215 … 32,855 56.4 3,227 3,122 96.7 344,121 5 2,868 82 25 365,291 8 38 52,725 … 29,463 55.9 3,174 3,058 96.3 306,316 4 2,559 122 26 337,794 7 28 52,557 … 30,155 57.4 3,124 3,051 97.7 279,221 4 2,417 116 27 333,755 2 27 53,710 … 31,620 58.9 3,141 3,068 97.7 274,199 5 2,247 88 28 320,488 7 15 51,824 855 30,837 59.5 3,193 3,137 98.2 263,099 6 1,962 104 29 299,320 2 18 49,168 1,525 29,266 59.5 3,065 2,997 97.8 244,701 5 1,919 130 30 275,901 2 25 47,607 1,567 28,831 60.6 3,159 3,099 98.1 222,841 1 1,834 123 元 245,537 5 16 46,086 1,452 28,044 60.9 3,076 3,021 98.2 194,404 3 1,556 96 2 221,057 2 19 44,232 1,298 27,163 61.4 2,738 2,691 98.3 172,326 5 1,366 76 注 1 検察統計年報による。 2 「総数」は,免訴,公訴棄却,管轄違い及び刑の免除を含む。 3 平成 28 年の「一部執行猶予」は,同年6月から 12 月までに一部執行猶予付判決が確定した人員である。 第3節 1 第一審 終局裁判 2-3-3-1 表は,令和2年の通常第一審における終局処理人員を罪名別に見るとともに,これを裁判 内容別に見たものである。通常第一審における終局処理人員は,最近 10 年間では減少傾向にあり, 2年は4万 9,640 人(前年比 4.6%減)であった(司法統計年報による。)。 38 令和 3 年版 犯罪白書

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2-3-3-1 表 通常第一審における終局処理人員(罪名別,裁判内容別) (令和2年) 有 名 死 刑 無 期 有 期 役 ・ 一部執行 猶 予 禁 錮 全部執行 猶 予 29,743 保 護 観察付 2,052 罰金等 数 49,640 3 12 46,997 1,272 所 45,916 3 12 44,044 1,270 1,267 27,746 1,785 1,627 法 公 務 執 行 妨 放 偽 わ い せ つ 犯 害 火 造 等 22,494 284 182 522 1,369 3 - - - - 11 - - - - 21,426 240 180 519 1,346 48 - - - 12 48 - - - 12 11,500 162 101 420 756 1,246 9 51 10 150 936 40 - 1 8 殺 地 方 裁 判 (75) (72) 2,295 216 2 3 205 - - 55 13 - 2,583 43 10,941 436 2,943 344 475 485 275 1,396 - - - 1 - - - - - - - - - 8 - - - - - - 2,236 37 10,547 425 2,932 341 448 424 244 1,302 6 - 22 - 3 - - - 1 4 6 - 22 - 3 - - - 1 4 1,481 36 5,081 108 1,548 214 255 273 110 900 197 - 529 43 92 12 14 28 20 78 324 4 365 - - - 23 58 30 83 別 法 犯 公 職 選 挙 法 銃 刀 法 児 童 福 祉 法 大 麻 取 締 法 覚 醒 剤 取 締 法 麻 薬 取 締 法 麻 薬 特 例 法 税 法 等 出 資 法 道 交 違 反 自動車運転死傷処罰法 入 管 法 廃 棄 物 処 理 法 組 織 的 犯 罪 処 罰 法 そ の 他 23,422 9 112 64 2,009 7,020 407 68 234 46 5,292 4,329 2,289 129 59 1,355 - - - - - - - - - - - - - - - - 1 - - - - 1 - - - - - - - - - - 22,618 7 78 62 2,004 6,999 402 67 165 46 5,051 4,230 2,205 95 56 1,151 1,222 - - - 41 1,157 13 - 1 - 2 1 - - - 7 1,219 - - - 41 1,154 13 - 1 - 2 1 - - - 7 16,246 7 29 34 1,735 2,559 327 35 155 39 4,251 3,980 2,190 82 25 798 539 - 7 3 55 235 9 - - - 106 42 1 - - 81 691 2 34 2 - - 1 - 66 - 202 71 83 33 3 194 所 3,724 … … 2,953 2 2 1,997 267 668 刑 法 犯 住 居 侵 入 傷 害 過 失 傷 害 窃 盗 横 領 盗 品 譲 受 け 等 そ の 他 3,438 88 126 5 3,095 74 2 48 … … … … … … … … … … … … … … … … 2,953 75 - - 2,832 44 2 - 2 - - - 2 - - - 2 - - - 2 - - - 1,997 46 - - 1,928 21 2 - 267 8 - - 256 3 - - 428 13 109 5 237 28 - 36 特 別 法 犯 公 職 選 挙 法 銃 刀 法 道 交 違 反 自動車運転死傷処罰法 そ の 他 286 - 16 94 73 103 … … … … … … … … … … … … - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 240 - 12 80 57 91 簡 易 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 裁 判 (3) 犯罪者の処遇 人 傷 害 過 失 傷 害 窃 盗 強 盗 詐 欺 恐 喝 横 領 毀 棄 ・ 隠 匿 暴 力 行 為 等 処 罰 法 そ の 他 特 注 数 保 護 観察付 1,269 総 刑 総 第2 編 懲 罪 罪 司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。 「総数」は,免訴,公訴棄却,管轄違い及び正式裁判請求の取下げを含む。 「罰金等」は,拘留,科料及び刑の免除を含む。 「わいせつ等」は,刑法第2編第 22 章の罪をいう。 「傷害」は,刑法第2編第 27 章の罪をいい,平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 208 条の2に規定する罪を含む。 「過失傷害」は,刑法第2編第 28 章の罪をいい,平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 211 条2項に規定する罪を含む。 「横領」は,遺失物等横領を含む。 「毀棄・隠匿」は,刑法第2編第 40 章の罪をいう。 「税法等」は,所得税法,法人税法,相続税法,地方税法,酒税法,消費税法及び関税法の各違反をいう。 ( )内は,無罪人員で,内数である。 犯罪白書 2021 39

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有期の懲役刑又は禁錮刑を言い渡された総数における全部執行猶予率は 63.3%であった。令和2 年に一部執行猶予付判決の言渡しを受けた人員は 1,272 人であり,罪名別では,覚醒剤取締法違反が 1,157 人(91.0%)と最も多く,次いで,大麻取締法違反 41 人(3.2%),窃盗 22 人(1.9%)の順 であった。 なお,通常第一審における少年に対する科刑状況(罪名別,裁判内容別)については,3-3-2-2 表 第3章 裁判 参照。 科刑状況 2 (1)死刑・無期懲役 通常第一審における死刑及び無期懲役の言渡人員の推移(最近 10 年間)を罪名別に見ると,2-3- 第3節 3-2 表のとおりである。 最近 10 年間における死刑の言渡しは,殺人(自殺関与・同意殺人・予備を含まない。),強盗致死 第一審 (強盗殺人を含む。以下この章において同じ。)又は強盗・強制性交等致死に限られている(司法統計 年報及び最高裁判所事務総局の資料による。)。 2-3-3-2 表 ① 死刑 年 次 23 年 注 40 通常第一審における死刑・無期懲役言渡人員の推移(罪名別) ② 総 数 殺 人 強盗致死及び 強 盗・ 強 制 性交等致死 (平成 23 年~令和2年) 無期懲役 年 次 総 数 殺 人 強盗致死傷 及び強盗・ そ 強制性交等 の 他 10 3 7 23 年 30 9 18 3 24 3 2 1 24 39 20 19 - 25 5 2 3 25 24 6 17 1 26 2 - 2 26 23 2 19 2 27 4 2 2 27 18 7 10 1 28 3 1 2 28 25 9 16 - 29 3 3 - 29 21 7 13 1 30 4 2 2 30 15 8 6 1 元 2 2 - 元 18 5 13 - 2 3 2 1 2 12 3 8 1 1 司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。 2 「殺人」は,自殺関与,同意殺人及び予備を含まない。 3 「強盗致死(傷)」は,強盗殺人を含む。 4 「強盗・強制性交等(致死) 」は,平成 28 年以前は平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強盗強姦(致死)をいい,29 年以降は 強盗・強制性交等(致死)及び同改正前の強盗強姦(致死)をいう。 令和 3 年版 犯罪白書

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(2)有期懲役・禁錮 令和2年における通常第一審での有期の懲役・禁錮の科刑状況は,2-3-3-3 表のとおりである(地 方裁判所における罪名別の科刑状況については,CD-ROM 資料 2-4 参照)。 第2 編 なお,通常第一審における科刑状況に関し,危険運転致死傷,過失運転致死傷等及び道交違反につ いては 4-1-3-4 表,覚醒剤取締法違反については CD-ROM 資料 4-3,財政経済犯罪については CDROM 資料 4-5,外国人である被告人に通訳・翻訳人の付いた事件については CD-ROM 資料 4-9 を それぞれ参照。 2-3-3-3 表 ① 通常第一審における有期刑(懲役・禁錮)科刑状況 罪 名 総 地 方 裁 判 所 25 年を超え 20 年を超え 15 年を超え 10 年を超え 7 年 を 超 え 5 年 を 超 え 3 年 を 超 え 30 年 以 下 25 年 以 下 20 年 以 下 15 年 以 下 10 年 以 下 7 年 以 下 5 年 以 下 数 2,912 4 7 48 96 287 482 1,988 殺 人 141 2 3 27 29 31 25 24 傷 害 98 - - 2 1 10 18 67 窃 盗 715 - - - 2 4 41 668 強 盗 253 1 - 5 13 46 74 114 詐 欺 416 - - - 2 16 66 332 恐 喝 13 - - - - 1 1 11 強 制 性 交 等・ 強制わいせつ 335 - 2 6 13 55 93 166 銃 ② (令和2年) 3年を超える科刑状況 法 17 - - - - 3 6 8 薬 物 犯 罪 刀 704 - 2 6 20 100 115 461 自動車運転 死傷処罰法 57 - - 1 4 6 7 39 3年以下の科刑状況 2年以上3年以下 罪 名 総 数 一部執行 全部執行 猶 予 猶 予 実刑 6月以上1年未満 一部執行 全部執行 猶 予 猶 予 実刑 5,431 577 7,270 5,128 7 - 55 2 658 13,317 6月未満 一部執行 全部執行 猶 予 猶 予 実刑 一部執行 全部執行 猶 予 猶 予 実刑 2,409 32 6,435 418 3 724 - - - - - - - 殺 人 64 傷 害 2,138 160 3 457 256 2 767 216 1 251 25 - 6 窃 盗 9,832 1,921 7 1,807 1,936 14 2,839 879 1 435 15 - - - 強 盗 172 62 - 107 2 - - - - 1 - - - 詐 欺 2,516 588 2 905 319 1 620 57 - 23 4 - - 恐 喝 328 52 - 115 59 - 99 3 - - - - - 強 制 性 交 等・ 強制わいせつ 849 133 8 462 57 4 190 4 - 3 - - - 法 61 7 - 2 2 - 7 16 - 20 7 - - 薬 物 犯 罪 8,768 2,144 557 1,025 1,794 626 2,374 139 25 1,248 35 3 9 自動車運転 死傷処罰法 4,173 65 - 635 65 1 2,359 58 - 972 5 - 14 簡 易 裁 判 所 2,953 58 - 236 571 2 1,417 315 - 344 12 - - 2,832 58 - 233 558 2 1,388 283 - 307 5 - - 銃 窃 注 1 2 3 4 5 刀 盗 犯罪者の処遇 地 方 裁 判 所 41,132 1年以上2年未満 司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。 「一部執行猶予」は,実刑部分と猶予部分を合わせた刑期による。 「傷害」は,刑法第2編第 27 章の罪をいい,平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 208 条の2に規定する罪を含む。 「強制性交等」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦を含む。 「薬物犯罪」は,覚醒剤取締法,大麻取締法,麻薬取締法,あへん法及び麻薬特例法の各違反をいう。 犯罪白書 2021 41

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(3)罰金・科料 令和2年における第一審での罰金・科料の科刑状況は,2-3-3-4 表のとおりである。 2-3-3-4 表 第3章 裁判 ① 第一審における罰金・科料科刑状況(罪名別) (令和2年) 通常第一審 罪 名 総 総 罰 数 100 万円 100 万円 50 万円 以 上 未 満 未 満 金 30 万円 未 満 20 万円 未 満 10 万円 未 満 科 5万円 未 満 料 数 2,289 113 232 817 659 378 64 22 4 公務執行妨害 47 - 1 32 13 1 - - … 傷 第3節 過 失 傷 窃 害 433 1 27 118 137 128 20 2 - 害 9 - 4 2 - 3 - - - 602 2 21 192 348 39 - - … 2 - - 2 - - - - - 風営適正化法 16 2 8 6 - - - - … 銃 法 46 - - 4 11 29 1 1 … 反 282 - 48 163 12 7 41 11 - 自動車運転死傷処罰法 128 5 54 48 11 10 - - … そ 724 103 69 250 127 161 2 8 4 第一審 盗 公 職 選 挙 法 刀 道 ② 交 違 の 他 略式手続 罪 名 総 総 数 罰 100 万円 100 万円 50 万円 未 満 未 満 金 30 万円 未 満 20 万円 未 満 10 万円 未 満 科 5万円 未 満 料 数 171,639 312 14,594 44,319 18,292 20,864 56,520 15,522 1,216 過失運転致死傷等 35,794 109 6,553 13,179 7,211 8,728 12 2 … 道 99,558 12 4,396 18,756 2,309 2,579 55,915 15,439 152 交 違 反 公務執行妨害 窃 そ 注 の 488 - 41 297 130 20 - - … 盗 5,141 - 455 1,942 2,468 272 4 - … 他 30,658 191 3,149 10,145 6,174 9,265 589 81 1,064 1 司法統計年報による。 2 ①は,懲役・禁錮と併科されたものを除く。 3 ①は,略式手続から移行したものを含む。 4 ①において,「傷害」は,刑法第2編第 27 章の罪をいい,傷害致死及び平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 208 条の2に規 定する罪を含まない。 5 ①において,「過失傷害」は,刑法第2編第 28 章の罪をいい,平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 211 条2項に規定する罪 を含む。 6 ②において,「過失運転致死傷等」は,自動車運転死傷処罰法4条並びに6条3項及び4項に規定する罪を除く。 3 裁判員裁判 裁判員裁判(裁判員の参加する刑事裁判)の対象事件は,死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に 係る事件及び法定合議事件(死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪(強盗等を 除く。 ) )であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件である。ただし,被告人の 言動等により,裁判員やその親族等に危害が加えられるなどのおそれがあって,そのために裁判員等 が畏怖し裁判員の職務の遂行ができないなどと認められる場合には,裁判所の決定によって対象事件 から除外される(令和2年において,同決定がなされた終局人員は2人であった(最高裁判所事務総 局の資料による。)。)。また,審判に著しい長期間を要する事件等は裁判所の決定によって対象事件か ら除外される(同年にはそのような決定はなかった(最高裁判所事務総局の資料による。)。)。なお, 対象事件に該当しない事件であっても,対象事件と併合された事件は,裁判員裁判により審理され る。 42 令和 3 年版 犯罪白書

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裁判員裁判対象事件の第一審における新規受理・終局処理(移送等を含む。以下この節において同 じ。 )人員の推移(最近5年間)を罪名別に見ると,2-3-3-5 表のとおりである。令和2年は,強盗 致傷の新規受理人員が前年から 36.9%増加して 304 人となり,罪名別で最も多かったほか,強盗致 第2 編 死,強盗・強制性交等の新規受理人員もそれぞれ前年から増加しており,いずれも最近5年間で最多 となった。一方,2年における覚醒剤取締法違反の新規受理人員は,前年から 69.4%減少して 77 人 であり,通貨偽造(偽造通貨行使を含む。 )の新規受理人員も,前年から 76.0%減少して6人であった。 2-3-3-5 表 裁判員裁判対象事件 第一審における新規受理・終局処理人員の推移(罪名別) (平成 28 年~令和2年) 区 分 総数 殺人 強盗 致死 強盗・ 強 制 強制わ 危険 現住建 傷害 通貨 覚醒剤 麻 薬 強盗 性交等 いせつ 運転 造物等 銃刀法 その他 強 制 致死 偽造 取締法 特例法 致傷 性交等 致死傷 致死傷 致死 放 火 新規受理人員 28 年 1,077 255 22 224 20 103 76 115 28 124 13 10 67 3 17 29 1,122 278 19 253 21 96 69 90 18 105 24 16 102 2 29 30 1,090 250 23 281 24 82 49 104 7 115 23 16 96 1 19 元 1,133 255 21 222 18 71 55 77 16 100 25 7 252 1 13 2 1,005 217 33 304 28 57 47 90 22 97 6 10 77 - 17 1,126 298 33 207 24 103 74 96 28 137 12 10 31 36 37 29 993 230 21 195 17 108 57 81 25 91 18 9 68 22 51 30 1,038 247 17 203 19 109 63 85 13 100 9 10 98 30 35 元 1,021 242 25 209 23 80 46 71 8 101 18 14 116 32 36 2 933 197 11 202 12 44 44 68 14 84 8 2 190 22 35 終局処理人員 28 年 注 犯罪者の処遇 1 最高裁判所事務総局の資料による。 2 上訴審における破棄差戻しの判決により係属したものを含む。 3 新規受理人員は,受理時において裁判員裁判の対象事件であったものの人員をいい,1通の起訴状で複数の異なる罪名の裁判員裁 判対象事件が起訴された場合は,法定刑が最も重い罪名に計上している。 4 終局処理人員は,裁判員裁判により審理された事件の終局処理人員(移送等を含み,裁判員法3条1項の除外決定があった人員を 除く。 )であり,有罪(一部無罪を含む。 )の場合は処断罪名に,無罪,移送等の場合は,当該事件に掲げられている訴因の罪名のう ち,裁判員裁判の対象事件の罪名(複数あるときは,法定刑が最も重いもの)にそれぞれ計上している。 5 「殺人」は,自殺関与及び同意殺人を除く。 6 「強盗・強制性交等」は,平成 28 年以前は平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強盗強姦をいい,29 年以降は強盗・強制性交 等及び同改正前の強盗強姦をいう。 7 「強制性交等致死傷」は,平成 28 年以前は平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦致死傷をいい,29 年以降は強制性交等致 死傷及び同改正前の強姦致死傷をいう。 8 「危険運転致死」は,自動車運転死傷処罰法2条に規定する罪及び平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 208 条の2に規定する 罪である。 9 「通貨偽造」は,偽造通貨行使を含む。 10 「その他」は,保護責任者遺棄致死,身の代金拐取,爆発物取締罰則違反等である。ただし,終局処理人員の「その他」は,裁判員 裁判の対象事件ではない罪名を含む。 令和2年に第一審で判決を受けた裁判員裁判対象事件(裁判員裁判の対象事件及びこれと併合さ れ,裁判員裁判により審理された事件。少年法 55 条による家裁移送決定があったものを含み,裁判 員が参加する合議体で審理が行われずに公訴棄却判決があったもの及び裁判員法3条1項の除外決定 があったものは含まない。以下この節において同じ。)における審理期間(新規受理から終局処理ま での期間をいう。以下この節において同じ。)の平均は 12.0 月(前年比 1.7 月増)であり,6月以内 のものが 11.7%(同 13.9pt 低下)を占め,そのうち3月以内のものはなかったのに対し,1年を超 えるものが 34.0%(同 11.0pt 上昇)を占めた。また,開廷回数の平均は 4.7 回であり,3回以下が 24.0%,5回以下が 81.3%を占めた。なお,2年3月から6月までの間に指定されていた一部の裁 判員等選任手続期日について,新型コロナウイルス感染症を理由として取り消されており,その件数 は,193 件であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。 犯罪白書 2021 43

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2-3-3-6 表は,令和2年において,第一審の判決(少年法 55 条による家裁移送決定を含む。)に 至った裁判員裁判対象事件について,無罪の人員及び有罪人員の科刑状況等を罪名別に見たものであ る。同年の裁判員裁判対象事件についての第一審における判決人員の総数は,905 人(前年比 96 人 減)であった。 第3章 裁判 2-3-3-6 表 裁判員裁判対象事件 第一審における判決人員(罪名別,裁判内容別) (令和2年) 有 罪 懲 罪 第3節 総 第一審 44 総数 無罪 3年以下 死刑 無期 20年を 20年 超える 以下 15年 以下 10年 以下 7年 以下 5年 以下 実 数 905 12 3 12 8 43 76 202 199 136 33 人 194 2 2 3 5 26 29 30 25 22 覚 醒 剤 189 取 締 法 3 - 1 2 6 16 83 72 強 盗 致 傷 183 2 - - - 1 9 39 現住建造物 等 放 火 84 1 - - - 1 2 強制わいせつ 致 死 傷 66 - - - - - 傷害致死 44 3 - - - 強制性交等 致 死 傷 42 - - - 麻薬特例法 22 - - 危険運転 致 死 13 - 強盗・強制 性 交 等 12 強盗致死 刑 全 部 執行猶予 一部執 行猶予 保 護 観察付 禁錮 罰金 免訴 家裁 へ 移送 - 179 88 1 1 - - 7 - 43 11 - - - - 4 1 - 1 - - - - - 56 43 6 - 27 21 - - - - 4 8 14 6 - 48 32 - - - - - 1 5 23 6 - 31 18 - - - - 2 1 9 9 11 1 - 8 1 - - - - - 1 7 16 7 8 2 - 1 - - - - - - - - 2 4 10 6 - - - - - - - - - - - 1 3 6 2 1 - - - - - - - - - - - - 4 3 4 1 - - - - - - - - - 11 - - 8 1 - 1 1 - - - - - - - - - - 保護責任者 遺棄致死 9 - - - - - 3 2 1 - - - 3 1 - - - - 通貨偽造 8 - - - - - - - - 2 1 - 5 2 - - - - 銃 刀 法 2 - - - - - - - 2 - - - - - - - - - そ の 他 26 1 1 - - 1 - 3 1 2 3 - 12 2 1 1 - - 殺 注 名 役 1 最高裁判所事務総局の資料による。 2 裁判員法3条1項の除外決定があった人員を除く。 3 上訴審における破棄差戻しの判決により係属したものを含む。 4 有罪(一部無罪を含む。)の場合は処断罪名に,無罪の場合は裁判終局時において当該事件に掲げられている訴因の罪名のうち,裁 判員裁判の対象事件の罪名(複数あるときは,法定刑が最も重いもの)に,それぞれ計上している。 5 懲役・禁錮には,罰金が併科されたものを含む。 6 「殺人」は,自殺関与及び同意殺人を除く。 7 「強制性交等致死傷」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦致死傷を含む。 8 「強盗・強制性交等」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強盗強姦を含む。 9 「通貨偽造」は,偽造通貨行使を含む。 10 「危険運転致死」は,自動車運転死傷処罰法2条に規定する罪及び平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 208 条の2に規定する 罪である。 11 「その他」は,傷害等の裁判員裁判対象事件ではない罪名を含む。 令和 3 年版 犯罪白書

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即決裁判手続 4 令和2年に即決裁判手続に付された事件の人員を罪名別に見ると,2-3-3-7 表のとおりである。同 第2 編 年に地方裁判所において即決裁判手続に付された人員は 162 人(前年比 72 人増),簡易裁判所にお いては5人(同6人減)であった。 2-3-3-7 表 即決裁判手続に付された事件の人員(罪名別) (令和2年) 区 分 地方裁判所 総 数 公務執行 妨 害 162 (47,117) 簡易裁判所 5 (3,900) 注 1 (286) - (15) 住 侵 居 入 窃 - 盗 大 麻 取締法 覚醒剤 取締法 麻 薬 取締法 道 路 交通法 入管法 その他 8 22 30 1 7 83 10 (529) (11,420) 1 (89) 4 (3,187) (2,021) (7,116) (410) - - - (-) (-) (-) (5,341) - (102) (2,307) (17,687) - (4) - (503) 1 司法統計年報による。 2 即決裁判手続により審判する旨の決定があった後に有罪陳述・即決裁判手続によることへの同意を撤回したことなどにより同決定が 取り消された者を含まない。 3 ( )内は,通常第一審の終局処理人員(移送等を含む。)である。 5 公判前整理手続 充実した公判の審理を継続的,計画的かつ迅速に行うため必要があるときは,第一回公判期日前 に,事件の争点及び証拠を整理する公判前整理手続が行われることがある。裁判員法により,裁判員 裁判の対象事件については,必ず公判前整理手続に付さなければならない。また,裁判所において, 審理状況等を考慮して必要と認めるときは,第一回公判期日後に,公判前整理手続と同様の手続によ り事件の争点及び証拠を整理する期日間整理手続が行われることがある。 令和2年に地方裁判所で終局処理がされた通常第一審事件のうち,公判前整理手続に付された事件 の人員は 1,123 人であり,期日間整理手続に付された事件の人員は 165 人であった(司法統計年報 による。 ) 。 犯罪者の処遇 令和2年に公判前整理手続に付された事件の地方裁判所における審理期間の平均は 13.1 月(前年 比 1.9 月増)であり,平均開廷回数は 5.0 回(同 0.1 回減)であった(司法統計年報による。)。 また,公判前整理手続に付されずに公判を開いた後,罰条の変更等により裁判員裁判対象事件と なったものを除き,令和2年に第一審で判決を受けた裁判員裁判対象事件における公判前整理手続の 期間(公判前整理手続に付された日から同手続終了日まで)の平均は 10.0 月(前年比 1.5 月増)で あり,公判前整理手続期日の回数については,平均は 4.7 回(同 0.3 回減)で,6回以上の割合は 29.3%(同 0.3pt 上昇)であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。 6 勾留と保釈 2-3-3-8 図は,通常第一審における被告人の勾留率(移送等を含む終局処理人員に占める勾留総人 員の比率)・保釈率(勾留総人員に占める保釈人員の比率)の推移(最近 20 年間)を地方裁判所・簡 易裁判所別に見たものである。勾留率については,地方裁判所では,平成 13 年から 26 年までは, 17 年(82.3%)をピークに 80%前後で推移した後,26 年以降低下し続けていたが,令和2年は 74.7%(前年比 1.1pt 上昇)であった。簡易裁判所では,平成 21 年までは 83~88%台で推移してい たが,同年以降は低下傾向を示し,24 年以降は一貫して地方裁判所の勾留率を下回っており,令和 2年は 66.5%(同 2.2pt 低下)であった。 保釈率については,地方裁判所の方が簡易裁判所よりも約7~15pt 高い水準で推移している。地 犯罪白書 2021 45

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方裁判所では,平成 15 年(12.7%)を境に 16 年から毎年上昇し続けていたが,令和2年は 31.0% (前年比 1.0pt 低下) ,簡易裁判所においても平成 16 年(5.3%)を境に上昇傾向にあり,令和2年は 17.8%(同 1.0pt 上昇)であった。 2-3-3-8 図 通常第一審における被告人の勾留率・保釈率の推移(裁判所別) 第3章 裁判 (平成13年~令和2年) ① 勾留率 (%) 100 簡易裁判所 80 74.7 66.5 地方裁判所 60 第3節 40 第一審 0 平成13 20 ② 15 20 25 30 令和2 保釈率 (%) 50 40 31.0 30 地方裁判所 20 10 0 平成13 注 17.8 簡易裁判所 15 20 25 30 令和2 1 司法統計年報による。 2 「勾留率」は,移送等を含む終局処理人員に占める勾留総人員の比率をいう。 3 「保釈率」は,勾留総人員に占める保釈人員の比率をいう。 令和2年の通常第一審における被告人の勾留状況を終局処理人員で見ると,2-3-3-9 表のとおりで ある。 2-3-3-9 表 通常第一審における被告人の勾留状況 (令和2年) 区 分 地 方 裁 判 所 簡 易 裁 判 所 注 46 終局処理 総 人 員 (A) 47,117 3,900 勾 留 総人員 (B) 犯罪白書 1月以内 35,173 8,345 (100.0) (23.7) 2,595 455 (100.0) (17.5) 1 司法統計年報による。 2 「終局処理総人員」は,移送等を含む。 3 ( )内は,構成比である。 令和 3 年版 勾 留 期 間 保釈人員 3月以内 3月を超える (C) 17,792 (50.6) 1,905 (73.4) 9,036 勾留率 B (%) A 保釈率 C (%) B 10,914 74.7 31.0 461 66.5 17.8 (25.7) 235 (9.1)

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第4節 上訴審 令和2年における通常第一審の終局裁判に対する上訴率(公訴棄却の決定,正式裁判請求の取下げ 第2 編 及び移送等による終局を除く終局処理人員に対する上訴(控訴及び跳躍上告)人員の比率)は,地方 裁判所の裁判については 11.9%,簡易裁判所の裁判については 6.6%であった。同年の高等裁判所に おける控訴事件の終局処理人員を受理区分別に見ると,被告人側のみの控訴申立てによるものが 5,231 人(98.1%),検察官のみの控訴申立てによるものが 83 人(1.6%),双方からの控訴申立てに よるものが 14 人(0.3%),破棄差戻し・移送等によるものが4人(0.08%)であった(司法統計年 報による。)。 令和2年における高等裁判所の控訴審としての終局処理人員を罪名別に見るとともに,これを裁判 内容別に見ると,2-3-4-1 表のとおりである。高等裁判所の控訴審としての終局処理人員は,平成 25 年以降,5,700 人台から 6,100 人台で推移していたが,令和2年は 5,332 人であり,前年から 8.5%減少した(司法統計年報による。)。 破棄人員 507 人について破棄理由を見ると,判決後の情状によるものが 344 人と最も多く,次い で,事実誤認(74 人) ,量刑不当(65 人)の順であった(二つ以上の破棄理由がある場合は,それ ぞれに計上している。司法統計年報による。)。また,第一審の有罪判決が覆されて無罪となった者は 12 人であり(司法統計年報による。),第一審の無罪判決が覆されて有罪となった者は,検察官が無 罪判決を不服として控訴した 38 人のうち 22 人であった(検察統計年報による。)。 第一審が裁判員裁判の控訴事件について見ると,令和2年の終局処理人員は 316 人(前年比 16.8%減)であり,そのうち控訴棄却が 258 人と最も多く,控訴取下げが 33 人,公訴棄却が1人で あった。破棄人員は 24 人であり,破棄のうち自判が 19 人(自判内容は,有罪が 17 人,一部有罪が 1人,無罪が1人),差戻し・移送が5人であった(司法統計年報による。)。 犯罪者の処遇 犯罪白書 2021 47

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2-3-4-1 表 控訴審における終局処理人員(罪名別,裁判内容別) (令和2年) 破 罪 名 自 総数 計 第3章 裁判 総 482 456 犯 3,290 398 公務執行妨害 54 4 放 火 28 4 偽 造 46 わ い せ つ 等 234 無罪 差戻し ・移送 免訴 14 12 378 9 4 - 2 4 40 控訴 棄却 取下げ 公訴 棄却 - 25 3,850 948 27 11 - 11 2,352 507 22 - - - 39 10 1 2 - - 1 18 4 1 4 - - - - 40 2 - 38 1 1 - 1 177 13 3 第4節 殺 人 70 7 6 - 1 - 1 56 5 1 傷 害 320 31 29 1 1 - 1 247 40 1 過 22 5 4 - 1 - 1 15 1 - 盗 1,503 157 151 4 2 - 3 1,049 284 10 強 盗 134 13 13 - - - 2 99 20 - 詐 欺 556 97 95 1 1 - 1 378 78 2 恐 喝 47 8 8 - - - - 32 7 - 横 領 49 9 8 - 1 - - 38 1 1 匿 41 4 4 - - - - 27 8 2 上訴審 害 窃 失 毀 傷 棄・隠 暴力行為等処罰法 39 3 2 - 1 - - 25 11 - 他 147 12 10 - 2 - - 112 23 - 犯 2,042 84 78 5 1 - 14 1,498 441 5 公 職 選 挙 法 2 - - - - - - 2 - - 25 - - - - - - 23 2 - そ 特 の 別 銃 法 刀 法 大 麻 取 締 法 75 7 7 - - - 1 52 15 - 覚醒剤取締法 1,163 35 34 1 - - 6 793 327 2 麻 薬 取 締 法 22 2 2 - - - - 18 1 1 麻 薬 特 例 法 14 - - - - - - 7 7 - 出 法 13 1 1 - - - 2 9 1 - 反 333 12 12 - - - - 288 32 1 自動車運転死傷処罰法 道 注 有罪 5,332 法 判 一部 有罪 数 刑 棄 資 交 違 129 11 9 1 1 - 4 101 13 - 入 管 法 13 - - - - - - 10 2 1 そ の 他 253 16 13 3 - - 1 195 41 - 1 2 3 4 5 6 司法統計年報による。 「わいせつ等」は,刑法第2編第 22 章の罪をいう。 「傷害」は,刑法第2編第 27 章の罪をいい,平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 208 条の2に規定する罪を含む。 「過失傷害」は,刑法第2編第 28 章の罪をいい,平成 25 年法律第 86 号による改正前の刑法 211 条2項に規定する罪を含む。 「横領」は,遺失物等横領を含む。 「毀棄・隠匿」は,刑法第2編第 40 章の罪をいう。 令和2年に言い渡された控訴審判決に対する上告率(控訴棄却の決定,控訴の取下げ,公訴棄却の 決定及び移送・回付による終局を除く終局処理人員に対する上告人員の比率)は,45.9%であった。 最高裁判所の上告事件の終局処理人員は,平成 25 年以降,1,800 人台から 2,000 人台で推移してお り,令和2年は 1,881 人(前年比 10.0%減。第一審が高等裁判所であるものがある場合には,これ を含む。 )であり,その内訳は,上告棄却が 1,518 人(80.7%),上告取下げが 354 人(18.8%)と 続く。破棄については,3人(全員が差戻し・移送)であった(司法統計年報による。)。 第一審が裁判員裁判の上告事件について見ると,令和2年の終局処理人員は 161 人で,その内訳 は,上告棄却が 140 人,上告取下げが 21 人であり,破棄及び公訴棄却の者はいなかった(司法統計 年報による。 ) 。 48 令和 3 年版 犯罪白書

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4章 第 第2 編 第1節 成人矯正 概説 刑を言い渡した有罪の裁判が確定すると,全部執行猶予の場合を除き,検察官の指揮により刑が執 行される。懲役,禁錮及び拘留は,刑事施設において執行される。 罰金・科料を完納できない者は,刑事施設に附置された労役場に留置され,労役を課される(労役 場留置) 。法廷等の秩序維持に関する法律(昭和 27 年法律第 286 号)2条により監置に処せられた 者は,監置場に留置される。 売春防止法(昭和 31 年法律第 118 号)5条(勧誘等)の罪を犯して補導処分に付された成人女性 は,婦人補導院に収容される。 1 刑事施設等 刑事施設には,刑務所,少年刑務所及び拘置所の3種類がある。刑務所及び少年刑務所は,主とし て受刑者を収容する施設であり,拘置所は,主として未決拘禁者を収容する施設である。令和3年4 月1日現在,刑事施設は,本所が 75 庁(刑務所 61 庁(社会復帰促進センター4庁を含む。),少年刑 務所6庁,拘置所8庁),支所が 105 庁(刑務支所8庁,拘置支所 97 庁)である(法務省矯正局の 資料による。)。刑事施設には,労役場が附置されているほか,監置場が一部の施設を除いて附置され ている。 現在,婦人補導院は,東京に1庁置かれている。令和2年には,婦人補導院への入院はなかった (矯正統計年報による。)。 刑事施設における処遇 犯罪者の処遇 2 刑事施設に収容されている未決拘禁者,受刑者等の被収容者の処遇は,刑事収容施設法に基づいて 行われている。未決拘禁者の処遇は,未決の者としての地位を考慮し,その逃走及び罪証の隠滅の防 止並びにその防御権の尊重に特に留意して行われる。受刑者の処遇は,その者の資質及び環境に応 じ,その自覚に訴え,改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨とし て行われる。受刑者には,矯正処遇として,作業を行わせるほか,改善指導及び教科指導が行われ る。 犯罪白書 2021 49

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第2節 1 刑事施設の収容状況 刑事施設の収容人員 刑事施設の被収容者の年末収容人員及び人口比の推移(昭和 21 年以降)は,2-4-2-1 図のとおり 第4章 成人矯正 である(女性については 4-7-2-3 図,一日平均収容人員の推移については CD-ROM 資料 2-5 をそれ ぞれ参照) 。年末収容人員は,平成 18 年に8万 1,255 人を記録したが,19 年以降減少し続け,令和 2年末現在は4万 6,524 人(前年末比 3.9%減)であり,このうち,受刑者は3万 9,813 人(同 4.9% 減)であった。なお,2年における刑事施設の受刑者の年末収容人員のうち,一部執行猶予受刑者 は,2,090 人(同 8.3%減)であった。 2-4-2-1 図 刑事施設の年末収容人員・人口比の推移 第2節 (昭和21年~令和2年) (万人) 10 120 年末人口比 100 8 46,524 7 年末収容人員 80 6 60 5 4 3 2 1 0 昭和21 注 25 30 35 40 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 その他 657 未決拘禁者 6,054 40 36.9 一部執行猶予 受刑者以外の 20 受刑者 37,723 一部執行猶予 0 受刑者 2,090 30令和2 年末人口比 刑事施設の収容状況 9 1 行刑統計年報,矯正統計年報及び総務省統計局の人口資料による。 2 「年末収容人員」は,各年 12 月 31 日現在の収容人員である。 3 「その他」は,死刑確定者,労役場留置者,引致状による留置者,被監置者及び観護措置の仮収容者である。 4 「年末人口比」は,人口 10 万人当たりの各年 12 月 31 日現在の収容人員である。 2 刑事施設の収容率 刑事施設の収容率の推移(最近 20 年間)は,2-4-2-2 図のとおりである(女性については,4-72-3 図参照) 。令和2年末現在において,収容定員が8万 7,679 人(このうち既決の収容定員は6万 9,928 人,未決の収容定員は1万 7,751 人)であるところ,収容人員は,4万 6,524 人(前年末比 1,905 人(3.9%)減)であり,このうち既決の人員は4万 355 人(同 2,078 人(4.9%)減),未決 の人員は 6,169 人(同 173 人(2.9%)増)であった。収容率は,全体で 53.1%(同 2.1pt 低下)で あり,既決では 57.7%(同 2.9pt 低下) ,未決では 34.8%(同 1.1pt 上昇)であった(CD-ROM 参 照) 。 50 令和 3 年版 犯罪白書

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2-4-2-2 図 刑事施設の収容率の推移 (平成3年~令和2年) (%) 120 第2 編 既決 全体 100 80 未決 60 57.7 53.1 40 34.8 20 0 平成3 注 1 2 3 4 5 10 15 20 25 30 令和2 法務省矯正局の資料による。 「収容率」は,各年 12 月 31 日現在の収容人員の収容定員に対する比率をいう。 「既決」は,労役場留置者及び被監置者を含む。 「未決」は,死刑確定者,引致状による留置者及び観護措置の仮収容者を含む。 入所受刑者 3 (1)人員 入所受刑者の人員及び人口比の推移(昭和21年以降)は,2-4-2-3 図のとおりである。その人員は, 平成19 年から減少し続け,令和2年は1万 6,620 人(前年比 4.8%減)と戦後最少を更新した(CDROM 参照。女性については4-7-2-4 図,年齢層別及び高齢者率については4-8-2-2 図をそれぞれ参照) 。 2-4-2-3 図 入所受刑者の人員・人口比の推移 100 90 7 80 6 70 5 員 50 3 1 注 25 30 35 40 45 50 55 60平成元 5 10 15 20 25 40 一部執行猶予 30 受刑者以外の 入所受刑者 15,330 20 人口比 13.2 10 女性人口比 2.7 0 30令和2 一部執行猶予 受刑者 1,290 16,620 2 人口比 人 60 4 0 昭和21 犯罪者の処遇 (昭和 21 年~令和2年) (万人) 8 1 行刑統計年報,矯正統計年報及び総務省統計局の人口資料による。 2 「人口比」は,人口 10 万人当たりの入所受刑者人員であり, 「女性人口比」は,女性の人口 10 万人当たりの女性の入所受刑者人員で ある。 犯罪白書 2021 51

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令和2年における受刑者の入所事由別人員は,2-4-2-4 表のとおりである。 2-4-2-4 表 受刑者の入所事由別人員 (令和2年) 仮釈放の取消し 仮釈放及び 一部執行猶 刑執行停止 労役場から 逃 走 者 の 留置施設等 数 新 入 所 一部執行 一部執行 一部執行猶 予の取消し の 取 消 し の 移 行 連 戻 し からの移送 予の取消し 猶予なし 猶予あり 第4章 成人矯正 総 17,777 16,620 (100.0) 注 448 (93.5) (2.5) 19 68 (0.1) (0.4) 4 (0.0) 2 446 (0.0) - 170 (2.5) (1.0) 1 矯正統計年報による。 2 「新入所」は,裁判が確定し,その執行を受けるため新たに入所した者をいう。死刑の執行を受けた者を含み,国際受刑者移送法 (平成 14 年法律第 66 号)による受入受刑者及び少年処遇から成人処遇に移行した受刑者を含まない。 3 「仮釈放の取消し」の「一部執行猶予あり」は,実刑期に係る仮釈放の取消しにより復所等した者(入所時に刑の一部執行猶予の取 消しがなされている者を除く。),「仮釈放及び一部執行猶予の取消し」は,実刑期に係る仮釈放及び刑の一部執行猶予の取消しにより 復所等した者をいう。 4 ( )内は,構成比である。 第2節 (2)特徴 令和2年における入所受刑者の年齢層別構成比を男女別に見ると,2-4-2-5 図のとおりである(女 刑事施設の収容状況 性入所受刑者の年齢層別構成比の推移については,4-7-2-5 図参照)。 2-4-2-5 図 入所受刑者の年齢層別構成比(男女別) (令和2年) 20歳未満 0.1 男 20 ~ 29歳 30 ~ 39歳 40 ~ 49歳 15.5 20.6 24.8 性 (14,850) 50 ~ 64歳 65歳以上 26.8 12.2 0.1 女 性 (1,770) 注 11.4 19.5 26.1 24.0 19.0 1 矯正統計年報による。 2 入所時の年齢による。ただし,不定期刑の受刑者については,入所時に 20 歳以上であっても,判決時に 19 歳であった者を,20 歳 未満に計上している。 3 ( )内は,実人員である。 令和2年における入所受刑者の罪名別構成比を男女別に見ると,2-4-2-6 図のとおりである(高齢 入所受刑者の罪名別構成比(男女別)については,4-8-2-3 図参照)。 2-4-2-6 図 入所受刑者の罪名別構成比(男女別) (令和2年) 男 性 (14,850) 窃盗 覚醒剤取締法 34.2 25.2 道路交通法 強盗 2.0 詐欺 その他 傷害 9.7 4.5 4.0 20.4 横領・背任 1.3 女 性 (1,770) 注 52 46.7 1 矯正統計年報による。 2 「横領」は,遺失物等横領を含む。 3 ( )内は,実人員である。 令和 3 年版 犯罪白書 35.7 6.7 1.9 殺人 1.2 6.6

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令和2年の入所受刑者について,刑の種類を見ると,懲役1万 6,562 人(99.7%),禁錮 53 人 (0.3%) ,拘留5人であった(矯正統計年報による。)。懲役受刑者の刑期別構成比を男女別に見ると, 2-4-2-7 図のとおりである(懲役受刑者の刑期別の年末収容人員の推移については,CD-ROM 資料 2-4-2-7 図 第2 編 2-6 参照) 。 入所受刑者(懲役)の刑期別構成比(男女別) (令和2年) 1年以下 男 性 女 性 20.7 (14,799) 34.9 21.7 (1,763) 注 2年以下 3年以下 5年以下 5年を 超える 25.1 13.8 5.5 42.3 23.0 7.1 5.8 1 矯正統計年報による。 2 不定期刑は,刑期の長期による。 3 一部執行猶予の場合は,実刑部分と猶予部分を合わせた刑期による。 4 「5年を超える」は,無期を含む。 5 ( )内は,実人員である。 4 出所受刑者 (1)人員 令和2年における受刑者の出所事由別人員は,2-4-2-8 表のとおりである。出所受刑者(仮釈放又 は満期釈放等により刑事施設を出所した者に限る。以下この項において同じ。)に占める満期釈放者 等(満期釈放等により刑事施設を出所した者をいう。)の比率は,40.8%(前年比 0.8pt 低下)であっ た(CD-ROM 参照)。 2-4-2-8 表 受刑者の出所事由別人員 総 労役場 留置施設 一部執 一部執 不定期刑 一部執行猶予の 刑執行 数 満 期 満期釈 放 実 刑 部 分 の 仮 釈 放 行猶予 行猶予 恩赦 へ の 等 へ の 逃走 死 亡 終 了 停 止 釈放等 移 行 移 送 刑 期 終 了 な し あ り 19,823 7,728 (40.8) 注 犯罪者の処遇 (令和2年) 7,440 288 11,195 9,994 1,201 (59.2) - - 22 463 185 - 230 [-] 1 矯正統計年報による。 2 ( )内は,満期釈放等と仮釈放の合計に対する比率である。 3 [ ]内は,死刑の執行を受けた者であり,内数である。 犯罪白書 2021 53

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(2)特徴 令和2年における出所受刑者の年齢層別構成比を出所事由別に見ると,2-4-2-9 図のとおりである。 2-4-2-9 図 出所受刑者の年齢層別構成比(出所事由別) (令和2年) 第4章 成人矯正 ① 仮釈放 仮 釈 放 (全 部 実 刑) 20 ~ 29歳 30 ~ 39歳 40 ~ 49歳 50 ~ 64歳 65歳以上 13.2 23.7 26.6 25.9 10.6 (9,994) 1.9 仮 釈 放 (一部執行猶予) 7.3 26.3 (1,201) ② 39.7 満期釈放等 第2節 20 ~ 29歳 30 ~ 39歳 満 期 釈 放 (7,440) 6.2 刑事施設の収容状況 一部執行猶予の 実刑部分の刑期終了 (288) 注 24.7 40 ~ 49歳 50 ~ 64歳 65歳以上 23.9 33.0 21.4 15.6 7.3 20.8 33.3 33.7 4.9 1 法務省大臣官房司法法制部の資料による。 2 出所時の年齢による。 3 ( )内は,実人員である。 令和2年における出所受刑者の帰住先別構成比を出所事由別に見ると,2-4-2-10 図のとおりであ る(男女別については,4-7-2-6 図参照)。 2-4-2-10 図 出所受刑者の帰住先別構成比(出所事由別) (令和2年) ① 仮釈放 2.2 仮 釈 放 (全 部 実 刑) 32.7 (9,994) 40.5 (1,201) (7,440) 一部執行猶予の 実刑部分の刑期終了 (288) 2.8 14.7 54 1 2 3 4 5 6 7 7.4 4.7 2.9 0.6 12.8 0.2 23.4 7.4 3.1 22.9 5.3 5.1 2.1 5.6 配偶者 社会福祉施設 8.9 3.1 43.9 3.1 14.9 2.8 16.3 兄弟姉妹 更生保護施設等 26.0 その他の親族 自宅 知人 その他 矯正統計年報による。 「帰住先」は,刑事施設出所後に住む場所である。 「配偶者」は,内縁関係にある者を含む。 「更生保護施設等」は,更生保護施設,就業支援センター,自立更生促進センター及び自立準備ホームである。 「自宅」は,帰住先が父・母,配偶者等以外で,かつ,自宅に帰住する場合である。 「その他」は,帰住先が不明,暴力団関係者,刑終了後引き続き被告人として勾留,出入国在留管理庁への身柄引渡し等である。 ( )内は,実人員である。 令和 3 年版 犯罪白書 2.1 35.6 3.0 5.6 3.3 父・母 雇主 注 11.6 0.0 0.6 満期釈放等 満 期 釈 放 4.9 4.4 2.7 仮 釈 放 (一部執行猶予) ② 10.3 0.4

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第3節 1 受刑者の処遇等 処遇の概要 第2 編 受刑者の処遇は,刑事収容施設法に基づき,受刑者の人権を尊重しつつ,その者の資質及び環境に 応じ,その自覚に訴え,改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを目的 として行う。その流れは,2-4-3-1 図のとおりである。 2-4-3-1 図 受刑者処遇の流れ 処遇指標の指定 刑執行開始時の指導 処 遇 調 査 (定期・臨時再調査) 処遇要領等の変更 釈放前の指導 所 所 処遇要領の策定 出 入 作 業 改 善 指 導 教 科 指 導 処 遇 調 査 (刑執行開始時調査) 就 労 支 援 福 祉 的 支 援 (1)処遇指標及び処遇要領 受刑者の処遇の中核となるのは,矯正処遇として行う作業(次項参照),改善指導及び教科指導 (本節3項参照)である。矯正処遇は,個々の受刑者の資質及び環境に応じて適切な内容と方法で実 施しなければならない(個別処遇の原則)。 そのため,各刑事施設では,医学,心理学,教育学,社会学その他の専門的知識及び技術を活用 し,受刑者の資質及び環境の調査(処遇調査)を行っている。また,新たに刑が確定した受刑者で, 26 歳未満の者及び特別改善指導(本節3項(2)参照)の受講に当たり特に調査を必要とする者等 には,調査センターとして指定されている特定の刑事施設で精密な処遇調査が行われている。また, 犯罪者の処遇 受刑者の再犯の可能性等を客観的,定量的に把握するために開発を進めている受刑者用一般リスクア セスメントツール(G ツール)のうち,一部機能の運用を開始し,原則として,全受刑者を対象に, 刑の執行開始時に行う処遇調査において G ツールを実施し,それによって得られる結果や情報を処 遇の参考としている。 刑事施設では,刑の執行開始時に処遇調査(調査センターでの処遇調査を含む。)を行い,その調 査結果を踏まえ,受刑者に処遇指標を指定する。処遇指標は,矯正処遇の種類・内容,受刑者の属性 及び犯罪傾向の進度から構成される。処遇指標の区分及び令和2年末現在の符号別の人員は 2-4-3-2 表のとおりである。処遇指標は,その指定がなされるべきものは,重複して指定され,処遇指標を指 定されることで,受刑者の収容される刑事施設と矯正処遇の重点方針が定まる。 犯罪白書 2021 55

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2-4-3-2 表 ① 処遇指標の区分・符号別人員 矯正処遇の種類及び内容 種 類 内 作業 容 符 V0 職業訓練 V1 第4章 成人矯正 一般改善指導 改善指導 特別改善指導 教科指導 第3節 ② 号 一般作業 R0 薬物依存離脱指導 R1 暴力団離脱指導 R2 性犯罪再犯防止指導 R3 被害者の視点を取り入れた教育 R4 交通安全指導 R5 就労支援指導 R6 補習教科指導 E1 特別教科指導 E2 受刑者の属性及び犯罪傾向の進度  属性及び犯罪傾向の進度 (令和2年 12 月 31 日現在) 符 号 人 員 受刑者の処遇等 拘留受刑者 D - 少年院への収容を必要とする 16 歳未満の少年 Jt - 精神上の疾病又は障害を有するため医療を主として行う刑事施設等 に収容する必要があると認められる者 M 223 身体上の疾病又は障害を有するため医療を主として行う刑事施設等 に収容する必要があると認められる者 P 311 女子 W 2,925 日本人と異なる処遇を必要とする外国人 F 1,071 禁錮受刑者 I 76 少年院への収容を必要としない少年 J 3 執行すべき刑期が 10 年以上である者 L 4,385 可塑性に期待した矯正処遇を重点的に行うことが相当と認められる 26 歳未満の成人 Y 1,686 犯罪傾向が進んでいない者 A 8,819 犯罪傾向が進んでいる者 B 16,434 注 1 2 矯正統計年報による。 複数の処遇指標が指定されている場合は,符号の欄において上に掲げられているものに計上している。 受刑者には,刑の執行開始時の処遇調査の結果に基づいて,矯正処遇の目標並びにその基本的な内 容及び方法(例えば,具体的にどのような方法や期間・回数で薬物依存離脱指導を行うかなど)が処 遇要領として定められ,矯正処遇はこの処遇要領に沿って計画的に実施される。 また,矯正処遇の進展に応じて,定期的に又は臨時に処遇調査を行い,その結果に基づき,必要に 応じ処遇指標及び処遇要領を変更する。 (2)制限の緩和と優遇措置 かん 受刑者の自発性や自律性を涵養するため,受刑者処遇の目的(改善更生の意欲の喚起及び社会生活 に適応する能力の育成)を達成する見込みが高まるに従い,順次,規律・秩序維持のための制限を緩 和することとし , その制限が緩和された順に第1種から第4種までの区分を指定し,定期的に,及び 随時,前記の見込みを評価し,その評価に応じて,制限区分の指定を変更している。各区分に指定さ れた受刑者の制限の内容は,第4種では,原則として居室棟内で矯正処遇等を行うこと,第3種で は,主として刑事施設内の居室棟外(工場等)で矯正処遇等を行うこと,第2種では,刑事施設外で の矯正処遇等が可能となること,第1種では,居室に施錠をしないことなどである。令和3年4月 10 日現在,刑事施設本所 75 庁並びに刑務支所8庁及び大規模拘置支所4庁(札幌,横浜,さいたま 及び小倉)合計 87 庁の施設における受刑者の制限区分別人員は,第1種 349 人(0.9%),第2種 56 令和 3 年版 犯罪白書

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6,230 人(15.9%) , 第 3 種 2 万 7,821 人(71.0%), 第 4 種 772 人(2.0%), 指 定 な し 4,018 人 (10.3%)であった(法務省矯正局の資料による。)。 また,受刑者に改善更生の意欲を持たせるため,刑事施設では,定期的に受刑態度を評価し,良好 第2 編 な順に第1類から第5類までの優遇区分に指定し,良好な区分に指定された受刑者には,外部交通の 回数を増やしたり,自弁(自費購入又は差入れを受けること。以下この章において同じ。)で使用で きる物品の範囲を広げたりするなどの優遇をした処遇を行っている。令和3年4月 10 日現在,前記 87 庁の施設における受刑者の優遇区分別人員は,第1類 841 人(2.1%),第2類 6,414 人(16.4%), 第3類1万 6,473 人(42.0%),第4類 3,328 人(8.5%),第5類 3,352 人(8.6%),指定なし 8,782 人(22.4%)であった(法務省矯正局の資料による。)。 かん なお,受刑者の自発性や自律性を涵養し,社会適応性を向上させ,その改善更生及び円滑な社会復 帰を目指すため,開放的施設として6施設(旭川刑務所西神楽農場,網走刑務所二見ヶ岡農場,市原 刑務所,広島刑務所尾道刑務支所有井作業場,松山刑務所大井造船作業場及び鹿児島刑務所(農場 区) )が指定されている。 (3)外出・外泊 受刑者は,受刑者処遇の目的を達成する見込みが高く,開放的施設で処遇を受けているなど,一定 の要件を備えている場合において,円滑な社会復帰を図る上で,釈放後の住居又は就業先の確保,家 族関係の維持・調整等のために外部の者を訪問し,あるいは保護司その他の更生保護関係者を訪問す るなどの必要があるときに,刑事施設の職員の同行なしに,刑事施設から外出し,又は7日以内の期 間で外泊することを許されることがある。令和2年度の実績は,外出 20 件,外泊0件であった(法 務省矯正局の資料による。)。 2 作業 (1)概況 懲役受刑者には,法律上,作業が義務付けられている(労役場留置者も同様である。)。このほか, 犯罪者の処遇 禁錮受刑者及び拘留受刑者も希望により作業を行うことができる。令和2年度における作業の一日平 均就業人員は,3万 8,864 人であった。また,禁錮受刑者は,3年3月 31 日現在で,79.8%が作業 に従事していた(法務省矯正局の資料による。)。 (2)作業の内容等 受刑者は,作業として職業訓練を受けることがあるほか,生産作業(物品を製作する作業及び労務 を提供する作業で,木工,印刷,洋裁,金属等の業種がある。),社会貢献作業(労務を提供する作業 であって,公園等の除草作業等社会に貢献していることを受刑者が実感することにより,その改善更 生及び円滑な社会復帰に資すると刑事施設の長が特に認める作業),自営作業(刑事施設における炊 事,清掃,介助,矯正施設の建物の修繕等の作業)の中から,受刑者の希望も参酌し,適性に応じて 指定される。なお,令和2年度においては,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い,医療機関 において,全国的に医療用ガウンが不足している状況を踏まえ,厚生労働省からの依頼に基づく医療 用ガウンの縫製を 42 庁(刑務支所を含む。 )の施設において,延べ8万人を超える受刑者が実施した (本章コラム1参照)ほか,25 庁(刑務支所を含む。)でも 163 人の受刑者が様々な社会貢献作業を 実施した(法務省矯正局の資料による。)。 作業は,刑事施設内で行うものが大部分であるが,刑事施設が管理する構外作業場で行うものもあ り,さらに,刑事施設の外の事業所の協力を得て,受刑者を職員の同行なしに,その事業所に通勤さ せて業務に従事させる(職業訓練を受けさせることを含む。)こともある(外部通勤作業)。令和3年 犯罪白書 2021 57

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3月 31 日現在,外部通勤作業を実施しているのは,3庁7人であった(法務省矯正局の資料によ る。 ) 。なお,前記の外出,外泊及び外部通勤作業の運用に当たっては,GPS 機器が活用されている。 作業の収入は,全て国庫に帰属する。令和2年度における作業による歳入額は,約 28 億円であっ た(法務省矯正局の資料による。)。 他方,受刑者には,従事した作業に応じ,作業報奨金が原則として釈放時に支給される。作業報奨 第4章 成人矯正 金に充てられる金額(予算額)は,令和2年度には,一人1か月当たり平均で 4,320 円であった(法 務省矯正局の資料による。)。また,同年の出所受刑者が出所時に支給された作業報奨金の金額を見る と,5万円を超える者が 36.5%,1万円以下の者が 16.8%であった(矯正統計年報による。)。 (3)職業訓練 刑事施設では,受刑者に職業に関する免許や資格を取得させ,又は職業上有用な知識や技能を習得 させるために,職業訓練を実施している。職業訓練には,総合訓練,集合訓練及び自庁訓練の三つの 第3節 方法がある。総合訓練は全国の刑事施設から,集合訓練は主に各矯正管区単位で , 自庁訓練は刑事施 設ごとに,それぞれ適格者を選定して実施している。男性受刑者に対する総合訓練は,同施設として 指定された7庁(山形,福井,山口及び松山の各刑務所並びに函館,川越及び佐賀の各少年刑務所) 受刑者の処遇等 で実施している。女性受刑者に対する職業訓練は,各女性施設で実施している一部の職業訓練種目に ついて,他の女性施設からも希望者を募集して実施している。 刑事施設では,令和2年度には,ビジネススキル科,溶接科,フォークリフト運転科,情報処理技術 科等のほか,同年度に新たに開講された介護コース,建築・土木コース,農業コース,建築 CAD 科, 食の総合知識科及び Webスキル科を合わせ合計 53 種目の職業訓練が実施され,1万1,288 人がこれを 修了し,溶接技能者,ボイラー技士,情報処理技術者等の資格又は免許を取得した者は,総数で 6,216 人であった(法務省矯正局の資料による。 ) 。 刑事施設では,出所後の就労先への定着を図り,再犯防止につなげていくことを目的として,在所 中に内定を受けた者等を対象に,内定を受けた事業所等において一定期間就労を体験させる職場体験 制度が職業訓練の一環として位置付けられた上で実施されている。令和2年度に職場体験を経験した 受刑者数は,2人であった(法務省矯正局の資料による。)。 3 矯正指導 改善指導,教科指導並びに刑執行開始時及び釈放前の指導の四つを総称して矯正指導という。 (1)刑執行開始時の指導 受刑者には,入所直後,原則として2週間の期間で,受刑等の意義や心構え,矯正処遇を受ける上 で前提となる事項(処遇制度,作業上の留意事項,改善指導等の趣旨・概要等),刑事施設における 生活上の心得,起居動作の方法等について指導が行われる。 (2)改善指導 改善指導は,受刑者に対し,犯罪の責任を自覚させ,健康な心身を培わせ,社会生活に適応するの に必要な知識及び生活態度を習得させるために行うもので,一般改善指導及び特別改善指導がある。 一般改善指導は,講話,体育,行事,面接,相談助言その他の方法により,①被害者及びその遺族 等の感情を理解させ,罪の意識を培わせること,②規則正しい生活習慣や健全な考え方を付与し,心 身の健康の増進を図ること,③生活設計や社会復帰への心構えを持たせ,社会適応に必要なスキルを 身に付けさせることなどを目的として行う。また,高齢又は障害を有する受刑者のうち,福祉的支援 を必要とする者又は受講させることにより改善更生及び円滑な社会復帰に資すると見込まれる者を対 58 令和 3 年版 犯罪白書

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象に,比較的早期の段階から,出所後の円滑な社会生活を見据えた指導を実施することを目的とした 「社会復帰支援指導プログラム」が策定され,これまで全国的に展開されてきたところ,令和3年に は同プログラムに特別調整,地域生活定着支援センター(本節5項参照),更生緊急保護等に関する 第2 編 指導内容が新たに設けられた。 特別改善指導は,薬物依存があったり,暴力団員であるなどの事情により,改善更生及び円滑な社 会復帰に支障があると認められる受刑者に対し,その事情の改善に資するよう特に配慮して行う。現 在,①「薬物依存離脱指導」 (薬物使用に係る自己の問題性を理解させた上で,再使用に至らないた めの具体的な方法を考えさせるなど。令和2年度の実施指定施設数は 74 庁。),②「暴力団離脱指導」 (警察等と協力しながら,暴力団の反社会性を認識させる指導を行い,離脱意志の醸成を図るなど。 同 35 庁。 ),③「性犯罪再犯防止指導」(性犯罪につながる認知の偏り,自己統制力の不足等の自己の 問題性を認識させ,その改善を図るとともに,再犯に至らないための具体的な方法を習得させるな ど。性犯罪者調査,各種プログラムの実施,メンテナンスの順に行われる。同 21 庁。),④「被害者 の視点を取り入れた教育」 (罪の大きさや被害者等の心情等を認識させるなどし,被害者等に誠意を もって対応するための方法を考えさせるなど。同 75 庁。),⑤「交通安全指導」(運転者の責任と義務 を自覚させ,罪の重さを認識させるなど。同 54 庁。)及び⑥「就労支援指導」(就労に必要な基本的 スキルとマナーを習得させ,出所後の就労に向けての取組を具体化させるなど。同 65 庁。)の6類型 の特別改善指導を実施している。薬物依存離脱指導については,標準プログラムを複線化した必修プ ログラム(麻薬,覚醒剤その他の薬物に対する依存があると認められる者全員に対して実施するもの (同年度の受講開始人員は 4,524 人)),専門プログラム(より専門的・体系的な指導を受講させる必 要性が高いと認められる者に対して実施するもの(同 1,223 人)),選択プログラム(必修プログラム 又は専門プログラムに加えて補完的な指導を受講させる必要性が高いと認められる者に対して実施す るもの(同 1,552 人))を受刑者個々の問題性やリスク,刑期の長さ等に応じ,組み合わせて実施し ている。 特別改善指導の受講開始人員の推移(最近 10 年間)は,2-4-3-3 図のとおりである。 2-4-3-3 図 特別改善指導の受講開始人員の推移 犯罪者の処遇 (平成23年度~令和2年度) (千人) 12 10 8 7,707 薬物依存離脱指導 6 就労支援指導 4 被害者の視点を取り入れた教育 0 平成23 注 1 2 2,952 交通安全指導 2 25 性犯罪再犯防止指導 30 暴力団離脱指導 1,659 551 538 424 令和2 法務省矯正局の資料による。 受講開始人員は,延べ人員である。 犯罪白書 2021 59

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(3)教科指導 教科指導とは,学校教育の内容に準ずる指導である。社会生活の基礎となる学力を欠くことにより 改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対して行う教科指導(補習教科指 導)のほか,学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対しても, その学力に応じた教科指導(特別教科指導)を行っている。 第4章 成人矯正 法務省と文部科学省の連携により,刑事施設内において,高等学校卒業程度認定試験を実施し,ま た,指定された4庁の刑事施設において,同試験の受験に向けた指導を積極的かつ計画的に実施して いる。令和2年度の受験者数は 309 人であり,合格者数は,高卒認定試験合格者が 136 人,一部科 目合格者が 160 人であった(文部科学省総合教育政策局の資料による。)。 松本少年刑務所内には,我が国において唯一,公立中学校の分校が刑事施設内に設置されており, 全国の刑事施設に収容されている義務教育未修了者等のうち希望者を中学3年生に編入させ,地元中 学校教諭,職員等が,文部科学省の定める学習指導要領を踏まえた指導を行っている。また,盛岡少 第3節 年刑務所及び松本少年刑務所では,近隣の高等学校の協力の下,当該高等学校の通信制課程に受刑者 を編入させ,指導を行う取組を実施し,そのうち松本少年刑務所は,全国の刑事施設から希望者を募 集し,高等学校教育を実施しており,所定の課程を修了したと認められた者には,高等学校の卒業証 受刑者の処遇等 書が授与される。 (4)釈放前の指導 受刑者には,釈放前に,原則として2週間の期間で,釈放後の社会生活において直ちに必要となる 知識の付与や指導が行われる。 4 就労支援 法務省は,受刑者等の出所時の就労の確保に向けて,刑事施設及び少年院に就労支援スタッフを配 置するとともに,厚生労働省と連携し,刑務所出所者等総合的就労支援対策を実施している。この施 策は,刑事施設,少年院,保護観察所及びハローワークが連携する仕組みを構築した上で,支援対象 者の希望や適性等に応じ,計画的に就労支援を行うものであるが,その一環として,刑事施設では, 支援対象者に対し,ハローワークの職員による職業相談,職業紹介,職業講話等を実施している(保 護観察所における就労支援については,本編第5章第3節2項(4)参照)。 また,刑務所出所者等の採用を希望する事業者が,矯正施設を指定した上でハローワークに求人票 を提出することができる「受刑者等専用求人」が運用されており,事業者と就職を希望する受刑者と のマッチングの促進に努めている。 さらに,受刑者等の就労先を在所中に確保し,出所後速やかに就労に結び付けるため,全国8か所 の全ての矯正管区に設置されている矯正就労支援情報センター(通称「コレワーク」)が,受刑者等 の帰住地や取得資格等の情報を一括管理し,出所者等の雇用を希望する企業の相談に対応して,企業 のニーズに適合する者を収容する施設の情報を提供する(雇用情報提供サービス)などして,広域的 な就労支援等に取り組んでいる。また,刑務所出所者等の雇用経験が豊富な事業主等を刑務所出所者 等雇用支援アドバイザーとして招へいし,刑務所出所者等の雇用前後における事業主の不安や疑問等 の相談に応じられる体制を整備するとともに,同アドバイザーによる事業主への相談会を実施(令和 2年度は 26 回実施し,延べ 113 人参加)したほか,事業主等に対する就労支援セミナーを開催(同 年度は 12 回開催し,延べ 140 人参加)した。 このほか,日本財団及び関西の企業7社が発足させた日本財団職親プロジェクトは,少年院出院者や 刑務所出所者に就労先・住まいを提供することで,円滑な社会復帰を支援するとともに,再犯者率の 低下の実現を目指しており,令和3年5月末現在で,176 社が参加している(日本財団の資料による。 ) 。 60 令和 3 年版 犯罪白書

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5 福祉的支援 法務省は,厚生労働省と連携して,高齢又は障害を有し,かつ,適当な帰住先がない受刑者及び少 第2 編 年院在院者について,釈放後速やかに,適切な介護,医療,年金等の福祉サービスを受けることがで きるようにするための取組として,矯正施設と保護観察所において特別調整を実施している(概要に ついては,本編第5章第2節2項参照) 。この取組では,福祉関係機関等との効果的な連携が求められ るところ,その中心となるのは,厚生労働省の地域生活定着促進事業により整備が進められ,各都道 府県が設置した地域生活定着支援センターであり,この取組によって司法と福祉との多機関連携によ る支援が行われている。 刑事施設においては,特別調整を始めとする福祉的支援を必要とする者に対応するため,社会福祉 士又は精神保健福祉士の資格を有する非常勤職員を配置しているほか,福祉専門官(社会福祉士 , 精 神保健福祉士又は介護福祉士の資格を有する常勤職員)を配置している。令和3年度の社会福祉士の 配置施設数は刑事施設 68 庁 , 精神保健福祉士の配置施設数は刑事施設8庁,福祉専門官の配置施設 数は刑事施設 58 庁である。また,認知能力や身体機能の低下した高齢受刑者等に対し,専門的な知 識・経験を有する者が介助を行うため,介護福祉士及び介護専門スタッフ(介護職員実務者研修又は 介護職員初任者研修の修了者等)を配置している。同年度の配置施設数は,介護福祉士が8庁,介護 専門スタッフが 41 庁であった(法務省矯正局の資料による。)。 さらに,女性の受刑者を収容する刑事施設における医療・福祉等の問題に対処するため,これらの 施設が所在する地域の医療・福祉等の各種団体の協力を得て,「女子施設地域連携事業」を行ってい る(第4編第7章第2節2項(1)イ参照)。 6 受刑者の釈放等に関する情報の提供 法務省は,警察において,犯罪の防止や犯罪が生じた場合の対応を迅速に行うことができるように するための協力として,次のとおり,警察庁に対し,重大事犯者を中心に一定の罪を犯した受刑者に 関する情報を提供している。 犯罪者の処遇 平成 17 年6月から,刑事施設等の長は,警察庁に対し,13 歳未満の者に対する強制わいせつ,強 制性交等(強姦),わいせつ目的略取誘拐,強盗・強制性交等(強盗強姦)等に係る受刑者について, 釈放予定日のおおむね1か月前に,釈放予定日,入所日,帰住予定地等の情報を提供している。令和 3年5月 31 日までに情報提供した対象者数は,2,298 人であった(法務省矯正局の資料による。)。 これに加え,平成 17 年9月から,法務省は,警察庁に対し,殺人,強盗等の重大な犯罪やこれら の犯罪に結び付きやすいと考えられる侵入窃盗,薬物犯罪等に係る受刑者について,毎月,釈放(予 定)日,入所日,出所事由等の情報を提供している。令和3年5月 31 日までに情報提供した対象者 数は,延べ約 37 万 7,000 人であった(法務省矯正局の資料による。)。 第4節 1 刑事施設の運営等 刑事施設視察委員会 刑事施設には,法務大臣が任命する 10 人以内の外部の委員で構成され,刑事施設を視察し,その 運営に関し,刑事施設の長に対して意見を述べる刑事施設視察委員会が刑事施設(本所)ごとに置か れている。令和2年度の活動状況は,会議の開催 428 回,刑事施設の視察 152 回,被収容者との面 接 334 件であり,委員会が刑事施設の長に対して提出した意見は 483 件であった(法務省矯正局の 資料による。)。 犯罪白書 2021 61

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2 給養・医療・衛生等 被収容者には,食事及び飲料(湯茶等)が支給される。令和3年度の成人の受刑者一人当たりの一 日の食費(予算額)は 536.07 円(主食費 104.40 円,副食費 431.67 円)である。高齢者,妊産婦, 体力の消耗が激しい作業に従事している者や,宗教上の理由等から通常の食事を摂取できない者等に 第4章 成人矯正 対しては,食事の内容や支給量について配慮している。また,被収容者には,日常生活に必要な衣 類,寝具,日用品等も貸与又は支給されるが,日用品等について自弁のものを使用することも認めて いる。なお,同年度の刑事施設の被収容者一人一日当たりの収容に直接に必要な費用(予算額)は, 2,208 円である(法務省矯正局の資料による。)。 刑事施設には,医師その他の医療専門職員が配置されて医療及び衛生関係業務に従事している。さ らに,専門的に医療を行う刑事施設として,医療専門施設4庁(東日本成人矯正医療センター並びに 岡崎,大阪及び北九州の各医療刑務所)を設置しているほか,医療重点施設9庁(札幌,宮城,府 第4節 中,名古屋,大阪,広島,高松及び福岡の各刑務所並びに東京拘置所)を指定し,これら 13 庁には, 医療機器や医療専門職員を集中的に配置している。 矯正医官の人員は,令和3年4月1日現在で 299 人(前年比7人増)であり,定員の約9割にと 刑事施設の運営等 どまっている(法務省矯正局の資料による。)。 コラム1 刑事施設における新型コロナウイルス感染症への対策 我が国においては,令和2年1月 15 日に国内で初めて新型コロナウイルス感染症患者の発 生が確認された。同年3月下旬から,国内における新規感染者数が急増し,政府は,同年4 月7日,7都府県を対象とした新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言(以下「緊急事態宣 言」という。)を発出した(同月 16 日には緊急事態宣言の対象を全都道府県に拡大した。)。 その後,新型コロナウイルスの陽性者数は増減を繰り返し,政府は,3年1月7日に2回目 の,同年4月 23 日に3回目の緊急事態宣言を発出した。 法務省矯正局及び全国の刑事施設においては,1回目の緊急事態宣言の発出の前から,新型 コロナウイルスの感染防止に向けた取組を進めてきたが,令和2年4月5日,刑事施設の職員 として初めて,大阪拘置所の刑務官の新型コロナウイルス感染が確認され,同月11日には, 被収容者で初めての感染が東京拘置所で確認された。それ以降,3年3月末までに確認された 刑事施設における新型コロナウイルス感染者数は,職員 127 人及び被収容者 289 人に上った。 法務省は,令和2年4月6日,「法務省危機管理専門家会議」を開催し,職員に感染が確認 された大阪拘置所の状況及び感染拡大防止策並びに矯正施設全体における新型コロナウイル ス感染症対策について議論した。同月 13 日には,同専門家会議の下に「矯正施設感染防止タ スクフォース」を開催し,逃走防止の観点から窓や扉を開放することが困難であること,い わゆる三つの密(密閉・密集・密接)が重なりやすいこと,これらのことから施設内で感染 症が発生した場合の感染拡大のリスクが大きいことなどの矯正施設の特性を踏まえて対応策 を検討し,同月 27 日,「矯正施設における新型コロナウイルス感染症感染防止対策ガイドラ イン」 (以下「ガイドライン」という。)を策定した。ガイドラインは,3年8月末までに, 2回(2年6月及び 11 月)改訂された。このコラムでは,ガイドラインを始め,刑事施設に おける新型コロナウイルス感染症対策を紹介する。 感染症対策を適切に講じるためには,新型コロナウイルス及び感染症に関する基本的な知 識が必要であることから,ガイドラインは,感染のメカニズム,防護に関する基本的な事項 等を説明している。これを受けて刑事施設では,各施設におけるマニュアルの作成,職員研 62 令和 3 年版 犯罪白書

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修の実施等により,新型コロナウイルス感染症対策に関する理解の促進を図った。 刑事施設は,ガイドラインに基づき,マスクの着用,手洗い,手指消毒,食事等の場面に 第2 編 おける対面での会話の回避等の対策を講じた。また,事務室等のほか,受刑者が刑務作業を 行う工場等においても,毎時2回以上換気を行い,共有の場所・備品の消毒を徹底した。さ らに,在宅勤務・テレワークの活用により,出勤職員数を抑制する措置をとった。 以上のような対策に加えて,被収容者の処遇についても様々な措置を講じた。令和2年4 月 16 日から,特定警戒都道府県(特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必 要があるとして政府に位置付けられた都道府県)に所在する刑事施設では,刑務作業(炊事 等の施設運営上最低限必要な作業及び医療衛生資材を生産する作業を除く。),矯正指導等の 実施も,当面の間,見合わせることとされた。しかし,刑務作業,矯正指導等の重要性に鑑 み,少人数化,十分な換気,人と人との距離の確保等の感染症対策を講じることで,刑務作 業,矯正指導等を再開・継続する取組も行われた。また,外来者からの感染を防止するため, 外来者の健康状態の確認,マスク着用,手指消毒の協力要請等も行われた。 職員・被収容者が感染し,又は感染の疑いが生じた場合に行うべき対応は多岐にわたり, 感染拡大を防ぐためには,様々な対応を迅速に行う必要がある。一般社会においては,保健 所により濃厚接触者と判断された場合,感染者と接触した後 14 日間は,健康状態に注意を払 い,不要不急の外出を控えることが要請されているが,刑事施設においては,感染拡大のリ スクが大きいことなどの矯正施設の特殊性を踏まえて,保健所が判断した濃厚接触者だけで はなく,濃厚接触者の定義には該当しなくとも感染者と一定程度の接触があった者や感染者 が汚染した可能性がある部屋や備品を利用した者についても,健康観察の対象とし,職員の 場合には自宅待機を,被収容者の場合には他の被収容者からの分離を行った。感染の疑いが ある者が発生した場合には,新型コロナウイルス感染が確定する前の段階から,その者との 接触者の調査を開始し,感染の疑いがある者に実施するウイルス検査で陰性が確定するまで の間は,健康観察及び自宅待機又は分離の対象とした。 以上,刑事施設における新型コロナウイルス感染症対策について概観したが,刑事施設が 犯罪者の処遇 一般社会における感染症対策に貢献する取組を行ったことも紹介する。一部の刑事施設では, 令和2年1月に民間企業からの依頼を受けたことをきっかけに,布マスクの製作を開始した。 また,関係省庁からの要請に応じ,全国 42 庁(刑務支所を含む。)において,同年5月から 10 月末までの間に,医療現場で不足していた医療用ガウン(アイソレーションガウン)約 120 万着を製作した。当時の医療現場での深刻な物資不足に早急に対応するため,医療用ガ ウンの製作作業は,同年4月 16 日から当面の間,刑務作業の実施を原則として見合わせてい た状況下においても,例外的に実施され た。製作された医療用ガウンは,地方公 共団体や民間企業に納品され,医療現場 等において活用された。法務省矯正局の 担当者は,新型コロナウイルス感染症の 感染が拡大する中で,家族や社会に何も できないもどかしさを感じていた受刑者 が,医療用ガウンの製作作業を通じて社 会に貢献できることにやりがいを感じ, 懸命に作業に取り組んでくれたと振り 返っている。 刑務所における医療用ガウン製作の様子 【写真提供:法務省矯正局】 犯罪白書 2021 63

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3 民間協力 (1)篤志面接 刑事施設では,必要があるときは,篤志面接委員に,被収容者と面接し,専門的知識や経験に基づ いて助言指導を行うことを依頼している。その助言指導の内容は,被収容者の精神的な悩みや,家 第4章 成人矯正 庭,職業及び将来の生活に関するものから,趣味・教養に関するものまで様々である。令和2年末現 在,篤志面接委員は,978 人であり,その内訳は,教育・文芸関係者 318 人,更生保護関係者 102 人,法曹関係者 79 人,宗教・商工・社会福祉関係者 248 人,その他 231 人である。同年の篤志面接 の実施回数は,8,235 回(前年比 32.9%減)であり,その内訳は,趣味・教養の指導 3,779 回(同 36.1%減) ,家庭・法律・職業・宗教・保護に関する相談 1,550 回(同 30.0%減),悩み事相談 1,023 回(同 30.2%減),その他 1,883 回(同 29.7%減)であった(法務省矯正局の資料による。)。 第4節 (2)宗教上の儀式行事・教誨 刑事施設では,教誨師(民間の篤志の宗教家)に宗教上の儀式行事や教誨(読経や説話等による精 神的救済)の実施を依頼し,被収容者がその希望に基づいてその儀式行事に参加し,教誨を受けられ 刑事施設の運営等 るように努めている。令和2年末現在,教誨師数は,1,613 人であり,同年の宗教上の儀式行事・教 誨の実施回数は,集団に対して 6,520 回(前年比 30.0%減),個人に対して 5,559 回(同 11.6%減) であった(法務省矯正局の資料による。)。 4 規律・秩序の維持 被収容者の収容を確保し,刑事施設内における安全で平穏な生活と適切な処遇環境を維持するため には,刑事施設の規律・秩序が適正に維持されなければならない。そのために,刑事施設では,被収 容者が遵守すべき事項を定めており,被収容者がこれを遵守せず,又は刑事施設の規律・秩序を維持 するために職員が行った指示に従わないときは,懲罰を科することがある。令和2年に懲罰を科せら れた被収容者は,延べ3万 1,834 人であり,懲罰理由別に見ると,怠役(正当な理由なく作業を怠る こと。34.6%)が最も高い比率を占め,次いで,抗命(5.5%), 物品不正授受(4.4%)及び被収容 者に暴行(4.3%)の順となっている(矯正統計年報による。)。 令和2年に刑事施設で発生した逃走,殺傷等の事故の発生状況は,2-4-4-1 表のとおりである。 2-4-4-1 表 刑事施設における事故発生状況 (令和2年) 総 数 15 (12) 注 逃 件数 走 人員 - - 自 殺 12 (12) 被収容者 殺 傷 3 (-) 作業上 死 亡 事故死 - 火 災 - 1 法務省矯正局の資料による。 2 「逃走」については,事故発生件数及び人員であり,「逃走」以外については,事故発生件数である。また,( ある。 3 「被収容者殺傷」の傷害は,全治1か月以上のものである。 5 その他 - - )内は,死亡人員で 不服申立制度 刑事施設の処置に対する被収容者の不服申立制度としては,一般的な制度として,民事・行政訴 訟,告訴・告発,人権侵犯申告等がある。また,被収容者は,刑事収容施設法に基づき,刑事施設の 長による一定の措置(信書の発受の差止めや懲罰等の処分等)については,その取消し等を求める審 査の申請・再審査の申請を,刑事施設の職員による一定の事実行為(被収容者の身体に対する違法な 64 令和 3 年版 犯罪白書

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有形力の行使等)については,その事実の確認を求める事実の申告をすることができる(いずれも, まず,矯正管区の長に対して申請・申告を行い,その判断に不服があるときは,法務大臣に対して, 申請(再審査の申請) ・申告を行うことができる。)ほか,自己が受けた処遇全般について,法務大 第2 編 臣,監査官及び刑事施設の長に対し苦情の申出をすることができる。被収容者の不服申立件数の推移 (最近5年間)は,2-4-4-2 表のとおりである。 2-4-4-2 表 被収容者の不服申立件数の推移 (平成 28 年~令和2年) 年 注 次 審査の 申 請 再審査 の申請 事実の申告 管区長 大臣 法務大臣に対する 苦 情 の 申 出 訴 訟 告訴・ 告 発 その他 28 年 3,053 1,189 1,091 490 2,758 279 566 1,188 29 3,348 1,128 1,282 312 2,381 326 484 1,182 30 4,063 1,292 973 342 3,872 164 477 1,023 元 5,424 2,232 1,017 476 4,922 199 477 1,070 2 5,591 2,489 1,415 504 4,560 170 685 990 1 法務省矯正局の資料による。 2 「告訴・告発」の件数は,被収容者が捜査機関宛てに発信した告訴・告発状と題する信書の通数である。 3 「その他」は,人権侵犯申告,付審判請求等であり,監査官及び刑事施設の長に対する苦情の申出は含まない。 第5節 未決拘禁者等の処遇 未決拘禁者の処遇は,逃走及び罪証隠滅を防止するとともに,被疑者又は被告人としての防御権を 尊重しつつ,適正な収容を確保するよう配慮しながら行っている。昼夜,居室内で処遇を行うのが原 則であり,居室は,できる限り単独室としている。 未決拘禁者は,受刑者と異なり,衣類・寝具は自弁のものを使用するのが一般的であり,飲食物・ 日用品も,規律・秩序の維持その他管理運営上の支障を及ぼすおそれがない限り,広範囲に自弁のも のの摂取・使用が認められている。書籍等(新聞紙及び雑誌を含む。)の閲覧は,懲罰として書籍等 犯罪者の処遇 の閲覧を停止されている場合のほか,罪証隠滅の結果を生ずるおそれがなく,かつ,刑事施設の規 律・秩序を害する結果を生ずるおそれがない限り許される。面会及び信書の発受は,刑事訴訟法上の 制限があるほか,懲罰として面会及び信書の発受の停止をされている場合,被収容者において負担す べき外国語の翻訳・通訳の費用を負担しない場合,罪証隠滅の結果を生ずるおそれがある場合又は刑 事施設の規律・秩序の維持上やむを得ない場合にも,制限を受けることがある。また,面会は,弁護 人等との場合を除いて,原則として職員が立ち会い,信書の内容については検査が行われる。 なお,被勾留者等は,刑事施設に収容することに代えて留置施設に留置することができるとされて おり(代替収容) ,被勾留者は,起訴前においては留置施設に収容される場合が多い。令和2年度に 留置施設に代替収容された者の一日平均収容人員は,7,557 人であった(法務省矯正局の資料によ る。 ) 。 死刑の判決が確定した者は,その執行に至るまで他の被収容者と分離して刑事施設に拘置される。 死刑確定者の処遇においては,必要に応じ,民間の篤志家の協力を求め,その心情の安定に資すると 認められる助言,講話等を実施している。令和2年末現在,死刑確定者の収容人員は,109 人であっ た(矯正統計年報による。)。 犯罪白書 2021 65

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第6節 官民協働による刑事施設等の整備・運営 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成 11 年法律第 117 号)に基 づき,刑事施設の整備・運営に PFI(Private Finance Initiative)手法(公共施設等の建築,維持管 理,運営等を民間の資金・ノウハウを活用して行う手法)の活用が図られ,現在,美祢社会復帰促進 第4章 成人矯正 センター(収容定員 1,300 人,うち女性 800 人),喜連川社会復帰促進センター(収容定員 2,000 人), 播磨社会復帰促進センター(同 1,000 人) ,島根あさひ社会復帰促進センター(同 2,000 人)が PFI 手法により運営されている。 これらの社会復帰促進センターにおいては,民間のノウハウとアイデアを活用した各種の特色ある プログラムに基づく職業訓練や改善指導を実施している。 このほか,競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成 18 年法律第 51 号)に基づ き,黒羽刑務所,静岡刑務所,笠松刑務所,大阪拘置所,加古川刑務所及び高知刑務所では,刑事施 第6節 設の運営業務の一部の民間委託を行っており,令和3年度末に PFI 手法による事業期間が終了する喜 連川社会復帰促進センター及び播磨社会復帰促進センターについて,4年度から運営業務の一部の民 間委託が行われる。 官民協働による刑事施設等の整備・運営 これらに加えて,矯正研修所,東日本成人矯正医療センター,東日本少年矯正医療・教育センター, 東京西少年鑑別所等が集約されている国際法務総合センターでは,それらの維持管理及び運営業務の 一部について,PFI 手法を活用した民間委託を行っている。 66 令和 3 年版 犯罪白書

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5章 第 1 第2 編 第1節 更生保護 概説 更生保護における処遇 保護観察付全部・一部執行猶予者は,執行猶予の期間中,保護観察に付される。また,受刑者は, 地方更生保護委員会の決定により,刑期の満了前に仮釈放が許されることがあるが,仮釈放者は,仮 釈放の期間中,保護観察に付される。保護観察付一部執行猶予者が仮釈放された場合は,仮釈放期間 中の保護観察が終了した後,執行猶予期間中の保護観察が開始される。保護観察に付された者は,保 護観察所の保護観察官及び民間のボランティアである保護司の指導監督・補導援護を受ける。 犯罪をした者及び非行のある少年に対する更生保護における処遇は,更生保護法に基づいて行われ ている。なお,令和3年5月の少年法の一部改正に伴い,更生保護法の一部改正が行われた(詳細に ついては,本編第1章1項(1)及び第3編第2章第1節4項参照)。 2 更生保護の機関 更生保護の機関には,法務省に置かれている中央更生保護審査会(委員長と委員4人で組織する合 議制の機関) ,高等裁判所の管轄区域ごとに置かれている地方更生保護委員会(3人以上 15 人以内の 委員で組織する合議制の機関)及び地方裁判所の管轄区域ごとに置かれている保護観察所がある。中 央更生保護審査会は,法務大臣への個別恩赦の申出等の権限を有し,地方更生保護委員会は,矯正施 設の長からの申出等に基づき,仮釈放・仮退院の許否を決定するなどの権限を有している。保護観察 所は,保護観察,生活環境の調整,更生緊急保護の実施,犯罪予防活動の促進等の業務を行っている。 1 犯罪者の処遇 第2節 仮釈放等と生活環境の調整 仮釈放等 仮釈放は, 「改悛の状」があり,改善更生が期待できる懲役又は禁錮の受刑者を刑期満了前に仮に 釈放し,仮釈放の期間(残刑期間)が満了するまで保護観察に付することにより,再犯を防止し,そ の改善更生と円滑な社会復帰を促進することを目的とするものであり,その審理は地方更生保護委員 会が行う。 仮釈放は,懲役又は禁錮の受刑者について,有期刑については刑期の3分の1,無期刑については 10 年の法定期間を経過した後,許すことができる。仮釈放を許すかどうかについては,①悔悟の情 及び改善更生の意欲があるかどうか,②再び犯罪をするおそれがないかどうか,③保護観察に付する ことが改善更生のために相当であるかどうかを順に判断し,それらの基準を満たした者について,④ 社会の感情が仮釈放を許すことを是認するかどうかを最終的に確認して判断される。 また,地方更生保護委員会は,保護処分の執行のため少年院に収容されている者について,処遇の 最高段階に達し,仮に退院させることが改善更生のために相当であると認めるとき,その他仮に退院 させることが改善更生のために特に必要であると認めるときは,仮退院を許す。 地方更生保護委員会において,被害者等から申出があったときは,仮釈放等審理において,その意 見等を聴取している(第6編第2章第1節5項参照)。 犯罪白書 2021 67

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(1)仮釈放審理等 仮釈放審理を開始した人員(平成 28 年以降は一部執行猶予者の人員を含む。)は,20 年から減少 傾向にあり,令和2年は1万 1,995 人(前年比 8.3%減)であった。このうち一部執行猶予者の人員 は 1,226 人(同 4.7%減)であった(CD-ROM 資料 2-7 参照)。 令和2年に,仮釈放が許可された人員と許可されなかった人員(仮釈放の申出が取り下げられた者 第5章 更生保護 を除く。 )の合計に占める後者の比率は,3.6%(前年比 0.1pt 上昇)であったところ,このうち一部 執行猶予者について見ると,0.3%であった(CD-ROM 資料 2-7 参照)。 少年院からの仮退院を許可された人員は,平成 15 年以降減少傾向にあり,令和2年は 1,712 人 (前年比 15.2%減)であった(CD-ROM 資料 2-7 参照)。 (2)仮釈放者の人員 出所受刑者(仮釈放,一部執行猶予の実刑部分の刑期終了,又は満期釈放により刑事施設を出所し 第2節 た者に限る。 )の人員及び仮釈放率の推移(昭和 24 年以降)は,2-5-2-1 図のとおりである。仮釈放 率は,平成 17 年から6年連続で低下していたが,23 年に上昇に転じて再び 50%を超え,令和2年 は 59.2%(前年比 0.8pt 上昇)であった。これを男女別に見ると,男性が 57.5%(同 0.5pt 上昇), 仮釈放等と生活環境の調整 女性が 74.0%(同 2.7pt 上昇)であった(CD-ROM 参照)。 2-5-2-1 図 出所受刑者人員・仮釈放率の推移 (昭和24年~令和2年) (千人) 50 令和2年出所受刑者人員 一部執行猶予者(実刑部分の刑期終了者) 288人 満期釈放者 7,440人 仮釈放者(一部執行猶予者) 1,201人 仮釈放者(全部実刑者) 9,994人 40 (%) 100 80 仮釈放率 59.2 30 60 満期 釈放者等 7,728 20 40 仮釈放者 11,195 10 20 0 昭和24 注 30 35 40 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 30 令和2 0 1 行刑統計年報及び矯正統計年報による。 2 「一部執行猶予者(実刑部分の刑期終了者) 」及び「仮釈放者(一部執行猶予者) 」は,刑の一部執行猶予制度が開始された平成 28 年 から計上している。 3 女性の満期釈放者等及び仮釈放者の人員の推移等については,CD-ROM 参照。 (3)刑の執行率 2-5-2-2 図は,定期刑受刑者の仮釈放許可人員について,刑の執行率(執行すべき刑期に対する出 所までの執行期間の比率)の区分別構成比の推移(平成2年・12 年・22 年・28 年~令和2年)を 見るとともに,同年の同人員の刑の執行率を刑期別に見たものである。 68 令和 3 年版 犯罪白書

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2-5-2-2 図 ① 定期刑の仮釈放許可人員の刑の執行率の区分別構成比の推移等 総数 (平成2年・12年・22年・28年~令和2年) 80 60 24.1 25.7 34.6 33.9 28.2 45.5 40 28.1 20 35.3 33.1 33.9 35.1 47.7 45.5 45.9 45.3 44.3 32.8 24.2 13.2 17.8 7.6 2.2 0 平成2 12 22 (14,932) (13,567) (14,739) ② 33.4 90%以上 90%未満 80%未満 70%未満 第2 編 (%) 100 刑期別 17.9 1.2 19.6 1.3 1.4 18.9 1.9 19.0 1.5 28 29 30 令和元 2 (13,350) (12,965) (12,249) (11,922) (11,194) (令和2年) 0.5 10年を超える 6.5 (184) 92.9 1.1 10 年 以 下 14.2 (2,642) 38.4 46.4 1.5 3 年 以 下 20.6 (3,503) 43.5 34.4 1.9 2 年 以 下 22.5 (3,972) 50.2 25.4 1.3 1 年 以 下 15.9 (893) 80%未満 70%未満 36.2 90%未満 90%以上 1 保護統計年報による。 2 定期刑の仮釈放許可人員のうち,一部執行猶予の実刑部分についての仮釈放許可人員は,刑の一部執行猶予制度が開始された平成 28 年から計上している。 3 一部執行猶予の場合,実刑部分の刑期に基づく。 4 ( )内は,実人員である。 犯罪者の処遇 注 46.6 (4)無期刑受刑者の仮釈放 2-5-2-3 表は,無期刑の仮釈放許可人員の推移(最近 10 年間)を刑の執行期間別に見たものであ る。 2-5-2-3 表 無期刑仮釈放許可人員の推移(刑の執行期間別) (平成 23 年~令和2年) 刑の執行期間 総 注 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 29 年 30 年 元年 2年 数 6 4 8 4 11 6 9 10 15 9 20 年 以 内 - - - - - - - - - - 25 年 以 内 - - - - - - - - - - 30 年 以 内 - - - 1 - - - - - - 35 年 以 内 5 4 8 2 11 5 7 10 9 3 35 年 を 超 え る 1 - - 1 - 1 2 - 6 6 1 2 法務省大臣官房司法法制部の資料による。 無期刑の仮釈放が取り消された後,再度仮釈放を許された者を除く。 犯罪白書 2021 69

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生活環境の調整 2 受刑者の帰住予定地を管轄する保護観察所では,刑事施設から受刑者の身上調査書の送付を受ける などした後,保護観察官又は保護司が引受人等と面接するなどして,帰住予定地の状況を確かめ,住 居,就労先等の生活環境を整えて改善更生に適した環境作りを働き掛ける生活環境の調整を実施して 第5章 更生保護 いる。この結果は,仮釈放審理における資料となるほか,受刑者の社会復帰の基礎となる。 刑の一部執行猶予制度の導入に伴う更生保護法の一部改正により,平成 28 年6月から,保護観察 所が行う生活環境の調整について,地方更生保護委員会が指導・助言・連絡調整を行うこと,受刑者 に対する調査を行うことが可能となり,調整機能の充実化が図られた。また,保護観察付一部執行猶 予者について,猶予期間に先立って仮釈放がない場合,実刑部分の執行から猶予期間中の保護観察へ 円滑に移行できるよう,地方更生保護委員会が,生活環境の調整の結果を踏まえて審理し(住居特定 審理) ,その者が居住すべき住居を釈放前に特定することができるようになった。令和2年に住居特 第2節 定審理を経て住居が特定された者は 217 人(前年比 24 人減)であった(保護統計年報による。)。 令和2年に生活環境の調整を開始した受刑者の人員は,3万 1,340 人(前年比 4.7%減)であり, このうち保護観察付一部執行猶予者の人員は 2,861 人であった(保護統計年報による。)。 仮釈放等と生活環境の調整 高齢者又は障害を有する者で,かつ,適当な帰住先がない受刑者等について,釈放後速やかに,必 要な介護,医療,年金等の福祉サービスを受けることができるようにするための取組として,特別調 整(本編第4章第3節5項参照)を実施している。具体的には,福祉サービス等を受ける必要がある と認められること,その者が支援を希望していることなどの特別調整の要件を全て満たす矯正施設の 被収容者を矯正施設及び保護観察所が選定し,各都道府県が設置する地域生活定着支援センター(厚 生労働省の地域生活定着促進事業により設置)に依頼して,適当な帰住先の確保を含め,出所後の福 祉サービス等について特別に調整を行っている。特別調整の終結人員(少年を含む。)の推移(統計 の存在する平成 23 年度以降)は,2-5-2-4 図のとおりである。特別調整の終結人員は,24 年度から 増加傾向にあり,令和2年度は 767 人であった(法務省保護局の資料による。)。 2-5-2-4 図 特別調整の終結人員の推移 (平成23年度~ 令和2年度) (人) 1,000 800 767 総数 600 高齢 400 注 70 1 2 3 4 5 令和 3 年版 211 精神障害 104 身体障害 25 法務省保護局の資料による。 本図は,統計の存在する平成 23 年度以降の数値で作成した。 終結人員は,少年を含む。 終結人員は,特別調整の希望の取下げ及び死亡によるものを含む。 内訳は重複計上による。 犯罪白書 311 知的障害 200 0 平成23 370 30 令和2

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第3節 保護観察 保護観察は,保護観察対象者の再犯・再非行を防ぎ,その改善更生を図ることを目的として,その 第2 編 者に通常の社会生活を営ませながら,保護観察官と,法務大臣から委嘱を受けた民間のボランティア である保護司が協働して実施する(事案に応じて,複数の保護観察官又は保護司が担当する場合もあ る。 ) 。保護観察官及び保護司は,面接等の方法により接触を保ち行状を把握することや,遵守事項及 び生活行動指針を守るよう必要な指示,措置を執るなどの指導監督を行い,また,自立した生活がで きるように住居の確保や就職の援助等の補導援護を行う。 保護観察対象者は,家庭裁判所の決定により保護観察に付されている者(保護観察処分少年),少 年院からの仮退院を許されて保護観察に付されている者(少年院仮退院者),仮釈放を許されて保護 観察に付されている者(仮釈放者) ,刑の執行を猶予されて保護観察に付されている者(保護観察付 全部執行猶予者及び保護観察付一部執行猶予者)及び婦人補導院からの仮退院を許されて保護観察に 付されている者(婦人補導院仮退院者)の5種類である。 保護観察対象者は,保護観察期間中,遵守事項を遵守しなければならず,これに違反した場合に は,仮釈放の取消し等のいわゆる不良措置が執られることがある。遵守事項には,全ての保護観察対 象者が守るべきものとして法律で規定されている一般遵守事項と,個々の保護観察対象者ごとに定め られる特別遵守事項とがあり,特別遵守事項は,主として次の五つの類型,すなわち,①犯罪又は非 行に結び付くおそれのある特定の行動をしないこと,②健全な生活態度を保持するために必要と認め られる特定の行動を実行又は継続すること,③指導監督を行うため事前に把握しておくことが特に重 要と認められる生活上又は身分上の特定の事項について,あらかじめ,保護観察官又は保護司に申告 すること,④特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を受けること(本節2項(2)ウ参照), ⑤社会貢献活動を一定の時間行うこと(本節2項(5)参照)の中から,保護観察対象者の改善更生 のために特に必要と認められる範囲内で具体的に定められる。また,保護観察対象者には,遵守事項 のほか,改善更生に資する生活又は行動の指針となる生活行動指針が定められることがあり,遵守事 項と共に,指導の基準とされる。 犯罪者の処遇 1 保護観察対象者の人員等 (1)保護観察開始人員の推移 2-5-3-1 図は,仮釈放者(全部実刑者及び一部執行猶予者)及び保護観察付全部・一部執行猶予者 の保護観察開始人員の推移(昭和 24 年以降)並びに全部執行猶予者の保護観察率の推移(32 年以降) を見たものである。なお,仮釈放者,保護観察付一部執行猶予者及び保護観察付全部執行猶予者の保 護観察開始人員は,事件単位の延べ人員である(特に断らない限り,以下この項において同じ。)。 令和2年の保護観察開始人員については,仮釈放者(全部実刑者)及び保護観察付全部執行猶予者 は前年より減少した(前年比 4.3%減,同 7.1%減)が,仮釈放者(一部執行猶予者)及び保護観察 付一部執行猶予者は前年より増加した(同 0.3%増,同 5.4%増)。全部執行猶予者の保護観察率は, 平成 20 年までの低下傾向が,21 年に上昇に転じた後,25 年以降 10.0%が続いていたが,28 年以降 低下し,令和2年は 7.0%と前年より 0.2pt 低下した(一部執行猶予者の保護観察率については CDROM 資料 2-8 参照)。 なお,令和2年には,婦人補導院からの仮退院を許されて保護観察に付された者はいなかった (CD-ROM 資料 2-8 参照)。 犯罪白書 2021 71

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2-5-3-1 図 保護観察開始人員・全部執行猶予者の保護観察率の推移 (昭和 24 年~令和2年) (千人) 50 (%) 25 第5章 更生保護 令和 2 年保護観察開始人員 仮釈放者(一部執行猶予者) 1,201 人 仮釈放者(全部実刑者) 9,994 人 保護観察付一部執行猶予者 1,496 人 保護観察付全部執行猶予者 2,088 人 40 20 30 15 全部執行猶予者 の保護観察率 7.0 20 第3節 10 保護観察 0 昭和24 10 5 30 35 40 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 30 令和2 仮釈放者 11,195 保護観察付 全部・一部 執行猶予者 0 3,584 注 1 法務統計年報,保護統計年報及び検察統計年報による。 2 「全部執行猶予者の保護観察率」については,検察統計年報に全部執行猶予者の保護観察の有無が掲載されるようになった昭和 32 年 以降の数値を示した。 3 「仮釈放者(一部執行猶予者)」及び「保護観察付一部執行猶予者」は,刑の一部執行猶予制度が開始された平成 28 年から計上して いる。 令和2年末の保護観察対象者の人員は,仮釈放者(全部実刑者)が 3,929 人(前年末比 4.8%減), 仮釈放者(一部執行猶予者)が 320 人(同 11.6%減),保護観察付全部執行猶予者が 7,411 人(同 7.0%減) ,保護観察付一部執行猶予者が 2,688 人(同 25.0%増)であった(保護統計年報による。)。 (2)保護観察対象者の特徴 ア 年齢 2-5-3-2 図は,仮釈放者(全部実刑者及び一部執行猶予者)及び保護観察付全部・一部執行猶予者 について,令和2年における保護観察開始人員の年齢層別構成比を見たものである。 2-5-3-2 図 ① (令和2年) 仮釈放者 仮 釈 放 者 (全 部 実 刑 者) (9,994) 仮 釈 放 者 (一部執行猶予者) (1,201) ② 保護観察開始人員の年齢層別構成比 20 ~ 29 歳 30 ~ 39 歳 40 ~ 49 歳 50 ~ 64 歳 65 歳以上 13.2 23.7 26.6 25.9 10.6 1.9 7.3 (2,088) 保護観察付 一部執行猶予者 (1,496) 72 39.7 24.6 保護観察付全部・一部執行猶予者 保護観察付 全部執行猶予者 注 26.4 20 ~ 29 歳 30 ~ 39 歳 40 ~ 49 歳 50 ~ 64 歳 65 歳以上 30.9 20.4 19.6 17.3 11.7 20 歳未満 0.1 7.4 2.5 27.5 1 法務省大臣官房司法法制部の資料による。 2 保護観察に付された日の年齢による。 3 ( )内は,実人員である。 令和 3 年版 犯罪白書 36.7 25.9

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イ 罪名 2-5-3-3 図は,仮釈放者(全部実刑者及び一部執行猶予者)及び保護観察付全部・一部執行猶予者 について,令和2年における保護観察開始人員の罪名別構成比を見たものである。 保護観察開始人員の罪名別構成比 (令和2年) ① 仮釈放者 ア 全部実刑者 イ 一部執行猶予者 傷 詐 窃 過失運転致死傷等 2.2 強 盗 3.6 道 路 交 通 法 3.7 傷 3.9 害 その他 14.8 害 欺 盗 0.7 0.7 2.5 総数 9,994 人 覚醒剤取締法 91.6 ② 保護観察付全部・一部執行猶予者 ア 全部執行猶予者 イ 一部執行猶予者 詐 欺 傷 害 強制わいせつ 窃 盗 その他 22.7 入 4.5 道 路 交 通 法 4.5 詐 欺 4.9 強 制 わ い せ つ 5.5 住 注 居 侵 総数 2,088 人 傷害 8.1 覚醒剤 取締法 11.4 窃盗 36.2 0.3 0.6 0.7 2.4 その他 4.4 総数 1,496 人 犯罪者の処遇 2.3 4.6 総数 1,201 人 覚醒剤取締法 22.9 火 その他 窃盗 36.0 詐欺 12.9 放 第2 編 2-5-3-3 図 覚醒剤取締法 91.5 保護統計年報による。 犯罪白書 2021 73

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ウ 保護観察期間 2-5-3-4 図は,仮釈放者(全部実刑者及び一部執行猶予者)及び保護観察付全部・一部執行猶予者 について,令和2年における保護観察開始人員の保護観察期間別構成比を見たものである。 2-5-3-4 図 保護観察開始人員の保護観察期間別構成比 第5章 更生保護 (令和2年) ① 仮釈放者 2年以内 2.2 1月以内 仮 釈 放 者 (全部実刑者) (9,994) 2月以内 3月以内 6月以内 1年以内 19.1 17.1 38.9 19.6 2.8 2年を超える 0.3 0.1 仮 釈 放 者 (一部執行猶予者) 4.8 23.1 (1,201) 第3節 ② 26.6 13.2 0.2 保護観察付全部・一部執行猶予者 保護観察 2年以内 保 護 観 察 付 全部執行猶予者 (2,088) 3年以内 4年以内 5年以内 38.6 36.0 23.9 1.5 1年以内 保 護 観 察 付 一部執行猶予者 (1,496) 注 32.1 0.1 88.6 10.2 1.0 1 保護統計年報による。 2 仮釈放者の「2年を超える」は,無期を含む。 3 ( )内は,実人員である。 エ 居住状況 2-5-3-5 図は,仮釈放者(全部実刑者及び一部執行猶予者)及び保護観察付全部・一部執行猶予者 について,令和2年における保護観察開始人員の居住状況別構成比を見たものである。 2-5-3-5 図 ① 保護観察開始人員の居住状況別構成比 (令和2年) 仮釈放者 父と同居 配偶者と同居 仮 釈 放 者 ( 全 部 実 刑 者 ) 10.7 (9,994) 仮 釈 放 者 (一部執行猶予者) (1,201) ② (2,088) 保 護 観 察 付 一部執行猶予者 (1,496) 74 3.7 14.2 19.5 4.9 1 2 3 4 5 令和 3 年版 配偶者と同居 18.1 両親と同居 10.2 17.9 保護統計年報による。 保護観察開始時の居住状況による。 「配偶者」は,内縁関係にある者を含む。 「その他」は,居住状況が不詳の者を含む。 ( )内は,実人員である。 犯罪白書 3.9 4.5 その他 3.4 8.2 雇主宅 2.3 17.0 6.9 22.6 その他の親族と同居 父と同居 14.8 単身居住 34.9 母と同居 両親と同居 12.1 7.3 保護観察付全部・一部執行猶予者 保 護 観 察 付 全部執行猶予者 注 15.3 更生保護施設 その他の親族と同居 13.7 母と同居 16.8 6.9 3.13.5 その他 雇主宅 1.3 3.9 26.7 更生保護施設 単身居住 5.9 16.1 3.1 10.5 10.9 10.7 14.5

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2 保護観察対象者に対する処遇 保護観察対象者の処遇は,原則として,保護観察官と保護司が協働して実施するほか,定期駐在制 第2 編 度(保護観察官が,市町村や公的機関,各更生保護施設等,あらかじめ定められた場所に,毎週又は 毎月等定期的に出張し,保護観察対象者やその家族等関係者との面接等を行うもの)を併せて実施し ている。 (1)段階別処遇の廃止とアセスメントに基づく保護観察の実施 段階別処遇は,保護観察対象者を,改善更生の進度や再犯可能性の程度及び補導援護の必要性等に 応じて4段階に区分し,各段階に応じて保護観察官の関与の程度や接触頻度等を異にする処遇を実施 する制度であったが,保護観察対象者に対して再犯防止のためのより効果的な指導・支援を行うため のアセスメントツールである CFP(Case Formulation in Probation/Parole)を活用したアセスメ ントに基づく保護観察が令和3年1月から実施されたことに伴い,発展的に解消された。 本アセスメントツールは,平成 30 年 10 月から,保護観察所において,保護観察対象者に対して再 犯防止のためのより効果的な指導・支援を行うために試行されていたものであり,家庭,家庭以外の 対人関係,就労就学,物質使用,余暇活動,経済状態,犯罪非行歴等,心理・精神状態の8要因ごと に犯罪や非行に結び付く要因又は改善更生を促進する事項を抽出し,それぞれの事項の相互作用,因 果関係等について分析して図示することなどにより,犯罪や非行に至る過程等を検討するものであ る。今般,再犯リスクの程度の評価や処遇方針の決定に資する情報を的確に把握し,保護観察対象者 に対する一層効果的な処遇を実施するため,アセスメント機能の強化を図るとともに,理論的・実証 的根拠を基盤とするアセスメントに基づく保護観察の実施を徹底することを目的として,全面実施さ れた。アセスメントに基づく保護観察の実施に当たっては,CFP を活用するなどして再犯又は再非 行のリスク等に関するアセスメントを行い,これを踏まえて保護観察対象者を5つの処遇区分のいず れかに編入する。アセスメントの結果,明らかになった介入の対象とすべき要因等について,処遇区 分に応じて保護観察官の関与の程度や接触頻度等を異にする処遇を実施している。 犯罪者の処遇 犯罪白書 2021 75

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(2)問題性に応じた処遇 ア 類型別処遇 類型別処遇は,保護観察対象者の問題性その他の特性を,その犯罪・非行の態様等によって類型化 して把握し,類型ごとに共通する問題性等に焦点を当てた処遇を実施するものである。令和2年末に おける仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者の類型の認定状況は,2-5-3-6 表のとおりであ 第5章 更生保護 る。なお,3年1月,保護観察の実効性を一層高めることを目的として,類型に新たに「ストー し カー」 , 「特殊詐欺」,「嗜癖的窃盗」及び「就学」を加え,「暴力団等」及び「薬物」について認定対 象を拡大するなどしたほか,全体の構造が体系化された。新たに加えられた類型の同年3月 31 日現 在の認定状況を見ると,ストーカー226 人(仮釈放者(全部実刑者)8人,仮釈放者(一部執行猶予 者)0人,保護観察付全部執行猶予者 216 人,保護観察付一部執行猶予者2人),特殊詐欺 504 人 (同 288 人,0人,216 人,0人) ,嗜癖的窃盗 421 人(同 117 人,1人,297 人,6人)及び就学 10 人(同2人,0人,8人,0人)であった(法務省保護局の資料による。なお,特殊詐欺類型に 第3節 ついては第8編第4章第2節参照)。 2-5-3-6 表 保護観察対象者の類型認定状況 保護観察 (令和2年 12 月 31 日現在) 類型 区分 仮 釈 放 者 ギャン シンナー 覚せい剤 暴力団 精 神 家庭内 問題飲酒 暴走族 性犯罪等 高 齢 無職等 ブル等 児 童 配偶者 等乱用 事 犯 関 係 障害等 暴 力 虐 待 暴 力 依 存 12 1,364 482 (0.3) (32.1) (11.3) 74 (1.7) 1 (0.0) 302 527 496 1,293 (7.1) (12.4) (11.7) (30.4) 43 16 (1.0) (0.4) 19 522 (0.4) (12.3) 保護観察付全部・ 一部執行猶予者 注 保護観察付全部 執行猶予者 (0.3) (13.1) (10.6) 保護観察付一部 執行猶予者 (0.6) (88.2) (13.6) 21 15 971 2,372 789 365 91 (1.2) 72 (2.7) 1 1,094 1,198 (0.0) (14.8) (16.2) - 57 469 (2.1) (17.4) 715 1,305 (9.6) (17.6) 64 317 105 118 398 (4.3) (1.4) (1.6) (5.4) 348 (2.4) (12.9) 11 (0.4) 2 (0.1) 7 (0.3) 45 (1.7) 1 保護統計年報及び法務省保護局の資料による。 2 複数の類型に認定されている者については,該当する全ての類型について計上している。 3 ( )内は,令和2年 12 月 31 日現在,保護観察中の仮釈放者,保護観察付全部執行猶予者又は保護観察付一部執行猶予者の各総数 (類型が認定されていない者を含む。)のうち,各類型に認定された者の占める比率である。 イ 特定暴力対象者等に対する処遇 仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者のうち,暴力的犯罪を繰り返してきた者で,シン ナー等乱用,覚せい剤事犯,問題飲酒,暴力団関係,精神障害等,家庭内暴力のいずれかの類型に認 定された者,及び極めて重大な暴力的犯罪をした者等を,処遇上特に注意を要する者として特定暴力 対象者と認定している(なお,令和3年1月から,類型が児童虐待,配偶者暴力,家庭内暴力,ス トーカー,暴力団等,精神障害,薬物,アルコールに変更された。)。特定暴力対象者として認定され た者については,保護観察官が積極的に対象者やその家族と面接するなどして,生活状況を的確に把 握することに努めるなど,処遇の充実強化が図られている。2年に特定暴力対象者として認定された 人員(受理人員)は,仮釈放者(全部実刑者)が 199 人,仮釈放者(一部執行猶予者)が3人,保 護観察付全部執行猶予者が 43 人,保護観察付一部執行猶予者が5人であった(法務省保護局の資料 による。 ) 。 このほか,保護観察所と警察との間において,ストーカー行為等に係る仮釈放者及び保護観察付全 部・一部執行猶予者について,保護観察実施上の特別遵守事項及びそれぞれが把握した当該対象者の 問題行動等の情報を共有し,再犯を防止するための連携強化を図っている。 76 令和 3 年版 犯罪白書

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ウ 専門的処遇プログラム ある種の犯罪的傾向を有する保護観察対象者に対しては,指導監督の一環として,その傾向を改善 するために,心理学等の専門的知識に基づき,認知行動療法(自己の思考(認知)のゆがみを認識さ 第2 編 せて行動パターンの変容を促す心理療法)を理論的基盤とし,体系化された手順による処遇を行う専 門的処遇プログラムが実施されている。 専門的処遇プログラムとしては,性犯罪者処遇プログラム,薬物再乱用防止プログラム,暴力防止 プログラム及び飲酒運転防止プログラムの4種があり,その処遇を受けることを特別遵守事項として 義務付けて実施している。 性犯罪者処遇プログラムは,自己の性的欲求を満たすことを目的とする犯罪に当たる行為を反復す る傾向を有する者に対し,性犯罪に結び付くおそれのある認知の偏り,自己統制力の不足等の自己の 問題性について理解させるとともに,再び性犯罪をしないようにするための具体的な方法を習得さ せ,前記傾向を改善するものであり,コア・プログラムを中核として,導入プログラム,指導強化プ ログラム及び家族プログラムを内容とする。このうちコア・プログラムを受けることを特別遵守事項 として義務付けている。 薬物再乱用防止プログラムは,依存性薬物(規制薬物等(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の 一部の執行猶予に関する法律2条1項に規定する規制薬物等),指定薬物(医薬品医療機器等法2条 15 項に規定する指定薬物)及び危険ドラッグ(その形状,包装,名称,販売方法,商品種別等に照 らして,過去に指定薬物が検出された物品と類似性があり,指定薬物と同等以上に精神毒性を有する 蓋然性が高い物である疑いのある物品)をいう。以下ウにおいて同じ。)の使用を反復する傾向を有 する者に対し,依存性薬物の悪影響と依存性を認識させ,依存性薬物を乱用するに至った自己の問題 性について理解させるとともに,再び依存性薬物を乱用しないようにするための具体的な方法を習得 させ,実践させるものであり,コアプログラム,コアプログラムの内容を定着・応用又は実践させる ためのステップアッププログラム及び簡易薬物検出検査を内容とする。なお,薬物使用等の罪を犯し た者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律の規定により保護観察に付された者については,原則 として,薬物再乱用防止プログラムを受けることを猶予期間中の保護観察における特別遵守事項とし て定めている。 犯罪者の処遇 暴力防止プログラムは,身体に対する有形力の行使により,他人の生命又は身体の安全を害する犯 罪に当たる行為を反復する傾向を有する者に対し,怒りや暴力につながりやすい考え方の変容や暴力 の防止に必要な知識の習得を促すとともに,同種の再犯をしないようにするための具体的な方法を習 得させ,前記傾向を改善するものである。なお,令和元年 10 月から,児童に対する虐待行為をした 者について,暴力防止プログラムの対象者には当たらない場合であっても,その問題性に適合し,か つ改善更生に資する処遇を行うことを目的として,同プログラム(児童虐待防止版)が試行されてい る。 飲酒運転防止プログラムは,飲酒運転を反復する傾向を有する者に対し,アルコールが心身及び自 動車等の運転に与える影響を認識させ,飲酒運転に結び付く自己の問題性について理解させるととも に,再び飲酒運転をしないようにするための具体的な方法を習得させ,前記傾向を改善するものであ る。 これらの専門的処遇プログラムは,特別遵守事項として義務付けて実施する以外に,必要に応じて 生活行動指針として定めるなどして実施することもある。専門的処遇プログラムによる処遇の開始人 員の推移(最近 10 年間)は,2-5-3-7 図のとおりである。 犯罪白書 2021 77

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2-5-3-7 図 ① 専門的処遇プログラムによる処遇の開始人員の推移 性犯罪者処遇プログラム ② (人) 700 第5章 更生保護 1,797 1,705 1,800 1,600 16 1,400 510 500 1,155 494 1,200 400 281 300 200 1,000 25 800 256 600 第3節 0 平成 23 25 30 1,407 642 400 100 200 0 平成 23 令和 2 暴力防止プログラム ④ 保護観察 (人) 200 298 25 30 令和 2 飲酒運転防止プログラム (人) 300 153 150 6 147 107 100 4 250 200 173 150 3 170 100 50 103 0 平成 23 25 30 令和 2 仮釈放者(一部執行猶予者) 仮釈放者(全部実刑者) 注 (平成 23 年~令和2年) (人) 2,000 600 ③ 薬物再乱用防止プログラム 54 50 0 平成 23 3 51 25 30 令和 2 保護観察付一部執行猶予者 保護観察付全部執行猶予者 1 法務省保護局の資料による。 2 「薬物再乱用防止プログラム」については,平成 23 年から 28 年5月までは,「覚せい剤事犯者処遇プログラム」による処遇の開始人 員を計上している。 3 「暴力防止プログラム」及び「飲酒運転防止プログラム」については,プログラムによる処遇を特別遵守事項によらずに受けた者を 含む。 4 「仮釈放者(一部執行猶予者)」及び「保護観察付一部執行猶予者」は,刑の一部執行猶予制度が開始された平成 28 年から計上して いる。 5 仮釈放期間満了後,一部執行猶予期間を開始した保護観察付一部執行猶予者については,「仮釈放者(一部執行猶予者) 」及び「保護 観察付一部執行猶予者」の両方に計上している。 エ しょく罪指導プログラム 自己の犯罪により被害者を死亡させ,又は重大な傷害を負わせた保護観察対象者には,しょく罪指 導プログラムによる処遇を行うとともに,被害者等の意向にも配慮して,誠実に慰謝等の措置に努め るように指導している。令和2年にしょく罪指導プログラムの実施が終了した人員は,390 人であっ た(法務省保護局の資料による。)。 なお,平成 25 年4月から,法テラス(本編第1章2項及び第6編第2章第1節7項参照)と連携 し,一定の条件に該当する保護観察対象者が被害弁償等を行うに当たっての法的支援に関する手続が 実施されている(令和2年度までの処理件数は 27 件であった(法テラスの資料による。)。)。 78 令和 3 年版 犯罪白書

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(3)中間処遇制度 無期刑又は長期刑の仮釈放者は,段階的に社会復帰させることが適当な場合があるため,本人の意 向も踏まえ,必要に応じ,仮釈放後1か月間,更生保護施設で生活させて指導員による生活指導等を 第2 編 受けさせる中間処遇を行っており,令和2年は 64 人に対して実施した(法務省保護局の資料によ る。 ) 。 (4)就労支援 出所受刑者等の社会復帰には,就労による生活基盤の安定が重要な意味を持つため,従来から保護 観察の処遇において就労指導に重きを置いているが,法務省は,厚生労働省と連携し,出所受刑者等 の就労の確保に向けて,刑務所出所者等総合的就労支援対策を実施している(本章第6節4項(3) 参照) 。また,令和2年度は,保護観察所 22 庁が更生保護就労支援事業を実施しており,このうち3 庁での事業は更生保護被災地域就労支援対策強化事業と位置付けられている(法務省保護局の資料に よる。 ) 。 なお,令和2年度に刑務所出所者等総合的就労支援対策を実施した保護観察所において,就職活動 支援が終了した者は延べ 2,891 人であり,そのうち延べ 2,038 人(70.5%)が就職に至っている(法 務省保護局の資料による。)。 (5)社会貢献活動 かん 保護観察対象者による社会貢献活動は,自己有用感の涵養,規範意識や社会性の向上を図るため, 公共の場所での清掃活動や,福祉施設での介護補助活動といった地域社会の利益の増進に寄与する社 会的活動を継続的に行うことを内容とするものである。活動の実施においては,他者とコミュニケー ションを図ることによって処遇効果が上がることを期待し,更生保護女性会員や BBS 会員等の協力 者を得て行われることが多い。令和元年に実施要領が改訂され,実施回数や対象者の選定がより柔軟 に行われるようになった。 令和3年3月 31 日現在,活動場所として 2,059 か所(うち,福祉施設 1,029 か所,公共の場所 800 か所)が登録されており,2年度は,379 回(前年比 663 回減)実施され,延べ 665 人(同 犯罪者の処遇 1,113 人減)が参加した。その内訳は,保護観察処分少年 353 人,少年院仮退院者 43 人,仮釈放者 94 人,保護観察付全部・一部執行猶予者 175 人であった(法務省保護局の資料による。)。なお,実 施回数及び参加人員の減少は,新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から期日の延期等,活動 計画が変更された影響が考えられる。 (6)自立更生促進センター 親族等や民間の更生保護施設では円滑な社会復帰のために必要な環境を整えることができない仮釈 放者,少年院仮退院者等を対象とし,保護観察所に併設した宿泊施設に宿泊させながら,保護観察官 による濃密な指導監督や充実した就労支援を行うことで,対象者の再犯防止と自立を図ることを目的 に設立された国立の施設を自立更生促進センターといい ,全国に四つの施設がある。北九州自立更 生促進センター(平成 21 年6月開所,定員男性 14 人)及び福島自立更生促進センター(22 年8月 開所,定員男性 20 人)は,仮釈放者等を対象とし,犯罪傾向等の問題性に応じた重点的・専門的な 処遇を行っている。自立更生促進センターのうち,主として農業の職業訓練を実施する施設を就業支 援センターといい,少年院仮退院者等を対象とする北海道の沼田町就業支援センター(19 年 10 月開 所,定員男性 12 人) ,仮釈放者等を対象とする茨城就業支援センター(21 年9月開所,定員男性 12 人)が,それぞれ運営されている。各施設における開所の日から令和3年3月 31 日までの入所人員 は,北九州自立更生促進センターが 325 人,福島自立更生促進センターが 142 人,沼田町就業支援 センターが 78 人,茨城就業支援センターが 177 人である(法務省保護局の資料による。)。 犯罪白書 2021 79

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(7)その他 ア 薬物事犯者に対する処遇 薬物事犯者の保護観察対象者に対し,薬物依存に関する専門的な知見に基づき,薬物依存に関する 専門的な処遇を集中して行うことにより,効果的な保護観察を実施するため,令和3年4月1日現 在,28 庁の保護観察所において薬物処遇ユニットが設置されている(法務省保護局の資料による。)。 第5章 更生保護 なお,同ユニットが設置されていない保護観察所においても,同ユニットに準じて,薬物事犯者に係 る処遇体制が整備されている。 (ア) 自発的意思に基づく簡易薬物検出検査 依存性薬物の所持・使用により保護観察に付された者であって,薬物再乱用防止プログラム(本項 (2)ウ参照)に基づく指導が義務付けられず,又はその指導を受け終わった者等に対し,必要に応 じて,断薬意志の維持等を図るために,その者の自発的意思に基づいて簡易薬物検出検査を実施する 第3節 ことがある。令和2年における実施件数は 5,475 件であった(法務省保護局の資料による。) 。 (イ) 他機関等との連携による地域での薬物事犯者処遇 保護観察 保護観察所は,依存性薬物に対する依存がある保護観察対象者等について,民間の薬物依存症リハ ビリテーション施設等に委託し,依存性薬物の使用経験のある者のグループミーティングにおいて, 当該依存に至った自己の問題性について理解を深めるとともに,依存性薬物に対する依存の影響を受 けた生活習慣等を改善する方法を習得することを内容とする,薬物依存回復訓練を実施している。令 和2年度に同訓練を委託した施設数は 40 施設であり(前年比 18 施設減),委託した実人員は,504 人(同 83 人減)であった(法務省保護局の資料による。)。 また,保護観察所は,規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者の改善更生を図るための指導 監督(本節参照)の方法として,医療・援助を受けることの指示等(通院等指示)を行っているとこ ろ,一定の要件を満たした者について,コアプログラムの開始を延期若しくは一部免除し,又はス テップアッププログラムの開始を延期若しくは一時的に実施しないことができる。令和2年におい て,コアプログラムの開始を延期した件数は 95 件,ステップアッププログラムを一時的に実施しな いこととした件数は 120 件であった(法務省保護局の資料による。)。 さらに,薬物犯罪の保護観察対象者が,保護観察終了後も薬物依存からの回復のための必要な支援 を受けられるよう,保護観察の終了までに,精神保健福祉センター等が行う薬物依存からの回復プロ グラムや薬物依存症リハビリテーション施設等におけるグループミーティング等の支援につなげるな どしている。令和2年度において,保健医療機関等による治療・支援を受けた者は 613 人であった (法務省保護局の資料による。)。 イ 窃盗事犯者に対する処遇 し 窃盗事犯者は,保護観察対象者の多くを占め,再犯率が高いことから,嗜癖的な窃盗事犯者に対し ては,その問題性に応じ,令和2年3月から,「窃盗事犯者指導ワークブック」や自立更生促進セン ターが作成した処遇プログラムを活用して保護観察を実施している(女性の保護観察対象者のうち, 窃盗事犯者に対する処遇については,第4編第7章第2節3項参照)。 80 令和 3 年版 犯罪白書

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3 保護観察対象者に対する措置等 (1)良好措置 第2 編 保護観察対象者が健全な生活態度を保持し,善良な社会の一員として自立し,改善更生することが できると認められる場合に執られる措置として,不定期刑の仮釈放者について刑の執行を受け終わっ たものとする不定期刑終了及び保護観察付全部・一部執行猶予者について保護観察を仮に解除する仮 解除がある(少年の保護観察対象者に対する良好措置については,第3編第2章第5節4項(1)参 照) 。令和2年に,不定期刑終了が決定した仮釈放者はなく,仮解除が決定した保護観察付全部執行 猶予者は 61 人,保護観察付一部執行猶予者は 15 人であった(保護統計年報による。)。 (2)不良措置 保護観察対象者に遵守事項違反又は再犯等があった場合に執られる措置として,仮釈放者に対する 仮釈放の取消し,保護観察付全部・一部執行猶予者に対する刑の執行猶予の言渡しの取消し及び婦人 補導院仮退院者に対する婦人補導院に再収容する仮退院の取消しがある(少年の保護観察対象者に対 する不良措置については,第3編第2章第5節4項(2)参照)。 保護観察対象者が出頭の命令に応じない場合等には,保護観察所の長は,裁判官が発する引致状に より引致することができ,さらに,引致された者のうち,仮釈放者及び少年院仮退院者については地 方更生保護委員会が,保護観察付全部・一部執行猶予者については保護観察所の長が,それぞれ一定 の期間留置することもできる。令和2年中に引致された者(保護観察処分少年及び少年院仮退院者を 含む。 )は 220 人で,そのうち留置された者は 206 人であった(保護統計年報による。)。 なお,所在不明になった仮釈放者については,刑期の進行を止める保護観察の停止をすることがで きるところ,令和2年にこの措置が決定した仮釈放者は 202 人であった(保護統計年報による。)。 また,所在不明となった仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者の所在を迅速に発見するため に,保護観察所の長は,警察からその所在に関する情報の提供を受けているが,平成 17 年 12 月から の試行期間を含め令和3年3月 31 日までの間に,この情報提供により 3,406 人(仮釈放者 2,064 人, 保護観察付全部執行猶予者 1,322 人,保護観察付一部執行猶予者 20 人),当該情報提供によらない保 犯罪者の処遇 護観察所の調査により 1,854 人(同 748 人,1,094 人,12 人)の所在が,それぞれ判明した(法務 省保護局の資料による。)。 4 保護観察の終了 2-5-3-8 図は,仮釈放者(全部実刑者及び一部執行猶予者)及び保護観察付全部・一部執行猶予者 について,令和2年における保護観察終了人員の終了事由別構成比を見たものである。仮釈放者のう ち,一部執行猶予者 1,243 人については,1,205 人が仮釈放の期間を満了し,うち 1,204 人が引き続 き保護観察付一部執行猶予者として保護観察を開始し,38 人が仮釈放の取消しで終了した。一方, 保護観察付一部執行猶予者で執行猶予の期間を満了して保護観察を終了した者は 623 人で,刑の執 行猶予の言渡しの取消しで終了した者は 321 人であった(CD-ROM 参照)。なお,刑の一部執行猶 予制度の開始から経過した期間が短いため,執行猶予の期間満了に至っていない者がいることに留意 する必要がある。 取消しで保護観察が終了した者の割合について見ると,仮釈放者(仮釈放の取消し)よりも保護観 察付全部執行猶予者(刑の執行猶予の言渡しの取消し)の方が著しく高い。しかしながら,仮釈放者 では,保護観察期間が6月以内である者が4分の3以上を占めている一方,保護観察付全部執行猶予 者では,2年を超えて長期間にわたる者がほとんどである(2-5-3-4 図 CD-ROM 参照)という保護 観察期間の違いに留意する必要がある。 犯罪白書 2021 81

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2-5-3-8 図 保護観察終了人員の終了事由別構成比 (令和2年) ① 仮釈放者 第5章 更生保護 仮 釈 放 者 (全部実刑者) 95.2 (10,194) 96.9 (1,243) 3.1 保護観察付全部・一部執行猶予者 保 護 観 察 付 全部執行猶予者 期間満了 刑の執行猶予の取消し 74.6 22.2 第3節 (2,644) その他 3.2 保護観察 保 護 観 察 付 一部執行猶予者 64.9 (960) 注 4.5 その他 0.3 仮 釈 放 者 ( 一部執行猶予者) ② 仮釈放の取消し 期間満了 33.4 1.7 1 保護統計年報による。 2 仮釈放者の「その他」は,不定期刑終了,保護観察停止中時効完成及び死亡等であり,保護観察付全部執行猶予者及び保護観察付一 部執行猶予者の「その他」は,死亡等である。 3 ( )内は,実人員である。 コラム2 新型コロナウイルス感染症の感染拡大下での更生保護 更生保護は,犯罪や非行をした人を社会の中で適切に処遇し,その再犯を防ぎ,自立更生 を助けることで安全・安心な社会を築くことを目的としている。このコラムでは,新型コロ ナウイルス感染症が感染拡大していった中で,更生保護がどのように実施されてきたのか, 実際の取組例を通して紹介する。 保護観察は,保護観察官や保護司が保護観察対象者との面接等を行い,生活状況等を把握 し,指導監督や補導援護を実施する社会内処遇であるが,新型コロナウイルス感染症の感染 拡大下という状況において,保護観察対象者との接触を通じて同感染症の感染拡大につなが るリスクが懸念される中で,感染症対策を図りながら,保護観察対象者の改善更生や再犯防 止のために適正に業務を継続していくことが課題となった。大阪保護観察所では,令和2年 4月に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言(以下「緊急事態宣言」という。)が発令され たことに伴い,感染症対策として,保護観察官が行う個別の面接については延期や代替手段 も検討し,保護司については電話等の代替手段による面接を行うこととした。また,同保護 観察所では,集団処遇により実施してきた薬物再乱用防止プログラムや性犯罪者処遇プログ ラムの専門的処遇プログラム(同保護観察所堺支部については,一部のプログラムのみで集 団処遇を実施)を延期することとした。それでも,保護観察開始後の最初の面接のほか,遵 守事項違反のおそれがあると認められるときなど,保護観察所として介入する必要性・緊急 性が高いとみられる場合等には,十分な感染症対策をとった上で保護観察官が対面での面接 を行ったり,専門的処遇プログラムについても個別処遇に替えて実施したりするなど,再 犯・再非行を防止するための措置を講じてきた。保護司も,生活状況等に不安定な様子が見 られた保護観察対象者に対しては,連日のように電話で連絡を取りながら必要な指導や助言 を行ったケースもあり,対面で面接できない点を補うよう工夫をしながら処遇したという。 82 令和 3 年版 犯罪白書

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令和2年5月に前記緊急事態宣言が解除されてからは,保護観察官による対面での面接や 専門的処遇プログラムにおける集団処遇を徐々に再開するとともに,保護司による対面での 第2 編 面接についても再開していった。その一方で,緊急事態宣言が再び発令されるなど,感染症 対策の必要性がより高まったと考えられる時期には,専門的処遇プログラムを個別処遇によ り実施したり,保護司の面接を電話等で実施したりするなど,状況に応じた柔軟な対応を とっている。大阪保護観察所は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が長期化する ことが予想されたことから,庁として業務全般に関する感染症対策に係る方針を策定し,同 方針に基づいて業務の遂行に当たっている。保護司に対しても,感染症対策を踏まえた保護 観察処遇の方法等について文書による確実な情報共有を図っており,面接前にはチェック シートにより保護観察対象者に体調等を確認してもらうようにしているほか,保護司自身や その家族に体調等への不安があり,一定期間面接が困難である場合には,保護観察官が保護 司と協議した上で,保護観察官による面接を実施するなどし,保護司との協働による保護観 察処遇が適切に行われるよう対策を講じている。同保護観察所によると,同方針を策定以降, 常に感染症対策を念頭に置いた処遇を行ってきたが,今後も,同感染症の感染拡大という状 況に対応しながら,安全・安心な社会を実現するために,保護観察処遇を適切に実施してい くことが何よりも重要であると考えているという。 津市にある更生保護施設三重県保護会は,住居や頼るべき人がないなどの理由で直ちに自 立することが難しい保護観察又は更生緊急保護の対象者を受け入れ,宿泊や食事の供与,就 労や退所先の確保の支援等を行う更生保護施設である。定員は男性 20 人で,県外の刑事施設 からの仮釈放者も多く受け入れている。令和2年4月に緊急事態宣言が発令された当初は, 県外から帰住する者を受け入れることが新型コロナウイルス感染症の感染拡大につながって しまうのではという不安も生じたというが,事前に入所予定者が在所している刑事施設と連 絡をとり,入所予定者に注意事項を伝えてもらったり,入所後一定期間は毎日の検温を実施 したりするなどの感染症対策をとることで受入れを中止することはなかった。 三重県保護会は,津保護観察所の助言等も受けながら,様々な感染症対策を講じており, 犯罪者の処遇 入所者に対しても,施設内や外出時に感染症対策を励行することを,入所時に加え,集会等 の機会も利用して定期的に注意喚起を図っている。更生保護施設では,入所者一人一人が円 滑に自立できるよう,日頃から生活状況を見守りながら,社会復帰に向けた助言や指導を 行っており,三重県保護会でも,職員が感染症対策を徹底しながら,施設に常駐し,業務に 当たっている。万が一職員が新型コロナウイルス感染症にり患し,その他の職員も自宅待機 を余儀なくされるなど,施設の運営に支障が生じる場合等を想定し,津保護観察所の職員が 代替で職務に当たれるような対応策を講じており,同保護観察所とは,日頃から具体的な業 務の内容や進め方等を共有し,連携体制を構築している。このように,可能な限りの対策を 講じながら,更生保護施設としての使命を果たすべく取り組んでいる。三重県保護会による と,入所者は従来と変わりなく,落ち着いて生活を送ることができており,これからも,同 感染症の感染拡大という状況に対応しながら,県内唯一の更生保護施設として,一人でも多 くの者の自立更生を支えられるよう,地道に取り組みたいと考えているという。 更生保護においては,保護観察対象者の処遇だけでなく,犯罪や非行を防止するとともに, 犯罪や非行をした人の立ち直りに理解を求めるための犯罪予防活動が各地域で取り組まれて いる。新型コロナウイルス感染症の感染拡大という状況においても,毎年7月を強調月間とし て行われる「社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~」 (本章第6節6項参照)では,同活動の一環として非接触型の広報が各地で展開された。また, 犯罪白書 2021 83

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更生保護の民間ボランティア団体である更生保護女性会(同節4項(1)参照)や BBS 会(同 項(2)参照)の活動においても,新たな取組が模索され,実施されている。 札幌更生保護女性連盟では,様々な活動が中止や延期を余儀なくされる中,札幌刑務所か ら「出所者に渡すマスクの調達に苦慮しているので,マスクを作ってもらえないか。」との要 第5章 更生保護 請を受けたことから,マスクの材料が品薄な中,会員がガーゼ等を調達し,数日間で 450 枚 ものマスクを作り,寄贈する取組を行った。刑務所や出所者からは大変感謝され,その後も 手作りマスクを更生保護施設にも配布するなど,最終的に 1,200 枚ものマスクを寄贈し,同 感染症の感染拡大下においても更生保護女性会としての活動に取り組んだ。 また,兵庫県の西宮地区 BBS 会では,令和2年4月からオンラインを取り入れた活動を始 め,同会の毎月の定例会もオンラインで開催した結果,これまでは参加が難しかった保護司 の参加も得ることができ,これまで以上に顔の見える関係を築くきっかけになった。定例会 第4節 のオンライン化により保護司とのコミュニケーションの機会が増えたことで,保護司の側か ら保護観察対象者の学習支援の提案があり,その後,週1回会員が学習支援を行う「ともだ ち活動」につながったこともあった。また,他地区の BBS 会とのオンラインでの研修会の実 応急の救護・更生緊急保護の措置等 施のほか,これまでは実施が困難となっていたグループワークをオンラインで行うことを試 みた。グループワークに参加した少年もレクリエーションが「楽しかった。」と感想を述べる など,会員にとって自信を深める活動となったといい,新たな日常に対応した活動を模索す ることで,BBS 会としての活動に広がりを見いだしている。 更生保護は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大下という困難な状況においても,安 全・安心な地域社会を構築していくために欠かすことができない重要な取組である。保護観 察所や,保護司,更生保護施設等の民間ボランティアや団体は,それぞれの使命を果たそう と,感染症対策を十分に講じ,創意工夫しながら取り組み続けている。 テーブルの席を半減させ,パーティションを設置するなどした更生保護施設三重県保護会の食堂の様子 【写真提供:津保護観察所】 第4節 応急の救護・更生緊急保護の措置等 保護観察所では,保護観察対象者が,適切な医療,食事,住居その他の健全な社会生活を営むため に必要な手段を得ることができないため,その改善更生が妨げられるおそれがある場合は,医療機 関,福祉機関等から必要な援助を得るように助言・調整を行っているが,その援助が直ちに得られな いなどの場合,保護観察対象者に対して,食事,衣料,旅費等を給与若しくは貸与し,又は宿泊場所 等の供与を更生保護施設に委託するなどの緊急の措置(応急の救護)を講じている。 また,満期釈放者,保護観察に付されない全部又は一部執行猶予者,起訴猶予者,罰金又は科料の 84 令和 3 年版 犯罪白書

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言渡しを受けた者,労役場出場者,少年院退院者・仮退院期間満了者等に対しても,その者の申出に 基づいて,応急の救護と同様の措置である更生緊急保護の措置を講じている。更生緊急保護は,刑事 上の手続等による身体の拘束を解かれた後6月を超えない範囲内(特に必要があると認められるとき 第2 編 は,更に6月を超えない範囲内)において行うことができる。 2-5-4-1 表は,令和2年における応急の救護等(補導援護としての措置を含む。以下この章におい て同じ。 )及び更生緊急保護の措置の実施状況を見たものである。 2-5-4-1 表 ① 応急の救護等・更生緊急保護の措置の実施状況 (令和2年) 応急の救護等 保護観察所において直接行う保護 主 対象者の種類 総 仮 釈 全 ② 部 放 実 総 数 宿 な 措 置 別 人 員 一時保護 事業を営 泊 食事給与 衣料給与 医療援助 旅費給与 む者への あっせん 更生保護施設等 へ 宿 泊 を 伴 う 保 護 の 委 託 数 4,883 24 204 550 2 77 656 6,227 (564) 者 4,221 18 119 484 2 31 321 5,146 (240) 刑 3,955 18 115 455 1 29 297 4,774 (195) 一部執行猶予 266 - 4 29 1 2 24 372 (45) 保護観察付全部・ 一部執行猶予者 425 - 54 35 - 28 212 732 (202) 一部執行猶予 170 - 20 13 - 10 72 414 (94) 全部執行猶予 255 - 34 22 - 18 140 318 (108) 保護観察処分少年 92 1 10 3 - 9 56 107 (51) 少年院仮退院者 145 5 21 28 - 9 67 242 (71) 更生緊急保護 保護観察所において直接行う保護 総 注 総 数 宿 な 措 置 別 人 員 一時保護 事業を営 泊 食事給与 衣料給与 医療援助 旅費給与 む者への あっせん 更生保護施設等 へ 宿 泊 を 伴 う 保 護 の 委 託 数 5,577 11 239 661 5 333 1,847 全部実刑の刑の 執 行 終 了 3,637 11 108 228 2 159 621 2,795 (605) 全 部 執 行 猶 予 687 - 51 151 2 62 432 669 (221) 一 部 執 行 猶 予 10 - - - - - - - 4,595 (1,204) 起 訴 猶 予 781 - 58 193 - 76 513 734 (238) 罰 金・科 料 347 - 19 67 1 32 240 282 (96) 労役場出場・仮出場 102 - 3 22 - 4 39 85 (33) 少 年 院 退 院・ 仮退院期間満了 13 - - - - - 2 30 (11) 1 2 3 4 5 6 犯罪者の処遇 主 対象者の種類 保護統計年報による。 「主な措置別人員」は,1人について2以上の保護の措置を実施した場合は,実施した保護の措置別にそれぞれ計上している。 「更生保護施設等へ宿泊を伴う保護の委託」は,前年から委託中の人員を含む。 ( )内は,自立準備ホーム等の更生保護施設以外への委託であり,内数である。 「応急の救護等」は,補導援護としての措置を含む。 婦人補導院仮退院,刑の執行停止,刑の執行免除及び補導処分終了による対象者は,令和2年はいなかった。 犯罪白書 2021 85

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起訴猶予者については,その再犯防止に資するため,平成 27 年度から,全国の保護観察所におい て,検察庁と連携の上,特に支援の必要性が高い者に対し,継続的かつ重点的に生活指導等を行った 上で福祉サービスの調整や就労支援等を行う「起訴猶予者に係る更生緊急保護の重点実施等の試行」 が実施されてきた。30 年度からは,高齢又は障害のある更生緊急保護対象者等に対する支援等に特 化した業務を行う特別支援ユニットが設置された保護観察所において,高齢又は障害により福祉サー 第5章 更生保護 ビス等を必要とする保護観察に付されない全部執行猶予者,起訴猶予者,罰金又は科料の言渡しを受 けた者等を対象として,本人の希望に基づき,検察庁(起訴猶予者及び略式命令により罰金又は科料 の言渡しを受けた者に限る。 )や地方公共団体等と連携しながら,更生緊急保護の措置として福祉的 な支援を実施する「保護観察所が行う入口支援」が開始された。令和2年度に実施された入口支援の 対象者の人員は 44 人であり,このうち 41 人については,検察庁との事前協議が行われている。入口 支援の内容は,更生保護施設又は自立準備ホームへの入所支援 35 人,生活保護申請支援 17 人,帰住 援助4人,医療支援9人,障害者福祉に係るサービスの利用支援4人等であった(法務省保護局の資 第5節 料による。 ) 。 令和3年度からは,各都道府県が設置する地域生活定着支援センター(厚生労働省の地域生活定着 促進事業により設置。本章第2節2項参照)により,高齢又は障害のある被疑者・被告人の福祉サー 恩赦 ビス等の利用調整や釈放後の継続的な援助等を行う「被疑者等支援業務」が実施されることとなった ことを踏まえ,更生緊急保護の重点実施等の枠組みについて見直しを行い,全国の保護観察所におい て,更生緊急保護の措置として社会復帰支援をすることが適当である保護観察に付されない全部執行 猶予者,起訴猶予者,罰金又は科料の言渡しを受けた者等を対象として,検察庁等と連携した「起訴 猶予者等に係る更生緊急保護の重点実施等」を行い,その枠組みにおいて,高齢又は障害により福祉 サービス等を必要とする者については,本人が支援を希望する場合に,地域生活定着支援センターと 連携した支援を実施している。 また,満期釈放者等については,令和元年 12 月に決定された「再犯防止推進計画加速化プラン~ 満期釈放者対策を始めとした “ 息の長い ” 支援の充実に向けて~」(第5編第1章第3項参照)におい て, 「令和4年までに,満期釈放者の2年以内再入者数を2割以上減少させる」という成果目標が掲 げられたことを踏まえ,満期釈放者対策の充実強化に向けて,更生保護施設等による受入れ促進,更 生保護施設による退所者へのフォローアップ事業(本章第6節2項参照)等の取組を進めている。こ うした満期釈放者対策を一層推進するため,3年度から,特別支援ユニットを廃止して,保護観察所 15 庁に社会復帰対策官を配置し,これらの庁では新設した社会復帰対策班の下,関係機関等と連携 するなどして,帰住先の確保や地域への定住等に困難が見込まれる矯正施設被収容者に対して,生活 環境の調整から出所後の保護観察や更生緊急保護の措置の実施まで一貫して関与し,効果的な社会復 帰支援を行っている(法務省保護局の資料による。)。同班が設置されていない庁においても,帰住先 の確保等の調整が特に必要であると認められる者に対する継続的な支援を行う処遇体制を構築してい る。 第5節 恩赦 恩赦は,憲法及び恩赦法(昭和 22 年法律第 20 号)の定めに基づき,内閣の決定によって,刑罰権 を消滅させ,又は裁判の内容・効力を変更若しくは消滅させる制度であり,大赦,特赦,減刑,刑の 執行の免除及び復権の5種類がある。恩赦を行う方法については,恩赦法において,政令で一定の要 件を定めて一律に行われる政令恩赦と,特定の者について個別に恩赦を相当とするか否かを審査する 個別恩赦の2種類が定められている。また,個別恩赦には,常時行われる常時恩赦と,内閣の定める 基準により一定の期間を限って行われる特別基準恩赦とがある。個別恩赦の審査は,中央更生保護審 査会が行っている。 86 令和 3 年版 犯罪白書

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常時恩赦について,令和2年に復権となった者は7人であり,特赦,減刑又は刑の執行の免除と なった者はいなかった(保護統計年報による。)。 内閣は,令和元年 10 月 22 日に即位の礼が行われるに当たり,同月 18 日の閣議において,政令に 第2 編 よる復権のほか,刑の執行の免除及び復権を内容とする特別基準恩赦を行うことを決定した。復権令 (令和元年政令第 131 号)は同月 22 日に公布・施行され,特別基準恩赦は同日から実施された。今 回の特別基準恩赦により,復権となった者は 20 人,刑の執行の免除となった者は8人であった(法 務省保護局の資料による。)。 第6節 保護司,更生保護施設,民間協力者等と犯罪予防活動 保護司 1 保護司は,犯罪をした者や非行のある少年の立ち直りを地域で支えるボランティアであり,保護司 法(昭和 25 年法律第 204 号)に基づき,法務大臣の委嘱を受け,民間人としての柔軟性と地域性を 生かし,保護観察官と協働して保護観察や生活環境の調整を行うほか,地方公共団体と連携して犯罪 予防活動等を行っている。その身分は,非常勤の国家公務員である。 令和3年4月1日現在,保護司は,全国を 886 の区域に分けて定められた保護区に配属されてい る。保護司の人員,女性の比率及び平均年齢の推移(最近 20 年間)を見ると,2-5-6-1 図のとおり である。保護司の定数は,保護司法により5万 2,500 人を超えないものと定められているところ,そ の人員は減少傾向が続いている(CD-ROM 参照)。 2-5-6-1 図 保護司の人員・女性比・平均年齢の推移 (平成 14 年~令和3年) (歳) 66 65 65.0 64 犯罪者の処遇 平均年齢 63 62 61 (人) 50,000 (%) 30 47,500 25 女性比 45,000 46,358 人員 42,500 0 平成 14 注 1 2 20 26.6 25 20 30 令和 3 0 法務省保護局の資料による。 各年1月1日現在の数値である。 犯罪白書 2021 87

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2-5-6-2 図は,令和3年1月1日現在における保護司の年齢層別・職業別構成比を見たものである。 2-5-6-2 図 ① 保護司の年齢層別・職業別構成比 (令和3年1月1日現在) 年齢層別 第5章 更生保護 40 歳 未 満 40~49 歳 70 歳以上 35.4 ② 0.8 5.4 職業別 無職 (主婦を含む) 24.8 50 ~ 59 歳 14.9 総 数 46,358 人 その他の 職業 15.1 第6節 60 ~ 69 歳 43.6 保護司、更生保護施設、民間協力者等と犯罪予防活動 注 社会福祉事業 3.7 土木・建設業 2.1 農林 漁業 6.6 宗教家 11.8 総 数 46,358 人 会社員等 23.9 商業・サービス業 8.0 教 員 2.1 製 造・加 工 業 1.9 1 法務省保護局の資料による。 2 「その他の職業」は,貸家・アパート経営,医師等である。 保護司会(保護司が職務を行う区域ごとに構成する組織であり,保護司の研修や犯罪予防活動等を 行う。 )がより組織的に個々の保護司の処遇活動に対する支援や地域の関係機関・団体と連携した更 生保護活動を行う拠点として,更生保護サポートセンターが設置されている。令和元年度に全国全て の保護司会に設置され,2年度の利用回数は7万 6,370 回であった(法務省保護局の資料による。)。 2 更生保護施設 更生保護施設は,主に保護観察所から委託を受けて,住居がなかったり,頼るべき人がいないなど の理由で直ちに自立することが難しい保護観察又は更生緊急保護の対象者を宿泊させ,食事を給与す るほか,就職援助,生活指導等を行ってその円滑な社会復帰を支援している施設である。 令和3年4月1日現在,全国に 103 施設があり,更生保護法人により 100 施設が運営されている ほか,社会福祉法人,特定非営利活動法人及び一般社団法人により,それぞれ1施設が運営されてい る。その内訳は,男性の施設 88,女性の施設7及び男女施設8である。収容定員の総計は,2,402 人であり,男性が成人 1,900 人と少年 311 人,女性が成人 140 人と少年 51 人である(法務省保護局 の資料による。)。 令和2年における更生保護施設への委託実人員は,7,539 人(うち新たに委託を開始した人員 5,806 人)であった(保護統計年報による。)。更生保護施設へ新たに委託を開始した人員の推移(最 近 20 年間)は,2-5-6-3 図のとおりである。 88 令和 3 年版 犯罪白書

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2-5-6-3 図 更生保護施設への収容委託開始人員の推移 (平成 13 年~令和2年) (千人) 8 第2 編 7 5,806 6 1,153 5 82 640 277 4 3 2 3,654 1 0 平成 13 15 20 25 仮釈放者(全部実刑者) 仮釈放者(一部執行猶予者) その他 一部執行猶予者(実刑部分の刑期終了者) 注 30 令和 2 満期釈放者 1 保護統計年報による。 2 種別異動の場合(仮釈放者(全部実刑者)において,仮釈放期間の満了後も引き続き刑の執行終了者として収容の委託を継続する場 合等)を除く。 3 「その他」は,保護観察処分少年,少年院仮退院者,保護観察付全部執行猶予者,婦人補導院仮退院者,保護観察付全部執行猶予の 言渡しを受けたが裁判の確定していない者,保護観察の付かない全部執行猶予者,起訴猶予者等であり,平成 14 年以降は,罰金・科 料の言渡しを受けた者,労役場出場者・仮出場者,少年院退院者・仮退院期間満了者を含む。 令和元年度における更生保護施設退所者(応急の救護等及び更生緊急保護並びに家庭裁判所からの 補導委託のほか,任意保護(更生緊急保護の期間を過ぎた者に対する保護等,国からの委託によら ず,被保護者の申出に基づき,更生保護事業を営む者が任意で保護すること)による者を含む。)の 更生保護施設における在所期間は,3月未満の者が 50.9%,3月以上6月未満の者が 37.2%,6月 以上1年未満の者が 11.2%,1年以上の者が 0.7%であり,平均在所日数は 79.7 日であった。退所 犯罪者の処遇 先については,借家(32.6%),就業先(18.3%)の順であった。退所時の職業については,労務作 業(46.1%) ,サービス業(8.3%)の順であり,無職は 35.0%であった(法務省保護局の資料によ る。 ) 。 更生保護施設では,生活技能訓練(SST),酒害・薬害教育等を取り入れるなど,処遇の強化に努 めており,令和2年度においては,SST が 31 施設,酒害・薬害教育が 44 施設で実施されている(法 務省保護局の資料による。)。 また,適当な帰住先がなく,かつ,高齢又は障害により福祉サービス等を受けることが必要である が,出所後直ちに福祉による支援を受けることが困難な者について,一旦更生保護施設において受け 入れ,退所後円滑に福祉サービスを受けるための調整及び社会生活に適応するための指導や助言を内 容とする特別処遇が行われており,その役割を担うための施設(指定更生保護施設)が指定されてい る。令和2年度に特別処遇の対象となったのは,1,812 人(前年比 73 人(3.9%)減)であり,3年 4月1日現在,全国で 74 施設が指定更生保護施設に指定されている(法務省保護局の資料による。)。 平成 25 年度からは,薬物処遇に関する専門職員を配置して,薬物依存がある保護観察対象者等へ の依存からの回復に重点を置いた処遇を実施する更生保護施設(薬物処遇重点実施更生保護施設)が 指定されており,令和3年4月1日現在,全国で 25 施設が指定されている(法務省保護局の資料に よる。 ) 。 さらに,平成 29 年度からは,更生保護施設を退所するなどして地域に生活基盤を移した保護観察 対象者及び更生緊急保護対象者に対し,更生保護施設に通所させて,自立更生に向けた生活上の諸課 犯罪白書 2021 89

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題を解決するための生活相談に乗り,必要な指導や助言を行ったり,継続的に薬物処遇を受けさせた りするフォローアップ事業を更生保護施設に委託する取組が開始されている。令和2年度にフォロー アップ事業の対象となった人員は 208 人であり,その内容は,生活相談支援が 182 人,薬物依存か らの回復プログラムが 19 人,薬物依存回復訓練が7人であった(法務省保護局の資料による。)。 このほか,令和元年度から,従前の運用では仮釈放期間が比較的短期間である薬物依存のある受刑 第5章 更生保護 者について,早期に仮釈放し,一定の期間,更生保護施設等に居住させた上で,地域における支援を 自発的に受け続けるための習慣を身に付けられるよう,地域の社会資源と連携した濃密な保護観察処 遇を実施する薬物中間処遇が試行されている。同試行は,3年4月1日現在,3施設において実施さ れている(法務省保護局の資料による。)。 自立準備ホーム 3 第6節 適当な住居の確保が困難な者について,更生保護施設だけでは定員に限界があることなどから,社 会の中に更に多様な受皿を確保する方策として,「緊急的住居確保・自立支援対策」が実施されてい る。これは,あらかじめ保護観察所に登録した民間法人・団体等の事業者に,保護観察所が,宿泊場 保護司、更生保護施設、民間協力者等と犯罪予防活動 所の供与と自立のための生活指導(自立準備支援)のほか,必要に応じて食事の給与を委託するもの である。この宿泊場所を自立準備ホームと呼ぶ。令和3年4月1日現在の登録事業者数は,447(前 年同日比 15(3.5%)増)となっている。制度が開始された平成 23 年度以降の自立準備ホームへの 委託実人員の推移は,2-5-6-4 図のとおりである。令和2年度の委託実人員は 1,719 人,委託延べ人 員は 12 万 7,567 人であった。自立準備ホームには,薬物依存症リハビリテーション施設も登録され ており,薬物依存のある保護観察対象者を委託するなどしているところ,同年度の同施設への委託実 人員は 290 人,委託延べ人員は2万 1,758 人であった(法務省保護局の資料による。)。 2-5-6-4 図 自立準備ホームへの委託実人員の推移 (平成 23 年度~令和2年度) (人) 2,000 1,800 1,719 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 平成 23 注 90 1 2 令和 3 年版 法務省保護局の資料による。 前年度からの繰越しを含む。 犯罪白書 25 30 令和 2

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民間協力者及び団体 4 (1)更生保護女性会 第2 編 更生保護女性会は,地域の犯罪予防や青少年の健全育成,犯罪者・非行少年の改善更生に協力する 女性のボランティア団体である。犯罪・非行予防活動として,地域住民を対象に,子ども食堂の実施 や子育て支援地域活動,近隣の更生保護施設に対する食事作り等の援助,社会貢献活動(本章第3節 2項(5)参照)等の保護観察処遇への協力等が行われている。令和3年4月1日現在における更生 保護女性会の地区会数は 1,281 団体,会員数は 14 万 539 人であった(法務省保護局の資料による。)。 (2)BBS 会 BBS 会は,非行のある少年や悩みを持つ子供たちに,兄や姉のような立場で接しながら,その立 ち直りや成長を支援する活動等(BBS 運動(Big Brothers and Sisters Movement))を行う青年の ボランティア団体であり,近年は学習支援等も行っている。令和3年1月1日現在における BBS 会 の地区会数は 455 団体,会員数は 4,432 人であった(法務省保護局の資料による。)。 (3)協力雇用主 協力雇用主は,犯罪をした者等の自立及び社会復帰に協力することを目的として,犯罪をした者等 を雇用し,又は雇用しようとする事業主である。 令和2年 10 月1日現在における協力雇用主(個人・法人を合わせたものをいう。以下同じ。)は, 2万 4,213 社(前年同日比 897 社(3.8%)増)であり,その業種は,建設業が過半数(54.4%)を 占め,次いで,サービス業(16.3%),製造業(9.9%)の順である(法務省保護局の資料による。)。 2-5-6-5 図は,実際に刑務所出所者等を雇用している協力雇用主数及び協力雇用主に雇用されてい る刑務所出所者等の人員の推移(最近 10 年間)を見たものである。実際に刑務所出所者等を雇用し ている協力雇用主数は,令和2年 10 月1日現在,1,391 社であり,平成 23 年4月(285 社)と比べ て約 4.9 倍であった。 2-5-6-5 図 (社) (人) 2,400 2,200 2,000 犯罪者の処遇 実際に刑務所出所者等を雇用している協力雇用主数・被雇用者人員の推移 (平成 23 年~令和2年) 実際に雇用している 協力雇用主数 被雇用者人員 1,959 1,800 1,600 1,391 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 平成 23 注 1 2 25 30 令和 2 法務省保護局の資料による。 平成 30 年までは各年4月1日現在の数値であり,令和元年以降は 10 月1日現在の数値である。 犯罪白書 2021 91

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保護観察対象者又は更生緊急保護対象者を雇用し,就労継続に必要な技能及び生活習慣等を習得さ せるための指導及び助言を行う協力雇用主に対して,平成 27 年4月から,年間最大 72 万円(最長1 年間)の就労・職場定着奨励金及び就労継続奨励金を支給する制度が実施されている。令和2年度に 奨励金を新たに適用した件数は,就労・職場定着奨励金が 2,850 件,就労継続奨励金が 471 件であっ た(法務省保護局の資料による。)。 第5章 更生保護 2-5-6-6 図は,地方公共団体における協力雇用主支援等の取組状況の推移(資料を入手し得た平成 24 年以降)を見たものである。保護観察対象者等を雇用した経験のある協力雇用主等に対し,入札 参加資格審査や総合評価落札方式における優遇措置を導入する地方公共団体が年々増加している。 2-5-6-6 図 地方公共団体における協力雇用主支援等の取組状況の推移(取組別) (平成 24 年~令和2年) (団体) 160 第6節 140 保護司、更生保護施設、民間協力者等と犯罪予防活動 100 入札参加 155 120 総合評価 62 直接雇用 69 80 60 40 20 0 注 平成 24 25 26 27 28 29 30 令和元 2 1 法務省保護局の資料による。 2 本図は,令和2年末現在において,各取組の実施の事実及び実施した年が確認された地方公共団体の数で作成した。 3 「入札参加」は,入札参加資格審査において,「総合評価」は,総合評価落札方式において,それぞれ協力雇用主として登録している 場合,あるいは,協力雇用主として保護観察対象者等を雇用した実績がある場合に,社会貢献活動や地域貢献活動として加点し,優遇 するものをいう。 4 「直接雇用」は,地方公共団体が保護観察対象者の就労支援のため非常勤職員として一定期間雇用するものをいう。 5 更生保護協会等 各都道府県等に置かれた更生保護協会等の連絡助成事業者(令和3年4月1日現在,全国で 67 事 業者(法務省保護局の資料による。))は,保護司,更生保護女性会,BBS 会,協力雇用主,更生保 護施設等の円滑な活動を支えるための助成,研修のほか,更生保護に関する広報活動等も推進してい る。 6 犯罪予防活動 更生保護における犯罪予防活動は,世論の啓発,社会環境の改善等多岐にわたる。具体的な活動と して,地域社会での講演会,非行相談,非行問題を地域住民と考えるミニ集会等,住民が参加する 様々な行事や,学校との連携強化のための取組等が行われている。これらの活動は,保護観察所,保 護司会,更生保護女性会,BBS 会,更生保護協会等が年間を通じて地域の様々な関連機関・団体と 連携しながら実施している。 また,犯罪予防等を目的として,法務省の主唱により,毎年7月を強調月間として,「社会を明る くする運動~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~」が展開されており,全国各地 で街頭広報,ポスターの掲出,新聞やテレビ等の広報活動に加えて,様々なイベントが実施されてい 92 令和 3 年版 犯罪白書

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る。令和2年の「社会を明るくする運動」の行事参加人数は,約 58 万人であった。同年は,新型コ ロナウイルス感染症の影響により,例年同様に実施することが困難な取組が多かったが,非接触型の 広報媒体を活用した広報活動を行ったり,ソーシャルディスタンスを確保しながら地域住民を集めて 第2 編 行事を開催したりするなど,地域の実情に応じて,創意工夫した活動も展開された(非接触型の広報 活動についてはコラム2参照)。 なお,再犯防止推進法においては,再犯の防止等についての国民の関心と理解を深めるため,7月 を再犯防止啓発月間に定めるとともに,国及び地方公共団体は再犯防止啓発月間の趣旨にふさわしい 事業が実施されるよう努めなければならないとされており,「社会を明るくする運動」においても, 再犯防止啓発月間の趣旨の周知徹底を図り,かつ,その趣旨を踏まえた活動の実施を推進することと している。 感染症対策を講じるとともに,オンラインも活用し, 「社会を明るくする運動」の行事として開催された公開講演会の様子 【写真提供:法務省保護局】 犯罪者の処遇 犯罪白書 2021 93

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第 6章 第6章 刑事司法における国際協力 第1節 刑事司法における国際協力 刑事司法における国際的な取組の動向 国際連合(以下この章において「国連」という。)においては,平成4年(1992 年)に経済社会 理事会の下に機能委員会として設置された犯罪防止刑事司法委員会(コミッション)が,毎年会合を 開いて犯罪防止及び刑事司法分野の政策決定を行っているところ,我が国は設立当初から同委員会の メンバー国に選出されており,毎年の会合において積極的に関与している。 また,犯罪防止及び刑事司法の分野における国連最大規模の国際会議である国連犯罪防止刑事司法 会議(コングレス)が,この分野に関する政策の大綱の決定,意見交換等を目的として,国連の主催 により,昭和 30 年(1955 年)から5年ごとに開催されている(第7編第1章参照)。令和3年 (2021 年)3月7日から同月 12 日まで,京都において,第 14 回コングレス(京都コングレス)が開 催された(同編第2章参照)。 1 国際組織犯罪対策及びテロ対策 第1節 (1)国連における取組 国際組織犯罪対策について,国連は,平成 12 年(2000 年),国際的な組織犯罪の防止に関する国 刑事司法における国際的な取組の動向 際連合条約(国際組織犯罪防止条約)を採択した。この条約は,組織的な犯罪集団への参加,マ ネー・ローンダリング及び腐敗行為の犯罪化,犯罪収益の没収,犯罪人の引渡し,捜査共助等につい て定めたものである。また,平成 13 年(2001 年)までに,この条約を補足する「人(特に女性及 び児童)の取引を防止し,抑止し及び処罰するための議定書」(人身取引議定書),「陸路,海路及び 空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書」(密入国議定書)及び「銃器並びにその 部品及び構成部分並びに弾薬の不正な製造及び取引の防止に関する議定書」(銃器議定書)も採択さ れた。我が国は,平成 15 年(2003 年)に国際組織犯罪防止条約,平成 17 年(2005 年)に人身取 引議定書及び密入国議定書の締結について,それぞれ国会の承認を受け,同年6月に刑法等を,平成 29 年(2017 年)6月に組織的犯罪処罰法等を改正して,国内担保法を整備し,同年7月,同条約及 び両議定書を締結した。 テロ対策については,従来から,国連等様々な国際機関において,テロリストをいずれかの国で処 罰できるようにすることなどを目的とした国際条約等が作成され,我が国は,テロ防止対策に関する 13 の国際条約について締結済みである。 (2)G7/G8 における取組 G7(日本,英国,イタリア,フランス,ドイツ,カナダ及び米国の総称。なお,平成 10 年(1998 年)から平成 26 年(2014 年)までは,前記7か国にロシアを加えた8か国について,「G8」と総称 された。 )において,昭和 53 年(1978 年),テロ対策専門家会合(通称ローマ・グループ)が発足 し,国際テロの動向等について意見交換が行われてきた。また,平成7年(1995 年)の G7 サミッ トにおいて,国際組織犯罪に取り組む上級専門家会合(通称リヨン・グループ)の設立が決定され, リヨン・グループでは,国際組織犯罪に対処するための捜査手法や法制等について議論等が行われて いる。平成 13 年(2001 年)の米国における同時多発テロ事件以降は,これらは統合され,ローマ /リヨン・グループとなり,年数回程度継続的に会合が開催されている。 94 令和 3 年版 犯罪白書

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2 薬物犯罪対策 国連は,昭和 36 年(1961 年)の「1961 年の麻薬に関する単一条約」,昭和 46 年(1971 年)の 第2 編 「向精神薬に関する条約」に引き続き,昭和 63 年(1988 年),麻薬及び向精神薬の不正取引の防止 に関する国際連合条約を作成した。我が国は,これらの条約を締結し,国内法を整備している。 さらに,平成2年(1990 年) ,平成 10 年(1998 年)及び平成 28 年(2016 年)には,国連麻薬 特別総会が開催されたほか,国連経済社会理事会の下部機関として設立された麻薬委員会(CND: Commission on Narcotic Drugs)が毎年開催され,我が国は,昭和 36 年(1961 年)以降,平成 22 年(2010 年)から平成 23 年(2011 年)までを除き,継続して委員国を務めている。 平成3年(1991 年)には,国連の麻薬関連部局等の機能を統合した国連薬物統制計画が設置され た。国連薬物統制計画は,平成9年(1997 年),犯罪防止刑事司法計画と統合され,国連薬物統制 犯罪防止事務所が設立された後,平成 14 年(2002 年)に改称して現在の国連薬物・犯罪事務所 (UNODC)となった。我が国は,UNODC が中心となって取り組んでいる国際的な薬物犯罪対策 への協力にも力を入れている。 3 マネー・ローンダリング対策 平 成 元 年(1989 年 ) に G7 サ ミ ッ ト の 宣 言 を 受 け て 設 立 さ れ た 金 融 活 動 作 業 部 会(FATF: Financial Action Task Force)は,平成2年(1990 年)にマネー・ローンダリング対策に関する 40 の勧告(平成8年(1996 年)及び平成 15 年(2003 年)に改訂)を,平成 13 年(2001 年)にテ ロ資金供与に関する8の特別勧告(平成 16 年(2004 年)に改訂され,9の特別勧告となった。 )を それぞれ採択し,平成 24 年(2012 年)には,従来の 40 の勧告及び9の特別勧告を統合・合理化す る一方で,大量破壊兵器の拡散に関与する者の資産凍結の実施,法人・信託等に関する透明性の向 上,マネー・ローンダリング及びテロ資金供与の温床となるリスクが高い分野における対策の重点化 等を求める勧告を採択した。 我が国も,FATF 参加国の一員として,犯罪収益移転防止法に基づき,金融機関等の特定事業者に 犯罪者の処遇 よる顧客の身元等の確認や疑わしい取引の届出制度等の対策を実施し,国家公安委員会が疑わしい取 引に関する情報を外国関係機関に提供するなどしているほか,金融庁が共同議長を務める FATF 関 連部会で暗号資産に係る新たな規範の実施に向けた議論・検討において主導的な役割を果たすなどし ており,マネー・ローンダリング対策及びテロ資金供与対策における国際的な連携に積極的に参加し ている。 国内においては,平成 26 年(2014 年) ,いわゆるマネロン・テロ資金対策関連三法が成立し,① 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律の一部を改正する法律(平成 26 年法律第 113 号)により,公衆等脅迫目的の犯罪行為を実行しようとする者に対する資金以外の 利益の提供に係る行為についての処罰規定等が整備され,②犯罪収益移転防止法の改正(平成 26 年 法律第 117 号)により,疑わしい取引の届出に関する判断の方法,外国所在為替取引業者との契約 締結の際の確認義務,犯罪収益移転危険度調査書の作成等に係る国家公安委員会の責務等が定められ たほか,③国際連合安全保障理事会決議第 1267 号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財 産の凍結等に関する特別措置法(平成 26 年法律第 124 号。いわゆる国際テロリスト財産凍結法)が 制定され,国際テロリストとして公告又は指定された者に係る国内取引が規制されることとなった。 FATF は,各国における勧告の遵守状況の相互審査を行っている。令和3年(2021 年)6月には, FATF の全体会合において,第4次対日相互審査報告書が採択された。国内では,同報告書で指摘さ れた事項に対応するべく,同年8月にマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議が設置され, 「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」が策定された。 犯罪白書 2021 95

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4 汚職・腐敗対策 平成9年(1997 年),経済協力開発機構(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development)において,国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約が 採択された。我が国は,この条約を締結済みであり,その国内担保法として,平成 10 年(1998 年), 第6章 刑事司法における国際協力 不正競争防止法(平成5年法律第 47 号)の改正により外国公務員等に対する不正の利益の供与等の 罪が新設され(11 年2月施行),同罪については,その後,国民の国外犯処罰規定の追加,自然人に 対する罰則強化,法人に対する公訴時効期間の延長等の改正がなされている。 国連は,平成 15 年(2003 年) ,自国及び外国の公務員等に係る贈収賄や公務員による財産の横領 等の腐敗行為の犯罪化のほか,腐敗行為により得られた犯罪収益の他の締約国への返還の枠組み等に ついて定めた腐敗の防止に関する国際連合条約を採択した。我が国は,平成 18 年(2006 年)に同 条約の締結について国会の承認を受け,平成 29 年(2017 年)に同条約を締結した。 令和3年(2021 年)には,国連腐敗特別総会が開催され,腐敗対策に関する政治宣言が採択され た。 5 サイバー犯罪対策 平成 13 年(2001 年)に欧州評議会において採択されたサイバー犯罪に関する条約は,①コン 第1節 ピュータ・システムに対する違法なアクセス,コンピュータ・ウイルスの製造等の行為の犯罪化,② 刑事司法における国際的な取組の動向 である。我が国は,平成 24 年(2012 年),同条約を締結した。この条約の国内担保法として,平成 コンピュータ・データの捜索・押収手続の整備等,③捜査共助・犯罪人引渡し等について定めたもの 23 年(2011 年),情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成 23 年法 律第 74 号)が成立し,不正指令電磁的記録作成等の罪が新設されるなどした。 6 国際刑事裁判所 平成 10 年(1998 年) ,国連主催の外交会議において,国際刑事裁判所に関するローマ規程が作成 さ れ, 平 成 14 年(2002 年 ) の 発 効 を 経 て, オ ラ ン ダ の ハ ー グ に 国 際 刑 事 裁 判 所(ICC: International Criminal Court)が設置された。我が国は,平成 19 年(2007 年)に国際刑事裁判所 の加盟国となり,これまで通算3人の日本人が裁判官に就任している。 96 令和 3 年版 犯罪白書

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第2節 1 犯罪者の国外逃亡・逃亡犯罪人の引渡し 犯罪者の国外逃亡 第2 編 日本国内で犯罪を行い,国外に逃亡している者及びそのおそれのある者であって,主として警察が 捜査対象としているものの人員の推移(最近 10 年間)を日本人と外国人の別に見ると,2-6-2-1 図 のとおりである。 2-6-2-1 図 国外逃亡被疑者等の人員の推移 (平成 23 年~令和2年) (人) 700 外国人 550 600 500 400 300 200 日本人 134 100 0 平成 23 注 25 30 令和 2 1 警察庁刑事局の資料による。人員は,各年 12 月 31 日現在のものである。 2 「外国人」は,無国籍・国籍不明の者を含む。 逃亡犯罪人の引渡し 犯罪者の処遇 2 我が国は,逃亡犯罪人引渡条約を締結していない外国との間で,逃亡犯罪人引渡法(昭和 28 年法 律第 68 号)に基づき,相互主義の保証の下で,逃亡犯罪人の引渡しの請求に応ずることができると ともに,その国の法令が許す限り,逃亡犯罪人の引渡しを受けることもできる。これに加えて,逃亡 犯罪人引渡条約を締結することで,締約国間では,一定の要件の下に逃亡犯罪人の引渡しを相互に義 務付けることになるほか,我が国の逃亡犯罪人引渡法で原則として禁止されている自国民の引渡しを 被要請国の裁量により行うことを認めることにより,締約国との間の国際協力の強化を図ることがで きる。我が国は,アメリカ合衆国(昭和 55 年(1980 年)発効)及び大韓民国(平成 14 年(2002 年)発効)との間で,逃亡犯罪人引渡条約を締結している。 外国との間で逃亡犯罪人の引渡しを受け,又は引き渡した人員の推移(最近 10 年間)は,2-62-2 表のとおりである。なお,我が国から外国に逃亡犯罪人の引渡しを要請する場合,検察庁が依頼 する場合と警察等が依頼する場合とがある。 2-6-2-2 表 逃亡犯罪人引渡人員の推移 (平成 23 年~令和2年) 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 29 年 30 年 外国から引渡しを受けた逃亡犯罪人 区 1 - 3 2 - - 2 - - - 外国に引き渡した逃亡犯罪人 1 1 1 1 1 - 1 2 5 - 注 分 元年 2年 法務省刑事局及び警察庁刑事局の資料による。 犯罪白書 2021 97

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捜査・司法に関する国際協力 第3節 捜査共助 1 我が国は,国際捜査共助等に関する法律(昭和 55 年法律第 69 号)に基づき,相互主義の保証の下 第6章 刑事司法における国際協力 で,外交ルートを通じて刑事事件の捜査・公判に必要な証拠の提供等の共助を行い,逆に,相手国・ 地域の法令が許す範囲で,我が国の捜査・公判に必要な証拠の提供等を受けているほか,アメリカ合 衆国(平成 18 年(2006 年)発効) ,大韓民国(平成 19 年(2007 年)発効) ,中華人民共和国(平成 20 年(2008 年)発効) ,中華人民共和国香港特別行政区(平成 21 年(2009 年)発効) ,欧州連合 (平成 23 年(2011 年)発効)及びロシア連邦(平成 23 年(2011 年)発効)との間で,それぞれ刑 事共助条約又は協定を締結し,現在 30 以上の国・地域との間で円滑な捜査共助体制を構築している。 外国・地域との間で,我が国が捜査共助等を要請し,又は要請を受託した件数の推移(最近 10 年 間)は,2-6-3-1 表のとおりである。なお,捜査共助等について,我が国から要請する際には,検察 庁からの依頼に基づく場合と警察等からの依頼に基づく場合とがある。 2-6-3-1 表 捜査共助等件数の推移 (平成 23 年~令和2年) 区 分 第3節 捜査共助等を要請 し た 件 数 捜査・司法に関する国際協力 捜査共助等の要請 を受託した件数 注 23 年 10 (8) 46 (34) 55 (37) 24 年 25 年 17 (12) 62 (37) 98 (78) 17 (6) 138 (101) 76 (61) 26 年 17 (10) 78 (60) 62 (49) 27 年 12 (6) 54 (44) 70 (46) 28 年 12 (8) 85 (67) 79 (67) 29 年 8 (4) 110 (95) 54 (45) 30 年 24 (9) 156 (125) 94 (83) 元年 12 (7) 186 (160) 64 (61) 2年 13 (6) 169 (137) 81 (74) 1 法務省刑事局及び警察庁刑事局の資料による。 2 「捜査共助等を要請した件数」欄の上段は検察庁の依頼によるもの,下段は警察等の依頼によるもの(警察が依頼した捜査共助等の 要請件数並びに特別司法警察職員が所属する行政庁及び裁判所が法務省刑事局を経由して依頼した捜査共助等の要請件数)である。 3 ( )内は,当該年に発効し,又は既に発効している刑事共助条約又は協定の締約国・地域との間における共助の要請・受託の件数 で,内数である。 2 司法共助 司法共助とは,我が国と外国との間で,裁判所の嘱託に基づいて,裁判関係書類の送達や証拠調べ に関して協力することをいい,我が国の裁判所が外国の裁判所に対して協力する場合は,外国裁判所 ノ嘱託ニ因ル共助法(明治 38 年法律第 63 号)に基づいてなされる。令和2年(2020 年)において, 我が国の裁判所から外国の裁判所又は在外領事等に対する刑事司法共助の嘱託はなく,外国の裁判所 から我が国の裁判所に対する刑事司法共助の嘱託は,書類の送達が 20 件であった(最高裁判所事務 総局の資料による。)。 3 刑事警察に関する国際協力 国際刑事警察機構(ICPO:International Criminal Police Organization)は,加盟警察機関間 での迅速かつ確実な情報交換を行うための独自の通信網を運用するほか,指紋,DNA,国外逃亡被 疑者・国際犯罪者,紛失・盗難旅券,盗難車両等の各種データベースを整備し,国際的なデータバン クとしての機能を果たしている。また,ICPO の枠組みで発展してきた各種の国際手配制度を通じ, 被手配者である国外逃亡被疑者等の所在発見を求めたり(青手配書),被手配者の犯罪行為につき警 告を発し,各国警察に注意を促す(緑手配書)など,全加盟警察機関の組織力を活用して犯罪防止活 動や捜査の進展を図っている。 98 令和 3 年版 犯罪白書

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ICPO 経由での国際協力件数の推移(最近 10 年間)は,2-6-3-2 表のとおりである。 2-6-3-2 表 (平成 23 年~令和2年) ICPO ルートによる捜査協力件数 区 分 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 29 年 30 年 元年 2年 捜査協力を要請した件数 412 504 473 371 318 294 327 445 424 385 捜査協力の要請を受けた件数 2,343 2,752 2,920 3,021 1,993 1,698 1,815 1,693 1,545 1,277 元年 2年 ② 第2 編 ① ICPO 経由の国際協力件数の推移 ICPO を通じた情報の発信・受信状況 区 分 23 年 総 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 29 年 30 年 数 54,359 63,810 76,104 88,196 94,737 79,525 79,340 74,998 78,114 65,031 警察庁からの発信数 3,928 4,801 3,761 3,666 2,856 2,469 2,440 2,333 2,116 1,535 警 察 庁 の 受 理 数 39,684 46,354 58,561 67,098 72,368 56,130 55,338 51,486 54,858 44,809 国 際 手 配 書 の 受 理 数 10,747 12,655 13,782 17,432 19,513 20,926 21,562 21,179 21,140 18,687 注 警察庁刑事局の資料による。 第4節 矯正・更生保護分野における国際協力 国際受刑者移送 1 我が国は,外国の刑務所等で拘禁されている者等をその本国に移送してその刑の執行の共助を行う ため,平成 15 年(2003 年)に多国間条約である刑を言い渡された者の移送に関する条約に加入し たほか,タイ王国(平成 22 年(2010 年)発効),ブラジル連邦共和国(平成 28 年(2016 年)発 効) ,イラン・イスラム共和国(平成 28 年(2016 年)発効)及びベトナム社会主義共和国(令和2 年(2020 年)発効)との間で二国間条約を締結している。我が国は,これらの条約の下,締約国と の間で,国際受刑者移送法(平成 14 年法律第 66 号)に基づき,受刑者移送を行っている。 令和2年(2020 年)における我が国からの送出移送人員(執行国別,罪名別)は,2-6-4-1 表の 犯罪者の処遇 とおりである。なお,同年における我が国への受入移送はなかった(法務省矯正局の資料による。)。 同年は,新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置(検疫の強化等),航空旅客 便の減便等の影響により,外国の官憲への引渡しが困難となり,送出移送人員が前年より 33 人 (80.5%)減少した。 2-6-4-1 表 受刑者送出移送人員(執行国別,罪名別) (令和2年) 執行国 人 員 強盗殺人 死体遺棄 総 数 韓 国 1 1 1 ル ー マ ニ ア 1 - - ド ツ 2 - - ダ 1 - - 国 2 - オーストラリア 1 - オ イ ラ 米 注 1 2 ン 8 1 1 傷 害 暴 1 覚醒剤 取締法 行 入管法 1 7 1 1 - - - - - - 関税法 1 7 - 1 - 1 - 1 - 2 - 2 - 1 - 1 - - 2 - 2 - - 1 - 1 法務省矯正局の資料による。 1人の受刑者につき数罪ある場合には,それぞれの罪名に計上している。 犯罪白書 2021 99

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2 矯正・更生保護に関する国際会議 (1)アジア太平洋矯正局長等会議 ア ジ ア 太 平 洋 矯 正 局 長 等 会 議(APCCA:Asian and Pacific Conference of Correctional Administrators)は,アジア太平洋地域の矯正行政の責任者等が,意見交換及び情報共有を行う国 第6章 刑事司法における国際協力 際会議である。我が国は,過去3回(昭和 57 年(1982 年),平成7年(1995 年)及び平成 23 年 (2011 年) )にわたり会議を主催している。令和2年(2020 年)にシンガポールで開催される予定 であった第 40 回会議は,新型コロナウイルス感染症の世界的流行により中止された。令和3年 (2021 年)に韓国で開催される予定であった会議も,中止が決定した。 (2)世界保護観察会議 世界保護観察会議は,社会内処遇の発展や,国際ネットワークの拡大を期して,世界各国の実務家 や研究者等が意見交換等を行う会議である。我が国で平成 29 年(2017 年)9月に開催された第3 回会議に引き続き,第4回会議が,令和元年(2019 年)9月,「犯罪者の社会内処遇に対する市民 の信頼を確立する」をテーマにオーストラリアで開催され,世界 23 の国・地域が参加した。 第5節 第5節 1 刑事司法分野における国際研修・法制度整備支援等 国連アジア極東犯罪防止研修所における協力 刑事司法分野における国際研修・法制度整備支援等 国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI:United Nations Asia and Far East Institute for the Prevention of Crime and the Treatment of Offenders)は,日本国政府と国連の協定に基づ き,昭和 37 年(1962 年)に設置された,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)を中核とする国連犯 罪防止・刑事司法プログラム・ネットワーク機関(PNI:United Nations Crime Prevention and Criminal Justice Programme Network Institutes)の一つであり,法務総合研究所国際連合研修協 力部により運営され,刑事司法分野における研修,研究及び調査を実施することにより,世界各国の 刑事司法の健全な発展と相互協力の強化に努めている。 UNAFEI では,毎年,世界中の開発途上国の警察官,検察官,裁判官,矯正職員,保護観察官等 を対象として,国際研修(年2回) ,国際高官セミナー(年1回)及び汚職犯罪対策に特化した「汚 職防止刑事司法支援研修」を実施してきた。令和2年度(2020 年度)は,新型コロナウイルス感染 症の世界的流行により,これらの研修・セミナーは実施されなかったが,令和3年度(2021 年度) は,新型コロナウイルス感染症の情勢を踏まえつつ,オンライン会議システムを用いた方法を取り入 れて実施する予定である。また,同年度からは,包摂的な社会に向けた再犯者,児童・女性等を含む 弱者に対する刑事司法的対処をテーマとした新たな国際研修(年1回)も実施する予定である。 このほか,UNAFEI は,世界各国や国連等の要請を受け,特定の国・地域を対象とする研修や共 同研究等を実施しており,現在は,東南アジア諸国のためのグッドガバナンスに関する地域セミナー 及びカンボジア,ネパール,東ティモール,フィリピン,ベトナム等の刑事司法関係機関を対象とし た研修・共同研究等を実施している。令和2年度(2020 年度)は,新型コロナウイルス感染症の流 行により,従来のように相手国との往来を伴う活動を実施することができなかったが,東南アジア諸 国のためのグッドガバナンスに関する地域セミナーのほか,ネパール及びフィリピンに対する研修・ 共同研究については,オンライン会議システムを用いて実施した。 さらに,UNAFEI は,令和3年度(2021 年度)に,日本の大学生や大学院生,海外からの留学生 を対象とした新たな取組として,「薬物に関連する犯罪の防止及び薬物からの離脱のための若者の取 組について」をテーマとしたユース国際研修をオンライン会議システムを用いて実施した。 100 令和 3 年版 犯罪白書

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UNAFEI の研修に参加した刑事司法関係者(日本人を含む。)は,139 の国・地域から,6,100 人 以上となっている(令和3年(2021 年)3月現在)。 また,UNAFEI は,PNI の一員として,毎回コミッション(本章第1節参照)やコングレス(第 第2 編 7編参照)に出席するとともに,他の PNI とも緊密な連携を取りながら,犯罪防止や刑事司法に関 する国連の政策の立案・実施に協力し,「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals) 」の推進にも努めている。 2 法制度整備支援 我が国による法制度整備支援は,その多くが政府開発援助(ODA)の枠組みで,法務省,外務省, 最高裁判所,独立行政法人国際協力機構(JICA)や学識経験者等の関係者の協力により行われてき た。法務省は,平成 13 年(2001 年),これを所管する部署として法務総合研究所内に国際協力部 (ICD:International Cooperation Department)を設置し,職員の派遣,支援対象国の関係者の 研修等の支援活動を活発に展開している。我が国は,平成6年(1994 年)にベトナムに対する支援 を開始して以来,カンボジア,ラオス,インドネシア,ウズベキスタン,モンゴル,中国,東ティ モール,ネパール,ミャンマー,バングラデシュ等の主としてアジア諸国に対して支援を行ってきて いる。支援の内容としては,民商事法分野のものが中心であるが,刑事法分野でも,ベトナム等の東 南アジア4か国,南アジア2か国及び中央アジア1か国に対する支援を実施している。令和2年 (2020 年)1月及び令和3年(2021 年)3月には,JICA と協力し,スリランカに対する刑事司法 実務改善のための支援として,刑事訴訟の遅延解消に向けた我が国の取組等を紹介する研修を実施し た(令和3年(2021 年)3月の研修はオンライン会議システムを用いて実施した。)。また,令和2 年(2020 年)6月からは,ウズベキスタンにおける犯罪白書作成支援を実施している。 3 矯正建築分野における協力 アジア矯正建築会議(ACCFA:Asian Conference of Correctional Facilities Architects and 犯罪者の処遇 Planners)は,アジア諸国における矯正建築分野での最新技術の情報共有や技術協力を図ることを 目的として,平成 24 年(2012 年)に東京で開催された第1回会議以降,毎年,アジア各国で開催 されており,我が国は,法務省大臣官房施設課において,会議の設立及びその後の会議運営について 中心的・主導的な役割を果たしている。 令和元年(2019 年)10 月から 11 月にかけて再び東京で開催された第8回会議には,13 か国及び UNAFEI 等4機関が参加し,矯正施設整備における設計者,企画者及び利用者の協働,矯正施設が 処遇プログラムの遂行に果たす役割,矯正施設の維持管理等のための持続可能な環境の実現,矯正施 設の特殊性に対応する技術等について議論がなされた。 犯罪白書 2021 101

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第3 編 多摩少年院におけるFC東京によるサッカー教室の様子 【写真提供:法務省矯正局】 保護観察処遇における面接(模擬)の様子 【写真提供:法務省保護局】 3編 少年非行の動向と非行少年の処遇 第 第1章 第2章 第3章 少年非行の動向 非行少年の処遇 少年の刑事手続

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第 1章 少年非行の動向 この編において,非行少年とは,家庭裁判所の審判に付すべき少年,すなわち,①犯罪少年,②触 第1章 少年非行の動向 法少年及び③ぐ犯少年をいう(少年法3条1項)。 少年による刑法犯 第1節 検挙人員 1 少年による刑法犯,危険運転致死傷及び過失運転致死傷等の検挙人員(触法少年の補導人員を含 む。特に断らない限り,以下この節において同じ。)並びに人口比の推移(昭和 21 年以降)は,3-11-1 図①のとおりである(CD-ROM 資料 3-1 参照)。少年による刑法犯,危険運転致死傷及び過失運 第1節 転致死傷等の検挙人員の推移には,昭和期において,26 年の 16 万 6,433 人をピークとする第一の波, 39 年の 23 万 8,830 人をピークとする第二の波,58 年の 31 万 7,438 人をピークとする第三の波とい う三つの大きな波が見られる。平成期においては,平成8年から 10 年及び 13 年から 15 年にそれぞ 少年による刑法犯 れ一時的な増加があったものの,全体としては減少傾向にあり,24 年以降戦後最少を記録し続け, 令和2年は戦後最少を更新する3万 2,063 人(前年比 13.8%減)であった。 3-1-1-1 図②は,少年による刑法犯の検挙人員及び人口比の推移(昭和 41 年以降)を成人と比較 して見たものである。少年による刑法犯の検挙人員は,平成 16 年以降減少し続けており,令和2年 は2万 2,552 人(前年比 13.5%減)であった。少年の人口比についても低下傾向が見られ,2年は 201.9(同 13.5%減)と人口比の最も高かった昭和 56 年(1,432.2)の約7分の1になっており,成 人の人口比と比較すると依然として約 1.3 倍と高いものの,成人の人口比にそれほど大きな変動がな いため,その差は減少傾向にある。 3-1-1-1 図 ① 少年による刑法犯等 検挙人員・人口比の推移 刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷等 (昭和 21 年~令和2年) (万人) 35 1,800 1,600 少年人口比 30 1,400 25 1,000 800 15 600 10 ② 104 400 少年の検挙人員 (刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷等) 5 0 昭和21 人 口 比 検挙人員 20 1,200 成人人口比 25 30 35 40 刑法犯 犯罪白書 (万人) 30 45 50 55 60平成元 5 10 200 15 20 25 30令和2 0 441.5 287.0 32,063 (昭和41年~令和2年) 令和 3 年版 少年 成人 1,800

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0 昭和21 ② 25 30 35 40 45 50 55 60平成元 5 10 15 20 25 刑法犯 30令和2 少年 1,800 成人 1,600 25 1,400 少年人口比 20 1,200 22,552 第3 編 800 165,116 人 口 比 検挙人員 1,000 15 600 10 5 注 32,063 (昭和41年~令和2年) (万人) 30 0 昭和41 0 400 成人人口比 45 50 55 60 平成元 5 200 10 15 20 25 30令和2 0 201.9 157.0 1 警察庁の統計,警察庁交通局の資料及び総務省統計局の人口資料による。 2 犯行時の年齢による。ただし,検挙時に 20 歳以上であった者は,成人として計上している。 3 触法少年の補導人員を含む。 4 「少年人口比」は,10 歳以上の少年 10 万人当たりの, 「成人人口比」は,成人 10 万人当たりの,それぞれの検挙人員である。ただし, 令和2年の人口比は,元年 10 月1日現在の人口を使用して算出した。 5 ①において,昭和 45 年以降は,過失運転致死傷等による触法少年を除く。 6 ②において,平成 14 年から 26 年は,危険運転致死傷を含む。 属性による動向 2 (1)年齢層別動向 ア 年齢層別検挙人員・人口比の推移 少年による刑法犯の検挙人員及び人口比の推移(昭和 41 年以降)を年齢層別に見ると,3-1-1-2 図のとおりである(CD-ROM 資料 3-2 参照)。令和元年以降は,年少少年の人口比が中間少年及び 年長少年の人口比をいずれも下回っている。 少年による刑法犯 検挙人員・人口比の推移(年齢層別) (昭和 41 年~令和2年) (万人) 30 令和2年検挙人員 年長少年 5,785 中間少年 7,181 年少少年 4,500 触法少年 5,086 25 3,000 2,000 20 1,000 10 5 注 22,552 人 口 比 検挙人員 15 0 昭和41 少年非行の動向と非行少年の処遇 3-1-1-2 図 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 30令和2 0 中間少年 年長少年 年少少年 触法少年 314.4 238.1 207.0 118.7 1 警察庁の統計,警察庁交通局の資料及び総務省統計局の人口資料による。 2 犯行時の年齢による。ただし,検挙時に 20 歳以上であった者を除く。 3 検挙人員中の「触法少年」は,補導人員である。 4 平成 14 年から 26 年は,危険運転致死傷を含む。 5 「人口比」は,各年齢層の少年 10 万人当たりの刑法犯検挙(補導)人員である。なお,触法少年の人口比算出に用いた人口は,10 歳以上 14 歳未満の人口である。ただし,令和2年の人口比は,元年 10 月1日現在の人口を使用して算出した。 犯罪白書 2021 105

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イ 非行少年率 3-1-1-3 図は,少年の成長に伴う非行率の変化を知るために,出生年(推計)が昭和 53 年から平 成 13 年までの者について,6年ごとに世代を区分し,各世代について,12 歳から 19 歳までの各年 齢時における非行少年率(各年齢の者 10 万人当たりの刑法犯検挙(補導)人員をいう。以下この項 において同じ。)の推移を見たものである。昭和 53 年~58 年生まれの世代は,ピークが 16 歳の 第1章 少年非行の動向 2,124.8 となっている。昭和 59 年~平成元年生まれの世代も,ピークは 16 歳であるが,2,371.4 に 上昇している。平成2年~7年生まれの世代は,ピークが 15 歳になり,1,897.0 に低下している。 平成8年~13 年生まれの世代は,ピークが 14 歳と更に下がり,1,121.7 に低下している。同世代の 非行少年率は,12 歳から 19 歳までの各年齢時において,全世代の中で一貫して最も低い。 3-1-1-3 図 少年による刑法犯 非行少年率の推移 2,500 昭和59年~平成元年生 昭和53年~ 58年生 2,000 第1節 平成2年~7年生 1,500 少年による刑法犯 1,000 平成8年~13年生 500 0 注 106 12歳 13歳 14歳 15歳 16歳 17歳 18歳 19歳 1 警察庁の統計,警察庁交通局の資料及び総務省統計局の人口資料による。 2 犯行時の年齢による。ただし,検挙時に 20 歳以上であった者を除く。 3 平成 14 年から 26 年の検挙人員については,危険運転致死傷によるものを含む。 4 「非行少年率」は,各世代について,当時における各年齢の者 10 万人当たりの刑法犯検挙(補導)人員をいう。ただし,令和2年の 人口比は,元年 10 月1日現在の人口を使用して算出した。 令和 3 年版 犯罪白書

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(2)男女別動向 3-1-1-4 図は,犯罪少年による刑法犯の検挙人員及び人口比の推移(昭和 41 年以降)を男女別に 見たものである(なお,成人女性と少年女子の検挙人員及び女性比の推移は,4-7-1-1 図参照)。 女子比は,平成 20 年以降低下し続けていたが,29 年から上昇に転じ,令和2年は 14.3%(前年比 0.0pt 上昇)であった(CD-ROM 参照)。 3-1-1-4 図 第3 編 少年による刑法犯 検挙人員・人口比の推移(男女別) (昭和 41 年~令和2年) (万人) 20 3,000 男子人口比 15 2,000 人 口 比 検挙人員 10 434.6 男子 女子人口比 1,000 5 女子 0 昭和41 注 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 30令和2 0 17,904 15,347 76.2 2,557 1 警察庁の統計,警察庁交通局の資料及び総務省統計局の人口資料による。 2 犯行時の年齢による。 3 触法少年の補導人員を含まない。 4 平成 14 年から 26 年は,危険運転致死傷を含む。 5 「男子人口比」は , 14 歳以上の男子少年 10 万人当たりの, 「女子人口比」は,14 歳以上の女子少年 10 万人当たりの,それぞれ刑法 犯検挙人員である。ただし,令和2年の人口比は,元年 10 月1日現在の人口を使用して算出した。 (3)就学・就労状況 少年非行の動向と非行少年の処遇 令和2年における犯罪少年による刑法犯の検挙人員の就学・就労状況別構成比を見ると,3-1-1-5 図のとおりである。 3-1-1-5 図 少年による刑法犯 検挙人員の就学・就労状況別構成比 (令和2年) 無職少年 11.8 有職少年 22.7 その他の学生 注 3.4 学生・ 生 徒 以 外 34.5 中学生 17.2 総 数 17,466 人 大学生 4.8 学生・ 生 徒 65.5 高校生 40.1 1 警察庁の統計による。 2 犯行時の就学・就労状況による。 3 犯行時の年齢による。ただし,検挙時に 20 歳以上であった者を除く。 4 触法少年の補導人員を含まない。 犯罪白書 2021 107

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罪名別動向 3 令和2年における少年による刑法犯の検挙人員(男女別)及び少年比を罪名別に見ると,3-1-1-6 表のとおりである(CD-ROM 資料 3-3,3-4 及び 3-5 参照)。 なお,特殊詐欺(第8編第3章第1節1項(3)参照)による少年の検挙人員については,同項 第1章 少年非行の動向 (3)参照。 3-1-1-6 表 少年による刑法犯 検挙人員・少年比(罪名別,男女別) (令和2年) 罪 名 総 総 数 数 男 22,990 (100.0) 子 女 19,299 子 少年比 女子比 3,691 16.1 12.3 51 (0.2) 45 6 11.8 5.8 盗 344 (1.5) 313 31 9.0 20.8 放 火 59 (0.3) 46 13 22.0 9.7 160 (0.7) 159 1 0.6 13.3 強 制 性 交 等 暴 行 1,291 (5.6) 1,142 149 11.5 5.1 傷 害 2,033 (8.8) 1,863 170 8.4 10.7 少年による刑法犯 人 強 第1節 殺 恐 喝 395 (1.7) 349 46 11.6 25.6 窃 盗 12,514 (54.4) 9,898 2,616 20.9 13.7 詐 欺 715 (3.1) 585 130 18.2 8.6 横 領 1,834 (8.0) 1,646 188 10.3 15.0 遺失物等横領 1,812 (7.9) 1,626 186 10.3 16.3 強制わいせつ 420 (1.8) 410 10 2.4 14.4 住 居 侵 957 (4.2) 865 92 9.6 24.9 器 物 損 壊 833 (3.6) 744 89 10.7 15.7 他 1,384 (6.0) 1,234 150 10.8 10.6 そ 注 108 の 入 1 警察庁の統計による。 2 犯行時の年齢による。 3 触法少年の補導人員を含む。 4 「強制性交等」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦を含む。 5 「遺失物等横領」は,横領の内数である。 6 ( )内は,構成比である。 令和 3 年版 犯罪白書

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共犯事件 4 令和2年における刑法犯の検挙事件(触法少年の補導件数を含まない。また,捜査の結果,犯罪が 成立しないこと又は訴訟条件・処罰条件を欠くことが確認された事件を除く。)のうち,少年のみに よる事件(少年の単独犯又は少年のみの共犯による事件)での共犯率(共犯による事件数(共犯事件 であるものの,共犯者の人数が明らかでないものを含む。)の占める比率をいう。)・共犯者数別構成 第3 編 比を主な罪名別に見ると,3-1-1-7 図のとおりである。総数では,少年のみによる事件での共犯率は 25.4%であり,成人のみによる事件(成人の単独犯又は成人のみの共犯による事件)での共犯率 (12.0%)と比べて高い(CD-ROM 参照)。 3-1-1-7 図 少年のみによる刑法犯 検挙事件の共犯率・共犯者数別構成比(罪名別) (令和2年) 総 数 強 盗 (125) 詐 欺 (918) 恐 喝 (251) 器 物 損 壊 (466) 窃 盗 (11,002) 住 居 侵 入 (597) 害 (1,221) 殺 人 (24) 暴 行 (726) 強制性交等 (103) 横 領 (1,649) 放 火 (32) 強制わいせつ (339) 注 1 2 3 4 5 6 7 8 12.5 25.4 44.0 21.6 14.4 19.2 0.8 56.0 47.8 5.8 3.5 6.0 36.9 52.2 58.2 21.5 10.4 9.2 0.8 41.8 68.5 16.5 9.7 4.9 0.4 2.2 31.5 70.9 15.5 4.4 7.1 29.1 71.5 11.7 6.5 10.2 28.5 77.5 12.6 5.0 4.7 0.2 少年非行の動向と非行少年の処遇 傷 74.6 (18,814) 4人以上 の組 共犯人数 4.1 2.8 6.0 不明 3人組 2人組 単独 22.5 87.5 4.2 4.2 4.2 12.5 1.7 89.9 7.6 0.8 10.1 1.9 90.3 6.8 1.0 92.7 9.7 1.0 5.7 0.5 7.3 93.8 6.3 1.2 0.9 97.6 警察庁の統計による。 検挙時の年齢による。 触法少年の補導件数は含まない。 捜査の結果,犯罪が成立しないこと又は訴訟条件・処罰条件を欠くことが確認された事件を除く。 「共犯人数不明」は,共犯事件であるものの , 共犯者の人数が明らかでないものを計上している。 「強制性交等」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦を含む。 「横領」は,遺失物等横領を含む。 ( )内は,件数である。 0.3 2.4 犯罪白書 2021 109

131.

少年による特別法犯 第2節 1 検挙人員 犯罪少年による特別法犯(平成 15 年までは交通関係4法令違反(昭和 36 年までは道路交通取締法 第1章 少年非行の動向 (昭和 22 年法律第 130 号)違反を含む。)を除き,平成 16 年以降は交通法令違反を除く。以下この 項において同じ。 )の検挙人員の推移(昭和 31 年以降)は,3-1-2-1 図のとおりである(罪名別検挙 人員については,CD-ROM 資料 3-6 参照)。その総数は,38 年(1万 8,967 人)と 58 年(3万 9,062 人)をピークとする大きな波が見られた後,平成3年から 18 年にかけて大きく減少した。19 年に増加に転じ,24 年からは再び減少し続けていたが,令和元年から増加に転じ,2年は 5,022 人 (前年比 10.2%増)であった。罪名別に見ると,薬物犯罪(覚醒剤取締法,大麻取締法,麻薬取締法, あへん法及び毒劇法の各違法をいう。以下この節において同じ。)の人員は,昭和 47 年から大きく増 加し,57 年(3万 2,129 人)にピークを迎えたが,平成5年前後に著しく減少し,それ以降減少傾 向にあったものの,26 年(190 人)を底として,翌年からは増加し続けている。その一方で,軽犯 第2節 罪法違反の人員は,12 年から 23 年まで増加し続け,令和元年まで減少を続けていたが,平成 18 年 以降一貫して,特別法犯の中で最も多い。同年以降の軽犯罪法違反の人員を違反態様別に見ると, 30 年及び令和元年は「業務妨害の罪」 (同法1条 31 号)が最も多かったが,その他の年は「田畑等 少年による特別法犯 侵入の罪」 (同法1条 32 号)が最も多い(警察庁の統計による。)。 3-1-2-1 図 少年による特別法犯 検挙人員の推移 (昭和31年~令和2年) (千人) 40 総数 35 薬物犯罪 30 25 毒劇法 20 15 銃刀法 10 5,022 5 軽犯罪法 0 昭和31 注 110 35 40 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 1,229 1,011 167 3 30令和2 1 警察庁の統計による。 2 犯行時の年齢による。 3 触法少年を含まない。 4 「薬物犯罪」は,覚醒剤取締法,大麻取締法,麻薬取締法,あへん法及び毒劇法の各違反をいう。 5 平成 15 年までは交通関係4法令違反(昭和 36 年までは道路交通取締法違反を含む。 )を除き,平成 16 年以降は交通法令違反を除く。 令和 3 年版 犯罪白書

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令和2年における犯罪少年による特別法犯の検挙人員の罪名別構成比は,3-1-2-2 図のとおりであ る。 3-1-2-2 図 少年による特別法犯 検挙人員の罪名別構成比 (令和2年) 覚醒剤取締法 廃棄物処理法 刀 法 2.2 その他 9.9 3.3 青少年保護 育成条例 10.6 軽犯罪法 24.5 総 数 5,022人 迷惑防止条例 12.0 大麻取締法 17.0 注 第3 編 銃 1.9 児童買春・児童 ポルノ禁止法 18.7 1 警察庁の統計による。 2 犯行時の年齢による。 3 触法少年を含まない。 4 交通法令違反を除く。 2 薬物犯罪 犯罪少年の薬物犯罪においては,昭和 47 年に毒劇法が改正されてシンナーの乱用行為等が犯罪と された後,同法違反が圧倒的多数を占め,その検挙人員(警察が検挙した者に限る。以下この項にお いて同じ。)は,57 年のピーク(2万 9,254 人)後増減を繰り返していたが,平成5年前後に著しく 減少し,それ以降減少傾向にあり,令和2年は3人であった(3-1-2-1 図及び CD-ROM 資料 3-6 参 照) 。 犯罪少年による覚醒剤取締法,大麻取締法及び麻薬取締法の各違反の検挙人員の推移(昭和 50 年 少年非行の動向と非行少年の処遇 以降)は,3-1-2-3 図のとおりである。覚醒剤取締法違反は,57 年(2,750 人)及び平成9年(1,596 人)をピークとする波が見られた後,10 年以降は減少傾向にあったが,29 年以降は 90 人台で推移 し,令和2年は前年より4人増加し,96 人であった。大麻取締法違反は,昭和 61 年以降増加傾向に あり,平成6年(297 人)をピークとする波が見られた後,増減を繰り返していたが,26 年から7 年連続で増加しており,令和2年は 853 人(前年比 258 人(43.4%)増)であった。麻薬取締法違 反は,平成 16 年(80 人)をピークとする小さな波が見られるものの,昭和 50 年以降,おおむね横 ばいないしわずかな増減にとどまっていたが,平成 29 年から増加傾向にある。 犯罪白書 2021 111

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3-1-2-3 図 少年による覚醒剤取締法違反等 検挙人員の推移(罪名別) (昭和 50 年~令和2年) ① 覚醒剤取締法 ② (人) 3,000 大麻取締法・麻薬取締法 (人) 1,000 第1章 少年非行の動向 2,500 853 800 2,000 600 覚醒剤取締法 大麻取締法 1,500 400 1,000 200 500 0 昭和50 注 55 60平成元 5 10 15 20 25 96 30令和2 0 昭和50 59 麻薬取締法 55 60平成元 5 10 15 20 25 30令和2 第2節 1 警察庁の統計による。 2 犯行時の年齢による。 3 触法少年を含まない。 少年による特別法犯 交通犯罪 3 犯罪少年による道路交通法違反の取締件数(軽車両以外の車両等の運転によるものに限る。ただ し,教唆・幇助犯は除く。)は,昭和 60 年に 193 万 8,980 件を記録した後,減少傾向が続き,令和2 年は 12 万 4,077 件(前年比 0.6%減)であった(警察庁交通局の資料による。)。 令和2年における犯罪少年による危険運転致死傷の検挙人員は 48 人(前年比2人増)であり,そ のうち,致死事件の検挙人員は6人(同1人増)であった(警察庁の統計による。)。 暴走族の構成員数及びグループ数の推移(最近 20 年間)は,3-1-2-4 図のとおりである。 3-1-2-4 図 暴走族の構成員数・グループ数の推移 (平成 13 年~令和2年) (千人) 25 1,400 1,200 グループ数 20 15 800 600 10 暴走族構成員 4,505 5 0 平成13 注 112 1 2 令和 3 年版 うち少年 15 20 25 警察庁交通局の資料による。 共同危険型暴走族(爆音を伴う暴走等を集団で行う暴走族をいう。)に限る。 犯罪白書 30 令和2 グループ数 構成員数 1,000 400 2,547 200 113 0

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第3節 ぐ犯少年 ぐ犯について,態様別の家庭裁判所終局処理人員及び女子比の推移(最近 20 年間)を見ると, 3-1-3-1 図のとおりである(CD-ROM 資料 3-7 参照) 。令和2年における家庭裁判所終局処理人員は 151 人(前年比 7.9%減),女子比は 27.8%(同 9.4pt 低下)であった。 なお,令和2年における家庭裁判所終局処理人員のうち,行為時の年齢が 14 歳未満の者は 10 人 3-1-3-1 図 第3 編 (前年比 14 人減)であった(司法統計年報による。)。 家庭裁判所終局処理人員(ぐ犯の態様別)・女子比の推移 (平成 13 年~令和2年) (人) 1,200 (%) 100 令和2年終局処理人員 その他 98 不純異性交遊 11 不良交友 19 家出 23 1,000 800 80 員 600 女子比 40 400 27.8 200 0 平成 13 注 1 2 女子比 人 60 151 15 20 25 30 令和2 20 0 司法統計年報による。 所在不明等による審判不開始及び不処分を除く。 少年非行の動向と非行少年の処遇 犯罪白書 2021 113

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第4節 不良行為少年 不良行為少年(犯罪少年,触法少年又はぐ犯少年には該当しないが,飲酒,喫煙,深夜はいかいそ の他自己又は他人の徳性を害する行為をしている少年をいう。)の補導人員及び人口比の推移(最近 20 年間)を見ると,3-1-4-1 図のとおりである。令和2年における補導人員は 33 万 3,182 人(前年 第1章 少年非行の動向 比 11.1%減) ,人口比は 4,837.1(同 606.8 低下)であった。 また,令和2年における補導人員を態様別に見ると,深夜はいかい 17 万 9,186 人(53.8%),喫 煙9万 9,220 人(29.8%)の順に多く,この2態様で補導人員総数の8割以上を占めた(警察庁生 活安全局の資料による。)。 3-1-4-1 図 不良行為少年 補導人員・人口比の推移 (平成 13 年~令和2年) (万人) 160 25,000 第4節 140 人口比 20,000 120 15,000 員 80 10,000 60 333,182 40 注 114 5,000 補導人員 20 0 平成 13 人口比 人 不良行為少年 100 15 20 25 4,837.1 30 令和2 0 1 警察庁生活安全局の資料及び総務省統計局の人口資料による。 2 「不良行為少年」は,犯罪少年,触法少年又はぐ犯少年には該当しないが,飲酒,喫煙,深夜はいかいその他自己又は他人の徳性を 害する行為をしている少年をいう。 3 「人口比」は,少年 10 万人当たりの補導人員である。ただし,令和2年の人口比は,元年 10 月1日現在の 14 歳以上 20 歳未満の人 口を使用して算出した。 令和 3 年版 犯罪白書

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第5節 1 家庭と学校における非行 家庭内暴力 少年による家庭内暴力事件の認知件数の推移(最近 20 年間)を就学・就労状況別に見ると,3-15-1 図のとおりである。認知件数の総数は,平成 24 年から毎年増加しており,令和2年は 4,177 件 第3 編 (前年比 16.2%増)であった。特に,近年,小学生が大きく増加しており,2年は 840 件(同 33.1% 増)であった。 3-1-5-1 図 少年による家庭内暴力 認知件数の推移(就学 ・ 就労状況別) (平成 13 年~令和2年) (件) 4,500 4,000 3,500 3,000 4,177 無職少年 有職少年 その他の学生 高校生 中学生 小学生 185 131 119 1,134 2,500 2,000 1,768 1,500 1,000 500 0 平成 13 15 20 25 30 令和 2 少年非行の動向と非行少年の処遇 注 840 1 警察庁生活安全局の資料による。 2 犯行時の就学・就労状況による。 3 一つの事件に複数の者が関与している場合は,主たる関与者の就学・就労状況について計上している。 4 「その他の学生」は,浪人生等である。 令和2年における家庭内暴力事件の対象について,同居している家族の内訳を見ると,母親が 2,430 件と最も多く,次いで,父親が 532 件,兄弟姉妹が 417 件,同居の親族が 173 件の順であり, 同居している家族以外では,家財道具等が 612 件,その他が 13 件であった(警察庁生活安全局の資 料による。)。 犯罪白書 2021 115

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2 校内暴力 校内暴力事件の事件数及び検挙・補導人員は,事件数では昭和 58 年に 2,125 件を,検挙・補導人 員では 56 年に1万 468 人を,それぞれ記録した後は大きく減少し,その後の増減を経て,平成 26 年 以降減少し続け,令和2年は 507 件(前年比 18.0%減),549 人(同 20.4%減)であった。検挙・補 第1章 少年非行の動向 導された者の就学状況を見ると,かつては,中学生が圧倒的に多い状況が続いていたが,平成 26 年 以降,中学生の検挙・補導人員及び総数に占める構成比が減少・低下し続け,令和2年は,中学生が 334 人(60.8%) ,小学生が 118 人(21.5%),高校生が 97 人(17.7%)であった。中学生は,減少 が始まる直前の平成 25 年(1,569 人)と比べると令和2年は約2割となった一方で,小学生は,平 成 24 年から増加傾向にあり,令和2年にやや減少したものの,平成 28 年以降は高校生を上回ってい る(警察庁生活安全局の資料による。)。 3 いじめ 第5節 警察において取り扱ったいじめに起因する事件の事件数及び検挙・補導人員の推移(最近 20 年間) を見ると,3-1-5-2 図のとおりである。事件数及び検挙・補導人員は,昭和 60 年に 638 件,1,950 人を記録して以降,63 年の 97 件,279 人まで大きく減少し,その後の増減を経て,令和2年の事件 家庭と学校における非行 数は 142 件(前年比 30.0%減),検挙・補導人員は 199 人(同 25.2%減)と,いずれも前年より減 少した(CD-ROM 参照)。 3-1-5-2 図 いじめに起因する事件 事件数・検挙・補導人員の推移 (平成 13 年~令和2年) (件) (人) 800 700 600 高校生 中学生 小学生 500 400 事件数 300 199 200 45 142 100 0 平成 13 注 116 103 51 15 20 25 1 警察庁生活安全局の資料による。 2 「いじめに起因する事件」とは,いじめによる事件及びいじめの仕返しによる事件をいう。 令和 3 年版 犯罪白書 30 令和 2

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2章 第 非行少年の処遇 概要 第1節 第3 編 非行少年に対する手続の流れは,3-2-1-1 図のとおりである(少年に対する刑事処分に係る手続 (同図の緑色部分)については,本編第3章参照)。 3-2-1-1 図 非行少年処遇の概要 (令和 2 年) 警察等 触法少年 犯罪少年 ぐ犯少年 交通反則金 検察庁 新規受理 4万5,436人 家裁送致 4万3,015人 移送 全部執行猶予 実刑 うち 保護観察付 うち一部 執行猶予 児童福祉法 上の措置 家庭裁判所 終局処理 4万3,872人 裁判所 無罪・ 罰金等 児童相談所 検察官送致 2,966人 不処分 7,926人 保護処分 刑事施設 (少年刑務所等) 入所受刑者 16歳以上 19人 の移送 審判不開始 2万33人 児童相談所長等 送致 141人 1万2,806人 少年非行の動向と非行少年の処遇 16歳まで の収容 少年鑑別所 入所者 5,197人 児童自立支援施設等送致 87人 少年院 入院者 1,624人 出院者 1,698人 退院 満期釈放 一部執行猶予の 実刑部分の刑期終了 仮釈放 うち保護観察付 うち一部 執行猶予 保護観察処分 1万 733 人 仮退院 1,692人 保護観察所 保護観察開始 1万2,425人 解除等 注 1 2 3 4 5 6 期間満了等 取消し等 検察統計年報,司法統計年報,矯正統計年報及び保護統計年報による。 「検察庁」の人員は,事件単位の延べ人員である。例えば,1人が2回送致された場合には,2人として計上している。 「児童相談所長等送致」は,知事・児童相談所長送致である。 「児童自立支援施設等送致」は,児童自立支援施設・児童養護施設送致である。 「出院者」の人員は,出院事由が退院又は仮退院の者に限る。 「保護観察開始」の人員は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者に限る。 犯罪白書 2021 117

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1 家庭裁判所送致までの手続の流れ (1)犯罪少年 警察等は,少年の被疑事件について捜査を遂げた結果,犯罪の嫌疑があると思料するときは,交通 反則通告制度に基づく反則金の納付があった道路交通法違反を除き,罰金以下の刑に当たる犯罪の被 第2章 非行少年の処遇 疑事件は家庭裁判所に送致し,それ以外の刑に当たる犯罪の被疑事件は検察官に送致する。検察官 は,捜査を遂げた結果,犯罪の嫌疑があると思料するとき,又は家庭裁判所の審判に付すべき事由が あると思料するときは,事件を家庭裁判所に送致する。そのため,検察官は,少年が満 20 歳に達し た場合や,犯罪の嫌疑がなく,家庭裁判所の審判に付すべき事由もない場合などを除き,事件を家庭 裁判所へ送致しなければならない。 (2)触法少年及びぐ犯少年 触法少年及び 14 歳未満のぐ犯少年については,家庭裁判所は,都道府県知事又は児童相談所長か ら送致を受けたときに限り,審判に付することができる。保護者のない児童又は保護者に監護させる 第1節 ことが不適当であると認められる児童(要保護児童)を発見した者は,これを都道府県等の福祉事務 所又は児童相談所に通告しなければならないこととされているので,触法少年及び 14 歳未満のぐ犯 少年が要保護児童である場合には,この通告対象となる。都道府県知事又は児童相談所長は,通告を 概要 受けた少年について,家庭裁判所の審判に付することが適当であると認めた場合には,家庭裁判所に 送致する。警察官は,触法少年であると疑うに足りる相当の理由のある者を発見した場合に,事件の 調査をすることができるが,その結果,少年の行為が,一定の重大な罪に係る刑罰法令に触れるもの であると思料する場合等には,事件を児童相談所長に送致しなければならない。都道府県知事又は児 童相談所長は,送致を受けた少年のうち一定の重大な罪に係る刑罰法令に触れる行為を行った触法少 年については,原則として,家庭裁判所に送致しなければならず,それ以外の少年についても,家庭 裁判所の審判に付することが適当であると認めた場合は,家庭裁判所に送致する。他方,14 歳以上 のぐ犯少年を発見した者は,これを家庭裁判所に通告しなければならない。ただし,警察官又は保護 者は,ぐ犯少年が 18 歳未満であり,かつ,家庭裁判所に送致・通告するよりも,まず児童福祉法 (昭和 22 年法律第 164 号)による措置に委ねるのが適当であると認めるときは,児童相談所に通告 することができる。 2 家庭裁判所における手続の流れ (1)家庭裁判所の調査 家庭裁判所は,検察官等から事件の送致等を受けたときは,事件について調査しなければならず, 家庭裁判所調査官に命じて必要な調査を行わせることができる。 (2)少年鑑別所の鑑別 家庭裁判所は,審判を行うため必要があるときは,観護措置の決定により,少年を少年鑑別所に送 致する。この場合,少年鑑別所は,送致された少年を収容して,医学,心理学,教育学,社会学その 他の専門的知識及び技術に基づいて,収容審判鑑別を行うとともに,必要な観護処遇を行う。 (3)家庭裁判所の審判等 家庭裁判所は,調査の結果に基づき,審判不開始,審判開始等の決定をする。 少年及び保護者は,付添人を選任することができるが,弁護士以外の者を選任するには,家庭裁判 所の許可を要する。 118 令和 3 年版 犯罪白書

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審判は,非公開で行われるが,家庭裁判所は,一定の重大事件の被害者等から審判の傍聴の申出が あった場合,少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認めるときは,傍聴を許すことができる (第6編第2章第1節6項参照)。 また,家庭裁判所は,犯罪少年の一定の重大犯罪に係る事件において,その非行事実を認定するた めの審判の手続に検察官が関与する必要があると認めるときは,決定をもって,審判に検察官を出席 させることができる。家庭裁判所は,この場合において,少年に弁護士である付添人がないときは, 第3 編 弁護士である付添人(国選付添人)を付さなければならない。 なお,家庭裁判所は,保護処分を決定するため必要があると認めるときは,相当の期間,少年を家 庭裁判所調査官に直接観察させる試験観察に付することができる。 家庭裁判所は,審判の結果,保護処分に付することができず,又はその必要がないと認めるとき は,不処分の決定をする。調査又は審判の結果,児童福祉法上の措置を相当と認めるときは,事件を 都道府県知事又は児童相談所長に送致し,本人が 20 歳以上であることが判明したときは,事件を検 察官に送致する。また,調査又は審判の結果,死刑,懲役又は禁錮に当たる罪の事件について,刑事 処分を相当と認めるときは,事件を検察官に送致するが,犯行時 16 歳以上の少年による一定の重大 な事件及び犯行時 18 歳以上の少年による選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼす連座制に係る事件 については,原則として事件を検察官に送致しなければならず(いわゆる原則逆送),送致を受けた 検察官は,原則として当該事件を起訴しなければならない。家庭裁判所は,これらの場合以外は,保 護処分をしなければならず,保護観察,児童自立支援施設・児童養護施設送致(18 歳未満の少年に 限る。 )又は少年院送致(おおむね 12 歳以上の少年に限る。)のいずれかの決定を行う。 少年,その法定代理人又は付添人は,保護処分の決定に対し,決定に影響を及ぼす法令の違反,重 大な事実の誤認又は処分の著しい不当を理由とするときに限り,高等裁判所に抗告をすることができ る。他方,検察官は,検察官関与の決定があった事件について,非行事実の認定に関し,決定に影響 を及ぼす法令の違反又は重大な事実の誤認があることを理由とするときに限り,高等裁判所に抗告審 として事件を受理すべきことを申し立てることができる。 保護処分に係る手続の流れ 少年非行の動向と非行少年の処遇 3 (1)家庭裁判所の決定による保護観察 家庭裁判所の決定により保護観察に付された少年は,原則として 20 歳に達するまで(その期間が 2年に満たない場合には2年間)又は保護観察が解除されるまで,保護観察官又は保護司から,改善 更生のために必要な指導監督及び補導援護を受ける(保護観察の概要については,本章第5節参照)。 なお,家庭裁判所は,少年を保護観察に付する際,非行性の進度がそれほど深くないなど,短期間 の保護観察により改善更生を期待できる者について,短期保護観察又は交通短期保護観察が相当であ る旨の処遇勧告を行い,これらの処遇勧告がなされた場合,保護観察は,この勧告に従って行われ る。 (2)児童自立支援施設・児童養護施設送致 児童自立支援施設・児童養護施設送致の決定を受けた少年は,児童福祉法による施設である児童自 立支援施設又は児童養護施設に入所措置される。 (3)少年院収容と仮退院後の保護観察 家庭裁判所の決定により少年院送致とされた少年は,少年院に収容され,矯正教育,社会復帰支援 等を受ける。 少年院での収容期間は,原則として 20 歳に達するまでであるが,少年院の長は,20 歳に達した後 犯罪白書 2021 119

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も,送致の決定のあった日から1年間に限り,収容を継続することができる。在院者は,収容期間の 満了により退院するが,家庭裁判所は,一定の場合には,少年院の長の申請により,23 歳を超えな い期間を定めて,収容を継続する決定をする。さらに,家庭裁判所は,在院者の精神に著しい障害が あり,医療に関する専門的知識及び技術を踏まえて矯正教育を継続して行うことが特に必要な場合に は,少年院の長の申請により,26 歳を超えない期間を定めて,収容を継続する決定を行い,同決定 第2章 非行少年の処遇 を受けた在院者は,第3種の指定を受けた少年院(本章第4節3項(1)参照)に収容される。 他方,在院者については,生活環境の調整を行い,地方更生保護委員会の決定により,収容期間の 満了前に仮退院を許されることがある。この場合,仮退院した後は,収容期間の満了日又は退院の決 定があるまで保護観察に付される。 4 少年法等の改正 令和3年5月,成年年齢の引下げ等の社会情勢の変化及び少年による犯罪の実情に鑑み,必要な措 置を講ずるため,少年法等の一部を改正する法律(第2編第1章1項(1)参照。以下この項におい 第2節 て「改正法」という。 )が成立し,4年4月1日から施行されることとなった。同法により,少年法 が改正され,18 歳以上の少年が特定少年とされ,特定少年の保護事件の特例として,①家庭裁判所 が原則として検察官に送致しなければならない事件に,死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若 検察・裁判 しくは禁錮に当たる罪の事件であって,犯行時に特定少年に係るものが加えられ,②家庭裁判所が審 判を開始した事件につき,少年が特定少年である場合に決定するべき保護処分(6月若しくは2年の 保護観察又は少年院送致)の内容等に関する規定が整備されるとともに,③ぐ犯が対象から除外され るなどの規定の整備が行われた。また,特定少年の刑事事件の特例として,不定期刑(本編第3章第 1節1項参照) ,換刑処分の禁止の規定等を適用しないものとするなどの規定の整備が行われた。さ らに,特定少年のときに犯した罪により公訴を提起された場合には,略式手続による場合を除き,記 事等の掲載の禁止に関する規定を適用しないこととされた。 また,改正法により,更生保護法が改正され,前記②の保護処分に係る保護観察に付された特定少 年を保護観察処分少年(本章第5節2項(1)参照)に加えるなどの所要の規定の整備が行われた。 さらに,改正法により,少年院法が改正され,少年院の種類(本章第4節3項(1)参照)に,前記 ②の保護処分に係る保護観察のうち2年の保護観察に付されている者(特定保護観察処分少年)につ いて,遵守事項を遵守しなかったと認められる事由があり,その程度が重く,かつ,少年院において 処遇を行わなければ改善更生を図ることができないと家庭裁判所が認めるときに決定をもって収容す るものとして,第5種を新たな少年院の種類として加えるなどの所要の規定の整備が行われた。 第2節 1 検察・裁判 検察(家庭裁判所送致まで) (1)受理状況 令和2年における犯罪少年の検察庁新規受理人員は,4万 5,436 人(少年比 5.7%)であった。そ の内訳は,刑法犯が2万 2,128 人(同 11.3%) ,過失運転致死傷等が 8,846 人(同 2.9%),特別法犯 が1万 4,462 人(同 4.7%)であり,道交違反を除いた特別法犯は 3,659 人(同 4.1%)であった(検 察統計年報による。)。 3-2-2-1 図は,令和2年における犯罪少年の検察庁新規受理人員の罪名別構成比を年齢層別に見た ものである。犯罪少年の検察庁新規受理人員・人口比の推移については,CD-ROM 資料 3-8 参照。 120 令和 3 年版 犯罪白書

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3-2-2-1 図 犯罪少年の検察庁新規受理人員の罪名別構成比(年齢層別) (令和2年) 横領・背任 大麻取締法 2.4 傷害・暴行 道交違反 過失運転致死傷等 25.6 23.8 19.5 年少少年 (5,278) 45.3 10.6 6.1 3.8 11.7 5.0 年長少年 (26,498) 注 35.2 23.9 18.9 26.6 0.3 0.6 中間少年 (13,660) その他 第3 編 総 数 (45,436) 窃盗 3.6 7.3 4.9 23.4 1.6 16.6 26.3 31.4 4.3 3.13.2 15.0 1 検察統計年報による。 2 受理時の年齢による。 3 「横領」は,遺失物等横領を含む。 4 ( )内は,人員である。 (2)家庭裁判所への送致 検察官は,少年事件を家庭裁判所に送致するとき,どのような処分が相当であるかについて意見を 付けることができる。令和2年における家庭裁判所の終局処理人員(過失運転致死傷等及び道交違反 を除く。 )のうち年長少年(9,058 人)について,検察官が刑事処分相当との意見を付けた割合は 6.9%,家庭裁判所が検察官送致(刑事処分相当)の決定をした割合は 6.0%であった(法務省刑事 局の資料による。)。検察官処遇意見等の状況については,CD-ROM 資料 3-9 参照。 家庭裁判所 少年非行の動向と非行少年の処遇 2 (1)受理状況 少年保護事件の家庭裁判所新規受理人員の推移(昭和 24 年以降)は,3-2-2-2 図のとおりである。 一般保護事件(道交違反に係るもの以外の少年保護事件。以下この項において同じ。)の家庭裁判 所新規受理人員は,昭和 41 年及び 58 年のピークを経て,しばらく減少傾向にあった後,20 万人前 後で推移していたが,平成 16 年以降,毎年減少しており,令和2年は3万 8,547 人(前年比 10.5% 減)であった。 道路交通保護事件(道交違反に係る少年保護事件。以下この項において同じ。)の家庭裁判所新規 受理人員は,昭和 45 年の交通反則通告制度の少年への適用拡大,62 年の同制度の反則行為の拡大に より急減した後,近年も減少傾向にあり,令和2年は1万 2,938 人(前年比 3.0%減)であった。 犯罪白書 2021 121

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3-2-2-2 図 少年保護事件 家庭裁判所新規受理人員の推移 (昭和 24 年~令和2年) (万人) 120 第2章 非行少年の処遇 100 80 総数 60 道路交通保護事件 40 一般保護事件 20 第2節 0 昭和24 検察・裁判 注 1 2 30 35 40 45 50 55 60 平成元 5 10 15 20 25 51,485 38,547 12,938 30令和2 司法統計年報による。 内数である一般保護事件と道路交通保護事件の区分については,統計の存在する昭和 31 年以降の数値を示した。 (2)処理状況 ア 終局処理の概要 令和2年における少年保護事件について,①一般保護事件(過失運転致死傷等保護事件及びぐ犯を 除く。 ) ,②過失運転致死傷等保護事件(過失運転致死傷等及び危険運転致死傷に係る少年保護事件), ③道路交通保護事件別に,家庭裁判所終局処理人員の処理区分別構成比を見ると,3-2-2-3 図のとお りである。処理区分別・非行名別の終局処理人員については,CD-ROM 資料 3-10 参照。 3-2-2-3 図 少年保護事件 終局処理人員の処理区分別構成比 (令和2年) ① 一般保護事件(過失運転致死傷等保護事件及びぐ犯を除く) (23,835) 6.6 24.0 16.2 50.5 0.8 0.4 1.5 ② 過失運転致死傷等保護事件(8,735) 4.3 1.6 ③ 15.1 36.2 42.5 0.4 道路交通保護事件(11,138) 14.4 3.4 34.8 8.1 38.3 1.0 検察官送致(刑事処分相当) 不処分 注 122 1 2 3 4 5 0.0 検察官送致(年齢超過) 審判不開始 少年院送致 その他 司法統計年報による。 「過失運転致死傷等保護事件」は,過失運転致死傷等及び危険運転致死傷に係る少年保護事件である。 「道路交通保護事件」は,道交違反に係る少年保護事件である。 「その他」は,児童自立支援施設・児童養護施設送致及び都道府県知事・児童相談所長送致である。 ( )内は,実人員である。 令和 3 年版 犯罪白書 保護観察

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イ 原則逆送事件の処理状況 犯行時 16 歳以上の少年による故意の犯罪行為で被害者を死亡させた罪の事件については,家庭裁 判所は,原則として検察官に送致しなければならないが,これに該当する原則逆送事件の終局処理人 員(年齢超過による検察官送致を除く。以下イにおいて同じ。)の推移(原則逆送制度が開始された 平成 13 年以降)は,3-2-2-4 図のとおりである。14 年(83 人)のピーク後,16 年までは大きな増 減はなかったが,17 年以降は減少傾向にあった。その後,24 年に増加に転じ,26 年以降は毎年減 第3 編 少していたが,令和2年は 28 人(前年比 18 人増)であった。 平成 13 年4月以降令和2年末までの間における原則逆送事件の終局処理人員の合計は 767 人であ り,このうち 487 人(63.5%)が検察官送致決定を受けている。 3-2-2-4 図 原則逆送事件 家庭裁判所終局処理人員の推移(処理区分別) (平成 13 年~令和2年) (人) 90 80 その他 保護処分 70 検察官送致(刑事処分相当) 60 50 40 28 30 14 20 10 14 0 平成 13 1 2 3 4 5 20 25 30 令和 2 最高裁判所事務総局の資料による。 少年法 55 条により地方裁判所から移送されたものを除く。 年齢超過による検察官送致を除く。 平成 13 年は,原則逆送制度が開始した同年4月1日以降の人員である。 「その他」は,不処分及び審判不開始である。 少年非行の動向と非行少年の処遇 注 15 令和2年における家庭裁判所の終局処理人員を罪名別に見るとともに,これを処理区分別に見る と,3-2-2-5 表のとおりである。 3-2-2-5 表 原則逆送事件 家庭裁判所終局処理人員(罪名別,処理区分別) (令和2年) 罪 総 殺 注 終局処理 人 員 名 検察官送致 (刑事処分相当) 数 28 14 少年院送致 保護処分 第1種 第2種 第3種 少年院 少年院 少年院 14 8 4 - 保護 観察 2 不処分 審 判 不開始 - - 人 16 7 9 4 3 - 2 - - 傷 害 致 死 8 3 5 4 1 - - - - 危険運転致死 4 4 - - - - - - - 1 最高裁判所事務総局の資料による。 2 「殺人」は,既遂に限る。 3 少年法 55 条により地方裁判所から移送されたものを除く。 4 年齢超過による検察官送致を除く。 犯罪白書 2021 123

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第3節 少年鑑別所 概説 1 少年鑑別所の業務は,①専門的知識及び技術に基づいた鑑別を実施すること,②在所者の情操の保 第2章 非行少年の処遇 護に配慮し,その者の特性に応じた観護処遇を実施すること,③地域社会における非行及び犯罪の防 止に関する援助を実施することである。少年鑑別所は,令和3年4月1日現在,全国に 52 庁(分所 8庁を含む。 )が設置されている。 入所・退所の状況 2 (1)入所人員の推移 少年鑑別所の入所者(観護措置(少年鑑別所送致),勾留に代わる観護措置又はその他の事由(勾 留,引致,少年院在院者の鑑別のための収容等)により入所した者をいう。)の人員(男女別)及び 第3節 女子比の推移(最近 20 年間)は,3-2-3-1 図のとおりである。その人員は,平成8年から増加し, 15 年(2万 3,063 人)に昭和 45 年以降最多を記録したが,その後,17 年連続で減少し,令和2年 は 5,197 人(前年比 9.6%減)であった(CD-ROM 資料 3-11 参照)。2年におけるその人員の内訳 少年鑑別所 は,観護措置による者が 88.0%,勾留に代わる観護措置による者が 6.4%であった(矯正統計年報に よる。 ) 。 3-2-3-1 図 少年鑑別所入所者の人員(男女別)・女子比の推移 (平成 13 年~令和 2 年) (千人) 25 (%) 14 員 女子比 10 15 8 4 5 注 124 9.7 6 10 0 平成 13 女子比 人 12 20 2 15 20 25 30 令和 2 0 5,197 男子 4,691 女子 506 1 矯正統計年報による。 2 「入所者」は,観護措置(少年鑑別所送致),勾留に代わる観護措置又はその他の事由(勾留,引致,少年院在院者の鑑別のための収 容等)により入所した者をいい,逃走者の連戻し,施設間の移送又は仮収容により入所した者は含まない。 令和 3 年版 犯罪白書

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(2)被収容者の特徴 3-2-3-2 図は,少年鑑別所被収容者(観護措置(少年鑑別所送致)又は勾留に代わる観護措置によ り入所した者で,かつ,当該年において逃走,施設間の移送又は死亡以外の事由により退所した者を いう。以下同じ。)の年齢層別構成比の推移(最近 20 年間)を男女別に見たものである。 3-2-3-2 図 少年鑑別所被収容者の年齢層別構成比の推移(男女別) ① 男子 ② (%) 100 女子 (%) 100 80 80 52.9 47.5 60 60 40 40 37.0 34.9 20 20 0 平成 13 15 12.2 20 25 30令和2 年少少年 注 第3 編 (平成 13 年~令和2年) 0 平成 13 15 中間少年 15.5 20 25 30令和2 年長少年 1 矯正統計年報による。 2 「被収容者」は,観護措置(少年鑑別所送致)又は勾留に代わる観護措置により入所した者で,かつ,当該年において逃走,施設間 の移送又は死亡以外の事由により退所した者をいう。 3 少年鑑別所退所時の年齢による。 4 「年少少年」は,14 歳未満の者を含み, 「年長少年」は,20 歳に達している者を含む。 少年非行の動向と非行少年の処遇 3-2-3-3 図は,令和2年における少年鑑別所被収容者の非行名別構成比を男女別に見るとともに, これを年齢層別に見たものである。男子は,全ての年齢層で窃盗の構成比が最も高く,ぐ犯及び覚醒 剤取締法違反の構成比が,女子と比べて顕著に低い(男子におけるぐ犯は 2.6%,覚醒剤取締法違反 は 1.0%。CD-ROM 参照)。女子は,年齢層が上がるにつれて,ぐ犯の構成比が低くなり,覚醒剤取 締法違反の構成比が高くなっている。また,平成 28 年から令和2年までにおける総数について見て みると,元年までは,窃盗,ぐ犯及び傷害・暴行が上位3つを占めていたが,2年は,窃盗,傷害・ 暴行,詐欺の順であり,詐欺がぐ犯を上回っている。 犯罪白書 2021 125

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3-2-3-3 図 少年鑑別所被収容者の非行名別構成比(男女別,年齢層別) (令和2年) ① 男子 総 数 第2章 非行少年の処遇 (4,436) 道路交通法 窃盗 傷害・暴行 24.3 19.7 強制性交等・強制わいせつ 詐欺 8.4 6.3 5.7 強盗 その他 4.8 31.0 1.3 年少少年 25.9 (540) 中間少年 23.3 (1,550) 年長少年 24.6 (2,346) ② 3.5 25.2 20.1 13.8 18.1 5.9 7.5 14.8 6.1 第3節 数 (476) 26.7 5.2 5.3 26.1 3.9 5.0 女子 総 2.6 窃盗 傷害・暴行 詐欺 ぐ犯 26.7 14.9 11.6 9.7 35.1 覚醒剤取締法 恐喝 その他 5.3 4.2 27.7 2.7 少年鑑別所 年少少年 32.4 (74) 中間少年 26.7 (176) 年長少年 24.8 (226) 注 23.0 14.8 21.6 10.8 12.4 12.5 15.0 3.5 8.0 4.1 4.0 3.4 4.9 16.2 27.8 31.4 1 矯正統計年報による。 2 「被収容者」は,観護措置(少年鑑別所送致)又は勾留に代わる観護措置により入所した者で,かつ,令和2年において逃走,施設 間の移送又は死亡以外の事由により退所した者をいう。 3 少年鑑別所退所時の年齢による。 4 「年少少年」は,14 歳未満の者を含み, 「年長少年」は,20 歳に達している者を含む。 5 「強制性交等」は,平成 29 年法律第 72 号による刑法改正前の強姦を含む。 6 ( )内は,実人員である。 (3)退所事由 令和2年における少年鑑別所の退所者の退所事由別構成比は,3-2-3-4 図のとおりである。 3-2-3-4 図 少年鑑別所退所者の退所事由別構成比 (令和2年) 知事・児童相談所長送致 その他 19.5 審判不開始・不処分 0.9 児 童 自 立 支 援 1.3 施 設 等 送 致 検 察 官 送 致 1.8 観護措置の取消し 7.9 試験観察 11.0 注 126 0.6 保護観察 30.5 総 数 6,105 人 少年院送致 26.6 1 矯正統計年報による。 2 「児童自立支援施設等送致」は,児童自立支援施設・児童養護施設送致である。 3 「その他」は,施設間の移送,少年院在院者の鑑別のための収容の終了,仮収容の終了,同行指揮等により退所した者である。 令和 3 年版 犯罪白書