SMB over QUICをマルチサイト同期で使ってみる

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September 28, 25

スライド概要

SMB over QUICをAzure File Syncで構成し、複数拠点で使うための方法と実践を、説明しています。
.NETラボ 勉強会 2025年9月で発表しました。
https://dotnetlab.connpass.com/event/364907/

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Microsoft Most Valuable Professionals 表彰をいただいております。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

.NETラボ 2025 09月勉強会 小鮒 通成

2.

自己紹介です  都内Sierに勤務し、Windows/MEID認証基盤のコンサ ル・設計・トラブルシュート・ブログ公開などをやっています。  Microsoft Q&Aで、ときどき回答しています。  商業誌でWindows記事の寄稿を行うことがあります。  MSMVP Directory Services→Enterprise Mobility →Securityを受賞しています(MVP受賞回数23回+α)。  秋葉原によく現れます。48型有機ELディスプレイを買った のに使えていません…。

3.

Azure Filesとは  Windows File ServicesのフルマネージドPaaS  SMB(Server Message Block)  NFS(Network File System)  使用目的として  オンプレミスのファイル サーバーの置換または補完  アプリケーションの "リフトアンドシフト"  クラウド開発の簡略化(ログデータやInsight情報を取り出し やすくする)  コンテナー化

4.

Azure File Syncとは  オンプレミスのSMBファイルサーバーを介して、Azure Filesを利用するしくみ。ファイルサーバーはオンプレミス のキャッシュとして動作する。  ファイルサーバー容量の節約・整理  複数オンプレミス拠点でのデータ同期  ディザスターリカバリー  バックアップとリストア  SMB over QUICの利用  (パフォーマンスの担保)  Azure File Sync の概要 | Microsoft Learn

5.

クラウドの階層化  Azure File Syncで同期されたファイルについて、頻繁に 利用するものをファイルサーバーにキャッシュするしくみ。  頻繁にアクセスされるファイルはホット、そうでないものは クールとして認識され、クールは名前空間とファイルコンテ ンツに分割。  ファイルサーバーには、ホットのみを配置し、クールは名前 空間のみ(ディスクサイズ0バイト)を配置する。  既定では有効化されていない。  Azure File Sync のクラウドを使った階層化について | Microsoft Learn

6.

マルチサイトアクセスと同期  Azure Filesに加えられた変更について、ファイルサー バーにライトバックするしくみ。  複数拠点で、一方のファイルサーバーに加えられた変更が、 Azure Filesを経由して、他方のファイルサーバーにも即時 反映(同期)される。  クラウドの階層化の「事前呼び戻し」機能を利用する。  事前呼び戻しを有効化した場合、階層化情報が更新され、 同期トラフィックが増大する可能性を考慮すること。  DFSRのクラウド化  Azure File Sync のクラウドを使った階層化について | Microsoft Learn

7.

SMB over QUIC  SMBをUDPベースで利用するためのプロトコル。TCPと比 較してネットワーク転送が効率化される等のメリットがある。  Windows Server 2022 Azure Edition / Windows Server 2025のみサポート。クライアントはWindows 11のみ。  Azure Files自体はサポート しておらず、上記をキャッ シュとして配置することで、 間接的に利用が可能。 引用:Azure Files のネットワークに関する考慮事項 | Microsoft Learn

8.

前提となる環境  ドメインコントローラーを構成する  Microsoft Entra Connectを構成する  Entra Hybrid Joinを構成しクライアントをjoinさせ る  Azure Files Entra Kerberosを構成する  Windows Server 2025ファイルサーバーでAzure File Syncを構成する  Azure File Sync のデプロイ方法 | Microsoft Learnを参照のこと

9.

SMB over QUIC 証明書の作成  AD CS エンタープライズでの配布がお奨め  自己署名証明書でも可能  New-SelfSignedCertificateで作成

10.

SMB over QUIC を有効化  New-SmbServerCertificateMappingで有効化  Windows Server 2025はWACでの設定不可

11.

SMB over QUIC ベースで接続  New-SmbMapping –TransportType QUICでク ライアントから明示的に接続  「信頼されたルート証明書」へのインポートが必要

12.

SMB over QUIC 接続確認  netstat –a –p udp で確認  443/udpでのコネクションが存在する

13.

SMB over QUICサーバの追加  Azure File Syncサーバーとして構成  共有フォルダーはシステムドライブに配置しない  証明書はエクスポートしたものを利用

14.

事前呼び戻しの有効化  各サーバーエンドポイント内の[クラウドを使っ た階層化の設定]-[リコールの設定]から行う。

15.

アクセス結果(1-a)  SMB over QUICサーバー間で両方向の変更どちらも、即 時に反映された。

16.

アクセス結果(1-b)  SMB over QUICサーバー間で両方向の変更どちらも、即 時に反映された。

17.

まとめ  SMB over QUICは、証明書の管理さえ気をつければ、簡 単に運用できそうです。あらためて驚きました。  インターネットに公開する場合、クライアント側でKDCプロ キシ構成を行うとセキュリティが向上します。  プロアクティブなリコールの有効化でSyncサーバー間の 同期も簡単にできます。DFS-Nにこだわらなければ、 WAN間同期サーバーとして、このまま使えそうです。  DFS-Nに対応しているのでDFS-R移行できるはずです。 機会があれば、試したいと思います。

18.

参考情報  SMB over QUIC | Microsoft Learn  Azure エンタープライズ クラウド ファイル共有 - Azure Architecture Center | Microsoft Learn  Azure File Sync のデプロイの計画 | Microsoft Learn  Azure File Sync の階層化ファイルの管理方法 | Microsoft Learn  Azure Files に関するよくあるご質問 (FAQ) | Microsoft Learn  Azure File Sync のスケーラビリティとパフォーマンスの ターゲット | Microsoft Learn