長期海洋再解析データによる日本海極前線および熱環境の解析

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June 08, 26

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海岸工学講演会2019

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金沢大学理工学域地球社会基盤学類 二宮研究室 学会発表などで使用した資料をアップします.

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長期海洋再解析データによる日本海 極前線および熱環境の解析 ◯浜野 竜太朗¹・二宮 順一²・森 信人³ ・ J o s k o Tr o s e l j ⁴ 1 ㈱オリエンタルコンサルタンツ 2 正会員 金沢大学助教 理工研究域環境デザイン学系 3 正会員 京都大学准教授 防災研究所 4 正会員 京都大学 防災研究所 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved

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1.はじめに Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved

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1. はじめに 日本の海洋での資源開発・環境防災 海洋の環境,構造の把握が課題 ・外洋からの海流流入による流況,水温変動 ・海洋の温暖化影響 一方,日本海の海洋環境に関する研究は… 太平洋側と比較して解析が遅れている(内山ら,2012,2014) 本研究の目的 長期海洋再解析データを用いた日本海の海洋環境,構造の解析 ⇒日本海の海洋環境、温暖化に対して新たな知見を獲得 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 3

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1. はじめに 再解析データの特徴 予報 ・再解析 修正 予報 過去のデータを対象とした解析 修正 予報値 同化 ・観測との違い 観測値 同化により観測+周辺の環境も再現 解析時刻 時間 図‐1 解析の原理 本研究の解析内容 1. EOF解析による日本海の水温場解析 2. 日本海の極前線南北熱量の解析 3. 4Box水温場モデルによる日本海の熱輸送経路解析 FORA‐WNP30 を用いた日本海の熱輸送経路の把握 4

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2.再解析データ概要 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 5

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2. データ概要(FORA-WNP30) 再解析データセットFORA-WNP30 誤差小 予報 期間:約30年(1982/01/01-2012/12/31) 範囲:北西太平洋(117-160°E,15-65°N) 水深54層(0-6500m) 同化手法:4次元変分同化(図-2) パラメータ:水温,塩分, 流速, (海面高度) 解像度:空間1/10度,時間1日 再解析データとしての利点 1) 同化期間が長期間(約30年) 2) 日本近海で解像度が高い 修正 観測値 予報値 解析期間 時間 図‐2 4次元変分同化 ・3次元(東西,南北,高さ)に時間を追加 ・期間内全ての観測値に近づくように修正 日本海海洋環境の再現性 二宮ら(2015)により確認済み 6

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3.4Box水温場モデル積分計算 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 7

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3. 4Box水温場モデル積分解析 日本海の熱輸送経路→図-3のように4Boxモデルを仮定 1.s1層より熱源(対馬暖流)が 流入すると仮定 2.s1からs2,n1層に熱輸送 3.n1,s2からn2層に熱輸送 4.冬季にn2層からn1層を経由して 大気に熱を放出 ・南北の境界:極前線が 形成されていると仮定(1) 図‐3 日本海における4Box計算仮定の概要 𝑇e:熱源(対馬暖流)の水温,T:水温, ・1層と2層の境界:138m 熱量の変動傾向が変わる水深帯(2) Q:海面熱フラックス, 𝑞0:熱源との水平交換速度, ・2層目の境界:2000m q:水平交換速度,r:鉛直交換速度 おおよその日本海水深 下付き文字の1,2は鉛直区分, sは南,nは北の区分 8

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3-1.境界条件の設定 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 9

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3-1. 境界条件の設定 極前線の検討 水深50m,100mにおいて極前線の指標水温(重岡,2010)から 極前線位置を推定 ・課題:50m,100mの指標水温のみ →重岡の指標決定方法を他の水深に適用 ・FORA-WNP30の水深200mまで指標を推定 ⇒水深100mの極前線を南北境界条件に設定 表‐1 水深50m,100mでの指標水温 図‐4 1月の極前線(1982‐2012平均) 10

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3-1. 境界条件の設定 FORA-WNP30各海域(極前線南北)の水深帯毎月熱量の パワースペクトル第2位までのピーク及び周期より ・最も大きいピークは1年周期,次は半年周期 1年周期:対馬暖流の年周期変動 半年周期:年二回の強化 ・12m以深から138m付近までの水深帯で南北の変動に違い ⇒水深138mを表層、低層の境界条件に設定 図‐5月熱量パワースペクトル解析結果の例 (数字:スペクトルが極値を示した時の周波数) 図‐6月熱量パワースペクトル第2位までのピー 11 ク[右]及びその時の周期[左]の水深変動

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3-2.計算条件及び計算結果 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 12

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3-2.計算条件及び計算結果 4BOX水温場の収支式 t:時間[月],V:Box容積[FORA-WNP30],S:Box表面積, 𝐵: 𝑄⁄𝑐𝜌(Q:海面熱フラックス,c:比熱,𝜌:海水密度) q・rと水平・鉛直渦拡散係数 , ・ の式 A:2つのBox境界の断面積,∆𝐿:Box間の重心距離

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3-2.計算条件及び計算結果 4Boxモデルの水温場積分計算結果(最後10年) 水温の初期値はFORA-WNP30の1981年1月の水温を採用 ・s1層が最も水温が高い →n1層・s2層へ熱が輸送 ・s2層は常にn2層より高い →s2層からn2層へ熱輸送 ・冬季に となる n2層からn1層を通過して 大気へ放出される 仮定した日本海熱輸送経路を再現 図‐7 4Box水温場積分計算結果(最後10年) 線色:Box区分 14

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3-3.温暖化条件の設定及び計算結果 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 15

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3-3.温暖化条件の設定及び計算結果 将来的な日本海の気温・水温の上昇を想定 について条件を設定 熱源水温 ,気温 ,水平渦拡散係数 1.気温上昇量 4Box計算結果の 2.熱源水温上昇量 最後10年の水温場変動 3.水平渦拡散係数 4Box水温場の最大振幅・最大値・平均から考察 表‐2 4Box計算熱源水温・気温・水平渦拡散係数の上昇条件 上昇条件 熱源⽔温Te[℃] 0 2 4 8 気温Ta[℃] 0 2 4 8 ⽔平拡散係数 Kh1[m²/s] 2000 3000 5000 16

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3-3.温暖化条件の設定及び計算結果 4box水温場積分計算結果より(例図8,9) 1.気温上昇によって平均・最大水温が上昇,振幅が拡大 2.熱源水温上昇に伴い,s1層を中心に平均水温・最大水温が上昇 Te 図‐8 熱源水温[℃]上昇による4Box計算 図‐9 熱源水温[℃]と最大水温[℃]の関係(図上: Box区分,渦拡散係数,色分け:気温上昇量区分) 17

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3-3.温暖化条件の設定及び計算結果 渦拡散係数Khの増加による 4Box計算結果(図10)より 3.渦拡散係数の増加 Box間の熱交換, 熱源からs1層への熱輸送を加速 ・s1の振幅減少,n1層の振幅増加 ・s2の水温減少 図‐10 Khによる4Box計算結果の変化 ・熱源上昇が気温上昇より高い場合 渦拡散係数の上昇によりすべてのBox,特にs1層の水温が上昇 ・気温上昇が熱源上昇より高い場合 渦拡散係数が低い方が水温は(特にn1層で)上昇 18

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4.結論 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 19

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4. 結論 4Boxモデル熱輸送経路解析 4Box計算結果より,南表層が最も水温が高く,北の表層・南の 底層へ熱が輸送されると考えられる. 南底層も常に北底層より水温が高く,南底層から北底層へ熱が 輸送される. 北層では,冬季以外に表層が底層よりも水温が高いため底層に 熱が蓄積され,冬季に表層・低層が同程度の水温となり,底層の 熱が表層を通過して大気へ放出される. 20

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5.今後の展望 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 21

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5. 今後の展望 モデルの再現性向上により、詳細な熱輸送経路の解明 1.1層目とFORA-WNP30の50m水深の水温変動は類似 ⇒日本海の変動傾向を再現 2.北側水深50mで9℃近い差 実際の水温場よりも高水温 再現性向上のために ・極前線北側の海水交換 ・河川からの流入 ・大気との熱交換 ・水深帯の多層化 Copyright 2015 ORIENTAL CONSULTANTS Co.,Ltd. all rights reserved 図‐11 4Box計算結果の月平均値とFORA‐ WNP30の水深50mにおける南北30年平均水 温との比較(点線:平均) 22