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September 04, 17
スライド概要
017/8/30~9/1に開催されたCEDEC2017の講演スライドです。
講師:京野光平 a.k.a. ntny(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社)
小林信行(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社)
リアルタイム3Dコンテンツを制作・運用するための世界的にリードするプラットフォームである「Unity」の日本国内における販売、サポート、コミュニティ活動、研究開発、教育支援を行っています。ゲーム開発者からアーティスト、建築家、自動車デザイナー、映画製作者など、さまざまなクリエイターがUnityを使い想像力を発揮しています。
Unityを使った リアルタイムなアニメ映像表現 UnityTechnologiesJapan/Artist & Evangelist 京野光平 a.k.a. ntny & 小林信行
京野 光平 a.k.a. ntny 小林 信行
本セッションの内容に関するご質問は Twitterハッシュタグ #cedecunity までお問い合わせ下さい!
発端
発端 UnityにTimelineEditorが 実装されるってよ!
まじかよ!
こんな感じのも簡単に作れるようになるって事!?
これ弄り倒すしかない奴!
これ弄り倒すしかない奴! だがその前に。
原点回帰 最近のユニティちゃん、役割をまっとう出来てた?
原点回帰 最近のユニティちゃん、役割をまっとう出来てた? 残念ながらYesではなかった。
原点回帰 ユニティちゃんには二つの大きなミッションが与えられている。 一つは彼女のファンを増やし 彼女を使ったコンテンツのお客さんを増やすこと。 もう一つはUnityの新機能を紹介する 「コンテンツ型の案内人」としての仕事。
原点回帰 平たく言うとCRSを もう一度やる 必要があった。
レッツビギンで ございます!
実践
死ぬかと思った。
死ぬかと思った。 というか何度か死んだ。
実践 すべて公開しないと意味がない! 今回のプロジェクトで使ったツールは以下の通り。 モデリング・モーション:Metasequoia、3dsMax、Maya テクスチャ:SAI、PhotoShop エフェクト:AfterEffects
実践 ただでさえMayaと仲良くするのが困難なntnyさん、 Timelineってやつもなかなか手強い相手であった。 なぜならntnyさんの頭の中ではAEの コンポジション操作と同じノリで 使える物だと思い込んでいたからだ。
実践 ただでさえMayaと仲良くするのが困難なntnyさん、 Timelineってやつもなかなか手強い相手であった。 なぜならntnyさんの頭の中ではAEの コンポジション操作と同じノリで 使える物だと思い込んでいたからだ。 そんなわけがなかった
初めて使うMaya。 初めて使うTimelineEditor。
あ、これハードモードだわ!!!
あ、これハードモードだわ!!! いや、言うてタイムラインだろ?
AE
Unity
AE Unity
思ったよりいけんじゃね!?
実践 思いのほかできそう。 やりたいことを分析して再配置。 まずはAEでやってた事の再現から。
実践 やりたいことの分析と再配置。
めっちゃ使う『フレア効果』 実践 やりたいことの分析と再配置。
ちょろい!!!
しかもAEにはないSoftParticleで モデルや背景にぶっ差しても境界が綺麗!
調子を ノ リ こなす
PPS OFF
PPS ON
ちょろい!!!
実践 やりたいことの分析と再配置。 思いのほかAEと同じ発想で結果を 出せるTimelineEditorちゃん。 しかしMaya(Max)やAEが不要に なるという事ではない。
実践 やりたいことの分析と再配置。 リソース制作自体はこれまでと大きな差はない。 が! その後の調整コストと運用に大きな違いがある。
実践 やりたいことの分析と再配置。 ゲームエンジンだからこそできたこと。
実践 やりたいことの分析と再配置。 従来の方法では一度仕上げたモデルを 再調整するコストが高すぎた。
実践 やりたいことの分析と再配置。 従来の方法では一度仕上げたモデルを 再調整するコストが高すぎた。 モデルやテクスチャを直す ウェイトを振り直す モーションを調整し直す 各種AE用素材を全部出し直す
リファレンス Maya
実践 やりたいことの分析と再配置。 この神機能は実際神機能だ! Unityにもあれば楽なのに!
プレファブ
実践 やりたいことの分析と再配置。 シーン上にマテリアルやダイナミクス といった基本セットアップを済ませた 大元になるモデルを用意し、 カット制作ではそれを複製して使う。
大元モデル(Aスタンス) カット用モデル(複製)
これによってDCCツール上で 調整したデータをFBXで都度 上書きすれば勝手に修正される!
実践 やりたいことの分析と再配置。 カット用に複製されたモデルは大元の マテリアル設定を引き継ぐが、 あくまでも複製なので個別にマテリア ルの再設定もできる。
その気になれば全てのカットに 専用のテクスチャを描ける!
実践 より効率的な設計の為のアイディア カットベースではなく シーンベースの管理による効率化
実践 より効率的な設計の為のアイディア 複数のシーンを行き来するデータを作る際、 従来はカット単位で背景なども用意していたが、 それらをシーンベースに置き直すことで データの使い回しや整理がしやすくなった。
実践 より効率的な設計の為のアイディア ノリとしては実写の撮影に近い。 その場所で撮影すべき物を予め纏めて 撮影し、後日編集で時系列を整える。
実践 より効率的な設計の為のアイディア 修正や調整、そして仕上げ。 DCCツールに戻らなければ出来ない事は 即ち高コストである! DCCツールに戻らず、Unity上で最終調整可能な 要素を少しでも多くする事を考える。
実践 最終手段を最初に使ったっていいじゃない 手描きエフェクトって素敵 どうしてもやりたかった!
実践 最終手段を最初に使ったっていいじゃない ポスト処理の後に描かれなければならない。 Imageマテリアル(Canvas)を使う事で解決。 3D空間上に直接置いた物もある。
実践 何故最終手段? これらの手描きエフェクトは、 Unityで作った動画をAEに読み込んで、 AE上で動きを合わせ、透過PNGシーケンス として出力した連番画像を Unityにインポートして使っている。
実践 何故最終手段? まぁ実際アホくさい。 AE使うならAEでいいじゃねーかって思う。
実践 何故最終手段? でもこういう手段を先にやっておきたかった。 これができるってことは、極論 最終的に描けばどうにでもなるってことだから。
実践 何故最終手段? どうにでもなる、という安心感はすごい。 これだけで悩みが吹っ飛ぶくらいすごい。 しかし、同時に忍び寄る不安もある。
実践 忍び寄る不安 マスターデータの所在。
変化 絵コンテ至上主義からの脱却
絵コンテ至上主義からの脱却 絵コンテは何のためにあったか。 ・『設計図』としての絵コンテ ・ストーリーボードとしての絵コンテ
絵コンテ至上主義からの脱却 「アーティストたち」への仕事の再分配 ・担当が細かく分かれすぎていた ・前後に人がいなければ解決しない仕事しかなかった ・自分の「前後の仕事」をするようになる必要がある
絵コンテ至上主義からの脱却 我々が構えるべき物 ・パワープレイを良しとする心 ・絵コンテを『完成図』にしない ・常に変える事ができるという新しい意識
よりアーティストらしく 何をどうやっても良い ・過程にある発想勝負もアーティストの仕事 ・必要なのは「創りたい物」 ・必ずしもTimelineで完結する必要もないし、 最終出力が動画である必要もない。
Timeline Editor 必要なのは自分たちで料理し、実際に食べる事! 最終的に今回のプロジェクトはアーティストだけで完 結していない…が! アーティストがエンジニアに求めた機能は、都度 Unity Technologies Japanの内部で作成実装 されながら制作された。
Thank you Unity-Chan! これもまた、ユニティちゃんの大事なお仕事の一つである。
プロジェクトの公開 9月末を予定。 The Phantom Knowledge はまだまだ終わらない。 今後も技術を携えたエンターテインメントとして継続される。 会場のUnityブースでは一足先にプロジェクトデータを展示中。 実際どんな構造になっているのか等を見る事が出来る。
APPENDIX https://www.twitch.tv/unityjp UnityTechnologiesJapanでは Twitchを使って不定期(大抵金曜日) に生配信をしています。 過去の配信では、 今回のデモで使われたUnitychanToonShaser2.0の使い方などが アーカイブされているので、 ご興味ご関心おありの方は覗きに来 てみてください。
Thank you for your time!