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October 26, 23
スライド概要
抗腫瘍薬と副作用
支持療法
「くすりのことをわかりやく、基本から臨床まで」 をモットーに、初学者向けの薬情報をまとめています。 資料は、薬剤師が作成しています
4-2 支持療法 化学療法薬の有害事象に対する支持療法 等
抗がん薬の有害事象の機序 化学療法 殺細胞性抗がん薬 細胞障害性抗がん薬 分子標的薬 薬理作用 有害事象 細胞増殖が盛んな 細胞増殖が盛んな がん細胞 正常細胞 分裂・増殖を止め、 • 造血幹細胞‥易感染, 貧血, 易出血 細胞死に導く • 消化管粘膜‥口内炎, 下痢 • 毛母細胞 ‥脱毛 • 生殖細胞 ‥不妊 標的がある がん細胞を攻撃 標的がある 正常細胞を攻撃 ※それぞれに特有の有害事象 免疫チェック ポイント阻害薬 がん細胞に 正常細胞に 免疫が働く 免疫が働く ※多彩な副作用 irAE ホルモン 療法 (内分泌療法) ※長期服薬 ホルモン感受性 がん細胞を 増殖させない 通常のホルモンの 働きを阻止
有害事象の評価方法 ➢ 重症度を客観的に評価するための尺度 • 「有害事象共通用語規準v5.0日本語訳JCOG版」 (CTCAE v5.0 - JCOG) • Grade 1‥軽症 • Grade 2‥中等症 • Grade 3‥重症または医学的に重大 (ただちに生命に危険があるわけではない) • Grade 4‥生命を脅かす、緊急処置を要する • Grade 5‥有害事象による死亡 ➢ 患者自身が主観的に評価する尺度 • PRO-CTCAETM • 7日間における症状を、5段階評価 日本臨床腫瘍グループ http://www.jcog.jp/index.htm
化学療法 有害事象/骨髄抑制 赤血球‥【減少】貧血 白血球‥【減少】感染症 ・好中球 ・好酸球 ・好塩基球 ・単球 ・リンパ球 血小板‥【減少】出血傾向 赤血球 白血球 血小板 発現時期 回復時期 投与後2w〜1m 緩やかに減少 ー 投与後 1w〜2w 1w〜2w かけて回復 投与後 2w〜3wに 最低値 3w〜4w 寿命が違うので、発現時期も違う かけて回復
化学療法 有害事象/赤血球減少 貧血のアセスメント項目 自覚症状 他覚症状 検査 原則 日常生活 顔色が悪い、めまい、息切れ など 月経の状態・量・期間 血液検査データ(RBC、Hb、Hct) 眼瞼結膜色調 など 生活での工夫・早期発見 ※定期的に血液検査 症状が強い時は安静にする • 十分な休息・睡眠 • だるい時は、無理をしない • 体のだるさや立ちくらみからの転倒に注意 対策 輸血
化学療法 有害事象/白血球減少 症状 発熱・ふるえ・咳・口内炎 腹痛・下痢・排尿時痛 など 原則 予防 体調管理 ※定期的に血液検査 体温測定、体調不良の人との接触を避ける 外出 マスク着用、紫外線防護、うがい・手洗い、無理をしない 食事 新鮮なものは新鮮なうちに、よく洗って食べる 調理器具を清潔に ※生物(刺身・乳酸菌)禁止の指示がある場合は、その通りに 清潔 手洗い、入浴、トイレ(ウォシュレット、優しく拭く) 土には直接触らない、性交渉は避ける 外傷 怪我・虫刺されに注意、電気式髭剃りを使用 ペット 噛まれたり引っかかられないように注意 マスク・長袖、触れ合った後に手洗い
化学療法 内服薬 対策 有害事象/白血球減少 1. 抗菌薬 • シプロフロキサシン錠 1日3回 1回400mg どちらか • レボフロキサシン錠 1日1回 1回500mg 2. 解熱薬 • アセトアミノフェン錠 あらかじめ、薬が処方される 指導内容を確認する 正しく理解されているか • 熱が出た時に服用してください • 37.5℃以上の熱は、服薬し、病院に電話してくだ さい • 3日服薬しても熱が下がらない場合は、病院に電 話してください
化学療法 有害事象/血小板減少 出血傾向のアセスメント項目 自覚症状 検査値 原則 日常生活 青あざ・鼻出血・歯茎から出血・ 下血・血痰 など 血液検査データ(Plt、PT/APTT)など 生活での工夫・早期発見 ※定期的に血液検査 出血予防のための対策 • 爪は短く • 怪我に注意する • 圧迫止血 • 鼻を強くかまない • 歯ブラシは柔らかいものを 対策 輸血
有害事象/口内炎 化学療法 がん治療にともなう口内炎 粘膜障害 免疫抑制 放射線治療 対策 治療前から 歯科との 連携を! 化学療法薬による口内炎:40〜70% ‥抗がん薬が発生させたフリーラジカルが、口腔粘膜を障害する 【発現時期】治療開始後7〜10日後;2週間程度で改善 ‥抗がん薬による免疫抑制に伴う二次感染 ・カンジダ性口内炎 ・ヘルペス性口内炎 ‥口腔内への放射線照射に伴う 放射線治療終了後1〜2週間は症状が継続 口腔内の清潔・保湿・鎮痛 • 含嗽薬 • 鎮痛薬 • 感染対策:抗真菌薬、抗ウイルス薬 • 副腎皮質ステロイド口腔用軟膏 口内炎のアセスメント項目 自覚症状 口内の痛み、乾燥感、 口角炎 広範な口内炎、 経口摂取が困難 経口摂取・飲水の状況
有害事象/口内炎 化学療法 指導のポイント 清潔 柔らかい歯ブラシ・痛くない歯磨き こまめにうがいする(ブクブクうがい) ・水 ・生理食塩水 ‥水がしみる場合 ・洗口剤(アルコール非含有) ・含嗽薬:アズレンスルホン酸Na うがい液‥炎症を鎮める ※食事がとれなくても、うがい・歯磨きをしてください 保湿 • 人工唾液 • 保湿ジェル・保湿スプレー • 口腔保護剤:エピシル 唾液マッサージ クライオセラピー 鎮痛 抗がん薬急速静注前 氷を口に含む →口腔粘膜の血流を減少 させ薬物移行を減らす 処方された鎮痛薬を、食前に服用 ことで口内炎予防 食事 刺激が少ない食物(味・温度・硬さ) 局所麻酔薬を混合したうがい薬を使うことも
有害事象/下痢 化学療法 化学療法薬でおこる下痢の機序 腸管運動刺激 粘膜障害 ※多い 蠕動運動が刺激されて、活発になるため、腸管が内容物が 十分吸収されないうちに排出されるため、下痢がおこる 【発現時期】治療開始日〜数日後 腸管粘膜が障害されたり、白血球減少のための腸管感染か ら下痢がおこる 分子標的薬 【発現時期】治療開始後10〜14日後 免疫チェックポイント薬 の下痢 特に下痢を起こしやすい化学療法薬 イリノテカン →発現時期はさらに遅い 代謝拮抗剤 プラチナ系 ※早発性・遅発性下痢の両方 5-FU、S-1、カペシタビン など 下痢のアセスメント項目 自覚症状 他覚症状 検査 便の性状・回数、血便 食事の状況 腸音↑ 脱水(ツルゴール) 水分摂取不可、頻回、血便・ 黒色便・白色便、 随伴症状(激しい腹痛・嘔 吐・発熱・めまい・口渇)
化学療法 有害事象/下痢 化学療法薬でおこる下痢 腸管運動刺激 治療薬 抗コリン薬 ‥腸管運動を抑制する 早発性 激しい腹痛、流涎、流涙などコリン様症状も併発 粘膜障害 遅発性 収斂薬 ‥腸粘膜に皮膜を作って、 分泌や刺激を抑える 吸着薬 ‥過剰な粘液や水分を吸着して 排除する 抗コリン薬 ロペラミド コデイン 整腸薬 半夏瀉心湯 ‥腸管運動抑制薬 腸管壁に直接作用する ‥ オピオイド/副作用(腸管運動を 抑制し便秘)を利用 ‥腸内細菌叢の正常化 ‥イリノテカンによる下痢に
化学療法 有害事象/ 脱毛 指導のポイント 準備 前もって短くしておく ウィッグ・帽子の準備 清潔 脱毛中も頭皮を洗う 低刺激 シャンプーは薄めに・低刺激 指の腹で優しく洗う ドライヤーは低温 パーマ・脱色・毛染めはしない 毛髪への影響: 脱毛 ちぢれ カール 毛量減少 灰色化 治療薬 ない ※育毛剤は無効 マッサージ 有効性は不明 ※長崎県内でウィッグ購入の助成金制度がある自治体:平戸市
妊孕性 化学療法 手 術 が ん 治 療 薬物療法(化学療法) にんようせい 妊孕性にダメージを与える Q. 「にんようせい」とは? A. 「妊娠する力」のこと 薬物療法(ホルモン療法) がん治療で妊孕性が失われたり、 低下する可能性がある 放射線療法 薬剤の影響 • 〔女性〕無月経 • 〔男性〕無精子症 • 性腺機能低下 胎児への影響:治療中・ 治療後一定期間は避妊が必要 支援 原則 • 治療薬によってリスクは異なる →治療の妊孕性への影響の有無 • 挙児希望 • 妊孕性温存療法が可能か →適切な方法を選択 がん・生殖医療に携わるチームで支援 適切な情報提供と、意思決定の支援 がんの衝撃や生活のことで精一杯で、治療後の妊娠・出産まで考えられないことも多い
化学療法 有害事象/悪心・嘔吐 がん患者の悪心・嘔吐‥40〜70%に見られる がんによるもの • 消化管の閉塞・圧迫 • 脳転移 など がん治療によるもの • 抗がん薬治療 化学療法薬 • 放射線治療 • オピオイドの副作用 がん以外によるもの • 胃炎・胃潰瘍 • 精神的 • 心理的 シスプラチン 【基本方針】発現予防 制吐薬 ・レジメンの催吐リスクに応じて、適切な制吐薬を選択 ・悪心・嘔吐のリスクがある期間、最善の予防を行う アセスメント項目 悪心・ 嘔吐 指示通りに制吐薬の使用を促す(食事不可の時も服用) 食事の工夫(少量ずつ、やわらかく、冷ますetc) 症状:水分摂取は可能か、内服は可能か ⚫ 制吐薬を服用しても改善しない、水分摂取不能 ⚫ 頭痛・めまいなどの随伴症状がある
制吐薬 制吐薬の作用機序 前クールの記憶 前庭 抗がん薬 CTZ 抗がん薬 抗がん薬・ オピオイド と嘔吐機序 NK1 受容体拮抗薬 大脳皮質 オピオイド オピオイド デキサメタゾン 化学受容器引き金帯 サブスタンスP→NK1受容体 セロトニン→5-HT3 受容体 ドパミン→D2受容体 直接細胞障害 消化器 セロトニン→5-HT3 受容体 サブスタンスP→NK1受容体 直接細胞障害 5-HT3 受容体拮抗薬 D2 受容体拮抗薬 (抗精神病薬) 嘔吐 中枢 急性嘔吐 遅発性嘔吐 悪心・ 嘔吐 D2 受容体拮抗薬 (消化管運動亢進薬)
抗がん薬誘発性悪心・嘔吐 0 抗 が ん 薬 投 与 Day 1 Day 7 急性 遅発性 予測性 悪心・嘔吐 悪心・嘔吐 悪心・嘔吐 抗がん薬投与後 抗がん薬投与後 24時間以内 約1週間持続 突発性 悪心・嘔吐 制吐薬の予防投与をしていても、 突然起こる 抗 が ん 薬 投 与
制吐薬 制吐薬の作用機序 前クールの記憶 前庭 抗がん薬 CTZ 抗がん薬 抗がん薬・ オピオイド と嘔吐機序 NK1 受容体拮抗薬 大脳皮質 オピオイド オピオイド デキサメタゾン 化学受容器引き金帯 サブスタンスP→NK1受容体 セロトニン→5-HT3 受容体 ドパミン→D2受容体 直接細胞障害 消化器 セロトニン→5-HT3 受容体 サブスタンスP→NK1受容体 直接細胞障害 5-HT3 受容体拮抗薬 D2 受容体拮抗薬 (抗精神病薬) 嘔吐 中枢 急性嘔吐 遅発性嘔吐 悪心・ 嘔吐 D2 受容体拮抗薬 (消化管運動亢進薬)
症状は適切な制吐薬選択の助けに 予期悪心 「また吐くのでは」という不安 →ベンゾジアゼピン系抗不安薬 体動時に悪心・嘔吐がでる めまいを伴う悪心・嘔吐 前庭が刺激され、嘔吐中枢を刺激 →抗ヒスタミン薬(動揺病) 悪心・嘔吐が持続する ドパミン遊離を促進し、嘔吐中枢を刺激 →中枢性 D2 拮抗薬(抗精神病薬) 食後に悪心・嘔吐がでる 胃内容物停滞のため嘔吐が刺激される →D2 拮抗薬(消化管運動亢進薬) あくまでも一例です
化学療法 分子標的薬 有害事象/手足症候群 手足症候群(hand foot syndrome, HFS) 抗がん薬によって起こる手足の皮膚に見られる一連の症状 ・重症化すると日常生活に支障を生じる ・休薬(Grade2以上)などの処置により、速やかに軽快する →早期診断と、適切な初期対処が重要である 化学療法 好発薬剤 フッ化ピリミジン系 (代謝拮抗薬) 分子標的薬 キナーゼ阻害薬 発症時期 1〜2ヶ月目まで 3週目までに多い 部位 びまん性 限局性 初期症状 知覚異常(しびれ、ちくちく、 ピリピリ)、広範な発赤・紅斑 限局性の斑状の発赤 手掌・足底に紅斑、腫脹、過角化、色素沈着などを生じる.知覚異常や圧痛を 訴える.爪甲の変化を伴うこともある.
化学療法 分子標的薬 有害事象/手足症候群 指導のポイント 保湿 • 保湿剤を使用 • こまめに・適量を塗布 清潔 • 常に清潔を心がける • やさしく洗う 低刺激 <二次感染予防> 物理的刺激‥手足を締め付けたり、圧力がかかる動作に注意 • 手足に力がかかる作業は短時間・できるだけ避ける • 水仕事は、綿手袋+ビニール手袋 • 足にあった柔らかい靴を履く(×ハイヒール) 熱刺激 • 熱い風呂やシャワーを避ける • 家事の時の温湯にも注意 • 紫外線を避ける 皮膚症状に伴う苦痛のアセスメント、 日常的なセルフケアの指導(個々の生活にあった内容) 軽度の症状でも教えてもらう 毎日(入浴後など)手足を観察してもらう
分子標的薬に特徴的な有害事象 EGF EGFR 上皮成長因子 受容体 血管を 作れ! “細胞の増殖・成長” 信号伝達 EGFR の遺伝子変異 →常に「ON」 → 異常な細胞増殖 EGFR が存在する場所 血管新生 VEGF 血管内皮 増殖因子 VEGF が働いている場所 がん細胞 →抗腫瘍効果 がん細胞 →抗腫瘍効果 皮膚組織 →皮膚障害 正常組織 血管新生が障害 →けがが治りにくい ※抗腫瘍薬として効いている ほど、皮膚障害も出やすい →対策が重要
分子標的薬 有害事象/皮膚障害 EGF EGFR 上皮成長因子 受容体 EGFR 阻害薬 “細胞の増殖・成長” 信号伝達 EGFR の遺伝子変異 →常に「ON」 → 異常な細胞増殖 EGFR が存在する場所 ざ瘡様皮疹 乾燥 角化・亀裂 対策: 共通する原則 スキンケア (丁寧な洗浄と保湿) 爪囲炎 好発時期に応じた対策 EGFR 阻害薬の作用 がん細胞 →抗腫瘍効果 皮膚組織 →皮膚障害 ※抗腫瘍薬として効いている ほど、皮膚障害も出やすい →対策が重要 引用元) 「EGFR 阻害薬に起因する皮膚障害の治療手引き」
分子標的薬 有害事象/皮膚障害 ざ瘡様皮疹 発症時期 部位 初期症状 治療開始後 1〜4 週間目 顔面を中心に、頭部・体幹・四肢 毛穴に一致したニキビ様の皮疹 スキンケア 予防・治療 抗炎症作用がある抗菌薬 ・テトラサイクリン系 ・マクロライド系 予防 治療 外用ステロイド K Potthof, Annal of Oncology, 22, 524- (2011) https://doi.org/10.1093/annonc/mdq387
分子標的薬 有害事象/皮膚障害 爪囲炎(そういえん) 発症時期 部位 初期症状 治療開始後 6〜8 週間目 爪 爪の周りの発赤・腫れ・肉芽 治療 保湿剤 外用ステロイド ミノサイクリン 対策 テーピング 巻き爪防止 肉芽を離すように 引っ張りながら K Potthof, Annal of Oncology, 22, 524- (2011) https://doi.org/10.1093/annonc/mdq387
化学療法 しびれ 有害事象/末梢神経障害 手足がピリピリとしびれる、ジンジン痛む、感覚が なくなる、力が入らない、物がつかみにくい、歩行 時につまづくことが多い ビンカアルカロイド系・白金製剤など末梢神経障害を引き起こす抗悪性腫 瘍薬はいくつかあるが、オキサリプラチンは特徴的 オキサリプラチン 低温で誘発・悪化 →寒冷刺激を避けることが大切 発現時期:(急性症状)投与直後〜1, 2日以内 →85〜95%: 手・足・口周囲部の異常感覚 1〜2%: 呼吸困難や嚥下障害を伴う咽頭喉頭感覚異常 投与中 指導内容 冷たいものに触れない 冷たいものを飲まない 冬季や冷房の効いた部屋では、肌の露出を避ける ※エルリプラットを含むレジメン: 手足症候群のため、手指の発赤・疼痛→冷やしてはいけない
化学療法 有害事象/心毒性 アントラサイクリン系 心毒性のアセスメント項目 累積使用量 検査 自覚症状 心筋細胞のミトコンドリア機能を障害し、 心不全を引き起こす (※)心筋ではミトコンドリアが発達しており、 収縮に必要なATPエネルギーを供給している 生涯累積使用量の管理、他院からの転院に注意 頻回に心機能検査 労作時の息切れや動悸、易疲労感 主な適応 総投与量 力価 ドキソルビシン 乳がん、子宮体がん、膀胱がん、悪性 骨・軟部腫瘍(肉腫)、悪性リンパ腫 500 mg/m2 1 エピルビシン 乳がん 900 mg/m2 0.5 ダウノルビシン 白血病 25 mg/kg 0.75 イダルビシン 白血病 120 mg/m2 - 複数の使用歴があれば、力価で換算して合算
分子標的薬 有害事象/心毒性 心不全 心機能低下 発症時期 投与数週間〜数ヶ月以内に発症 HER 2 抗HER2抗体 “細胞の増殖・成長” 信号伝達 HER2 が過剰に発現 →細胞増殖の指令↑ HER2 が存在する場所 抗 HER2 抗体の作用 がん細胞 →抗腫瘍効果 胃がん、乳がん、肺がん、大腸がん 心臓 →心毒性 心機能低下→心不全 特徴 事前確認 検査 可逆性 アントラサイクリン系 タキサン系 使用歴 頻回に心機能検査 自覚症状 労作時の息切れや動悸、 易疲労感
化学療法 有害事象/ 血管外漏出 細胞障害の強さによる薬剤の分類 壊死起因性抗がん薬 (ビシカント) 炎症性抗がん薬 (イリタント) アントラサイクリン系、アントラキノン系、 ビンカアルカロイド系、タキサン系 アルキル化薬、白金製剤、DNA トポイソメラー ゼ阻害薬、分子標的薬 非壊死性抗がん薬 血管外漏出のアセスメント項目 事前 投与中 治療開始前にチームでリスク因子をアセスメント 「些細な感覚の変化でも、すぐに教えてください」 15分おき・点滴交換のたびに、点滴速度・刺入部の 皮膚の変化の有無を確認する 投与部位の発赤、違和感、疼痛、腫脹、灼熱感、 点滴のスピードが遅くなっていないか 投与、数日〜数週間後に遅延性の皮膚障害の可能性あり→異常があったら連絡を
抗体薬 インフュージョンリアクション インフュージョンリアクション (infusion, 点滴; reaction, 反応) • 原因薬:抗体薬 • 投与中、または投与後24時間以内 (多くは2時間以内)に多く現れる抗 体薬の有害反応の総称 抗ヒスタミン薬 症状: 前投薬 発熱、悪寒、悪心、頭痛、 解熱鎮痛薬 レジメンで決められている 速度 投与速度厳守 薬物毎に、遅くするよう投与速度の制限がある 説明 「違和感があったら、すぐ に連絡してください」 疼痛、掻痒、発疹、咳、虚 脱感、血管浮腫など 重篤: アナフィラキシー様症状、 肺障害、心障害 要注意: 腫瘍量が多い、脾腫を伴う、 心機能・肺機能障害