5-3 アレルギー疾患治療薬

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November 08, 23

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「くすりのことをわかりやく、基本から臨床まで」 をモットーに、初学者向けの薬情報をまとめています。 資料は、薬剤師が作成しています

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各ページのテキスト
1.

5-3 アレルギー 疾患治療薬 アレルギー疾患に使用する薬物の種類と作用機序

2.

抗アレルギー薬 ‥主に、Ⅰ型アレルギーによる症状を抑える薬 抗 ア レ ル ギ ー 薬 ヒスタミン関連薬 ケミカルメディエーター 遊離抑制薬 「根治」ではない! 第一世代 抗ヒスタミン薬 (H1受容体拮抗薬) 第二世代 トロンボキサン (TX) 関連薬 TXA2 合成阻害薬 TXA2 受容体拮抗薬 ロイコトリエン (LT) 関連薬 LT 遊離抑制薬 LT 受容体拮抗薬 Th2 サイトカイン阻害薬 ケミカル メディエーター ヒスタミン ロイコトリエン トロンボキサンA2 感作 好酸球 ロイコトリエン PAF MBP 遅発型 アレルギー 即時型 アレルギー

3.

抗ヒスタミン薬の薬理作用 H1 受容体拮抗薬 知覚神経 腺分泌 肥満細胞 ヒスタミン H1 受容体 血管 ‥アレルギー反応を抑制 くしゃみ 中枢刺激 分泌 亢進 うっ血 滲出 くしゃみ かゆみ 鼻漏 鼻閉 アレルギー症状を抑える 悪心・嘔吐 動揺病 H1 受容体拮抗薬 (乗り物酔い) 制吐薬 抗動揺病 抗めまい薬 としても 使われている

4.

抗ヒスタミン薬の有害事象/眠気 眠気 眠気 ヒスタミンは、脳内で、「覚醒」「興奮」に作用するため、 インペアード パフォーマンス 脳内のヒスタミン受容体を遮断すると、眠気が生じる 第一世代 第二世代 中枢神経症状‥眠気、ふらつき、めまい 脳 鎮静性 非鎮静性 インペアードパフォーマンス “インペアード(impaired):正常に機能しない” 気づかないうちに、集中力が低下するなど、行動 に影響がでている 鼻 くしゃみ 鼻水 痒み 非鎮静性の第二世代抗ヒスタミン薬を選択 対策 眠気の既往歴がある人・自動車運転等の危険を伴う作業 服薬歴があり、眠気がなかった薬剤を選択 改善

5.

抗ヒスタミン薬の有害事象/抗コリン作用 抗コリン作用 H1 受容体拮抗薬は、アセチルコリン受容体に結合し、 アセチルコリンの作用を遮断する 散瞳→眼圧↑ 【禁忌】閉塞隅角緑内障 唾液↓→口渇 食欲不振などが 生じていないか 平滑筋弛緩→尿閉 【禁忌】下部尿路閉塞性疾患 平滑筋弛緩 副作用:便秘 注意:腸閉塞(イレウス) 第一世代:抗コリン作用・強 対策 第二世代:抗コリン作用・弱 高齢者では、特に、抗コリン作用に注意が必要

6.

一般名 クロルフェニラミンマレイン酸塩 先発名 ポララミン 散 錠 シ シロップ用 GE 注 患者さん向け説明: 抗ヒスタミン薬・第一世代 主な作用機序 鼻水・くしゃみ・湿疹・かゆみなど (アレルギー症状)を抑える薬です • ヒスタミンが受容体に結合して、アレルギー反応を起こすのを抑える 主な適応症、用法・用量等 観察項目 注意すべき 副作用 蕁麻疹・アレルギー性鼻炎 他 血圧, 血算, 血液検査(肝機能検査値) 中枢神経症状‥眠い、体がだるい、めまい、痙攣、頭が痛い 口渇(抗コリン作用)‥口が渇く、唇があれる 便秘(抗コリン作用)‥便が出にくい 排尿障害(抗コリン作用)‥尿が出にくい、尿が少ない、残尿感 視調節障害(抗コリン作用)‥目がかすむ、光がまぶしい 禁 類似化合物過敏症歴, 閉塞隅角緑内障, 下部尿路閉塞性疾患, 低出生体重児・新生児

7.

一般名 フェキソフェナジン塩酸塩 先発名 アレグラ 錠 GE AG OTC シロップ用 患者さん向け説明: 抗ヒスタミン薬・第二世代 主な作用機序 非鎮静性 鼻水・くしゃみ・湿疹・かゆみなど (アレルギー症状)を抑える薬です • ヒスタミンが受容体に結合して、アレルギー反応を起こすのを抑える 主な適応症、用法・用量等 観察項目 注意すべき 副作用 アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・掻痒 他 血圧, 血算, 血液検査(肝機能検査値) 中枢神経症状‥眠い、体がだるい、めまい、痙攣、頭が痛い ※第一世代よりも眠気は少ない 口渇・便秘・排尿障害(抗コリン作用) 禁 過敏症歴

8.

添付文書の記載事項まとめ (1994年以降に販売された第二世代抗ヒスタミン薬) 番号は 1日の服薬回数 記載なし • ビラスチン (ビラノア)① • フェキソフェナジン 塩酸塩(アレグラ)② • ロラタジン (クラリチン)① • デスロラタジン (デザレックス)① 注 意 • エバスチン (エバステル)① • エピナスチン塩酸塩 (アレジオン)① • ベポタスチン ベシル酸塩 (タリオン)② 禁 止 • オロパタジン塩酸塩 (アレロック)② • セチリジン塩酸塩 (ジルテック)① • レボセチリジン 塩酸塩 (ザイザル)① • ルパタジン フマル酸塩 (ルパフィン)①

9.

即時型アレルギー反応 *アレルギー疾患に応じて薬を選択 ヒスタミン トロンボキサン ケミカルメディエーター 遊離抑制薬 など 抗 TXA2 薬 抗 PGD2 薬 くしゃみ くしゃみ 中枢刺激 かゆみ 分泌 亢進 うっ血 滲出 鼻漏 鼻閉 ア レ ル ギ ー 性 鼻 炎 炎症細胞浸潤 気道 PGD2 抗 LTs 薬 腺分泌 血管 ロイコトリエン ケミカル メディエーター 知覚神経 腺分泌 血管 収縮 分泌亢進 呼吸困難、 喘鳴など 分泌 喘 息 亢進 血管 じんま疹 透過性↑ ※抗 LTs 薬は、喘息の長期管理薬(コントローラー)として重要 ‥症状がない時にも服薬を継続する

10.

分子標的薬 難治性のアレルギー性疾患に対する分子標的薬も開発されている 抗 IL-13 抗体薬 抗 IL-4/13 抗体薬 抗 IL-5 抗体薬 IL-13 IL-5 • アトピー性皮膚炎 • 気管支喘息 • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎 抗 IgE 抗体薬

11.

抗原の除去 対症療法 抗アレルギー薬 早期に開始する 減感作療法