-- Views
August 06, 26
スライド概要
◆「オントロジーって何?」と社長に聞かれたときの答え方
―AIに会社の世界地図を教える
https://note.com/ikematsu/n/n7cc8c9f8ceb2
Project Lead, Jealousy Dictionary at Chuo Koron Shinsha | Teaching AI Human Emotions through Japanese Media
オントロジーはAI時代の経営企画テーマであ- 経営戦略 事業構造 業務プロセス データ・知識の意味 判断基準・ルール 「オントロジーって何?」 と社長に聞かれたときの答え方 —AIに会社の世界地図を教える
AIに会社の「世界地図」を教える 経営者のための「オントロジー」と判断OSの設計戦略
優秀な新人に、何も教えず現場を任せられますか? 生成AIを社内導入し、規程やマニュアル、 議事録をとりあえず読み込ませる。 情報量は増えても、回答は安定しません。 オントロジーとは、AIに会社の 「世界地図」を教える仕組みです。 顧客、商品、契約、売上などが、会社の中で 「何を意味し」「どうつながっているか」のルール。 この地図がなければ、AIは社内の事情を勝手に 「推測」するしかありません。
資料を読むだけでは、 AIは「会社の文脈」を理解できない The Customer Paradox 営業部:「顧客」とは 商談相手のことだ 法務部:「顧客」とは 契約当事者のことだ 経理部:「顧客」とは 請求先のことだ 部署によって同じ言葉の意味が異なります。 人間は経験や会話から文脈を推察しますが、 意味を教えられていないAIは、与えられた 文章から勝手に推論し、混乱します。
「情報を増やす」から「構造を与える」への転換 現在のAI導入 オントロジーの導入 点が 散らばって いるだけ 点と点が 星座に なっている AIの状態: 勝手な推測 ローカルルール: 学習されない 出力結果: 不安定・雑音が増える AIの状態: 確実な関係の理解 ローカルルール: 正式なルールとして執行 出力結果: 安定・精度の劇的向上 会社という広大な宇宙に、星座MAPも無しにAIを放り出してはいけません。 単に資料を増やすことは、AIにとって雑音を増やすことと同じです。
オントロジーの正体:会社の世界地図の「3要素」 1 存在(何があるか) 顧客、商品、社員、契約、 在庫など、会社を構成する 要素。 2 意味(定義) 「売上」や「新規」など、 社内で使われる言葉の正式 な定義。 3 関係(つながり) 「所有する」「承認する」 といった、要素間のルール と相互作用。 オントロジーは新しいデータではありません。既存データに「意味」と「関係性の層」を与え る設計図です。何も教えずに優秀な新人を現場に投入する悲劇を防ぐ「情報基盤」です。
メカニズムの可視化:関係性を定義するということ 書く 基づく 生み出す 経由する 流通する 作家 作品 契約 本 問屋 書店 ・単に項目を線で結ぶだけでは足りません。 ・「いつ」「誰が」「どうする」という線の意味(動詞)を定めて、初めて会社の 正式な情報基盤になります。
オントロジーがもたらす4つの変化 ① 推測が減り、回答が安定 一般常識ではなく、会社が定めた関係 を正確にたどる。 ② 探索範囲を絞り、コスト削減 全資料を読むのではなく、対象の周辺 だけを調べて処理を高速化。 ③ 多段の関係を自動で判断 「AがBに依存し、BがCに依存する」 といった複雑な連鎖を把握。 ④ 変更の「影響範囲」が見える 規程や価格の変更が、どの業務や顧客 へ波及するかを即座に可視化。
具体例:米・マッカーシー建設における「波及の可視化」 160年の歴史を持つ米大手建設会社は、AIオペレーティングシステムを構築。 現場の資材納入が一つ遅れた際の影響を瞬時に把握します。 資材の納入遅延 施工順序の変更 作業員・協力会社の再配置 予算・完成予定への影響 価値は「関係図をきれいに描くこと」ではありません。変更が起きたとき「どこへ影響が広がるか」 「いつまでに誰が判断すべきか」を、同じ地図を見ながら意思決定できることにあります。
経営者が知るべき違い:「説明するAI」と「実行するAI」 説明するオントロジー 実行するオントロジー AI Chat (Claude, ChatGPTなど) 地図を基にアドバイスを返すだけの 「参考ツール」。 権限:助言のみ 企業向けAIエージェント 知識基盤に権限や状態遷移が組み込まれ、 自律的に業務を動かす。 権限:規則の執行・自走
企業AIの全体像:オントロジーだけでは完成しない 6. AIモデル:考え、判断を支援する「判断者の補佐」 5. ハーネス:権限・承認を管理する「執行機関」 4. コンテキスト:案件に必要な事実を集める「事件ファイル」 3. AI正本:正式な定義や基準を管理する「会社の法律」 2. オントロジー:対象と関係を示す「世界地図」 1. セマンティック:言葉と数字をそろえる「辞書」 意味、関係、正式ルール、文脈、権限。すべてが組み合わさって初めて、AIは自走できます。
なぜ、オントロジーは「経営企画」のテーマなのか? 営業 財務 法務 システム モヤモヤした言葉の 壁やルールの衝突 ・「顧客とは誰か」「どのリスクを 許容するか」はシステム部門で は決められない。 ・各部門に散らばる言葉や判断 基準の衝突を、全社横断で統合 する必要がある。 ・経営企画の役割は、AIの開発で はなく「ディレクション(交通 整理)」。 ・ERP導入時よりもさらに深い、 会社の「意味と関係性」の統合 が求められます。
陥りがちな罠:「AIが高性能になれば解決する」という誤解 汎用AIの進化を待つ STOP 汎用AIは、あなたの会社のローカルルールを学習していません。 「あなたの会社の常識は、AIの非常識」です。 汎用AIは「知能」を貸してくれますが、 「会社の判断」までは貸してくれません。 Slack等の会話データを全部読ませる STOP 日々のチャットツールに「判断基準」や 「例外事例のルール」は体系化されていません。 単にデータを放り込んでも、判断OSは完成しません。
AI競争は、会社の「判断OS」を設計する競争へ 汎用AIは「知能」は貸してくれても、 「会社の判断」までは貸してくれません。 あなたの会社の常識は、AIにとっての非常識。 LLMが進化しても、ローカルルールまでは吸収しません。 モデルは借り物でも、 会社の判断OSまで借り物にしてはいけない。 会社の常識を、AIの常識に変える。 その戦いは、すでに始まっています。
池松 潤 Jun Ikematsu AIナレッジエンジニア AIが理解できる文脈(コンテキスト)にするプロフェッショナル ● プロフィール ● 2023年9月~ 株式会社Figorout 事業開発 ● ~2023 株式会社Col 執行役員 ● ~2021 SaaSスタートアップ向けSNS+PR/note顧問編集 ● ~2019 サイボウズ編集部 ● ~2015 セミリタイヤ。自転車ロードレースなどを旅する。 ● ~2011 ネット系ベンチャー ● ~2003 株式会社博報堂 ● ~1990 慶應義塾大学卒 ● 専門領域 ✓ ナレッジマネジメント/情報設計 ✓ 生成AI・自然言語処理のビジネス活用 ✓ ナレッジグラフ/RAG構築支援など ● 特徴・強み ✓ 技術と経営・ビジネスの両面から翻訳 ✓ 現場で「使える知識」に変換 ✓ わかりやすい解説と丁寧な支援に定評 AIナレッジエンジニアとは? ・AI向けの辞書や教科書を作る仕事のこと ・属人化している企業のノウハウや専門知識を編集・整理して AIが正確に参照・活用できる「辞書や教科書(コンテキスト)」として再構築する専門家 池松 潤 https://lit.link/junikematsu
言語処理学会第32回年次大会・NLP2026 発表論文 RAG時代の言語資源設計原理 一構造化テキストによる「参照可能性」の実証 https://anlp.jp/proceedings/annual meeting/2026/pdf dir/05-8.pdf AIはどちらを読みたいか? A B なぜ「AIにたくさん読ませる」は間違いな のか?ー編集者が知るとその後が変わる実 験結果