[CEDEC2017] 最新モバイルゲームの実例からみるUE4のモバイル向け機能・Tipsを全部まるっとご紹介!

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August 30, 17

スライド概要

本資料は旧版です。最新内容は以下のリンクよりご確認をお願いいたします。

https://www.slideshare.net/EpicGamesJapan/cedeckyushu-2017-ue4tips







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2017年8月31日にパシフィコ横浜にて開催されたCEDEC2017の講演資料です。UE4におけるモバイル向け機能・開発時の注意点・Tipsについて説明しています。(Epic Games Japan 岡田 和也)

http://cedec.cesa.or.jp/2017/session/ENG/s59102d4c80be6/

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Unreal Engineを開発・提供しているエピック ゲームズ ジャパンによる公式アカウントです。 勉強会や配信などで行った講演資料を公開しています。 公式サイトはこちら https://www.unrealengine.com/ja/

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

最新モバイルゲームの実例から見る UE4のモバイル向け機能・Tipsを全部まるっとご紹介! Epic Games Japan 岡田和也 星野瑠美子 #UE4CEDEC

2.

自己紹介 • 岡田和也 (@pafuhana1213) • 株式会社カプコンでエンジン・ゲーム開発を経験し、 2016年にEpicGamesJapanにサポートエンジニアとして入社 • 星野瑠美子 • オートデスク株式会社でソフトウェアエンジニアとして Maya、Softimage等の技術コンサルティング、サポートを担当 2016年7月にEpicGamesJapanに入社 #UE4CEDEC

3.

講演スライドについて 既に公開済みです! 公式ブログ または #UE4CEDEC をチェック! #UE4CEDEC

4.

お品書き • モバイルゲーム市場におけるUE4の現状 担当:岡田 • UE4におけるモバイル向けの機能・Tips紹介 • モバイル向けの最新レンダリング機能の紹介 #UE4CEDEC 担当:星野

5.

モバイルゲーム市場におけるUE4の現状 #UE4CEDEC

6.

UE4製モバイルタイトルが国内外で大ヒット! Hit ~Heros of Incredible Tales ~ • グローバル版が配信から19日で累計300万DL突破 • 国内でも2016年末にリリースされ、 先月に国内ユーザ数が300万を突破 LineageⅡ Revolution • サービス開始から30日間で約200億円の売上 • 8/23(水)に国内でもサービス開始!!! #UE4CEDEC

7.

【リネージュ2 レボリューション】トレーラームービー_30sec_ver. https://youtu.be/DCRYuSDjfmM #UE4CEDEC

8.

各ストアのランキング第1位を獲得! #UE4CEDEC

9.

さらに、開発中の注目タイトルも多数! • BladeⅡ The Return of The Evil • Oceanhom 2 : Knights of the Lost Realm #UE4CEDEC

10.

さらにさらに、 Epic Games もモバイルタイトルを開発中! Battle Breakers • 戦術ロールプレイゲーム • 2.5Dアニメーション • モバイル・PC間の クロスプラットフォームプレイ Battle Breakers – Gameplay Trailer https://youtu.be/6qr0-d3eDrc #UE4CEDEC

11.

これらのプロジェクトにおける知見や 頂いた要望を満たすための機能が エンジンにドンドン追加されていってます! #UE4CEDEC

12.

UE4 + モバイルの波が来てる…! #UE4CEDEC

13.

LineageⅡ:R 23日国内開始 早くも行列が… #UE4CEDEC

14.

UE4におけるモバイル向けの機能・Tips紹介 ~How to ride this big wave~ #UE4CEDEC

15.

アウトライン • PC開発環境とモバイル開発環境の違い • モバイル向けの最新レンダリング機能の紹介 • モバイル開発でよく使うあの機能、UE4のどこにあるの? • モバイル開発あるある問題とその対策・Tips紹介 #UE4CEDEC

16.

PC開発環境とモバイル開発環境の違い #UE4CEDEC

17.

UE4の各機能のモバイル対応状況 PC・コンソール開発で使用する機能の殆どは モバイルでも問題なく使うことができます! 対象となるハードの関係で 一部の機能(特に描画機能)には制限が幾つか… • 今後のモバイルデバイスの発展・普及に期待! #UE4CEDEC

18.

実際の開発タイトルでは… LineageⅡ Revolutionでは UE4の各標準機能を使って開発されています! #UE4CEDEC

19.

Blueprintを使ったビジュアルスクリプティング #UE4CEDEC

20.

ノードベースのMaterialエディタ #UE4CEDEC

21.

UMGによるゲーム内UIの作成 #UE4CEDEC

22.

シネマティックカットシーンツール 「シーケンサー」 #UE4CEDEC

23.

その他にも便利な機能が多数! • 強力なライティング機能 • ランドスケープによる地形(テレイン)作成 • AI作成用のビヘイビアツリー機能 などなど… 非エンジニアが 「自分のアイデア」を「自分で実装」できる環境を提供! #UE4CEDEC

24.

イテレーションを早く回すために… UE4の理念 「プランナー・アーティストに力を」 • エンジニアの手を借りなくても、自由に製作・調整作業ができる! • エンジニアは自身の作業に専念できる! 開発サイクルが短いモバイル開発においては このイテレーションの早さは特に効果的です! #UE4CEDEC

25.

ここまでのまとめ • UE4で用意されている機能はモバイル開発でも使えます! • 非エンジニアが 「自分のアイデア」を「自分で実装」できる! • 開発サイクルが短いモバイル開発では特に効果的! #UE4CEDEC

26.

PC開発環境とモバイル開発環境の違い おわり #UE4CEDEC

27.

ここからは更にモバイルに特化した話に…! #UE4CEDEC

28.

アウトライン • PC開発環境とモバイル開発環境の違い • モバイル向けの最新レンダリング機能の紹介 • モバイル開発でよく使うあの機能、UE4のどこにあるの? • モバイル開発あるある問題とその対策・Tips紹介 #UE4CEDEC

29.

モバイル向けの最新レンダリング機能の 紹介 #UE4CEDEC

30.

Unreal Engine 4のレンダラは3種類 • ディファードレンダラ • フォワードレンダラ (デスクトップフォーワード) • モバイルレンダラ #UE4CEDEC

31.

モバイルレンダラの特徴 • フォワードレンダラ • マテリアルシステムはデスクトップ と同じ物理ベース • フルHDRライティングサポート ライティングやシャドウ ポストプロセスで一部機能が 制限されていた 機能強化中 #UE4CEDEC

32.

ハイエンドモバイル向け設定が追加 • ES_2.0 • ES_2.0からES_3.1までの 端末をターゲット • スケーラブルな設定 • 互換性重視 • テクスチャサンプル数が8 に制限される • ES_3.1 • ハイエンドモバイル向け設定 • Open GL ES 3.1 • Vulkan(Android) • Metal(iOS) • 使用できるテクスチャサンプル数 が16に増加 • パフォーマンス向上 モバイル向けには2種類の機能レベル(Feature Level)設定を用意

33.

モバイルレンダラでどこまでできる? • ProtoStarデモ • SamsungとEpicの共同開発 • 2016年2月発表 • ターゲット:Galaxy S7 • Vulkan API使用 • 1080p、30fps #UE4CEDEC

34.

モバイルレンダラでどこまでできる? #UE4CEDEC

35.

インタラクティブな反射表現 • 反射を行う平面を指定 • リフレクションキャプチャ によってリアルタイムに 反射を表現 #UE4CEDEC

36.

リフラクション(屈折) • 水やガラスといった光が 屈折するマテリアル表現 • マテリアルで屈折度などの パラメータを指定 #UE4CEDEC

37.

GPUパーティクル • パーティクル位置、 速度をGPUで計算 • ベクターフィールド にも対応 • 注意:コリジョンは 未サポート #UE4CEDEC

38.

ダイナミックな影描画 • 動くオブジェクトに対する影の描画 • ディレクショナルライト(平行光源)が シーンに必要 • 2つの手法 • 変調シャドウ • カスケードシャドウマップ(CSM)シャドウ #UE4CEDEC

39.

動くオブジェクトの影: 変調シャドウ 固定した平行光源に対する影 影の形状を周りに投影 利点 • 投影する時の色を指定できる • 処理が軽い 欠点 • シーンに焼きこまれた影とは馴染まない #UE4CEDEC

40.

動くオブジェクトの影: CSMシャドウ+固定平行光源 • 事前計算による影と、 動くオブジェクトの影が 馴染むようにブレンド • ProtoStarデモもこの組 み合わせを使用! #UE4CEDEC

41.

動くオブジェクトの影: CSMシャドウ+固定平行光源 • 事前計算による影と、 動くオブジェクトの影が 馴染むようにブレンド • ProtoStarデモもこの組 み合わせを使用! #UE4CEDEC

42.

完全にダイナミックな影: CSMシャドウ+動く平行光源 ライティングをすべて動的に処理 利点 • ランタイム実行時にライト方向、強さなど を変更可能 • 事前計算のライティングデータがない • メモリ使用量とパッケージサイズの削減 欠点 • すべてのシーン内オブジェクトに対して影計 算を行うため描画コストが増加 #UE4CEDEC

43.

ダイナミックポイントライトによるライティング • プロジェクト設定のMax Movable Point Light(動的ライト最大数)を0よ り大きくすることで使用可能 • 使用用途例:爆発や閃光といった、 エフェクトのアクセント • 影は落ちない • シェーダが追加生成されることに 注意 #UE4CEDEC

44.

ライティングチャンネル • 同じチャンネルのオブジェクトにのみ選択的 にライトを適用できる • モバイルでは4.13からサポート #UE4CEDEC

45.

モバイルで利用できるポストプロセスエフェクト • ブルーム • トーンマッパー • 被写界深度 • 自動露光 • ポストプロセスマテリアル (カスタムポストプロセス) • アンチエイリアスなど #UE4CEDEC

46.

ポストプロセス: 高品質被写界深度 #UE4CEDEC

47.

ポストプロセス: 映画的トーンマッパー • アーティスティックな表現が可能なカラーグレーディング効果 #UE4CEDEC

48.

ポストプロセス:ポストプロセスマテリアル • ノードベースの マテリアルエディタで 新しいポストプロセス エフェクトを作成可能 #UE4CEDEC

49.

ポストプロセス: カスタムデプス • 指定したオブジェクト を独自の深度バッファ に描画 • カスタムエフェクト例 • アウトライン表示 • 他のオブジェクトで 隠されたメッシュの 描画 #UE4CEDEC

50.

ポストプロセス: カスタムステンシル • カスタムデプスの拡張の ようなもの • 書き込む値を指定可能 • カスタムエフェクト例: 色指定付きアウトライン 表示など #UE4CEDEC

51.

モバイル向けの最新レンダリング機能まとめ • ハイエンド向けのES3.1設定 の開発が可能に • 機能追加が進んでいて、 リッチなグラフィックを モバイルでも実現できます! • • • • 反射 リアルタイムの影 GPUパーティクル ポストプロセスの強化 #UE4CEDEC

52.

アウトライン • PC開発環境とモバイル開発環境の違い • モバイル向けの最新レンダリング機能の紹介 • モバイル開発でよく使うあの機能、UE4のどこにあるの? • モバイル開発あるある問題とその対策・Tips紹介 #UE4CEDEC

53.

モバイル開発でよく使うあの機能 in UE4 • モバイルプレビュー機能 • Android / iOS の プラットフォーム対応 • ゲーム内広告・アナリティクス • コンテンツアップデート • その他 #UE4CEDEC

54.

モバイルプレビュー機能 モバイル用レンダラをエミュレートし エディタ上で描画結果を確認 • エディタを再起動することなく ツールバーから簡単に切替可能 • OpenGL ES3.1, Vulkan, Metalに対応済 公式ドキュメント:モバイルプレビュア #UE4CEDEC

55.

New! Improvements to "Device Mobile Preview“ (4.18) 特定のデバイスにおけるハード性能・設定をより細かくエミュレート • 画面解像度 • GPU機能 • デバイスプロファイル(後述) などなど #UE4CEDEC

56.

New! Improvements to "Device Mobile Preview“ (4.18) 対象デバイス設定は自由に編集・追加可能 • Engine¥Content¥Editor¥PIEPreviewDeviceSpecs 実は4.17でコッソリ入ってます • エディタ設定の Enable mobile PIE with preview device launch options #UE4CEDEC

57.

注意! 最終的なチェックは必ず実機上で行うこと! • 特定の端末ではエディタと異なる描画結果になる可能性がある よっしゃ、調整完璧や! モバイルプレビュー機能は 「作業の方向性の確認」として使うことを推奨 なんかちゃうやん… #UE4CEDEC

58.

モバイル開発でよく使うあの機能 in UE4 • モバイルプレビュー機能 • Android / iOS の プラットフォーム対応 • ゲーム内広告 • コンテンツアップデート • その他 #UE4CEDEC

59.

Android / iOS プラットフォーム対応 基本的な機能は全てエンジン側で実装済み! • Blueprintのノード、C++関数を提供 プラットフォーム・ストアの違いを意識しなくてもいい作りに! #UE4CEDEC

60.

今回は話さないこと 各プラットフォームにおける登録・設定作業 • Google Play Console ヘルプセンター • iTunes Connect UE4側での初期セットアップ・ プラットフォームとの連携作業 • Android クイックスタート • iOS クイックスタート #UE4CEDEC

61.

ログイン・ログアウト Blueprintのみで実装可能!(もちろん、C++でも) #UE4CEDEC

62.

アプリ内課金(In-App Purchase) Blueprintのみで実装可能!(もちろん、C++でも) • 引数に指定するアイテムIDを プラットフォーム間で合わせておくと 実装の共通化が楽! 公式ドキュメント: アプリ内課金の使用方法 #UE4CEDEC

63.

リーダーボード Blueprintのみで実装可能!(もちろん、C++でも) • 引数に指定するアイテムIDを Android, iOSで合わせておくと 以下略 公式ドキュメント: モバイルサービスの リーダーボードの使用方法 #UE4CEDEC

64.

アチーブメント(実績) Blueprintのみで実装可能!(もちろん、C++でも) • 引数に指定するアイテムIDを 以下略 公式ドキュメント: モバイルサービスの アチーブメントの使用方法 #UE4CEDEC

65.

プッシュ通知 (ローカル) Blueprintのみで実装可能!(もちろん、C++でも) • バッジ対応は…現状はiOSのみ #UE4CEDEC

66.

プッシュ通知 (リモート) ゲーム内で必要となる処理・イベントはBlueprint ・ C++で用意 • リモート通知サービスとのやり取りは 各サービスに対応したプラグイン内で行われる #UE4CEDEC

67.

UE4が標準対応しているリモート通知サービス Android • Google Cloud Messaging (UE4.16) • Firebaseコンソールで発行される Legacy Server keyを指定する形式 iOS • Apple Push Notification Service ( Sandbox ) #UE4CEDEC

68.

少し補足タイム (脱線とも言う) #UE4CEDEC

69.

Firebaseってなに? Googleが運営しているバックエンドサービス サポートしている機能 • • • • モバイルアナリティクス プッシュ通知 パフォーマンス解析 クラッシュレポート などなど 現時点のUE4では未対応… • UE4.18で Test Lab( クラウドベースのアプリテスト基盤 ) 機能には対応予定 #UE4CEDEC

70.

今のUE4 (4.17) でFirebaseを使うには? Firebase C++ SDKを自力インテグレートする • クラウドメッセージ機能を移植した事例があるが… 「Ultimate Mobile Kit Firebase」を使う • マーケットプレイスにて 174.99ドル で販売中 • 最新バージョンへの対応が非常に早い • 全ソースコード付き #UE4CEDEC

71.

マーケットプレイスのアセットの利用規約について • すべて商用利用・改変可能 • 利用・共有範囲について • 購入者(個人・会社)が所属する全プロジェクトで利用可能 • 購入者の所属プロジェクトに関わる開発者・会社間で共有可能 • その他 • 著作権に関する問題はEpicGames内でレビュー済み • 記載がない限り、権利表記は不要 (表記すると製作者は嬉しいので是非!) • 公式サイト マーケットプレイス F&Qページ #UE4CEDEC

72.

脱線おわり #UE4CEDEC

73.

モバイル開発でよく使うあの機能 in UE4 • モバイルプレビュー機能 • Android / iOS の プラットフォーム対応 • ゲーム内広告・アナリティクス • コンテンツアップデート • その他 #UE4CEDEC

74.

バナー広告 Blueprintのみで実装可能!(もちろん、C++でも) 話題のスマホRPGが・・・ 公式ドキュメント: インゲーム広告の使用方法 え、私の給料少なすぎ!? #UE4CEDEC

75.

インターステイシャル広告 (全面広告) Blueprintのみで実装可能!(もちろん、C++でも) • ただし、Androidのみ(iOSは未対応) ダウンロード なう! #UE4CEDEC

76.

動画広告( Rewarded Video ) 残念ながら未対応… • みなさまの熱いリクエストをお待ちしております! 動画見ると 30コインGet! #UE4CEDEC

77.

広告表示用プラグインの紹介 Universal Mobile Ads (149.99ドル) • 各広告タイプにAndroid / iOS 両対応 • 最新バージョンへの対応が非常に早い • 全ソースコード付き #UE4CEDEC

78.

インゲーム アナリティクス (解析ツール) ゲーム内で必要となる処理・イベントはBlueprint ・ C++で用意 • サービスとのやり取りは 各サービスに対応したプラグイン内で行われる 公式ドキュメント ブループリントアナリティクスプラグイン #UE4CEDEC

79.

UE4が標準対応しているサービス • Flurry • https://developer.yahoo.com/analytics/ • UE4公式ドキュメントの解説ページ • Apsalar • https://apsalar.com/ • UE4公式ドキュメントの解説ページ • Adjust • https://www.adjust.com/ #UE4CEDEC

80.

マーケットプレイスで販売されているアセット • Google Analytics Provider (54.99ドル) • GameAnalytics (無料) • Chartboost Plugin (無料) • Ultimate Mobile Kit Firebase (174.99ドル) #UE4CEDEC

81.

モバイル開発でよく使うあの機能 in UE4 • モバイルプレビュー機能 • Android / iOS の プラットフォーム対応 • ゲーム内広告・アナリティクス • コンテンツアップデート • その他 #UE4CEDEC

82.

コンテンツの追加・更新について 運営型ゲームにおいて コンテンツアップデートに掛かるコストは重要! 人 / 時間的コスト #UE4CEDEC DLサイズによる負荷 アセット間の依存関係

83.

まず結論から プロジェクト・更新内容に適した作業フローを柔軟に構築可能です • 各パッケージタイプ (Release, Patch, DLC )を組み合わせる形 プロジェクト内の開発者の大半は を気にする必要ありません • 通常通りの、アセットベースのリソース管理で問題ありません コンテンツ開発中にパッケージをビルド・DL・解凍する必要はありません • ユーザにコンテンツを配信するためにパッケージを作る人と DLC内のアセットを間接参照する人 だけ気にして下さい #UE4CEDEC

84.

まず結論から パッケージの作成・インストールは、専用ツール・機能を用意済みです • Project Launcher, Http Chunk Installer • モバイルパッケージングウィザード, Mobile Patch Utility Battle Breakersにおける実績 • 海外の一部地域にて配信中( 約半年 ) • ストアを介さずに 新キャラクターの追加を実現済み #UE4CEDEC

85.

UE4におけるパッケージの種類 Release (本体) Patch (差分・上書) 1.0 to 1.1 1.0 1.1 #UE4CEDEC 1.2 1.1 to 1.2 1.0 to 1.2 DLC (差分・拡張) 1.2 + DLC a1.0

86.

よくあるユースケース 新キャラクターを追加したい! #UE4CEDEC

87.

Releaseの場合 • 作るの簡単!アセット間の依存関係問題もなし! • ストアにアップロードする必要あり • 大量のダウンロードをユーザに強制 1.0 #UE4CEDEC 1.1 1000MB ダウンロード発生!

88.

Patchの場合 • 作るの簡単!アセット間の依存関係問題もなし! • コンテンツアップデートの場合、ストアを経由する必要なし! • 必要に応じた最小限のダウンロード 1MBだけダウンロード 1.0 to 1.1 1.0 #UE4CEDEC 1.0.1

89.

さらにキャラクタを追加する場合 Patch に対して Patchを適用することはできません 1.0.1 to 1.2 1.0.1 #UE4CEDEC 1.0.2

90.

さらにキャラクタを追加する場合 前回のPatchを含むPatchを Releaseに適用 Patchを含んだReleaseに差し替え 1.0 to 1.2 1.0 #UE4CEDEC 1.0.2 1.0 1.2

91.

DLCの場合 • コンテンツアップデートの場合、ストアを経由する必要なし! • 必要に応じた、最小限のダウンロード • より自由度の高い作業フローを構築可能! DLC a1.0 1.0 + DLC a1.0 1.0 #UE4CEDEC

92.

DLCの注意点 「Release が持つアセット」から 「DLCが持つアセット」 をハード(直接)参照することはできません Asset Registryを使って DLCが持つアセットをソフト(間接)参照する! #UE4CEDEC

93.

こんなイメージ Asset Registry さん あるよ~どうぞ! やった! はありますか? 公式ドキュメント アセットの参照 #UE4CEDEC 公式ドキュメント アセットレジストリ ないよ~ ダウンロード!

94.

各パッケージの利点・欠点を把握し 各プロジェクトにとって適切な手法を選びましょう! #UE4CEDEC

95.

Release, Patch, DLCを作るには? Project Launcherを使う! #UE4CEDEC

96.

Project Launcher Profile (パッケージング設定) を作成 • 対象となるレベル・バージョン情報 などなど アセット間の依存関係はこのツールが全て解決 • 指定したレベルに紐づくアセットのみをパッケージに Patch( DLC ) の作成で必要となる、 Releaseとの差分関係もこのツールが全て解決 • 指定バージョンから 変更・追加したアセットのみをパッケージに #UE4CEDEC

97.

Release, Patch, DLCをインストールするには? Http Chunk Installer におまかせ! • Release, Patch, DLC全てに対応 • 必要に応じて、ゲームプレイ中に バックグランドでダウンロード・インストール可能 残念ながら、ドキュメントがまだ用意されていません… • Battle Breakersにおける活用例が UE4公式ブログにて後日紹介される予定です! #UE4CEDEC

98.

今日忘れてはいけないこと #UE4CEDEC

99.

公式ブログで後日公開される HTTP Chunk Installer is GOD 紹介記事にご期待下さい! #UE4CEDEC

100.

あ、言い忘れてました! #UE4CEDEC

101.

初回リソースダウンロード 必要最小限におさめたパッケージを各ストアにアップし、 初回起動時に残りのコンテンツを別途ダウンロード 50MB 50MB 800MB #UE4CEDEC

102.

モバイルパッケージングウィザード 初回リソースダウンロード用の Release、DLC用Profileの作成支援機能 • レベル・テクスチャフォーマットを指定するだけ • 公式ドキュメントへのリンク #UE4CEDEC

103.

Mobile Patch Utility ノード 初回リソースのダウンロード・インストール用のBPを用意 用意されている機能、かなり豊富です! • • • • ダウンロード・インストール開始 ダウンロード進捗状況の取得 各処理の成功・失敗イベント 空き容量・Wifi接続の確認 などなど 公式ドキュメント Mobile Patch Utilityノード #UE4CEDEC

104.

モバイル開発でよく使うあの機能 in UE4 • モバイルプレビュー機能 • Android / iOS の プラットフォーム対応 • ゲーム内広告・アナリティクス • コンテンツアップデート • その他 #UE4CEDEC

105.

Webブラウザ UMGで用意されている Web Browserウィジェットを使うだけ! #UE4CEDEC

106.

キーボード テキストボックスにタッチすると自動的に表示・操作可能に UE4.16でバーチャルキーボード対応が追加 ( Androidのみ ) • アプリケーション独自のカスタマイズが可能に #UE4CEDEC

107.

動画再生 ( Media Framework 2.0 ) Android / iOSに標準対応 (もちろん他のプラットフォームにも) • オーディオ再生 ・ ストリーミング再生にも対応済 • UE4.18で、更に改良された Media Framework 3.0をリリース予定 公式ドキュメント Media Framework #UE4CEDEC

108.

ここまでのまとめ 一昔前のUE4が弱かった モバイル開発特有の機能・サービスへの対応が整いました! #UE4CEDEC

109.

ここまでのまとめ 一昔前のUE4が弱かった モバイル開発特有の機能・サービスへの対応が整いました! • モバイルプレビュー機能 #UE4CEDEC

110.

ここまでのまとめ 一昔前のUE4が弱かった モバイル開発特有の機能・サービスへの対応が整いました! • モバイルプレビュー機能 • 各プラットフォーム対応 #UE4CEDEC

111.

ここまでのまとめ 一昔前のUE4が弱かった モバイル開発特有の機能・サービスへの対応が整いました! • モバイルプレビュー機能 • 各プラットフォーム対応 • ゲーム内広告・アナリティクス #UE4CEDEC

112.

ここまでのまとめ 一昔前のUE4が弱かった モバイル開発特有の機能・サービスへの対応が整いました! • モバイルプレビュー機能 • 各プラットフォーム対応 • ゲーム内広告・アナリティクス • コンテンツアップデート #UE4CEDEC

113.

ここまでのまとめ 一昔前のUE4が弱かった モバイル開発特有の機能・サービスへの対応が整いました! • モバイルプレビュー機能 • 各プラットフォーム対応 • ゲーム内広告・アナリティクス • コンテンツアップデート • その他の痒い所への対応 #UE4CEDEC

114.

アウトライン • PC開発環境とモバイル開発環境の違い • モバイル開発でよく使うあの機能、UE4のどこにあるの? • モバイル開発あるある問題とその対策・Tips紹介 #UE4CEDEC

115.

端末・スペックに応じた設定・調整をするには? #UE4CEDEC

116.

モバイル開発における大きな悩みの一つ ユーザに注目されるよう、よりハイクオリティ・高グラフィックに…! VS より多くの人に遊んでもらえるよう、様々な端末・スペックに対応…! VS 何故かいつもスケジュールに余裕がない… #UE4CEDEC

117.

なので 各端末・スペックに応じて 適切な設定・調整を より簡単かつ効率的に行う必要があります UE4にはそれを支援する機能が 用意されています! #UE4CEDEC

118.

端末・スペックに応じた設定・調整をするには? • デバイスプロファイル • Feature Level Switch / Quality Switch • UMGの解像度別対応 #UE4CEDEC

119.

デバイスプロファイル GPU, SoC, デバイスモデル別のプリセット毎に 各種パラメータ・設定を調整可能 • CVar( Console Variables ) • Texture LOD Group #UE4CEDEC

120.

CVar ( Console Variables ) 各機能の設定・クオリティを調整 例えば • • • • 解像度のスケーリング係数 各ポストプロセスのクオリティ ネットワーク同期回数の上限設定 デバッグ表示のONOFF #UE4CEDEC

121.

CVarのリスト・検索ページ エディタから開くことが可能 #UE4CEDEC

122.

Texture LOD Group テクスチャのLOD( MipMap )の設定をグループ毎に一括変更 #UE4CEDEC

123.

端末・スペックに応じた設定・調整をするには? • デバイスプロファイル • Feature Level Switch / Quality Switch • UMGの解像度別対応 #UE4CEDEC

124.

Feature/Quality Level に応じたマテリアル最適化 Feature / Quality Level 毎に 異なるマテリアルを組むことが可能 • Feature Level • OpenGL ES2 or ES3.1 • Quality Level • Low, Medium, Highの 3段階 #UE4CEDEC

125.

注意 マテリアルに配置されたテクスチャは ゲーム内での使用・未使用問わず cookされます ( =パッケージに含まれます ) 全てパッケージに含まれる! #UE4CEDEC

126.

Quality Switchの落とし穴 各Quality Levelにおけるシェーダが「全て」メモリに載ります • 使用していない Quality Levelのシェーダは載せない設定があるけど… シェーダのロード時間は改善されないので注意 #UE4CEDEC

127.

Feature / Quality Level Switchを使う際は Switchによる処理分けが本当に必要なのか要検討 • プロファイルして、その判断が適切か確認! • デバイスプロファイルによる調整では不十分なのか? 落とし穴を理解した上で、運用フローを構築する! • レギュレーションの策定 • 定期的なチェック作業 #UE4CEDEC

128.

端末・スペックに応じた設定・調整をするには? • デバイスプロファイル • Feature Level Switch / Quality Switch • UMGの解像度別対応 #UE4CEDEC

129.

解像度に応じたUIの調整機能 DPIスケーリング • 解像度に応じた自動スケーリングサポート • カーブを編集することでスケーリングを調整 アンカー • 解像度変更時の 配置・ストレッチングのルールを制御 • 用意されたプリセット or カスタマイズ #UE4CEDEC

130.

エディタ上でのスクリーンサイズ設定 代表的なデバイスの解像度に応じた プリセットを用意 ( 縦・横 両対応 ) • 特殊デバイス向けに解像度の指定も可能 #UE4CEDEC

131.

4.17から ドラッグで動かせて 可視化されるように! 超わかりやすい! #UE4CEDEC

132.

端末・スペックに応じた設定・調整をするには? • デバイスプロファイル • 各ハードに応じたプリセット毎に 各種パラメータ・設定を調整 #UE4CEDEC

133.

端末・スペックに応じた設定・調整をするには? • デバイスプロファイル • 各ハードに応じたプリセット毎に 各種パラメータ・設定を調整 • Feature Level Switch / Quality Switch • 端末・スペック・設定に応じたマテリアル調整 #UE4CEDEC

134.

端末・スペックに応じた設定・調整をするには? • デバイスプロファイル • 各ハードに応じたプリセット毎に 各種パラメータ・設定を調整 • Feature Level Switch / Quality Switch • 端末・スペック・設定に応じたマテリアル調整 • UMGの解像度別対応 • DPIスケーリング, アンカー • スクリーンサイズ #UE4CEDEC

135.

バッテリー消費・発熱を抑えたい! #UE4CEDEC

136.

バッテリー消費・発熱を無視すると… コンテンツの寿命を大きく縮めることに…! 例えば • ユーザの継続率への影響 • 熱によりパフォーマンスが低下し…という悪循環 #UE4CEDEC

137.

バッテリー消費・発熱問題を解決するには? • 端末・スペックに応じた設定・調整を行う • コンテンツのクオリティを落とさずに パフォーマンスを改善・維持する最適化方法を、調査し、選択する ? #UE4CEDEC

138.

大前提 「最適化」 は 「コンテンツのクオリティを落とすこと」 ではない 適切なプロファイリングを行い、 どんな対応をするか選択しましょう! #UE4CEDEC

139.

適切なプロファイルのやり方を知りたい…? #UE4CEDEC

140.

講演スライドについて 既に公開済みです! 公式ブログ または #UE4CEDEC をチェック! #UE4CEDEC

141.

とあるプロジェクトで選択された バッテリー消費・発熱問題への対策を紹介 (モバイル特化版) #UE4CEDEC

142.

60fps上限ではなく、30fps上限にする #UE4CEDEC

143.

発熱を抑えるためのスロットリングが発生 GDC2015 Sustained Gaming Performance in Multi-Core Mobile Devices #UE4CEDEC

144.

GDC2015 Sustained Gaming Performance in Multi-Core Mobile Devices #UE4CEDEC

145.

60fps上限ではなく、30fps上限にする 高フレームレートを上限にした場合 消費電力・温度向上により、フレームレートを不安定になる • 「30fpsに抑えると,60fpsに対して40%も消費電力が低減できる」 http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20150307011/ UE4で30fps上限を設定するには ConsoleVariables 「 t.MaxFPS 30 」 #UE4CEDEC

146.

30fps上限にしても、最終的には発熱がひどくなってくる… GDC2015 Sustained Gaming Performance in Multi-Core Mobile Devices #UE4CEDEC

147.

バッテリー消費・発熱を考慮したゲームデザイン 動的なシーン(アクション部分など)の後に 静的なシーン(リザルトなど)」 を 少し 挟むことで デバイスを冷却! t.MaxFPS 30 冷 → 熱 #UE4CEDEC t.MaxFPS 10 熱 → 冷

148.

描画解像度 と UI解像度を分ける #UE4CEDEC

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描画:低解像度 UI:高解像度 スマホの画面は高解像度ですが、画面自体の大きさは小さい • 描画解像度を下げて、その分を演出強化した方が見栄えがいい(場合がある) r.ScreenPercentage 100 #UE4CEDEC r.ScreenPercentage 10

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UIのキャッシング #UE4CEDEC

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Invalidation PanelによるUMGの負荷軽減 • 子要素をキャッシュすることで 不要な描画・更新処理をキャッシュ(スキップ) • 子要素毎にキャッシュするか否かを指定することも可能 • Is Volatileフラグ あまり変化しない部分は 積極的にInvalidation Panelでキャッシュする • 変化する箇所はIs Volatileフラグを有効に #UE4CEDEC

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Battle Breakersにおける高速化事例 Stat slateによる計測 • Invalidation panel使用前 • Processed : 573 • Invalidation panel使用後 • Processed : 231 • Cached:342 2倍以上の高速化を実現! #UE4CEDEC

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Invalidation Panel用のデバッグ機能 • slate.InvalidationDebugging 1 • Green: キャッシュされたWidget • Blue : 子要素との 相対的な位置関係もキャッシュ • Dashed: キャッシュしないWidget • Red: invalidated widgets #UE4CEDEC

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Retainer Boxによる描画負荷の分散 子要素をレンダーターゲットに描画することで、 描画頻度・タイミングを変更可能 #UE4CEDEC

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本講演のまとめ #UE4CEDEC

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UE4における基本機能の「一部」をご紹介 • ほぼ全ての機能がモバイル開発でも使える! • 非エンジニアが 「自分のアイデア」を「自分で実装」できる #UE4CEDEC

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UE4のモバイルレンダラーはどこまでできる? • 様々な端末・ハードに対応済み • ES2.0 から ES3.1, Vulkan, Metalまで • ハイエンドモバイル向けの機能を数多くご用意 #UE4CEDEC

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モバイル開発で必須な機能が既に揃っている! • モバイル特有の機能への対応状況 • モバイル開発向けの作業を支援する様々な機能 #UE4CEDEC

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モバイル開発におけるTipsの「一部」をご紹介 • 「端末・スペック」と「バッテリー・発熱」を考慮した パフォーマンス設定・調整を支援する機能の紹介 • 実際のプロジェクトで使われた最適化・改善テクニックをご紹介 #UE4CEDEC

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まだまだ話したいこと沢山ありますが…! モバイル開発でよく使うあの機能 • LODの自動生成 • テクスチャアトラスの自動生成 • シェーダキャッシュ などなど 最新モバイルARへの対応 • Apple ARKit • Google Tango • Google ARCore #UE4CEDEC

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最後に 本講演・資料が 「UE4でモバイル開発を進めている方」 「UE4でモバイル開発をすることを検討している方」 のお役に少しでも立てれば幸いです そして、今後も情報を ガンガン共有し、 開発者の皆さんのサポートできればと思っています…という所で… #UE4CEDEC

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登壇企業 (敬称略) 株式会社スクウェア・エニックス 株式会社ポリゴン・ピクチュアズ 株式会社 株式会社コロプラ バンダイナムコエンターテインメント 株式会社バイキング Enhance Games 株式会社プラスシグナル グーグル合同会社 株式会社ヒストリア ソレイユ株式会社 Indie-us Games EPIC GAMES JAPAN #UE4CEDEC

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絶賛参加登録受付中! 公式サイト: https://unrealevent.eventcloudmix.com/ 日時: 2017/10/08 (日) 場所: ここ! #UE4CEDEC

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ご清聴 ありがとうございました! 本講演に関する質問はこちらからどうぞ! E-mail : kaz.okada@epicgames.com Twitter : @pafuhana1213 展示ブースにEGJのスタッフがいますので モバイル以外の質問も是非どうぞ! #UE4CEDEC