2015年12月広島私学協会_教科研究会

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July 31, 23

スライド概要

2015年度 広島県私学協会研修会で使用したスライドです

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各ページのテキスト
1.

高校地理における 統合型教材の提案 広島県私学教育研究会 社会科分科会 2015.12.05@広島女学院中学・高等学校 河合 豊明 (広島文教女子大学附属高等学校)

2.

1.高等学校を取り巻く動向 ①2012年中教審「質的転換答申」・「高大接続答申」 →アクティブラーニング・ICTの導入 ↓この動きに対して…↓ 地理教育界では,従来からGISソフトをベースに, GISの活用を通したICT化が進んできた。

3.

1.高等学校を取り巻く動向 ①2012年中教審「質的転換答申」・「高大接続答申」 →アクティブラーニング・ICTの導入 ↓この動きに対して…↓ 地理教育界では,従来からGISソフトをベースに, GISの活用を通したICT化が進んできた。 ↓が…↓ 地理の再必修化(地理総合),歴史総合の開設に向け て,先生方がやってみよう!と思えるレベルでなけれ ば。

4.

1.高等学校を取り巻く動向 ①2012年中教審「質的転換答申」・「高大接続答申」 →アクティブラーニング・ICTの導入 ↓この動きに対して…↓ 地理教育界では,従来からGISソフトをベースに, GISの活用を通したICT化が進んできた。 ↓が…↓ 地理の再必修化(地理総合),歴史総合の開設に向け て,先生方がやってみよう!と思えるレベルでなけれ ば。

5.

1.高等学校を取り巻く動向 ①2012年中教審「質的転換答申」・「高大接続答申」 →アクティブラーニング・ICTの導入 ②基礎学力テストの導入・大学入試制度の変更 →必修科目となることで,基礎学力テストの対象科目に ↓これに対して…↓ GISを積極的に活用しつつ,筆記試験による評価に 耐えうる学習内容であることが求められる

6.

1.高等学校を取り巻く動向 ①2012年中教審「質的転換答申」・「高大接続答申」 →アクティブラーニング・ICTの導入 ②基礎学力テストの導入・大学入試制度の変更 →必修科目となることで,基礎学力テストの対象科目に ↓これに対して…↓ GISを積極的に活用しつつ,筆記試験による評価に 耐えうる学習内容であることが求められる

7.

1.高等学校を取り巻く動向 ①2012年中教審「質的転換答申」・「高大接続答申」 →アクティブラーニング・ICTの導入 ②基礎学力テストの導入・大学入試制度の変更 →必修科目となることで,基礎学力テストの対象科目に →合科型試験が実施される可能性がある 他教科の先生方と協力して, 教科間連携を積極的にやっていかねば… ↓そこで…↓

8.

2.教科間連携のために 各教科で分担された防災・災害に関する学習 ❶「総合的な学習の時間」が有機的 ❷各授業で取り扱う時期を教員同士で調整 ❸Team Teachingを実施 でなければ… 「ぶつぎり」の学習としてしか,生徒の記憶に残らない。 そこで…

9.

統合型教材の提案

10.

2.教科間連携のために 災害や防災に関して,各教科で学習する内容を, 1つのデジタル教材にまとめることに取り組んだ。 1つのデジタル教材を,各教科で活用する。 そうすることで… 「ぶつぎり」ではなく「連続した記憶」となるのでは?

11.

現行の教科書教材 地学基礎 地理B 日本史B 数学I 現代社会 社会と情報 「防災」に関する学習でも, 教科・科目ごとに教材が 違えば,生徒に残る記憶は 「ぶつぎり」

12.

地理総合 地学基礎 地理B 日本史B 数学I 地学基礎 統合型 現代社会 社会と情報 公共 教材 情報 歴史総合 数学I

13.

全教科で学習する内容を, 1つのGISにまとめる。 地理総合 「ぶつぎり」 地学基礎 統合型 から 「連続した記憶」に 公共 教材 情報 歴史総合 数学I

14.

3.実践事例 8.20豪雨を題材として, 生徒がタブレット端末やPCを活用した 授業を実践した。

15.

3.実践事例 八木(53名) 可部東(6名) 緑井(14名) 山本(2名) 本校生徒作成

16.

3.実践事例 校内に発生した被害 発表者撮影

17.

3.実践事例 校内に発生した被害 発表者撮影

18.

3.実践事例 校内に発生した被害 建設完了したばかりの砂防堰堤 本校校舎 本校弓道場 大学 広島市防災Webより 本校生徒作成

19.

3.実践事例 「災害履歴」・「災害の伝承」は, 日本史で活用できる 広島県防災Webより 本校生徒作成

20.

3.実践事例 宅地開発の経緯,時代背景は 現代社会(公共)で活用できる

21.

3.実践事例 宅地開発の経緯,時代背景は 現代社会(公共)で活用できる 住宅街が広がる斜面地 1974年撮影 国土地理院 「地図・空中写真閲覧サービス」より 本校生徒作成 本校生徒作成

22.

3.実践事例 宅地開発の経緯,時代背景は 現代社会(公共)で活用できる 太田川の氾濫から逃れるため, 平地部は田畑が広がっている 住宅街が広がる斜面地 国土地理院 1974年撮影 本校生徒作成 「地図・空中写真閲覧サービス」より

23.

3.実践事例 生物基礎「バイオーム」では, 過去の崩壊地の確認 広島県防災Webより 本校生徒作成

24.

3.実践事例 物理基礎では… 本校生徒作成 崩壊した土砂の落下速度が計算できる

25.

3.実践事例 数学I「データの分析」 国勢調査の町丁字別人口を活用して, 想定できる被害者数の把握 広島県防災Webより

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3.授業実践 生徒への質問❷ 「1つにまとめることに,どんな意味があるか」 「過去の災害や,危険と指定されている場所を知らない…では済まされない。 これまで,聞きたくても,どの教科の先生に聞けば良いか分からなかった。」 「人のつながりがしっかりしていることが,減災につながるだけではなくて, 学校で習うことも減災に関係があるという意味がわかった。」 小学校で習ったような内容が,こんな身近だけれど 大きな災害に関わっているなんて,気付かなかった。 他の教科で学んでいることが,災害に結びつくなんて思っていなかったので, 何か現実のものに結びつくと分かっただけでも,もっと知りたいと思う。

27.

4.ICTの活用と統合型教材の意義 学習指導要領における防災・災害に関する内容 地歴 公民 理科 家庭 保険 情報 地理B :自然環境,人口・都市・村落<地形・居住地> 世界史A:自然環境と歴史<災害との共存> 日本史B:<関東大震災,宝永大噴火など> 現代社会:<地方自治,国土開発,地域福祉> 物理基礎:運動・力学的エネルギー<気象,土砂災害> 化学基礎:物質の探求<大気循環,火山性物質,風化> 地学基礎:変動する地球<地表面で発生する自然現象> 生物基礎:植生の遷移,気候とバイオーム<崩壊地の履歴> 家庭基礎:住居と住環境,共生社会と福祉<居住地・地域福祉> 保健 :健康の保持増進と疾病の予防<感染症の発生と流行> 情報と科学:情報社会の発展と情報技術<情報公開・予知> 社会と情報:情報システムと人間<情報公開>

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4.ICTの活用と統合型教材の意義 学習指導要領における防災・災害に関する内容 自然的要因 社会的要因 そもそもなぜ起こる? 理科 自然現象の解明 被害が大きくなった背景は? 公民科 国土開発・地方自治 地歴科 人間と自然現象の関わり 情報科 公開情報の検索と収集 家庭科 住環境(居住地の選択) 家庭科 地域福祉 災害後の対応 保健 避難時の公衆衛生 家庭科 復旧と地域再編 情報科 情報発信と管理 公民科 社会保障

29.

○教材を1つに「まとめる」メリットは? 膨大なデータがまとめられた教材を 各教科で活用すれば,教科間の連携が必然と進む。 ↓

30.

○教材を1つに「まとめる」メリットは? 膨大なデータがまとめられた教材を 各教科で活用すれば,教科間の連携が必然と進む。 ↓ 教科の垣根を越え,各教科の学習内容をつなぎ合わせると 生徒が独自の思考と説明ができるようになる。 ↓

31.

○教材を1つに「まとめる」メリットは? 膨大なデータがまとめられた教材を 各教科で活用すれば,教科間の連携が必然と進む。 ↓ 教科の垣根を越え,各教科の学習内容をつなぎ合わせると 生徒が独自の思考と説明ができるようになる。 ↓ 実践に結びつきやすい専門性の涵養につながる ↓

32.

○教材を1つに「まとめる」メリットは? 膨大なデータがまとめられた教材を 各教科で活用すれば,教科間の連携が必然と進む。 ↓ 教科の垣根を越え,各教科の学習内容をつなぎ合わせると 生徒が独自の思考と説明ができるようになる。 ↓ 実践に結びつきやすい専門性の涵養につながる ↓ 新制度の入試において,求められる技能・能力では?

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4.ICTの活用と統合型教材の意義 〜GISを活用した統合型教材を用いると〜 ①地理以外の先生方にとっても,簡単に扱える ②「従来通り+他教科での学習内容」で,筆記試験は可能 ③使うだけで「教科間連携」ができる ↓つまり…↓

34.

4.ICTの活用と統合型教材の意義 〜GISを活用した統合型教材を用いると〜 ①地理以外の先生方にとっても,簡単に扱える ②「従来通り+他教科での学習内容」で,筆記試験は可能 ③使うだけで「教科間連携」ができる ↓つまり…↓ アクティブラーニング・ICTの充実,新入試に対応できる

35.

5.考察と課題 〜Google Earthを活用する理由〜 1.教員・生徒がともに習得しやすい 操作が直感的なので,1時間の実習で十分習得できる。 2.汎用性が高く,他のGISソフトでも開くことが可能 .kmlという保存形式で,高度なGISソフトでも展開可能。

36.

5.考察と課題 課題「評価をどうするか」 試験において「地理では,地理のことだけ問う」のが通常 ↓ 共通の教材を活用し,教科間連携を強化すれば, 「地理の考え方と,他教科での学習内容を結びつけて, 答えさせる」という評価法を実施する必要がある。

37.

5.考察と課題 生徒への課題(期末試験として実施) 「教科の枠を超えた視点で見られるようになっている か」 (1)他の土砂災害に置き換えることで,一般化する。 平成11年広島(宮島)豪雨・平成21年山口豪雨 (2)他の自然災害に置き換えることで,一般化する。 雲仙普賢岳噴火・東日本大震災

38.

5.考察と課題 今後の課題 ❶実習に関わる評価法の確立 ❷教科の枠を超えたデジタル教材づくり 〜いかに教材を校内外で共有していくか〜 ❸GISをはじめ,ICT化を推進する上での教員養成

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以上で発表を終わります ご意見・アドバイスがありましたら, t-kawai@shinagawajoshi.ed.jp(河合)へ お願いいたします。