2026.4.5 ODNJP実践報告会 AI(LLM)生成シナリオが開く「読む未来語りのダイアローグ」の実践

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April 05, 26

スライド概要

2026/4/5 に行われた「ODNJP実践報告会 AI(LLM)生成シナリオが開く「読む未来語りのダイアローグ」の実践」のスライドです。
さしあたりリンクを知っている人だけにします。

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妻の批判はアドバイスをモットーとする CSM/CSPO・ブリーフセラピスト。 世のため人のため、大変な逆境下でもめげず人間らしい知性を宿した組織とは何かを探究しています。 老後は猫の置物を作ったり、歴史モノをかいたりできればと思っています。書いている内容は所属・関連する組織とは一切関係ありません。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

AI(LLM)生成シナリオが開く 「読む未来語りのダイアローグ」の実践 2026/4/05ODNJP 実践報告会 @warumonogakari / かとうひろし

2.

近い将来、AIが支援者会議のファシリ テーターを担う日が来るかもしれない —ただし、鍵は人間が「場を設計」することにある— 今日はその可能性と、その結論に 至るまでの実験の話をします

3.

最初に質問: 支援者会議、手応えを感じていますか? 支援者会議とは ・ 当事者とその家族(または同じ会社の同僚)、その支援者とのミーティング ・ 当事者にとってより良い支援を提供するために情報を共有し、方針を検討す る会議 ・ 最初の顔合わせの段階で、関係者全員集まってやる場合が多い ・ サービス担当者会議、地域ケア会議、ケース会議 個人的には、チームビルディングの一種 だと捉えている

4.

最初に質問: 支援者会議、手応えを感じていますか? ・ いつもうまくいっている場合を ・ 全くうまくいっていない場合を ・ そもそもやっていない としたときに何点? zoom のチャット欄に点数(数字)を 記入お願いします 10点 1点 0点

5.

次に質問: 未来語りのダイアローグ、ご存知ですか? ・ 何回かやったことがある方は ・ 1回でもやったことがある方は ・ 知っている方は ・ 何それ?美味しいの? な方は 3 2 1 0 やっぱり、zoom のチャット欄に 点数(数字)を記入お願いします

6.

本日お届けすること、2つ 1. 「読む未来語りのダイアローグ」のシナリオ朗読 —ぜひ自分たちでもやってみよう、と思ってもらえたらー 2. 未来語りのダイアローグにまつわる様々な疑問に対し、 自分なりの答えを持てれるようになる • • • ポリフォニーって大切なの?そもそも一体何? ファシリテーターが場を守れないと、実際どうなるの? 召集者(クライアント)が、主人公のことを本気で心配しな い場合って、実際どうなるの?

7.

今日話すこと・話さないこと 話すこと ・ 未来語りのダイアローグ × AI シナリオ生成 ・ AIへの依頼書(プロンプト)の工夫と実験 話さないこと ・ 狭義のオープンダイアローグ(7つの原則など。。) ・ ダイアロジカルファシリテーターのガイドブック

8.

自己紹介 かとうひろし(@warumonogakari) ・ 愛知県名古屋市在住 ・ SIerで第1次AIブーム時(文字認識)の製品化研究・製品開発 ・ メーカーでソフトウェアエンジニア・プロジェクトリーダー・ マネジャー、今は(ほぼ)引退 ・ アジャイル開発に関するエンジニアコミュニティの運営担当 ・ 妻がスクールカウンセラー(公認心理師/臨床心理士)、こども のように可愛がっている猫が3匹(いずれも保護猫) ・ 東海ダイアローグと白木先生のセミナーにたまに参加

9.

倫理的配慮 ・ 本発表のシナリオの登場人物・状況設定はすべて架空 ・ 実在の特定個人・クライアント情報は一切使用してい ない ・ シナリオ改変のデモで参加者から個人的情報を引き出 すような進行はしない

10.

今までが、出だしで 目標7−8分

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支援者会議、こんな場面はありませんか? 「新たな発見なし・意思決定なし」の会議 ・ 一部の支援者が大声を出している、 話しているのはその一部の人だけ ・ 多くの支援者は遠巻きにしている 気づけば何の展開もない、何も決まっていない、 次回もミーティング。。(あるのかな。。)

12.

支援者会議、こんな場面はありませんか? 「新たな発見なし・意思決定あり」の会議 多忙な支援者が「効率的に意思決定する」 ・ 気づけば「誰がやるか」を決めて終わる ・ 「何をやるのか」は決まっていない

13.

支援者会議、こんな場面はありませんか? 「新たな発見なし・意思決定あり」の会議 多忙な支援者が「効率的に意思決定する」 ・ 気づけば「誰がやるか」を決めて終わる ・ 「何をやるのか」は決まっていない ・ 何より肝心の支援される当事者は沈黙 これでより良い支援ができるのでしょうか?

14.

表にしてまとめると 新たな発見の有無 × 意思決定の有無 意思決定なし 意思決定あり 新たな発見なし ありがちな会議 形だけ会議 新たな発見あり 話が発散? ココが理想 支援者会議は「意思決定なし・発見なし」「話が発散」 を恐れるあまり、 「意思決定あり・発見なし」の「形だけ会議」に偏っていない でしょうか

15.

未来語りのダイアローグとは フィンランド発祥、多機関連携支援の手法 ・ 「Taking up One‘s Worries」 (わたしの心配ごと)から対話を始める ・ 「未来の想起」 未来の良い状態を先に想起してか ら現在を振り返る ・ 「ポリフォニー(多声性)」 単一の答えに収束せず多様な声が響き合う 「会議の目的」 行き詰まった関係やギクシャクしたチームが 新たなつながりを発見し取り戻す

16.

未来語りのダイアローグとは フィンランド発祥、多機関連携支援の手法 ・ 「Taking up One‘s Worries」 (わたしの心配ごと)から対話を始める ・ 「未来の想起」 未来の良い状態を先に想起してか ら現在を振り返る ・ 「ポリフォニー(多声性)」 単一の答えに収束せず多様な声が響き合う 「会議の進め方」 意思決定よりも、新たな発見を重視 お互い「こんなこと考えていたの?」が出てくれば 意思決定はおのずから決まってくる

17.

一方で、普及の壁も 壁1:ピンとこない ・ 「わたしの心配ごと」「未来の想起」って何? ・ 「それ、何がうれしいの?」 壁2:タイパが低いと思われる ・ 時間がかかる ・ 壁1と合わさって「コスパが悪い」印象に 壁3:ファシリテーター2名が必要 ・ 人的コストが高い → 普及の障壁

18.

AI生成シナリオで普及の壁を下げる 壁1への答え:シナリオ読み合わせで世界観を体験 ・ ピンとこない → 読んで体感する 壁2への答え:シナリオ作成コストは格段に低い ・ ロールとあらすじを依頼書として入れるだけ ・ 依頼書作成の際、文学的才能は不要 ・ シナリオ読み合わせ、せいぜい30分程度 やる気になれそうになるまではわかった。でもお高いでしょ? (ファシリテーター2人って、どうやって呼ぶの?)

19.

AI生成シナリオで普及の壁を下げる 壁3への答え:本番の際、 AIがファシリテーターを 担えるかも(後ほど詳しく) ただし、AIに「場の設計」まで任せればいいわけで はない 依頼書の工夫(=場の設計、詳しくは後ほど)は、実験と学習なし には出てこない

20.

で、実験してみた。 ここまでで目標20分

21.

試しに生成したシナリオの紹介 シナリオの題材3つ ・ソフトウェアプロジェクトの現場での対話 ・父の介護をめぐる対話 ・高校3年生・陽子さんの進路をめぐる対話 ← 今日 はこれを紹介

22.

依頼書(プロンプト)の作成 構成 ・ 参考資料 ・ 作成目標 ・ 登場人物設定 ・ ファシリテーター(2名) 伊藤さん(メインファシリテーター) 佐藤さん(サブファシリテーター) ・ 召集者(クライアント、援助を求めた人) 萩田さん(スクールソーシャルワーカー) ・ このシナリオの主人公 陽子さん(高校3年生) ・ 参加者 照夫(陽子の父) 好子(陽子の母) 杏菜(あんな:陽子の姉) 土方さん(高校の先生・主幹教諭)

23.

依頼書(プロンプト)の作成 構成 ・ 参考資料 ・ 作成目標 ・ 登場人物設定 ・ シナリオの流れ ・ ファシリテーターの挨拶と説明 ・ 召集者 萩田さんの心配事 ・ 主人公 陽子さんほか各参加者の態度・様子 ・ 未来の時間設定・未来へのジャンプ ・ 各参加者の未来の想起 ・ 主人公:陽子さんへの質問 ・ エンディング

24.

シナリオの生成 1. AI (Claude)を起動する 2. 以下のように入力: > (依頼書のファイル名)に従って、シナリオをPDF形式で 出力してくれるかな。 これだけ 3.期待値 「地下アイドルになりたい」という言葉の奥に、 対話を通して、亡き祖母と陽子さんをつなぐ 「歌への夢」が浮かび上がってきたら成功

25.

一番最初のバージョン、251104版 1年後設定、依頼書にポリフォニー設定なし ・ 依頼書からシナリオを生成できた ・ それっぽくできるんだという発見 だが。。 ・ 支援者が「学校に戻れるか」「卒業できる か」を中心に話す ・ 陽子さんの本音・夢は浮かび上がらない ・ 陽子:「卒業、できました。。」方向に AIは自然に「意思決定」に収束してしまう

26.

251207版 – 依頼書にポリフォニーを取り入れる 依頼書に「ポリフォニーの重視」を明示 ・ 各参加者の内面の揺れが表現されるようになった ・ おばあちゃんのエピソードが浮かび上がる ・ 声にならなかった声が場に出てきた

27.

251207版 – 依頼書にポリフォニーを取り入れる ただし、「先読み」の問題が残った ・ 好子(母)が「亡くなった母が歌が好きだった」と語る ・ これは、依頼書の中では、好子の後で出てくる 杏菜が杏菜の未来への想起 のパートで初めて明らかになる情報 AIがシナリオの結末を知っているため、前倒しで発話

28.

より自然なダイアローグへ、現在のバージョン ・ 依頼書により会話が自然になるように依頼

29.

より自然なダイアローグへ、現在のバージョン 陽子さんが自分の言葉を取り戻す ・ 「私、(地下アイドルを)頑張ります」と自分の言葉で言う ・ おばあちゃんへの想いと地下アイドルの夢がつながる

30.

まなび 最初のバージョンから現在のバージョンまで ・本人が知り得ないはずの情報を発話してしまう ・特に会話の「先読み」─後から出てくる発言を 前倒しで言ってしまう ・依頼書で対処が必要 AIならではの課題

31.

とはいえ、人間の慣習とAIの挙動は 同じ方向を向いている 人間(支援者)の場合 ・ 力関係が出てくる(職位、性別、年齢。。) ・ 多忙 → 効率的に意思決定しようとする慣習、習慣化 ・ 同じ方向に引っ張られる AIの場合 ・ 会話が一方向に誘導される ・ ポリフォニーをいれない場合 → 自然に意思決定に収束 ・ 各参加者の内面の揺れが出にくい

32.

つまり ・ AIは、言語を通し、人間の経験の痕跡 いわば学習した「影」を学習している ・ わたしたちの普段の行動を参考に、AIも同じ行動を示す ・ 「新たな発見を重視」をする依頼を出すことで(つまりポ リフォニーを重視すれば)、A Iは行動を変える 場の設計を変えれば、人もAIも行動が変わる

33.

改変デモ 場の設計が変わると何が起きるか 改変A(萩田が忙しい版) → 召集者の動機が問題解決型 改変B(声の大きい順番版) → ファシリテーションが機能しない 詳しくは次のスライドと次次のスライドで

34.

改変A ─ 召集者の動機が問題解決型 萩田さん(スクールソーシャルワーカー)の設定 ・ 多忙で「早く方向を決めてほしい」「私一人では限界」とい う空気が場に滲み出る ・ 短期目標「学校を卒業させること」が目的になっている ・ 「地下アイドル」は問題として扱いたい 結果 ・ 場全体が「どうやって卒業させるか」に収束 ・ 陽子:「私、頑張ります」──ぽつんとしたひびきで

35.

改変B ── 声の大きい順番版 ファシリテーターが場を守れない ・ 割り込みが繰り返され、陽子の言葉が端に追いやられていく ・ 姉は言いたいことがあるが場の空気に飲まれて言えない ・ おばあちゃんのエピソードは浮かび上がらない 結果 ・ 陽子:「でも……」で言葉が止まる。「私、頑張ります」と言 うが、「でも」の続きは出てこないまま

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実演 -その場でシナリオを生成します・ 会場からリクエストを募ります - 場面・登場人物・状況など zoomコメント欄で受け付けます - 時間の関係上、要望の多い もの、変更の簡単なものを一つ取り上げたいと思っています (すみません、もう一つ・二ついけそうならそれも) ・ その場で依頼書を入力し、シナリオを生成 「ああ、こんな感じでできるんだ(自分たちでも)」 が体験できるとうれしいです

37.

まとめへ ここまでで目標43-44分

38.

AIがファシリテーターを担う - 実現の条件 冒頭でお伝えしたビジョン、技術的には見えてきた ・ 形式的な質問と、および記録は、AIが得意 「何年先がしっくりくるか?」 「今、何かいい状態にあります。どんな状態ですか?」 ・ 音声認識と音声出力は技術的に可能 ・ 問いかけと記録の2役を、AIが担えそう、掛け合いもできる ・ しかもオンライン 場の設計を工夫できれば 普及の壁も、AIの限界も、越えられるのではないか

39.

おわりに 依頼書とシナリオを公開しています ・ 依頼書・シナリオ: https://tinyurl.com/423wt4v7 ・ 依頼書(=プロンプト) オープンライセンス。クレジットを消さなければ改変・再配 布・商用利用可能 「まずはシナリオを読むところから」

40.

ワークショップのご案内 読んで体験するむきなおり:未来語りのダイアローグ入門 ・ シナリオ朗読を通じて未来語りのダイアローグを体験する ワークショップ ・ 対象:6〜12人(1〜2テーブル) ・ 事前準備不要 ご希望の方はご連絡ください 元twitter/X アカウント @warumogakari

41.

謝辞 ・ 大井雄一先生「声に出して読みたいオープンダイアローグ」(医学書院) シナリオ生成の依頼書の参考にさせていただきました ・ 北欧ダイアローグを学ぶ会の皆さん 本発表のきっかけを作ってもらいました「ロールプレイで「未来語り」を体験」 よかったです ・ Yoshiari Uchiboriさん 初期の生成シナリオについてアドバイスをいただきました ・ 東海ダイアローグの皆さん 高校の会議室編の読み合わせを行い、貴重かつ多くのフィードバックをいただき ました

42.

東海ダイアローグ 東海地方でダイアローグに関心をもつ人たちが月1回集まっています。 (関西・関東方面からの参加もあります!) 当面の予定 4/11(土)・5/17(日)・6/13(土)・7/11(土) *いずれも13時~ 名古屋市立大学看護学部(名古屋市瑞穂区) *このほか、パティオちた(愛知県知多市)での開催もあります(11/21(土)予定)。 連絡先 門間晶子(かどま・あきこ)/名古屋市立大学 akado [AT] med.nagoya-cu.ac.jp ※送信時に [AT] を @に変えて送信 パティオちた ほっとカフェにて

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研究のご案内 このテーマを含む研究テーマをいくつか検討しています ・ AI(LLM)シナリオ生成と対話実践の効果 ・ ポリフォニーを中心とした場の意図的設計とファシリ テーション支援 ・ AI(LLM)によるファシリテーター補助の可能性 研究に関心のある方はお気軽に ご連絡・ご相談を 元twitter/X アカウント @warumogakari

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ありがとうございました AI(LLM)生成シナリオが開く 「読む未来語りのダイアローグ」の実践 おしまい