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April 29, 26
スライド概要
何卒よろしくお願い申し上げます。 一流のIT研修講師を目指し、日々研鑽を続けております。 本資料は外部公開用としてご提供するものです。 ALJ Education Plus 株式会社 Yukiko(※趣味枠アカウント)
Asking the right question 社内SE 上級編 ─ ADVANCED 「何か困ってないですか?」 雑談から業務改善・仕組み化する技術 ヘルプデスクから「組織の改善エンジン」へ 石黒 友季子 ALJ Education Plus / IT 教育事業部 受け身の対応から、提案する社内SEへ
01 AGENDA 目次 I なぜ雑談が業務改善になるのか II 雑談の3つのタイミング III 聞き出し方のテンプレート IV 雑談を「課題」に変換する V 課題から業務フローを作る VI 仕組み化の4段階 VII 成果を見せる・継続する 受け身の社内SEから卒業する第一歩 いつ・どこで・誰に話しかけるか 5つの質問パターンとNG例 発言の裏側を読み解くフレーム 現状フロー → 改善フローの描き方 属人 → 手順 → 自動化 → 廃止 効果測定と次の雑談へつなぐ 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 1
02 I. WHY SMALL TALK MATTERS なぜ雑談が業務改善になるのか 「困ったら言ってください」── これでは何も上がってこない 人は自分の困りごとを「困りごと」と認識していない。慣れてしまっているから。 01 02 03 困りごとは申告されない 正式な要望は氷山の一角 雑談は心理的安全の入口 「これは仕事だから仕方ない」「自分の手際が 悪いだけ」と思い込んでいる。問題と認識すら されていない作業が大量にある。 チケットや会議で上がる要望は、本人が「これ は要望に値する」と判断したものだけ。日常の 小さな摩擦は雑談でしか出てこない。 改善提案は「批判されるリスク」がある。雑談 という無害な形なら、人は本音を出しやすい。 改善は信頼関係の上にしか乗らない。 「困ってないですか?」と聞きに行く社内SEだけが、組織の問題を発掘できる 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 2
03 II. WHEN TO ASK 雑談の3つのタイミング Daily 日常タイミング HOW 「最近どうですか?」を口癖にする。1日3人を目標に。 コーヒーコーナー / すれ違い / Slack #zatsudan Right after イベント直後 HOW 「今回どこが一番面倒でした?」記憶が新しいうちに聞く。 研修終了後 / 月末締め後 / トラブル復旧後 Scheduled 定例の枠 HOW 「3ヶ月前から変わってないけど、まだ困ってる作業ある? 」 1on1 / 月次MTG / 期初の棚卸し 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 3
04 III. HOW TO ASK 聞き出し方の5つの質問テンプレート Q1 面倒系 「最近、何が一番面倒でしたか?」 Q2 繰返系 「今週、同じ作業を3回以上やったものは?」 Q3 待ち系 「誰かの返事を待って止まる作業はありますか?」 Q4 怖い系 「ミスったら冷や汗かく作業はありますか?」 Q5 夢系 「もし魔法が使えたら、どの作業を消したいですか?」 ✕ 避けたい聞き方 「困ってますか?」 ── 抽象的すぎて「特には」で終わる すか?」 ── 専門用語で身構えさせる 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 「何か改善したいことは?」 ── 提案責任を相手に丸投げしている 「DXしたい業務はありま 4
05 IV. FROM TALK TO PROBLEM 雑談を「課題」に変換する 発言の裏側を3層で読み解く 言葉 本人が言ったこと 「またあの集計、やらされるんですよね…」 事実 実際に起きていること 毎月25日に手作業でExcel集計、所要2時間。複数人が同じ作業をしている可能性あ り。 本質 本人も気づいていない構造的問題 集計ロジックが属人化。元データの形式が統一されていない。判断ルールが暗黙知 。 深掘りの3つの質問 ① 「具体的にどんな手順ですか?」 ② 「どこで一番時間が溶けますか?」 ③ 「もしこの作業がなくなったら、何ができそうですか?」 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 5
06 V. AS-IS FLOW 課題から業務フローを作る ─ 現状 例:受講生アンケート集計(現状フロー) 営業 受講生 営業 営業 営業 アンケートURL 送付 Google Form 回答 Excelに コピペ 氏名・コース 手作業マッチ 報告メール 作成・送信 5分 ー 30分 60分 30分 痛みポイント分析(ここに改善余地がある) ■ 時間:合計2時間/月。年間24時間=3営業日が消える ■ 属人化:手作業マッチングは「営業の慣れ」に依存。引継ぎ困難 ■ 品質:コピペ・手入力なのでミスの温床。受講生氏名の誤記など ■ 心理:本人も「面倒だけど自分の仕事」と諦めている 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 6
07 V. TO-BE FLOW 課題から業務フローを作る ─ 改善後 改善後フロー(仕組み化版) システム 受講生 システム システム 営業 アンケートURL 自動送信 Google Form 回答 GAS で 自動集計 受講生DBと 自動マッチ 確認・ ワンクリック送信 0分 ー 0分 0分 5分 BEFORE AFTER 所要時間:2時間/月(年24h) 担当:営業(属人化) 所要時間:5分/月(年1h)── 96%削減 担当:システム+営業(確認のみ) ミス率:中(手入力) 再現性:低(暗黙知) ミス率:低(自動マッチ) 再現性:高(コード化) 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 7
08 VI. 4 STAGES OF SYSTEMIZATION 仕組み化の4段階 属人化された作業を、段階的に組織の仕組みに昇格させる Stage 1 Stage 2 Stage 3 Stage 4 属人化 手順化 自動化 廃止 1 2 3 4 Tribal Documented Automated Eliminated 本人の頭の中にだけ手順がある 誰でも読める手順書( Notion/Wiki) GAS/RPA/Pythonで人手を減らす そもそも作業ごと不要にする コスト:低 質:本人依存 継続性:× コスト:中 質:手順次第 継続性:△ コスト:高 質:高(再現性) 継続性:○ コスト:思考 質:最高 継続性:◎ Stage 4「そもそもこの作業、必要か?」を問えるのが上級者 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 8
09 VII. SHOW & SUSTAIN 成果を見せる・継続する 効果測定の3指標 時間 ミス 笑顔 削減h/月 件数/月 本人の声 改善前 vs 改善後の差分。年換算で表示 差し戻し・再作業件数の推移 「楽になった」「他のことに使える」 継続の循環 1 数字で見せる 「年24時間→1時間」「ミス0件達成」を Slackで共有 社内SE 上級編 / 雑談から仕組み化する技術 2 本人を称える 改善した本人の名前を出す。SEだけが手柄を 取らない 3 次の雑談へ 「他にもありそうですね」と次の困りごと探し へ 9
SUMMARY 受け身のSEから、「組織の改善エンジン」へ 01 雑談は仕事である 02 5つの質問を持ち歩く 03 言葉→事実→本質 04 Stage 4を狙う 05 成果は本人の手柄 コーヒーコーナーでの3分が、組織の隠れた問題を発掘する 面倒系・繰返系・待ち系・怖い系・夢系。聞き方を型にする 発言の裏側を3層で読み、構造的な問題を見つける 属人→手順→自動化、その先の「廃止」まで考える 数字で見せて、本人を称えて、次の雑談につなぐ 「困ってないですか?」が言える社内SEは、もう上級者だ