分からないものを分かるようにする

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July 18, 19

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アジャイルジャパン2019でお話したこと

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各ページのテキスト
1.

分からないものを 分かるようにする 正しいものを正しくつくるとは何か その制約がもたらすものとは何か Ichitani Toshihiro Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 市⾕聡啓

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市⾕ 聡啓 Ichitani Toshihiro (My KeyWord) 越境 正しいものを正しくつくる 仮説検証型アジャイル開発

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Profile https://ichitani.com/

4.

4刷 https://www.amazon.co.jp/dp/4798153346/

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6⽉14⽇発刊 https://www.amazon.co.jp/dp/4802511191/

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GuildHub 何の⼿がかりも無いプロダクトーナーに 正しいものを正しくつくる https://lp.guildhub.jp/ ベータ版が公開されたGuildHubを使って仮説キャンバスを作ってみる https://qiita.com/navitime_tech/items/2cb0d674c8d3a5f8a6a6

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正しいものを正しくつくる

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???

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分からないものを分かるようにする

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なんの話? 新規事業づくりやサービスづくり 正しいものを正しくつくる 新しい体験、新しいビジネスモデル… はじめてアジャイルに取り組む 新しい仕事のやり⽅、新しいチームワーク…

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なんの話? 新規事業づくりやサービスづくり 同じ⽂脈? 正しいものを正しくつくる 新しい体験、新しいビジネスモデル… はじめてアジャイルに取り組む 新しい仕事のやり⽅、新しいチームワーク…

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新規事業やサービス づくり はじめてアジャイル に取り組む どうなるか分からない 何が正しいか誰にも 分からない 分からない状況でも それでも前に進んでいく ミッション

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新規事業やサービス づくり はじめてアジャイル に取り組む どうなるか分からない 何が正しいか誰にも 分からない 分からない状況でも それでも前に進んでいく ミッション

14.

新規事業やサービス づくり はじめてアジャイル に取り組む どうなるか分からない 何が正しいか誰にも 分からない 分からない状況でも それでも前に進めていく ミッション

15.

新規事業やサービス づくり はじめてアジャイル に取り組む どうなるか分からない 何が正しいか誰にも 分からない 不確実性の⾼い状況に どう⽴ち向かうか 分からない状況でも それでも前に進めていく ミッション

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基本的な戦略 分からないものを分かるようにする

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分からないものを分かるようにする →「不確実」な中に「確実」(=学び)を作る 分からないものを分からないまま進める → 分かったことが役に⽴つかは運任せ Photo on VisualHunt.com

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「不確実」な中に 「確実」を作る 分からないものを 分からないまま進める 第1回検証活動で 分かったこと 学習済の 学習済の イメージ イメージ ⽣み出される ⽣み出される プロダクト プロダクト (作り⼿が (ユーザーが 第2回検証活動で 分かったこと 求めるもの) 想像するもの) 「ユーザーが想定したように使わない…」 「全く⾒向きもされない…」 上⼿く⾏くかどうかは運任せ 後追いで分かったことを埋めて いくにはサンクコスト⾼く、 時間(期待)も⾜りない 「ユーザーはどんな状況なのだろう?」 「これは切実な問題なのか?」 検証活動を重ねることで 空⽩地帯(分からないこと)を 知識(分かったこと)で 埋めていく

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「分からないものを分かるようにする」戦略 分からないから選択肢を広く持つ 正しいものを正しくつくる → 決め打ちして間違えると時間的損失が⼤きい (時間あたりで得られる学びが少ない) 最も「分かる」のは想像ではなく現実に 直⾯した時 → いかに現実に近い状況を(コスパ良く)つくるか 「分かる」に使う距離(時間|予算)を段階的に → 学びを活かす「次」の設計=段階化 (サンクコストの最⼩化)

20.

“現実歪曲”曲線 現実に動く プロダクト インターネット上で 公開できるMVP リアリティ フロントエンドのみ実装 (現実感) プロトタイプ ビジュアルデザイン⼊り プロトタイプ ランディングページ リソース (時間、予算)

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“現実歪曲”曲線 現実に動く プロダクト インターネット上で 公開できるMVP 得られる学び量(と質)の差 リアリティ ※この差があっても⼗分に期待値が (現実感) あるならプロトタイプ優位 フロントエンドのみ実装 プロトタイプ ビジュアルデザイン⼊り プロトタイプ 最初の学びを得るまでの時間差 ランディングページ リソース (時間、予算)

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“現実歪曲”曲線 現実に動く プロダクト インターネット上で 公開できるMVP リアリティ (現実感) ② MVPの⼒学 フロントエンドのみ実装 プロトタイプ ①かける時間(予算)を最⼩化 ビジュアルデザイン⼊り ②効果(現実感)を最⼤化 プロトタイプ ※効果的な学びをより早く ランディングページ ① リソース (時間、予算)

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“現実歪曲”曲線 現実に動く プロダクト リアリティ (現実感) 代替(競合)製品に よるMVP ノンコーディング プロトタイピングツール インターネット上で 公開できるMVP フロントエンドのみ実装 プロトタイプ “現実歪曲”曲線の ビジュアルデザイン⼊り 「上側」で検証 プロトタイプ ランディングページ リソース (時間、予算)

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“現実歪曲”曲線 “⼤企業的⼤戦略” ①⼤企業らしい予算投下 ②効果(早めの選択肢潰し)を最⼤化 ※効果的な学びを圧倒的に早く

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現実に多いのは… 決め打ち 想像だけで決め打ち 想像だけで決め打ちでいきなり超リアリティ のあるもの(=製品!)作ってしまう ※学びはある。だが、かける予算と時間と、何より期待 (「実はこれで⾏けるんじゃないの?」)と合っていない =事業化頓挫 “⼤企業的⼤戦略” もまず取られない

26.

「想像だけで決め打ちでいきなり製品を作ってしまう」 どう考えても間違っていると分かる。 でも、なぜ、そんなことが起きる?

27.

環境最適化問題 俯瞰的視点に⽴てば誤りに気がつくことでも 詳細により過ぎたままだと誤りに気がつかない スプリントの中で… 「必要なPBLを(想像して)リファインメントしよう」 「ここは⼀旦決めで」「つくってタメそう!」 眼の前の環境に思考と⾏動を最適化したままだと、 現状の⾏為にある問題にも気が付けない。

28.

そこで、 「⾃分たちを⽴ち⽌まらせる問い」を Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. Photo credit: Steven Penton on VisualHunt / CC BY

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正しいものを正しくつくれているか?

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⾃分たちの思考と⾏動に別の⽅向性を与える 絶対的な正解など無い。(そんなことは多くの⼈が分かってる) それを踏まえて、⾃分たちの思考や⾏動に誤りが 混⼊していないか、気づいていない事に気づきたい Photo credit: Pro-Zak on Visual Hunt / CC BY-NC

31.

“問い”とは「強制的に置ける制約」

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⼈は制約を置かれた時、その制約の下で 最適な解を⾒つけようとする 例えば 「重要なものを選べ」→「全部重要!選べない」 「重要なものの中からTOP3を決めよ」→ 並べて⽐較して順位を決める 制約に適応した解を⾒出すために暗黙的に基準を作り出す Photo on VisualHunt.com

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プロダクトのあるべき姿 実はこれだけしか 分かっていないかもしれない… ⾃分たちが”気づける” 射程距離

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プロダクトのあるべき姿 「正しいものを 正しくつくれているか?」 ⾃分たちの意識に 囚われない ”問い” で 思考や⾏動に向き直る 「ユーザーのことを本当のところ どこまで理解できているのだろう?」 「もっと理解できる活動はないだろうか?」 : ⾃分たちが”気づける” 射程距離

35.

プロダクトのあるべき姿 相対的に、より可能性が ⾒い出せる思考や⾏動 を導き出す ↓ あらたな学びを得る ⾃分たちが”気づける” 射程距離

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不確実性の⾼い状況ほど 回答可能な問いにばかり答えていても発⾒が⾜りない 回答不可能な問いをあえて置く Photo credit: Shandi-lee on Visualhunt.com / CC BY-NC-ND

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その⼀つの在り⽅が 仮説検証型アジャイル開発 正しいものを 正しくつくれているか? 選択の幅最⼤ (セットベース) 仮説⽴案 (モデル化) 検証 計画 正しいものを 正しくつくれているか? スプリントプ 正しいものを 正しくつくれているか? 検証 価値探索 (正しいものを探す) ランニング 開発計画 MVP特定 (リリースプラ ンニング) 選択の振れ幅最⼩ (ポイントベース) 評価 正しいものを 正しくつくれているか? スプリント 開発 アジャイル開発 (正しくつくる) スプリント レトロスペクティ ブ MVP検証 スプリント レビュー 正しいものを 正しくつくれているか? 詳細については書籍「正しいものを正しくつくる」を 次の検証計画 (価値探索)へ

38.

「分からないものを分かるようにする」戦略を 地⽅(アトツギ)、国・⾃治体、逆境にこそ 届けて、越境を後押ししたい。

39.

ともに越えよう。