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February 20, 26
スライド概要
デブサミ2026(2026.02.20)でお話しました。
#devsumi
デベロッパーに “変化の作り ”としての 期待を寄せられない組織は 早晩滅びる 市 聡啓 Ichitani Toshihiro 手 谷 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
聡啓 Ichitani Toshihiro 面 力 谷 方 20年以上にわたり現場と組織の両 からアジャイルを実践し、 場や役割を越えた協働を通じて「正しいものを正しくつくる」 あり を探究してきた。 個 や組織の を結び合わせ、変化を現実にしていく「芯」を 出すことに熱意を注ぎ、越境を続けてきた。 人 見 立 市
我々の仕事で、最も厄介なこと 問題に気付いたときには 既に取り戻せないやつ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 3
開発の終盤での「コレジャナイ」 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 4
技術的負債対応 vs ビジネス判断 (優先度が合わない) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 5
セオリー通りにやっている、 …にも関わらず、いつの間にか まるで世界が変わる。 アジャイル MVP ! ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 6
気付いたときには詰んでいる、 詰み には 々ありますが、共通するのは 作るモノが合っていない 色 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 7
気付いたときには詰んでいる、 詰み には 々ありますが、共通するのは 作るモノが合っていない 「ビジネス側」と合っていない … から、「コレジャナイ」 色 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 8
気付いたときには詰んでいる、 詰み には 々ありますが、共通するのは 作るモノが合っていない 「ビジネス側」と合っていない … から、「コレジャナイ」 「顧客、ユーザー」と合っていない … から、どうにかして合わせるために やるべきことが 盛りになっていく 山 色 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 9
「正しくつくる」だけではなく、 (ましてや「とにかく沢 つくる」でもなく) 正しいものを 正しくつくる 山 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 10
正しいものを正しくつくる 仮説検証型アジャイル開発 仮説 案 (モデル化) 選択の幅最 (セットベース) 検証 計画 価値探索 スプリント プランニング 検証 (正しいものを探す) 評価 仮説検証 選択肢を 分に 広げた後に絞る MVP特定 開発計画 (リリースプラ ンニング) 十 小 大 (正しくつくる) MVP検証 スプリント レビュー 次の価値探索へ アジャイル 構想を早く形にして フィードバックを得る Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 立 アジャイル開発 スプリント レトロスペク ティブ 選択の振れ幅最 (ポイントベース) スプリント 開発 11
…をやっていても、それでも詰む Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 12
技術的負債も 順調に溜まっていく Dead End Start 価値はありそう (MVPで始める) プロダクトの価値 が拡充できない 想定顧客と思った ように出会えない 開発に 分な予算 が回せない ピボットどころか いつの間にか事業開始 顧客獲得に全集中! (予算はマーケに振り切る) (デッドエンド・ジャーニー) 十 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 13
不可逆になる判断 ( ち返られない判断) を 不 意に積み上げている 価値はありそう (MVPで始める) ピボットどころか いつの間にか事業開始 MVPへの投資 = MVPでどうにかする責務 事業計画 = 必達 標を抱え込む 顧客獲得に全集中! (マーケ予算に振り切る) 開発に 分な予算が 回せない 思い切ったマーケへの投資 = もう引き返せない累損 保守が き届かない = 負債を積み上げる 立 目 行 十 用 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 14
不可逆 可逆 …って何 ? ? ? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 15
元の判断に戻れる 完全なる元通りではなく ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 学習を次の判断にいかす 「検証の結果をいかして、 次の仮説を て直そう」 不可逆性 判断を戻せない つ前の判断が次の ﹅ ﹅ 動 の前提となる 「承認を得た以上は、 計画は変えられない」 行 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 立 一 可逆性 16
ソフトウェアづくりは 伝統的に不可逆性によって 成り たせてきた 注 今私たちがやっているのは アジャイル開発や 変更容易な設計で可逆性を “注 する” ことなのだ 立 入 入 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 17
つまり、仮説検証型アジャイル開発とは 「仮説検証」と「アジャイル」によって、 作るべきモノの特定と作り に 可逆性を注 している といえる 18 ? 方 入 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
…のだけども、不可逆性は まだ別にもある Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 19
いかにプロダクトづくりに 「可逆性」を注 したところで、 その外側 (事業判断、組織判断) が 「不可逆」ならば、 ち返りなどできない 立 入 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 20
? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 方 言 だから ”ウォーターフォール” 的な進め がダメって、 いたいんでしょ 21
﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ で、不可逆な判断 体は必要 前提を置く=リスクを取るからこそ 新たな可能性が切り開ける (ノーリスクは、ノーリターン) MVPを 旦 「固定する」からこそ 作る、試すができる 自 一 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 方 一 ﹅ 22
必要なのは、可逆性を担保しながら ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 不可逆な判断を可視化すること (不可逆な判断の “直前” にある問い) 誰の、どの価値仮説に振り切るのか どのタイミングで、何をどこまで作るのか どのくらいの時間、お 何をするのか を費やして、 何を得るのか 23 ? ? ? 金 ? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
三 仮説の前提 既存プロダクトの 部の ユーザーをアーリアダプター として想定 解決対象の課題にXXXを加え サービスを拡充していく 対象顧客をアーリアダプター からマジョリティに広げる 仮説モデル 仮説キャンバスによる 仮説の組み て 仮説キャンバスによる 仮説の組み て 仮説キャンバスによる 仮説の組み て 獲得できる 優位性 ユーザーとの新たな接点を 獲得する ユーザーの新たな 動データ を蓄積する 定のユーザー基盤を 獲得する 想定する ビジネス規模 収益性は想定しない 単年想定収益 XXX (収益性はほぼ無い) 単年想定収益 XXX 3年想定収益 XXX 留意する制約 やリスク なし (MVPを作り、検証する) プロダクト拡張に伴う 技術的負債の発 技術的負債の累積化 早期に事業化による期待齟齬 行 一 生 立 立 立 : : : 目 目 目 手 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 手 二 一 一 仮説展開ストーリー 24
体の仮説 何を前提に取り組むか 仮説の詳細な構造 (仮説キャンバスなどで す) この 番で得られる 「優位性」は何か 不可逆性になりうる対象 この 番で期待できる ビジネスアウトカム この 示 自 手 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 手 手 番=展開 番に伴うリスク 25
番単位に抑え込む 不可逆性を める つ つの判断を その場その場の慣性、惰性で下すのではなく 展開仮説の中で不可逆判断の影響を てながら、あくまで 番単位で進める 手 一 一 高 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 立 見 ※判断の範囲を 26
この可視化で何を狙っているのか ﹅ 「次の ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ (「優位性」とは次の を選べる ” ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ? 自 立 手 由” のこと) 27 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 手 ﹅ 番」の選択肢を広げられるように、 「優位性」を仮説 て、作る 一 ﹅
要は、計画を ということ てる 立 ? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 28
﹅ ﹅ ﹅ ﹅ スケジュールでも、ロードマップでもない 仮説を てる (仮説展開ストーリーを てる) 仮説を正す (仮説展開ストーリーを正す) 番を進める (プロダクトの活動そのもの) 仮説を評価する どういう展開を得るのかという仮説 ゆえに、このレベルでの仮説検証も必要 立 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 立 手 仮説展開ストーリーは約束された 29
プロダクトづくりの外側として、 タイムボックスに基づく検査適応を う (ふりかえり、むきなおり) 30 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 行 2Week 1Month
「正しいものを正しくつくる」を 中 に置きながら、その外側で 正しくなる 状況をつくる (選択肢を増やす、 的・タイミング・リスク認識 を合わせられる状況をつくる) 目 心 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 31
問題は、 この時間の使い が組織,事業の ステークホルダーと合うのか ? 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 32
問題は、 組織によっては、 “OS” (組織の考え や基準) の アップデートに近い この時間の使い が組織,事業の (それは時として現場や つのチーム では困難な場合がある) 関係者と合うのか ? 方 方 一 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 33
だからこそ、 「DX」という ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 葉には、組織の ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 考え 、判断の仕 体に変化を 加えていくという期待があったんだ 自 方 言 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 34
DX = 効率化 AI = 効率化 我々はもう学んだはず 今度こそ 先だけではなく あり の再定義をしよう ? 目 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 35
作る速度が上がる 針を決める速度が上がる 市場に出す速度が上がる ﹅ つまり「戻れない判断」が ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ これまで以上に速く積み上がる だからこそ「構造なき 速化」は危うい Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 高 方 AIは不可逆判断の速度を上げる 36
…いきなり組織変える とか、ムリゲーすぎる (Yes 私も何度も味わった) ! ? ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 37
ごく最初のうちから 書いてみる+ 分たちで展開の仮説を しておくというのを推奨します なぜなら、組織にとって “新たな取り組み” ほど その良しあしを測る「モノサシ 体」がない ≒ モノサシ 仮説展開ストーリーを しておくだけで 「モノサシの代わり」になりうる 自 示 自 てること 体がチームにも気付きを与える) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 自 示 立 (そして、展開を仮説 38
つまり、チームとしての、 意志をあらわせ そして、継続的にマネジメントせよ (なぜならあくまで仮説だから) それはAIではなく、 にしかできないこと 人 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 39
あらためて “不可逆がちな状況” を 変えるためには何を取り れる 40 ? 入 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
人 作る、試す、正すという動きで の営みに可逆性をもたらす (内側でも外側でも) 試すために作る 分かったことで直す 試すことで分かる Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 41
Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 42
「エクストリームプログラミング」(第 版) 私たちは「分かってから動いている」 だけなのではない。 「動くことで分かる」から、 次がより動けるようになる。 二 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 43
分かろうとする (プロダクトを作って試す) “世界” 分かる = 学ぶ 分たちの理解や捉え が更新される Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 方 自 分かるためには関わる必要がある 44
なぜ、アジャイルは、 こんなにも私たちの をとらえるのか。 (四半世紀、齧り付いてきたワケとは ) 45 ? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. ? 心 … 考えてみれば、ずっと不思議だった。
試すために作る 分かったことで モノもヒトも変わる 試すことで分かる 「もっとこうしよう」 「次はこれを試そう」 それは、アジャイルが モノづくりを変えるとともに、 私たち を変えていく機会 をもたらしているからだ。 身 自 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 46
“ソーシャルチェンジ" それは、四半世紀も前から 先達が教えてくれていること Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 47
「作る、試す、正す」とは デベロッパーの仕事そのもの それをエンジニアはもちろん、 「チーム」で成り 立 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. たせる 48
デベロッパーは、 これまで “抽象化 “ を訓練し、 あくなき実践を続けてきた。 “現実” に関わるために 知識をモデルに、コードに、 置き換えてきた。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 49
﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ だが、今ここで何を現実に ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 投げかけていくのか、その判断を 構造として組み てることは 間が担う。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 立 人 単に置き換える作業は AIが担うことなる。 50
そう、我々がやっていることは (そして、これから始めることとは) プロダクトづくり、事業開発、 組織変 ﹅ ﹅ ﹅ を問わず、 構造を変えようという 営みに他ならない 革 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 51
それは新たな 「システムづくり」にあたる 私たちが培ってきた設計(抽象化)、プロセス、 チームの 法・あり を次の構造づくりへと繋げよう “システムエンジニア” という 葉は きっと、この のために作られたのだ 言 方 日 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 52
さいごに Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 53
デブサミ、23年 私の歩みは、25年 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 54
振り返れば、 私たちが指差す 向は ずっと合っていて、 そのことを数々の先達たちが ずっと教えてきてくれたのだ と思う 方 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. Photo credit: osde8info on VisualHuntCopy 55
今 は、先達たちに代わって 私から、私の 葉で伝えます 言 日 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 56
正しいものを 正しくつくる Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 57
正しくなる 状況をつくる Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 58
とはいえ、簡単ではない いつだって理解するのは容易、でも 習得 (上 くなるの) は困難 これからも、分からないこと・困難に ぶつかり続けていく 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 59
だから、私たちは 「チーム」で臨むんだ そして「コミュニティ」を作り 「組織をチームにする」ことに 希望を抱いている Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 60
Our Journey Continues ! 自 Photo on Visual hunt (各 、頑張れ)
誰宛ともなく、勝 ながら 託す 葉を置いていきたいと思います 手 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 言 長 … なのだけども、いささか私の旅も くなりすぎてきたところがあり、 62
諸君、 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 63
“デベロッパー”の諸君 64 ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「システムをつくる」 ことで “世界” を変えてほしい。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 65
“世界” とは ? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 66
ある事業づくりであり、 プロダクトをつくることであり、 やはりソフトウェアづくりでもある Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 67
いつでも、” ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 分” という ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ さな世界から始められる そう、私たちにはいつもこの 傍らにある > “ 葉が さくはじめる” 言 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 自 ﹅ 小 小 その “世界” は、 68
自 分から始めて、 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 69
あなた選んだ場所にいる 周囲の たちと、 人 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 70
自 ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 分たちが好きになれる、 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 71
”世界” を つくり続けよう 72 ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
最後は、「問い」で Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 73
それで、 あなたは、何をする なんですか 74 人 ? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
ご清聴ありがとう ございました “デブサミ” のすべての先達と 同胞たちに感謝します ! Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 75