チーム仕事のはじめ方 〜「チームビルド」から「チームマージ」へ

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November 24, 17

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「チームビルド」から「チームマージ」へ

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チーム仕事のはじめ⽅ 「チームビルド」から「チームマージ」へ Ichitani Toshihiro Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 市⾕聡啓

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Ichitani Toshihiro 市⾕聡啓 ギルドワークス株式会社 代表 株式会社 エナジャイル 代表 ⼀般社団法⼈ 越境アジャイルアライアンス代表理事 DevLOVE コミュニティ ファウンダ ソフトウェア開発16年 SIer→サービス→受託→起業 仮説検証とアジャイル開発 0→1 http://about.me/papanda0806 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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このお話のテーマ ⼀緒に仕事をしたことがないメンバーで 集まって、新しくチームをつくるためには 何からはじめたらいいのか? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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チームビルディングって いろんなワークがあるけど どれをやればいいの? インセプションデッキ? ドラッカー⾵エクササイズ? Working Agreement? デリゲーションポーカー? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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チームビルディングって いろんなワークがあるけど どれをやればいいの? ちょっと待った。 「チームで、チームの、何を知りたいか」を まずは、整理してみよう。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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チームで知るべき3つのこと ①⽇常の仕事を通じて分かること = チームのWhat (個々の技術、経験、強み、パフォーマンス、振る舞い⽅) ②⽇常の仕事を通じてでは分かりづらいこと = チームのWhy (個々の信念、価値観、考え⽅) ③⽇常の仕事とワークショップで使い分けること = チームのHow (仕事のやり⽅) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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おや。強みとか、個々のスキルを 把握するのって、 ドラッカー⾵エクササイズが有名だよね? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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おや、強みとか、個々のスキルを 把握するのって、 ドラッカー⾵エクササイズが有名だよね? 「できる」「できない」は、ずれやすい。 「⾃分が⾃分について理解していること」 「⾃分は知らない、他⼈が知っている⾃分のこと」を 把握するのに、ワークショップはとても役に⽴つ。 でも、技術とかスキルって「ゼロイチ」以上に勿論 「度合い」だよね。だから「表明」するだけでは本当 のところは分からないよね。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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信念、価値観、考え⽅は表に出て来にくい。 表に出てくるタイミングが合うまでお互いに 分からない。(「え、そんなこと考えてたの?」) チームビルディングのワークショップとは 「タイミング」を恣意的に合わせる⼿段のこと。 (ワークショップって⾮⽇常感あるよね) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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新しいやり⽅の獲得や練習は ⽇常の中に無い場合がある = ワークショップで恣意的に 「タイミング」を作り出す 現状のやり⽅の改善は⽇常の仕事の中で Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「ふりかえり」と「むきなおり」 ⽇常の延⻑線上には無い可能性を恣意的に⽣み出す ためには「ふりかえり」だけではなく「むきなおり」 が必要。(ワークショップはその⼿段) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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⽇常の仕事を通じてしか分からないことがある。つまり、 ワークショップだけ、たとえ100回やっても “チーム仕事で結果を出せるチーム” にはならない。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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補⾜ 本を読んでるだけでプログラミングの達⼈になれる? 書かないとダメだよね。 でも、本を読んで知識を得るのはプログラミングを上 達するためには⼤事なこと。 それと同じで、ワークショップで考え⽅や仕事の やり⽅を知るのは⼤事なこと。 でも、チームビルディングのワークショップ をやっているだけではチーム仕事が できるようにはならない。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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え?でも、それってどうしたらいいの。 新しく集まったチームだから、 どうやってチーム仕事をはじめたら 良いか分からないわけなんだけど。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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え?でも、それってどうしたらいいの。 新しく集まったチームだから、 どうやってチーム仕事をはじめたら 良いか分からないわけなんだけど。 チームマージ という考え⽅を紹介するね。これはギルドワークスで 「いろんな背景」の⼈たち (100名近いフリーランス) の 組み合わせで、「さまざまな⽬的」(のべ200プロジェクト) でチーム仕事をしてきた結果、分かったことなんだ。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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その前に、いくつかの概念について 認識をあわせておこう 「プロダクト」と「チーム」 「グループ」と「チーム」 「ビルド」と「マージ」 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「グループ」と「チーム」の違い Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「グループ」と「チーム」の違い グループとは何か? 集まりとして⽬的や⽬標の共有感が薄く、適宜個⼈で 仕事をしている。 “チーム仕事で結果を出せる”かが関⼼事になっていない。 組織でもグループを使うことがあるけど「ビジネスの 種類」とか「対象とする業界」とかでまとめているのは それが「経営層の関⼼事」だったりするからだよね。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「グループ」と「チーム」の違い チームとは何か? 仕事をする上で、⽬的を揃えて、⽬標に向かって、 それぞれが持ち味を出して、協⼒しあうことで個⼈で やるよりもっとパフォーマンスを出せる集まり、 それがチームだ。 だから「①チームの⽬的を揃える ②共通の⽬標を認識する ③お互いの持ち味を把握する ④協働で仕事するためのやり ⽅を整える」ことがチームには必要だ。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「プロダクト」と「チーム」の違い Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「プロダクト」と「チーム」の違い プロダクトとは何か? プロダクトはインクリメンタルにつくる。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「プロダクト」と「チーム」の違い チームとは何か? チームもインクリメンタルにつくられる! チームもいきなり最⾼の状態から始まるわけではない。 時間とともに、知るべきことを知り、練度を⾼めていく。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「ビルド」と「マージ」の違い Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「ビルド」と「マージ」の違い ビルドとは何か? ビルドという⾔葉には建築物を⽴てるイメージがある。 これは、話し⼿の主観でしかないけど、ビルドには ①部品を組み上げるイメージ → 組み上げてから分解できる。Complicated 部品として代替が可能。 ②他⼈の⼿が介在できるイメージ → チームの外側から「チーム」をつくる を感じるんだ。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「チームになる」のに、決まった⼿順があって、 それを上から流せば良い、そんなことはないよね。 チームの主語は「⾃分たち」 ⾃分たちで整えたり、考えたり、動いたりする からこそ、⾃分たちの⼒を引き出せるはずだ。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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よくわからないなー。 どういうこと? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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よくわからないなー。 どういうこと? あなたの⼿を動かせる⼈は誰だろう? 誰か偉い⼈に「ここまでやれ!」と⾔われるのと 「⾃分たちでやるべきだと考えてやる」のでは どっちが早かったり、持続したりするかな? あるいは「このとおりにやれ!」と⾔われて、 限られた範囲の作業の最適化はできるかもしれない けど、それ以上にはなれないよね。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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「ビルド」と「マージ」の違い ①⾃分たちで⾃分たちの考え⽅や振る舞いを整える → チームの内側から「チーム」になる ②チームという個体としての最適化を⽬指すことになる → 分解しても、個々⼈だけでチームそのものを 代替できるわけではない。Complex つまり、 「ビルドする(組み上げる)」というよりは 「マージする(融合する)」ことを⽬指したい。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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で、どうやってインクリメンタルに チームをマージしていけばいいの? Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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で、どうやってインクリメンタルに チームをマージしていけばいいの? ⼩さく、短く、⼀巡させる。 先に⾔ったように”チーム仕事で成果を出せるチーム” になるためには、チーム仕事をやらないとダメだ。 だから、チーム仕事を⼩さく、短く、⼀巡させること から始めるんだ。⼀巡すると、そこに軌跡が残る。 チームの軌跡があれば、ふりかえりができる。 ふりかえりができたら、変わる機会が得られる。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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要は、⼩さく始めたら良いってこと? 上⼿くいくのかなぁ…。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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要は、⼩さく始めたら良いってこと? 上⼿くいくのかなぁ…。 マージのための補助線を引こう チームの変化、成⻑を説明する2つのモデル ①タックマンモデル ②成功循環モデル を使って、インクリメンタル・チーム・マージ の指針を得よう。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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タックマンモデル 成果 形成期 混乱期 統⼀期 機能期 時間 ⼼理学者タックマンが唱えたモデル。 チームを形成していくプロセスには段階がある。 ①形成期(Forming)お互いのことを知らない。⽬標も不明瞭。 ②混乱期(Storming)お互いの役割・考え⽅で意⾒が⽣まれて対⽴する。 ③統⼀期(Norming)⾏動規範や役割が確⽴し他⼈の考え⽅が受容できる。 ④機能期(Performing)⼀体感が⽣まれ、⽬標達成に向かう状態。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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成功循環モデル 関係の質 結果の質 思考の質 ⾏動の質 ダニエル・キム⽒が提唱している理論。 成功循環モデルでは、成功や成果といった “結果の質”を⾼めるためには、まず、メンバー間 の”関係の質”を⾼めるべき、という考え⽅に⽴っ ている。 関係性が良くなれば、個⼈の”思考の質”も向上 する。思考の質が⾼まれば”⾏動の質”も良く なり、結果の質が向上していく。 逆に、結果が伴わないために対⽴・押し付けが 増えて、関係の質が悪化することもある。関係が 悪くなれば、協調に⽋け、思考の質が低下する。 積極的に動かなくなり、⾏動の質の低下に繋がり、 結果が出ない…というサイクルも考えられる。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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補⾜ 成功循環モデルでアジャイル開発を捉えてみる プラクティスという⾏動の前に、原則という考え⽅を。 そして、考え⽅の背景には、価値観がある。 価値観をすりあわせて、「チームの関係性」を⾼めたい。 ⾏動の質 アジリティ、⾃⼰組織化、共創など 思考の質 変化への適応、試してみる、シンプル、Whyから始めよ 持続可能性、フィードバック駆動、ユーザーファースト ふりかえり、むきなおり、制約理論など 関係の質 尊重、協調、感謝、対話、いきいき、透明性、信頼など Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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インクリメンタル・チーム・マージの原則 原則① お互いのDiffを取る → 違いを理解する。 コードと同じで、差分を取ることから始める。 差分を明らかにするワークショップを活⽤する。 原則② ⼩さく、短く、⼀巡させる → 正すべきことを早く明らかにする。 タックマンモデルの混乱期に早期に突⼊し、ふりかえりを 中⼼にして、チームの意思を少しずつ整えていく。 原則③ 結果から、関係性を⾼める → 成功体験駆動。ただし、⼩さな。それで良い。 成功循環モデルの「良い結果が良い関係性を⽣む」に則る。 ⼩さな成功を、早く、何度も循環させる中で、関係性から 思考の質を⾼め、⾏動の質へと繋げる。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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インクリメンタル・チーム・マージモデル … 統⼀期に⾄る まで繰り返す 原則②③ 基本的な関係作りを 恣意的に⾏なう 原則① 原則① お互いのDiffを取る チームの⽅向性と 理解の更新を 恣意的に⾏なう 原則① (違いを理解する) 原則② ⼩さく、短く、⼀巡させる (正すべきことを早く明らかにする) 原則③ 結果から、関係性を⾼める (成功体験駆動。ただし、⼩さな。それで良い) Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.

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形成期のチームマージ 形成期こそワークショップ 最初の関係の質、思考の質を⾼める期 ①何を⽬指すのか = 「インセプションデッキ」 ②どんな⼈がいるのか = 「ドラッカー⾵エクササイズ」 原則① Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.

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チーム仕事をはじめる際に⾒ておきたいこと 動けるか? スクラムのプロセスや、アジャイル開発のプラクティスの やり⽅を知っているか。やったことがあるか。 ⾏動の質 考えられるか? プロセスやプラクティスの導⼊にあたって背景となる原則 から、チームの共通理解となっているか。 思考の質 関係性ができているか? チームの基本的な関係性づくりができているか。 状態に応じて形成期のワークショップを⾏なう。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 関係の質

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混乱期のチームマージ さっそくチーム仕事を ⼩さな成功体験から ふりかえりによって ⼩さく、短く、⼀巡させる 関係性を⾼める さっそく改善を始める ⼀巡⽬の”⾏動の質”は低いが 早く結果を出すことを優先する ⼀巡⽬の結果は⼤したもの ではない。だが、ゼロから イチが⽣み出されたのは事実 ⼀巡の結果分かったことから 次にやることを定める。 (コンフリクトを回避しない) ⼆順⽬の⾏動の質を⾼める。 このサイクルを繰り返し、巡回毎に質を⾼める。 Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.

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統⼀期のチームマージ チームの規範や役割を再定義 混乱期を通じて得られた学びで整える 「インセプションデッキ」 「ドラッカー⾵エクササイズ」 「Working Agreement 」など更新や再定義 チームの⽅向性と 理解の更新を 恣意的に⾏なう 原則① Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.

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どんなに偉い⼈や有り難い本があっても、 それだけではチームは歩みを進められない。 ⾃分たちの今ココを卑下したりせず、 チームの外側から、学びを得ながら、 チームの内側で、⾃分たちを マージしていこう。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.

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まだ良くわからない? じゃあ、⼀緒に、 ⼩さく、短く、⼀巡させてみましょう! https://ikinari.guildworks.jp/ Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.

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楽しいジャーニーを。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.