PicoCopterProductionGuide

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February 05, 23

スライド概要

PicoCopterの作り方ををざっくり解説

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■ドローンやロボットを自作することを通じて制御や関連技術の生涯勉強情報を提供■工学博士■防大航空宇宙→筑波大博士■陸自→対戦車誘導弾等の装備品開発→高専教員→大学教員■ロボットランサー優勝→マイクロマウスニューテクノロジー賞受賞■指導者としてつくばチャレンジバンナム賞→飛行ロボコンマルチコプタ部門1位等々■北海道函館出身

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

PicoCopter製作ガイド ©Kohei Ito

2.

はじめに 昨今話題のドローンの⼀種であるマルチコプタは制御しなければ絶対に浮いてられないため制御する対象とし ては⼤変⾯⽩く、マルチコプタを⽤いた制御⼯学の学びは学習のモチベーションの維持に最適だと思います。 ところが制御⼯学学習⽤に適したマルチコプタ機体というのは案外無いもので教材選びが難しく選定できたと しても、⻑期にわたり⼊⼿可能であるかも特に⽇本においてはマルチコプタの部品を製造している会社がほぼな いことを考えると難しい問題です。 そこで、おそらく⼊⼿⽣や⼊⼿可能期間が⻑いと考えられるRaspberry Pi Picoを⽤いてフライトコントローラ を⾃作してしまうことを考えました。ジャイロの⼊⼿⽣がやや不安ですが同等品は常に存在するだろうと考え、 ⾃作に踏み切ってしまいました。同時に機体のデザインやその他の部品も選定しました。 このおかげで中⾝がブラックボックスのところがほぼない学習教材ができあがありました。⾃分で何でもでき ます。いや、⾃分で全部しないとならない茨の道に踏み込んでしまったといえるかもしれません。 ⾃分で⾶⾏制御プログラムを組んで⾶ばす喜びは何者にも変え難いものがあります。将来の組み込みエンジニ アの修⾏、ロボットプログラムの勉強にRaspberry Pi Picoを使うというは選択肢としてあっていいかなと思いま す。 ついにはESC(モータドライバ)まで作りたくなるのですがそれは、ちゃんと制御できるようになるまで、そ して教材としてテキストや資料などが整ってから、ゆっくりと着⼿したいと思う次第です。

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注意事項・免責事項 マルチコプタは超⾼速で回転するプロペラにより⾶⾏します。万⼀⾼速回転するプロペラに指 等を⼊れますと最悪の場合は指の切断等の⼤怪我をすることがあります。また、⾶⾏には⾼エ ネルギーを蓄えた電池を使⽤します。電池の取り扱いによっては⽕災等を起こす可能性もあ り、取り扱いには⼗分にご注意ください。 本ガイドに従ってマルチコプタを製作した場合も、⾶⾏には細⼼の注意を払い、安全⼿袋や 安全メガネを装着した上で⾶⾏実験を⾏なってください。 また本ガイドの情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、 正確性や安全性を保証するものではありません。情報が古くなっていることもございます。 当ガイドの内容によって⽣じた損害等の⼀切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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PicoCopter制御システム配線図 ESC ESC BLDC Motor 5 inch Propeller Receiver Raspberry Pi Pico LSM9DS1 ESC ESC with BEC ESC

5.

PicoCopter電源系配線図 ESC ESC BATTERY ESC ESC

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PicoCopter Flight Controller 回路図 BEC Raspberry Pi Pico 39 VSYS LSM9DS1 SPI1RX/GPIO8 11 SDO SPI1CSn/GPIO9 12 CSM SPI1SCL/GPIO10 14 SCL SPI1TX/GPIO11 15 SDA SPI1CSn/GPIO13 17 REAR LEFT ESC REAR RIGHT ESC 4 GPIO2/PWM1A 5 GPIO3/PWM1B FRONT LEFT ESC 6 GPIO4/PWM2A FRONT RIGHT ESC 7 GPIO5/PWM2B UARTRX/GPIO1 2 CSAG GND Receiver 4.7k ・ VCC 2SC1815等 S.BUS 100 3 GND VCC GND

7.

PicoCopter Flight Controller 基板配線図 実物表面 実物裏面

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部品ガイド Raspberry Pi Pico 必要個数 販売価格 1 600円前後/個 ジャイロ・加速度計 必要個数 販売価格 地磁気センサ https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM16132/ 1 2100円前後/個 https://www.switchscience.com/catalog/6451/ https://www.switchscience.com/catalog/6900/ https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart /detail.php?code=EEHD-5S4T ESC 必要個数 販売価格 4 1000円前後/個 ブラシレスモータ ブラシレスモータは更新が⽬まぐるしく⽇本で⼿に⼊るものは 限られる、海外の通販が使えるのならばそれが⼀番良い⼊⼿⽅ 法となる。2306モータ、や2203モータで画像検索すると良い。 使⽤実績のあるモータ(現在は⼊⼿困難) アマゾン等で取り扱い https://amzn.to/3zyKgdA 必要個数 販売価格 4 3000円前後/個 ブランド不明で⾚いESCと⾔われてい ます。⾊々なところで⾒かけます。 Simonkと呼ばれるファームウエアで 動いています。 https://www.hobbywingdirect.com/products/x rotor-2306-motor https://store.tmotor.com/category.php?u=230 77&id=82 https://amzn.to/3ffDvo1

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部品ガイド プロペラ 充電器 5インチでピッチが4.8のプロペラは5048という表記がされている。 PicoCopterの⼤きさだた5インチで3枚バネが主流と考えられる。少し 前はAmazonでもいろいろ選べて安かったような気がするが今は探すの に苦労しますね。 必要個数 販売価格 https://amzn.to/3HMVuhL 必要個数 CW:2 CCW:2 販売価格 1000円前後/セット こちらはいろいろあります。 お値段が安く、評判の良さそうなものを選 んでみました。 https://amzn.to/3qShUY5 https://amzn.to/3q3lQWC フレーム 材料規格 販売価格 リチウムポリマー電池 1 4000~16000円前後 3×600×400mm板 2枚 ・シナベニヤ ・ABS樹脂 必要個数 1以上 販売価格 3000円前後/個 https://amzn.to/3qP5Syo 最近購⼊した2個セットのものです。今の ところ問題なく調⼦良く使っています。 3000円前後 4500円前後 市販品があるのでAmazon等で検索してみて 気に⼊ったものを使うと良いです。 当ガイドでは私がデザインしたものをGithub にあげておりますので、そちらのデータから レーザ加⼯可能であればお勧めしています。 https://github.com/kouhei1970/multicopter _frame

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部品ガイド 送信機 スペーサー フレームの組み⽴てやフライトコン トローラの取り付けに必要です。 主に3mmと2mmのネジがついたも のを使っています。 とりあえず安いものにします。 欲を⾔えば10Jぐらいがいいです。 定価 16500円 ・M3両雌ネジタイプ45mm推奨 https://hirosugi.co.jp/products/PO M/AR.html ・M2オスメス 10mm&20mm推奨 https://hirosugi.co.jp/products/PO M/BMR-E.html https://www.rc.futaba.co.jp/product s/detail/I00000008 受信機 S.BUS規格の超⼩型! 定価 4400円 https://www.rc.futaba.co.jp/product s/detail/I00000019 ケーブルタイ ESCや配線を縛るのに便利な必需 品。3タイプぐらいあると便利で す。 ・全⻑ 78mm https://www.monotaro.com/p/2739 /9313/ ・全⻑ 150mm https://www.monotaro.com/p/2739 /9338/ ・全⻑ 288mm https://www.monotaro.com/p/2739 /9365/

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部品ガイド 瞬間接着剤 組み⽴てや、壊れた時の補修に超便 利。なくてはなりません。 https://www.monotaro.com/p/3953 /4887/ 瞬間接着剤硬化促進剤 瞬間接着剤の相棒としてこちらもな くてはならないものとなりました。 https://www.monotaro.com/p/6093 /0125/

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ソフトウェアについて フライトコントローラはRaspberry Pi Picoを使⽤しています。 Raspberry Pi Picoの取り扱いについては財団のHPが資料も充実してい ます。 ラズベリーパイ財団のホームページ https://www.raspberrypi.org/ PicoCopter⽤のプログラムについては開発中ですがGithubにサンプルを 載せていますので参考になさってください。 Githubレポジトリ https://github.com/kouhei1970/pico_copter

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Raspberry Pi Pico Pinout Power Power Ground Ground UART / UART (default) UART / UART (default) ADC ADC System Control System Control Debugging Debugging (参考資料)Raspberry Pi Pico ピン配置

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(参考)PicoCopterの製作と制御 前期後期 前期 後期 講座スケジュール 回 授業項目 1ドローンとは何か 2 航空工学の基本 3 4 プロペラの力学 5 6 7 8 剛体の運動 9 10 11 12 フレームの製作 13 14 15 16 フライトコントローラーの製作 17 18 19 20 制御工学入門 21 22 23 24 マルチコプタ制御入門 25 26 27 28 飛行試験 29 30まとめ 授業内容 マルチコプタの概要と飛行原理 航空工学概論 空気力学の基本 推力取得試験 トルク取得試験 ベクトルの微分 剛体の並進の運動方程式 剛体の回転の運動方程式 座標変換とオイラー角 座標変換とクォータニオン CADの使い方 レーザー加工機でのフレームの切り出し フレームの組み立て フライトコントローラの概要 回路図の見方 実態配線図の書き方 基板の製作 基板の製作 基板の製作 フィードバック制御について PID制御について センサ出力の取得 ESCとモータ制御 送信機・受信機でのデータの送受信 姿勢推定の概要 PID制御の実装 PID制御パラメータの調整 飛行練習 飛行練習