知的障害の子どもを持つ保護者への情報提供資料_10_公的セーフティネット

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August 01, 23

スライド概要

知的障害のある子どもを持つ保護者に対して有用と思われる下記の情報提供内容をまとめております。

10.公的なセーフティネットについて
(生活保護、入所施設利用時の生活費負担の軽減)

このスライドは12の内容のうちの1つです。全ての内容を参照される場合は下記のURLにアクセスしてください。
https://www.docswell.com/s/7480727/5387NL-2023-08-01-084137

知的障害特別支援学校にのみならず、保護者さまや知的障害の方に関わる仕事をされている方にも広くご利用いただければと思います。
資料については自由に改変いただけますが、営利目的での使用および再配布はご遠慮ください。
なお、内容においては、書籍や政府機関の情報を参照して細心の注意を払って作成していますが、制度の変更や万が一の誤記等によって内容が正しくない恐れがあります。
また、本内容に基づいて情報提供を行い、不利益が生じた場合の筆者は責任を一切負いません。

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兵庫教育大学大学院における修士論文執筆に際して作成した資料を共有しています。 研究において分析した知的障害の子どもを持つ保護者の持つ不安に対して応える内容をまとめております。 知的障害特別支援学校にみならず、保護者さまや知的障害の方に関わる仕事をされている方にも広くご利用いただければと思います。

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各ページのテキスト
1.

公的なセーフティネットについて 事例 Hさんは障害者雇用枠で一般就労をして65歳で退職 するまで働いてきました。親元を離れた後はグループ ホームに入っていたので、身の回りのことで特に問題に なるようなことはなかったのですが、退職後は年金だけ では足りず、貯蓄から生活費を捻出していました。 70代になったころ遂に貯蓄が底を尽き、身寄りも無 かったことから、グループホームの世話人から生活保護 の受給を勧められました。Hさんもはじめは難色を示し ましたが、他に方法がなかったことから世話人に同行し てもらって自治体の窓口に出向いて申請を行い、後日生 活保護の受給が決まりました。

2.

公的なセーフティネットについて • 生活保護について 生活保護とは、日本国憲法第25条の理念に基づいて、生活に困窮す る国民に対して必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を 保障する制度です。 障害のある方が各種助成金や減免制度の適用、親族からの援助等を 受けた場合にも生活が困窮してしまう場合には利用を検討すべきです。 • 生活保護を受給できる条件 生活保護は、「利用し得る資産、能力、扶養義務者による扶養等あ らゆるもの」を活用し、それでもなお最低限度の生活を営めない状態 にある場合に受給することができます。例えば、一定の資産(預貯金 や有価証券等)を持っている場合は、そちらの活用や売却を求められ、 受給できません。

3.

公的なセーフティネットについて • 生活保護における資産の扱い 資産がある場合は基本的に売却して生活費に充てることを求められ ます。持ち続けていたほうが自立につながる場合を除いて資産を保有 したまま、生活保護を受給することはできません。 持ち家 →売却価格が安く、住み続ける方が合理的な場合は保有が許されます。 家に資産価値がある場合には、売却やリバースモーゲージ(家を担保にして お金を借り、返済しない場合は家の所有権を譲渡する)の利用を求められます。 自動車 →原則、保有できません。ただし、通勤・通所手段に公共交通機関使用できない 場合などには許可される可能性があります。 預貯金(1ヶ月分の最低生活費以上)、有価証券、貴金属等 →保有は認められません。

4.

公的なセーフティネットについて • 生活保護における扶養照会 生活保護が申請された場合、自治体は申請者の親族に対して仕送り や同居による扶養が可能かどうかなどの問い合わせを行います。 • 扶養照会の範囲 民法上で「扶養義務」がある3親等までの親族が対象となります。具 体的には、父母、祖父母、きょうだい、おじ、おば、甥姪が対象とな ります。ただし、扶養照会は担当者による裁量もあるため、おじやお ば、甥姪に対しては扶養照会が行われない場合もあります。

5.

公的なセーフティネットについて • 支給される生活保護費について 居住地域等の条件から最低生活費が計算され、そこから収入が差し引 かれ、不足分についての支給が受けられます。なお、障害年金の等級に よって、生活保護費に15,000円~25,000円程度の障害者加算が付きます。 • 生活保護における障害年金やグループホーム助成金等の扱い 生活保護を受給する場合でも障害年金やグループホーム助成金につい ては支給を受けられます。しかし、支給された金額は収入として認定さ れるため、支給された金額の同額が生活保護費から差し引かれます。 • 生活保護における福祉サービス利用料、医療費の扱い 福祉サービス利用料の自己負担はありません。医療費は無料となりま すが、福祉事務所で医療の申請を行い、指定医療機関で医療要否意見書 を記入してもらい、その後医療券を発行してもらう必要があります。

6.

公的なセーフティネットについて • 事例で登場したHさんが生活保護を受給した場合の保護費 下記の条件で令和4年度の保護費において試算しています。 ・障害年金2級を受給している ・神戸市のグループホーム(家賃35,000円)に住んでいる *障害年金、グループホーム助成金は支給されているが、その同額分 が保護費から差し引かれているため考えないものとしています。 生活保護費 生活扶助 76420 障害者加算 17870 住宅扶助 35000 合計 129290 別の資料で試算したグループホーム生活者 の1ヶ月あたりの生活費が100,500円であった ので、生活保護費から差し引くと月々3万円程 度の余裕が生まれると考えられます。

7.

公的なセーフティネットについて 事例 Iさんには重度の障害のある子どもがいます。卒業後 は子どもが安心して入れる施設をずっと探していました が、ついに施設が見つかり、入所できることが決まりま した。しかし、Iさんの子どもは生活介護を利用してい るため、収入は障害年金だけです。Iさんは施設の利用 料が払えるか不安になりました。 施設の方からの説明で、入所施設に入った場合は、利 用料や費用等の様々な減免制度が適用され、収入が少な い場合でも一定の金額が手元に残ることを知ってIさん は安心しました。

8.

公的なセーフティネットについて • 施設に入所している障害のある方の生活費負担の軽減について 障害のある方本人の収入が障害年金のみか、年金に工賃を加えた程度 である場合は、福祉サービス利用料の他に食費や光熱費も軽減されます。 これらの減免に加えて、必要に応じて補足給付もなされ、本人の手元に はお金が月々25,000円程度残るように調整がなされます。 *なお、入所施設での減額を受けるには両親の扶養から外れている必要 があります。