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1.

入試問題解説 第 17 回:解 を 変 数 に 選 ぶ 積 分 2007 弘 前 大 医 学 部

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入試問題解説 問題 ¡2 ≦ t ≦ 2 とする。x についての方程式 x3 ¡ 3x = t が区間 1 ≦ x ≦ 2 にもつ解 ®,区間 ¡1 ≦ x ≦ 1 にもつ解 ¯ とする。 (1) ¯ を ® の式で表せ。 (2) ® と ¯ を t の関数と見て,定積分 Z2 ¯ dt ¡2 ® を求めよ。 (2007 弘前大 医学部) ■ 本問の学習テーマ・目的 方程式の解を含む積分に対し,その解を新しい積分変数に選ぶ考え方を学びます。® を t の式で求めなくても,t = ®3 ¡ 3® という関係から置換積分ができます。 (1) で何が準備されるのかを確かめ,解の範囲と増減を利用して (2) の置換を組み立て ます。さらに,3 倍角の公式で解を表す別解を通じて,2 つの置換の関係も考えます。 指針 / アプローチ ▼ 2 つの解を関係づける ▼ 解を積分変数に選ぶ ▼ 根号を新しい変数にする ®; ¯ の満たす式から t を消去し ます。得られる 2 次方程式を解 ¯ は ® の式にな (1) を使えば ® 3 ります。t = ® ¡ 3® と置換し, 積分全体を ® で表します。 残る根号は 4 ¡ ®2 です。これ を u とおき,® d® = ¡u du を 使って有理式に直します。 き,解の範囲から符号を選びます。 C y = x3 ¡ 3x と直線 y = t の交点を考えます。右側の増 y 加する部分に ®,中央の減少する部分に ¯ が対応します。 2 t が ¡2 から 2 まで増えると,® は 1 から 2 まで増え,¯ は 1 から ¡1 まで減ります。 (1) では同じ t に対応することを利用し,®3 ¡ 3® = 1 ¯3 ¡ 3¯ とおきます。ただし,t = ¡2 では ® = ¯ = 1 となるため,差で割る際にはこの場合を別に扱います。 ® O ¡1 ¯ y=t x ¡2 y = x3 ¡ 3x と y = t (2) では,(1) を利用して被積分関数を ® の式にし,dt と積分区間もC® にそろえます。® を t の式で求める必要はありません。置換後に残る根号は,さらに u = します。 4 ¡ ®2 とおいて処理 解答 (1) t = ¡2 のとき,x3 ¡ 3x + 2 = (x ¡ 1)2 (x + 2) より ® = ¯ = 1 である。¡2 < t ≦ 2 の --- 1 --- © ブリザードマン @HhG2cL9UOLRSz4I 無断転載・共有禁止

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入試問題解説 ときは ® > 1 ≧ ¯ なので,®3 ¡ 3® = ¯3 ¡ 3¯ より,(*1) (*1) ® = ¯ となるの C (® ¡ ¯)(®2 + ®¯ + ¯2 ¡ 3) = 0; ¯= ¡® § 12 ¡ 3® 2 は t = ¡2 のときだけ です。この場合を別に 扱ってから ® ¡ ¯ で割 ります。 2 2 1 < ® < 2 のとき,12 ¡ 3®2 ¡ (2 ¡ ®) C = 4(2 ¡ ®)(® + 1) > 0 である。2 ¡ ® > 0 より C ¡® ¡ 12 ¡ 3®2 12 ¡ 3®2 > 2 ¡ ®,すなわち < ¡1 となる。® = 2 では両者は ¡1 に 2 一致する。したがって,® = 1 の場合も合わせて, C ¡® + 12 ¡ 3®2 ¯= ÝÝ ① 2 (2) 求める積分を I とおく。t = ®3 ¡ 3® は 1 ≦ ® ≦ 2 で単調に増加し,t = ¡2; 2 に ® = 1; 2 が対応する。dt = 3(®2 ¡ 1) d® と①より,(*2) (*2) t を ® の式で表 d® して置換します。 dt Z2 B C 3 4 ¡ ®2 1 &¡ + > 3(®2 ¡ 1) d® I= 2 2® 1 B Z C 2 3 3 ®2 ¡ 1 = ¡2 + 4 ¡ ®2 d® 2 ® 1 C ここで u = を求める必要はありま せん。 B 4 ¡ ®2 とおくと,®2 = 4¡u2 ,® d® = ¡u du であり,® = 1; 2 に u = 3; 0 が対応する。よって,(*3) (*3) u は減少します。 積分の上下を入れ替え ると,置換で生じた負 号がなくなります。 B Zp 3 u2 (3 ¡ u2 ) 3 3 I = ¡2 + du 2 2 0 4 ¡ u B Zp 3 3 3 1 1 Su2 + 1 ¡ k du = ¡2 + ¡ 2 2¡u 2+u 0 p B 3 3 3 3 u  = ¡2 + + u + log(2 ¡ u) ¡ log(2 + u)˜ 2 3 0 B B B 3 3 R2 3 ¡ 2 log(2 + 3)j = ¡2 + B 2 B = 7 ¡ 3 3 log(2 + 3) 答案記載上の注意点 ▼ ポイント 1:解の範囲を使って符号を決める 2 次方程式を解いただけでは (1) は終わりません。¡1 ≦ ¯ ≦ 1 を使い,1 < ® < 2 では負号 を選べないことを示します。また,® = ¯ となる端点と,平方根が 0 になる端点を区別しま す。前者は t = ¡2,後者は t = 2 です。 ▼ ポイント 2:置換のたびに積分区間も書き換える B t: ¡2 ! 2,®: 1 ! 2,u: 3 ! 0 の対応を確かめます。u への置換では積分の向きが逆にな B ります。また,0 ≦ u ≦ 3 < 2 より 2 § u > 0 なので,対数の絶対値は外せます。 --- 2 --- © ブリザードマン @HhG2cL9UOLRSz4I 無断転載・共有禁止

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入試問題解説 ▼ ポイント 3:対数の整理では積が 1 になることを使う B B B B (2 ¡ 3)(2 + 3) = 1 より,log(2 ¡ 3) = ¡ log(2 + 3) です。したがって,2 つの対 B 数の差は ¡2 log(2 + 3) となります。 解説 1. 解の範囲は,存在だけでなく動く向きも決める f(x) = x3 ¡ 3x とおくと,f0 (x) = 3(x2 ¡ 1) です。f 解の値 は 1 ≦ x ≦ 2 で単調に増加し,¡1 ≦ x ≦ 1 で単調に減 2 なので,指定された各区間には解が 1 つずつ存在します。 1 ® 少します。端点の値は f(1) = ¡2,f(2) = f(¡1) = 2 2 O ¡2 t ¯ ¡1 上の図は横軸を t,縦軸を解の値としたものです。同じ t に対応する 2 つの高さが ®; ¯ を表 します。t = ¡2 では両者が 1 に一致しますが,その後は ® が増え,¯ が減ります。 ¯ は t = 0 を境に正から負に変わります。一方,® は常に正です。このため被積分関数 ¯ も ® 符号が変わります。求める定積分は,正の部分と負の部分を合わせた値です。 下表の対応を先に確認しておけば,置換後の積分区間と増減の向きを取り違えにくくなります。 t ¡2 ® 1 % ¯ C u = 4 ¡ ®2 1 B 3 & & 0 B 3 2 % 2 0 & ¡1 1 & 0 2. (1) は,どの文字で積分するかを指定している 積分が dt で与えられると,まず ®; ¯ を t の式にしようと考えがちです。しかし,(1) で求 めたのは ¯ を ® で表した式です。これを代入すれば被積分関数に残る文字は ® だけなので, 積分変数も ® に替えるのが自然です。(*4) (*4) 積分変数は問題文 3 3 正確には,1 ≦ s ≦ 2 として t = s ¡ 3s と置換します。この区間で s ¡ 3s は単調に増加す るため,対応する解は ® = s と一意に定まります。したがって,(1) の ® を s に置き換え, dt = 3(s2 ¡ 1) ds として積分できます。解答では,この新しい変数にも ® を使っています。 dt ds s = 1 では = 0 ですが,置換積分の公式は端点で微分係数が 0 でも使えます。 を求 ds dt める必要はありません。 3. 根号の置換は,微分まで含めて判断する 残った積分は Z2 1 ®2 ¡ 1 ® C 4 ¡ ®2 d® です。根号を u とおくと,® d® = ¡u du となりま --- 3 --- © ブリザードマン @HhG2cL9UOLRSz4I 無断転載・共有禁止 で与えられた文字に固 定されていません。(1) を代入した後,どの文 字が残るかを確かめ ます。

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入試問題解説 1 がありますが, ® C C (3 ¡ u2 )u2 ®2 ¡ 1 ®2 ¡ 1 2 2 4 ¡ ® d® = 4 ¡ ® ® d® = ¡ du ® ®2 4 ¡ u2 す。被積分関数には と整理すれば,残る ® はすべて 2 乗です。したがって,®2 = 4 ¡ u2 を代入するだけで根号 を完全に取り除けます。(*5) (*5) 根号だけを置き換 えるのではなく,微分 の部分と残る ® の次数 まで確かめます。 4. 別解:3 倍角の公式で 2 つの解を表す x = 2 cos µ とおくと,3 倍角の公式から x3 ¡ 3x = 2(4 cos3 µ ¡ 3 cos µ) = 2 cos 3µ とな ¼ ります。(1) の誘導を使わず,この形から積分を計算することもできます。0 ≦ µ ≦ とし 3 て t = 2 cos 3µ とおきます。このとき,(*6) ® = 2 cos µ; ¯ = 2 cos #µ ¡ 2¼ ; = ¡ cos µ + 3 sin µ ÝÝ ② 3 B と表せます。実際,両者を x3 ¡ 3x に代入すると,それぞれ 2 cos 3µ,2 cos(3µ ¡ 2¼) とな り,ともに t に等しくなります。また,1 ≦ 2 cos µ ≦ 2 であり,¡ (*6) µ が 0 から ¼ 3 まで増えると,t は 2 から ¡2 まで減りま す。積分の向きに注意 します。 2¼ 2¼ ¼ ≦ µ¡ ≦¡ 3 3 3 2¼ ) ≦ 1 です。指定区間での解の一意性から②が確かめられます。 3 B ¯ 3 1 =¡ + tan µ,dt = ¡6 sin 3µ dµ より, したがって, ® 2 2 B Z0 3 1 I = ¼ %¡ + tan µ= (¡6 sin 3µ) dµ 2 2 3 B Z ¼3 = ¡2 + 3 3 tan µ sin 3µ dµ より ¡1 ≦ 2 cos(µ ¡ 0 ここで sin 3µ = sin µ(4 cos2 µ ¡ 1) を使うと, tan µ sin 3µ = (1 ¡ cos2 µ)(4 cos2 µ ¡ 1) 1 = 5 cos µ ¡ 4 cos3 µ ¡ cos µ cos µ cos3 µ = (1 ¡ sin2 µ) cos µ であり,また, Z 1 1 + sin µ 1 + sin µ 1 dµ = + C = log +C log 2 cos µ 1 ¡ sin µ cos µ ですから,(*7) (*7) 分母・分子に cos µ を掛け, v = sin µ とおけば, 1 の積分になり 1 ¡ v2 ¼ ます。0 ≦ µ ≦ で 3 ¼ B 1 + sin µ 3 4 3 — I = ¡2 + 3 3 sin µ + sin µ ¡ log 3 cos µ 0 B B = 7 ¡ 3 3 log(2 + 3) は対数の中は正です。 5. 2 つの解法は,根号の表し方が異なる C 主解では ® に置換してから u = 4 ¡ ®2 とおきました。一方,別解の ® = 2 cos µ を使う C 4 ¡ ®2 = 2 sin µ です。つまり,主解の u は別解の 2 sin µ に当たります。(1) の結果 B も,この置換によって②の ¯ = ¡ cos µ + 3 sin µ と一致します。 と, --- 4 --- © ブリザードマン @HhG2cL9UOLRSz4I 無断転載・共有禁止

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入試問題解説 本問では,(1) を利用する主解をまず確実に組み立てましょう。そのうえで,x3 ¡ 3x に x = 2 cos µ を代入すると 3 倍角になることを知っておくと,解の表し方をもう一通り理解で きます。 ■ 復習のポイント 本問では,下記のポイントを重点的に復習しましょう。 ★★★★★ 解の範囲:グラフの増減から一意性と端点の対応を確かめます ★★★★★ 誘導の利用:(1) で残る文字を,新しい積分変数に選びます ★★★★★ 置換の向き:® を t の式で求めず,t を ® の式で表します ★★★★☆ 根号の処理:微分の部分も含めて,有理式に直せるか確かめます ★★★☆☆ 別解との関係:3 倍角による表示と,(1) の根号の式を対応させます --- 5 --- © ブリザードマン @HhG2cL9UOLRSz4I 無断転載・共有禁止