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May 03, 26
スライド概要
何卒よろしくお願い申し上げます。 一流のIT研修講師を目指し、日々研鑽を続けております。 本資料は外部公開用としてご提供するものです。
IT エン ジニ ア研修 Vol. 9 教えることは、 教えられること。 受講生と並走する。 中途入社・初級講師向け IT研修講師 はじめの一歩 マインドセット / 1コマ設計 / 観察 / フィードバック / 1ヶ月ロードマップ 「人を育てるとは、自分を育て直すことである」 対象 中途入社・IT研修講師(初級)/文系新卒受講生を担当する人
WHY な ぜ大事? 2 / 22 あなたの「最初の3ヶ月」が、誰かのエンジニア人生を作る 講師は「答えを与える人」ではなく、「気づきを設計する人」です。 01 02 03 最初の研修で「分かる楽しさ」を 知った受講生は、長く伸び続ける。 言語化・構造化・他者視点。 講師経験は最高の学習機会。 実務経験のある中途講師は、 「現場で本当に使う知識」を伝えられる。 受講生の 人生を左右する 教えることで 自分が育つ ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 現場と教育の 橋渡しになる
MINDSET 講師の5原則 「現場経験者あるある」を捨てて、ゼロから組み立てる 1 2 3 4 5 ハンズオン先行ではなく、基本説明先行 未経験者は「動かしてから理解」では消化不良。 前半30〜45分の知識→後半30〜45分の実践 が黄金比。 「分かるでしょ」は禁句 現場では当たり前のことが、未経験者には未知。 用語1つにも「定義→アナロジー→詳細」の3層を用意する。 完璧な講師より、誠実な講師 知らないことは「分かりません、調べて△時までに回答します」。 誠実さが、受講生の安心と信頼を作る。 事実と感想を分けて話す 「これは事実」「これは私の所感」と必ず分ける。 受講生に「事実→所感」のクセを移す効果も。 受講生は「並走者」、敵でも生徒でもない 上から目線も、媚びる姿勢も逆効果。 「一緒に走る人」のスタンスが信頼を生む。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 3 / 22
PROFILE 受講生像 4 / 22 「文系・未経験・新卒」を前提に組み立てる 実務経験者向けのつもりで話すと、最初の3秒で置いていかれる。 受講生のリアル コマンドラインを触ったことがない 「ファイル」と「ディレクトリ」の区別が曖昧 英語の技術文書に強い苦手意識 ググる習慣がまだない 中途入社講師がやりがちなNG 「とりあえず動かしてみよう」 → 動かす前に「これは何で、何のためか」 「ググれば分かる」 → 検索キーワードと一緒に教える 「自分の現場ではこうだった」 → 一般化して伝え、現場依存は補足扱い 正解か不正解かに過敏 質問することへの心理的ハードルが高い ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 「えっ、知らないの?」 → 「ここは初めてですよね」とフラットに
DA ILY 講師の1日 出社から退勤まで、講師の動き方 「教えている時間」だけが講師の仕事ではない。準備と振り返りがすべてを決める。 8:30 出社・環境チェック(プロジェクタ/PC/教材URL) 9:00 朝会(受講生に向けて/メイン講師と本日の流れ確認) 9:30 1コマ目(基本説明30〜45分+実践30〜45分) 11:00 巡回/個別フォロー/質問対応 12:00 ランチ(次コマの教材最終チェック) 13:00 2コマ目/ハンズオン主担当 15:30 受講生の演習を巡回/観察ノート記入 16:30 夕会(メイン講師に観察事項・受講生レベル報告) 17:00 教材改善・次回準備・やらかし共有ノート記入 18:00 退勤 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 5 / 22
DE SIGN 1 コマ設計 6 / 22 90分は「5+40+5+35+5」で組む 5 オープニング つかみ 分 本日のゴール/現場での使われ方/前回の復習を1分。 「終わったとき、これができるようになる」を必ず宣言。 40 前半 知識編 WHY→WHAT→HOW 分 概念→用語→原理→図解。 アナロジーは必ず「不正確だが」と前置きしてから使う。 5 休憩・確認 差を埋める 分 「ここまでで詰まった人いますか?」 手が挙がらなくても、表情で察する。 35 後半 実践編 ハンズオン 分 コマンド/コードを写経 → 自分で改造 → 失敗を楽しむ。 進捗はSlackかNotionで5分間隔の見える化。 5 クロージング 持ち帰り 分 本日の3行まとめ/自宅でやってみるべきこと/次回予告。 「やらかし共有」は最後に1つ。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
FRAM E 説明の型 7 / 22 迷ったら WHY → WHAT → HOW、または 4ステップ法 型A:WHY → WHAT → HOW WHY なぜこれを学ぶのか/現場でどう使うか 型B:4ステップ説明法 ① 正確な日本語で1文。「〇〇とは△△です」 ② WHAT 用語定義 アナロジー 「正確ではないけれど、こんなイメージ」 それは何か/用語の定義 ③ 原理・詳細 なぜそうなるか/構造/例外 HOW どう使うか/具体的な操作・コマンド ④ 一行まとめ 受講生がノートに書ける1行に圧縮 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
ANA LOGY アナ ロジー 設計 8 / 22 受講生の日常知識を借りて、抽象を具体に降ろす 「正確ではないけれど」を必ず添えること。アナロジーは入り口で、原理の説明はその後。 アナロジーの3原則 ① 受講生の日常生活にあるもの / ② 「不正確だが」と先に宣言 / ③ 原理の説明は別途必ず行う TOPIC TOPIC TOPIC プロセス管理 パーミッション パイプ ア ナロジー ア ナロジー ア ナロジー うさうさラーメン店 玄関の鍵と合鍵 リレーのバトン 店主=親プロセス、店員=子プロセス。 fork = 新人を雇う、kill = 退職してもらう。 所有者は家主、グループは家族、その他は通行人 。 rwx = 入る・触る・改造する。 コマンドAの出力をコマンドBに渡す。 料理の盛り付け→味付け→提供の流れと同じ。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
OBSERVA TION 受講生観察 9 / 22 見えにくい「困りごと」を14項目で先回りキャッチ 即時エスカレーション(4件) 日次メモで共有(6件) 数値データで可視化(4件) 心身の不調を訴えている 30分以上、画面が止まっている テスト・演習の正答率 他受講生との明確なトラブル 同じエラーで何度も詰まる 1コマあたりの質問件数 倫理・行動規範違反の疑い ため息/表情が硬い/無口 ハンズオン進捗の遅速 明確な理解破綻・パニック状態 演習に着手できていない 出席状況・遅刻早退 質問しかけて消した気配 前日比で集中力が明らかに落ちた ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
LEVE L レベ ル分類 10 / 22 受講生は3層に分けて、別々に手を打つ 早い層 標準層 遅い層 上位 20% 中央 60% 下位 20% 理解が速く、自走できる。退屈の方が問題。 授業についていけている。ここを基準に進める。 1コマで4倍ハマる。並走支援が要る。 介入アクション 介入アクション 介入アクション 発展課題を渡す 標準カリキュラム通り 巡回頻度を上げる 「教える側」に回ってもらう 演習で詰まり度を観察 並走型でフォロー(ペア演習) 業務寄りの応用例を共有 5分単位で進捗を確認 メイン講師に日次で報告 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
Q&A 質問の受け方 11 / 22 質問は「理解の入口」。返し方が学習体験を作る 1 2 3 4 受け止める 「いい質問ですね」を多用しない。 代わりに「ここ、つまずきやすいポイントです」 確認する 「○○という理解で合ってますか?」と 質問を講師の言葉で言い直す 答える / 持ち帰る 答えられない時は 「○分後/明日までに調べます」と期限明示 他の人にも届ける 「同じところで詰まった人いますか?」 → 質問を全体共有の機会に変える 禁句:「分かるでしょ?」「前にも言ったよね」「それぐらい自分で調べて」 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
HONE ST Y 誠実さ 12 / 22 「分かりません」が言える講師が、最後に信頼される 知らないことを「知っているふりをする」と、受講生は瞬時に見抜きます。 「分かりません、調べて○分後に回答します」と言える講師が、最も信頼されます。 ✕ 知ったかぶり ◎ 「分かりません」 曖昧な説明で乗り切ろうとする 「○分後/明日までに調べて回答します」と期限を切る ✕ 推測で答える ◎ 「ここまで確実」+ 推測の境界 「たぶん〜だと思います」を多用 「ここまでは確実、ここから先は私の推測」と分ける ✕ 間違いを隠す ◎ 翌日でも訂正 後から気づいても訂正しない 「昨日の説明、◯◯が誤りでした」と全体に共有 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
HA NDS-ON ハ ンズオン運営 「動かすだけ」にしない、5つの設計ポイント 1 2 3 4 5 環境差を消しておく Mac/Windows/VSCode/PowerShellの違いをスライド化済み ハマりどころを先告知 「ここで詰まったら✗のエラーが出ます」を事前に共有 5分間隔の進捗見える化 Slackで「今◯番までできた人スタンプ」または挙手 ヘルプサインを決めておく Slackリアクション/PCに付箋/立ち上がるなど明示的に 失敗を積極的に拾う 「やっちゃいました!」が褒められる空気を作る ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 13 / 22
FOLLOW 個別フォロー 14 / 22 つまずきの種類で、声のかけ方を変える 「答えを教える」ではなく、自分で乗り越える経路を設計する。 並走型 差し出し型 橋渡し型 知識・概念で詰まっている 情報・素材が足りない メイン講師の判断が要る セ リフ 例 セ リフ 例 セ リフ 例 「ちょうど私もそこ最初詰まりました。 一緒に、ここの図に戻って考えてみよう」 「この資料の◯ページに似た例があります。 まず読んでから、また聞きにきてください」 「この質問はメイン講師に聞いた方が早そう。 一緒に行きましょうか」 横に座る/同じ画面を見る/ 「正解」を急がない ヒント・参考資料・キーワード を差し出す。答えは渡さない 質問の同伴。受講生だけで 質問しに行ける状態を作る ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
T EAM 講師連携 15 / 22 サブ講師としてのメイン講師・上級講師との動き方 役割分担を最初に明文化する(口頭ではなく文書で) 役割 主担当 補助/関わり方 メイン講師 教材設計・全体進行 重大な意思決定・受講生面談 上級講師 監修・難所の代打 メイン講師のレビュー サブ講師 巡回・観察・記録 ハンズオンサポート・日次報告 あなた 観察&並走 → 慣れたら一部担当 メイン講師の意図を尊重しながら自分の色を出す 日次報告:受講生のレベル分類/観察事項/自分の判断 を毎日メイン講師へ。報連相 Vol.8 を参照。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
FEE DBA CK フィ ードバック 16 / 22 受講生にも、メイン講師にも、自分にも 受講生に メイン講師に 自分に 事実 → 所感 → 提案 観察 → 提案 やらかし → 学び → 翌日アクション 「演習でAコマンドを使ってましたね(事実)。 Bコマンドの方が短く書けると私は思います(所感 )。 次やってみますか?(提案)」 「Aさん、ハンズオンで20分手が止まりました(観察 )。 次回は冒頭5分でデモを入れてみてはどうでしょう (提案)」 「説明Aで5人迷子になった(やらかし)。 アナロジー不足だった(学び)。 明日の冒頭で5分デモ追加(翌日)」 良かった点1つ→改善1つ。 2:1の比率を意識する。 意思決定はメイン講師。 サブ講師は観察と提案まで。 完璧主義より改善ループ。 やらかし共有ノートに残す。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
WORKSHEE T ① 講義準備 17 / 22 1コマ前の15分で、頭の中を1枚にまとめる 日付 講座 本日のゴール(受講生が言える1行で) コマ 時間 受講生が詰まりそうな箇所(先回り) 今日の重要ポイント(最大3つ) 1 使うアナロジー(不正確と先に伝える) 2 3 メイン講師に確認すること TIP 1コマ前の15分が、本番90分のクオリティを決める。書きながら頭を整理。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 担当
WORKSHEE T ② 振り返り 18 / 22 1コマ後の10分で、次回の改善を1枚に書く 良かった点 Keep 改善したい点 Problem 次回試すこと 完了率:____% 遅れている層:____名 受講生の状態(数値で記録) 質問件数:____ 詰まり受講生:____名 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 Try やらかし共有 Share
CULTURE や らかし共有 19 / 22 失敗を「教材」に変える、講師チームの文化 「やらかし」は隠さず書いて共有する。 次の自分/後輩を救う、最高の教材になる。 やらかし共有ノートの書き方(4要素) ① 起きたこと(事実) 「説明Aで、5人が混乱して20分溶けた」など、起きたことを淡々と。批判ではない。 ② 原因の仮説 「アナロジーが現場依存だった」「前提知識を確認していなかった」など。 ③ 次回の打ち手 「冒頭で3分デモ」「事前に前提確認スライドを追加」など、具体的に。 ④ 他の講師への注意喚起 「同じ箇所、初心者は必ず詰まります」など、再現性のある注意。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
COMPA RE NG vs OK 20 / 22 中途入社講師がやりがちな失敗と、その逆向き ✕ NG ◎ OK ハンズオン先行で動かしてもらう 前半30〜45分で基本説明 → 後半で実践 「分かるでしょ?」が口癖になる 「ここは初めてですよね」とフラットに 知らないことを推測で答える 「分かりません、○分後/明日までに」と期限を切る 事実と感想を混ぜて話す 「これは事実」「これは私の所感」と分ける 受講生のレベルを単一視点で見る 早い/標準/遅い の3層に分けて手を打つ メイン講師の意図を確認しない 日次で観察事項と判断を報告し、すり合わせる ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
ROAD MAP 1ヶ月の歩み方 21 / 22 Week 1 → 4 で、自走できるサブ講師になる Week 1 Week 2 Week 3 Week 4 観察&吸収 並走&サポート 1コマ持つ ハンズオン主担当 メイン講師の登壇を観察 巡回・質問対応を主担当 短時間(30分)で1単元を担当 90分1コマを丸ごと担当 受講生の様子を14項目で記録 個別フォロー3パターンを使う WHY→WHAT→HOW で組み立 てる 観察と運営を同時にこなす 教材を全部目を通す 日次報告をメイン講師へ アナロジーを1つ持参 教材改善を1件提案する 用語と環境を自分で動かす やらかし共有ノートに書き始める 終了後の振り返りメモを残す やらかし共有を全体に展開 GOAL GOAL GOAL GOAL 受講生と講師チーム両方の輪郭が見え る 受講生から「○○さん」と呼ばれる 受講生から「分かりやすい」が出る メイン講師から信頼される存在に ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子
SUMMA RY まと め 22 / 22 明日から使う「講師 7か条」 1 4 7 ハンズオン先行ではなく、知識 先行 前半30〜45分で土台を作る 事実と所感を分けて話す 2 5 受講生のクセにもなる 「分かるでしょ」を口癖にしない 未経験者の「初めて」を尊重 受講生は3層に分けて手を打 つ 早い/標準/遅い の介入を変える 3 6 メイン講師に毎日報告する 観察・判断・提案を渡す 「教えることは、教えられること」 / 受講生と並走する人になろう。 ALJ Education Plus | IT教育事業本部 | サブ講師:石黒友季子 知らないことは「分かりません」 期限を切って必ず回答する やらかしは隠さず共有する 次の自分と後輩を救う教材になる