時系列分析入門

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September 19, 23

スライド概要

研究室で開催した統計ゼミ2023の資料です。この資料では私が担当した時系列分析の入門的な内容について説明しています。

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愛知工業大学でマルチエージェントシステムや空間分析を活用した減災に関する研究をしています。

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各ページのテキスト
1.

統計ゼミ2023 時系列分析入門 安藤 圭祐

2.

時系列分析 time series analysis • 時系列データを分析すること • 時間にともなう現象の変動をとらえるためにおこなう • 将来の値はどのようになるか • 長期的な傾向は増加傾向にあるか、減少傾向にあるか • 季節による周期的な変化はあるか、またそれはどのようなものか 2

3.

時系列データ time series data • 一定の時間間隔で観測値を並べたデータ(音声、気温など) • 1年ごとに記録したデータ(年次データ、yearly data) • 1日ごとに記録したデータ(日次データ、daily data) • 時系列分析には特徴がとらえられるだけの十分な観測点が必要 • 時刻は記号𝑡、ある時刻𝑡における観測値は記号𝑦𝑡 で表現 • エージェントシミュレーションで得られる各ステップのデータ も時系列データとみなせる 3

4.

マルチエージェントシステムと不確実性 4

5.

エージェントの意思決定 5

6.

不確実性下の意思決定と時系列データ 6

7.

「時系列分析入門」のゴール • 時系列分析のイメージをつかむ • 時系列データの基本操作を身に付ける • 時系列モデルによる将来の値の予測の仕方を理解する 7

8.

時系列データのグラフ 8

9.

演習1. 時系列データのプロット 9

10.

Rで利用できる時系列データ 時系列分析に関わる論文などで使用された時系列データが 時系列分析のためのサンプルデータとして提供されている データ名 内容 Nile 1871年から1970年までのナイル川の年間流量のデータ co2 1958年3月から2001年12月までのマウナロアのCO2濃度の月次 測定値 sunspots 1749年から1983年までの月平均相対黒点数 UKgas 1960年から1986年までのイギリスのガス消費量の四半期別 データ 10

11.

時系列オブジェクト time series object • プログラム上で時系列データをするためのデータ構造 • 属性として観測値だけでなく、周期や期間をもつ • Rでは、おもにtsクラスにより時系列オブジェクトを構築する • 新しくオブジェクトを構築するときはts()という関数を使う • plot()はtsクラスのオブジェクトが渡されると横軸を時間、 縦軸を観測値としてプロットする 11

12.

演習2. 時系列オブジェクトの作成 12

13.

ホワイトノイズ white noise 13

14.

ランダムウォーク random walk 14

15.

問題1. ランダムウォークのグラフの作成 ランダムウォークのデータを生成し、時系列データとして プロットしなさい (参考)ランダムシード 「999」で生成した長さ100の ランダムウォーク 15

16.

時系列データを捉える成分 • レベル成分 全体を通した平均値(mean()で求められる) • トレンド成分 長期的な増加・減少の傾向 • 季節成分 一定の周期で現れる増加と減少のパターン • 外因性成分 外部からの影響による変化 • 誤差 観測に伴うノイズ 分析ではそれぞれを分けて考える 16

17.

時系列データの成分分解 17

18.

時系列データの操作 18

19.

部分時系列の切り出し 19

20.

複数の時系列データのプロット 20

21.

ラグ lag 21

22.

階差 difference 22

23.

問題2. ランダムウォークの階差 ランダムウォークの式から、その階差はどのような 時系列データとなるかを考え、プロットから確かめなさい ランダムウォークの式 𝑦𝑡 = 𝑦𝑡−1 + 𝜖 𝜖 ∼ 𝒩(0, 1) 階差 𝑦𝑡 = ? 23

24.

移動集計 moving aggregation 24

25.

移動平均 moving average 25

26.

階差・平滑化の効果 26

27.

自己共分散 autocovariance 27

28.

自己相関係数 autocorrelation coefficient 28

29.

コレログラム correlogram 29

30.

演習3. コレログラムのプロット 30

31.

時系列モデリング time series modeling 31

32.

定常過程 stationary process 32

33.

単位根過程 unit root process 33

34.

一般的な時系列モデリングの前の流れ 34

35.

ARモデル autoregressive model 35

36.

演習4. AR過程のシミュレーション 36

37.

モデルパラメータの推定 37

38.

モデルによる予測 38

39.

問題3. ARモデルによる予測 ナイル川の流量データの先頭8割のデータから回帰式を求め、 残りの2割がどの程度予測できるかを確認しなさい ← 〈参考〉AR(2)過程を予測したもの 予測値と実測値(観測値)を 重ね合わせて確認してみよう 39

40.

まとめ • 時系列分析は時間にともなう現象の変動を捉えられる手法 • 時系列分析では注目する成分を取り出す前処理が重要 • 時系列モデルへのあてはめにより将来の値の予測が可能 発展 よりくわしくなりたいひとは次のモデルを勉強しよう • ARIMAモデル:ARモデルの発展形 • Prophet:Facebookが開発した近年よく利用されるモデル 40