労働法の世界

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October 23, 20

スライド概要

労働法の基本的な概念を理解しよう!

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「楽しく楽にcoolにsmartに」を理想とするprogrammer/philosopher/liberalist/realist。 好きな言語はClojure, Haskell, Python, English, français, русский。 読書、プログラミング、語学、法学、数学が大好き! イルカと海も大好き🐬

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各ページのテキスト
1.

労働法の世界

2.

lagénorhynque (defprofile lagénorhynque :id @lagenorhynque :reading "/laʒenɔʁɛ̃ k/" :aliases [" "] カマイルカ🐬 :languages [Clojure Haskell English français] :interests [programming language-learning law mathematics] :commits ["github.com/lagenorhynque/duct.module.pedestal" "github.com/lagenorhynque/duct.module.cambium"] ["github.com/japan-clojurians/clojure-site-ja"]) :contributes

3.

法学⼊⾨(おさらい) 2. 労働法とは 3. 労働条件の決定⽅法 1.

5.

「六法」 ⽇本における主要な6つの法典(もしくは法分野) 憲法: 国家の基本法(⼈権とそれを保障するための 統治機構について) ⺠法: ⺠事実体法の⼀般法(私⼈間の関係につい て) 刑法: 刑事実体法の⼀般法(犯罪と刑罰について) 商法: 商⼈についての⺠法の特別法 ⺠事訴訟法: ⺠事⼿続法の⼀般法 刑事訴訟法: 刑事⼿続法の⼀般法

6.

労働法とは

7.

労働法 労働を中⼼にして成り⽴つ⼈の関係 を規律する法の領域 「⾏政法」、「知的財産法」、「経済法」などと 同様に法領域の名前であり、その名前そのままの 法典があるわけではない

10.

雇⽤保障法(労働市場の法) 労働施策推進法 職業安定法 雇⽤保険法 ⾼年齢者雇⽤安定法 障害者雇⽤促進法 労働者派遣法 etc.

11.

憲法 他の法分野との関係 条 ⽣存権 条 勤労の権利/義務、労働条件の法定 条 労働三権(団結権・団体交渉権・団体交 渉権 ⺠法 「契約⾃由の原則」、「所有権の絶対」に対 する修正 刑法 争議⾏為の免責、両罰規定(「責任主義」に 対する修正) 25 : 27 : 28 : )

12.

労働法の主要な主体 労働者 使⽤者 労働組合 国 ⽴法 ⾏政 司法

13.

労働条件の決定⽅法

14.

労働契約 労働契約法6条 (労働契約の成⽴) 第六条 労働契約は、労働者が使⽤者に使⽤されて労働し、使⽤者がこれに対して賃 ⾦を⽀払うことについて、労働者及び使⽤者が合意することによって成⽴する。 ⺠法623条 (雇⽤) 第六百⼆⼗三条 雇⽤は、当事者の⼀⽅が相⼿⽅に対して労働に従事することを約し 、相⼿⽅がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効⼒を⽣ ずる。

15.

就業規則 労働基準法89条 (作成及び届出の義務) 第⼋⼗九条 常時⼗⼈以上の労働者を使⽤する使⽤者は、次に掲げる事項について就 業規則を作成し、⾏政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場 合においても、同様とする。 ⼀ 始業及び終業の時刻、休憩時間、休⽇、休暇並びに労働者を⼆組以上に分けて交 替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項 ⼆ 賃⾦(臨時の賃⾦等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び⽀払 の⽅法、賃⾦の締切り及び⽀払の時期並びに昇給に関する事項 三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。) ...(以下省略)

16.

労働協約 労働組合法14条 (労働協約の効⼒の発⽣) 第⼗四条 労働組合と使⽤者⼜はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約 は、書⾯に作成し、両当事者が署名し、⼜は記名押印することによつてその効⼒を⽣ ずる。

17.

労働基準法などの強⾏法規 労働基準法(労基法) 労働条件の最低基準(労基法1条2項) 強⾏規定の直律的効⼒(補充的効⼒)(労基法13条) 労働契約の内容を変更しうる cf. 契約⾃由の原則、私的⾃治の原則

18.

付加⾦(労基法114条) 損害賠償というよりも「⺠事罰」 使⽤者から労働者に未払⾦の倍額が命じられ る可能性がある 罰則(労基法117〜120条) 刑事罰 両罰規定(労基法121条) ⾏為者も事業主も処罰される

19.

監督⾏政 厚⽣労働省(労働基準局) - 都道府県労働局 労働基準監督署 労働基準監督官 労働者による申告(労基法104条)

20.

事業場協定(労使協定) 特定の事業場で使⽤者と労働者の代表(過半 数組合または労働者の過半数代表者)との間 で締結される書⾯による協定 ⼀部の労働条件の最低基準を緩和することが できる cf. 労使委員会決議 事業場協定の代わりとすることができる

21.

その他の強⾏法規 最低賃⾦法 労働安全衛⽣法 男⼥雇⽤機会均等法 育児介護休業法 etc.

22.

憲法の私⼈間効⼒と公序良俗(⺠法90条) e.g. ⽇産⾃動⾞事件(性差別のある定年制) フォセコ・ジャパン・リミティッド事件(競 業避⽌義務)

23.

cf. 労働慣⾏ 信義則(⺠法1条2項)、権利濫⽤(⺠法1条3項)

24.

上下関係 労働基準法などの強⾏法規 > 労働協約 > 就業規則 > 労働契約 就業規則は強⾏法規と労働協約を下回る労働条件 を定めることができない 労働契約は就業規則を下回る労働条件を定めるこ とができない ただし それぞれの⼈的適⽤範囲は異なることがある 労働慣⾏、事業場協定/労使委員会決議で修 正されうる

25.

Further Reading 中窪 裕也, 野⽥ 進『労働法の世界 第13版』, 2019年 第13版追補 法学⼊⾨: 2018年10⽉の社内勉強会発表資料