20230418 FPIES

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April 18, 23

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1.

食物アレルギー

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臨床型 発症年齢 新生児・乳児 消化管アレルギー 頻度の高い 食物 耐性獲得 (寛解) アナフィラキ シーリスク 機序 新生児/乳児 牛乳(乳児用調整粉 乳) 多くは寛解 ± 主に非IgE依存性 食物アレルギーの 関与する乳児 アトピー性皮膚炎 乳児 鶏卵、牛乳、小麦、 大豆 多くは寛解 + 主に非IgE依存性 即時型症状 (蕁麻疹など) 乳児〜成人 乳児〜幼児:鶏卵、 牛乳、小麦、そば、 魚類、ピーナッツな ど 学童〜成人:甲殻類、 魚類、小麦、果物類、 そば、ピーナッツな ど 鶏卵、牛乳、小 麦、大豆など: 寛解しやすい その他:寛解し にくい ++ IgE依存性 食物依存性誘導誘 発アナフィラキ シー(FDEIA) 学童〜成人 小麦、エビ、カニ 寛解しにくい +++ IgE依存性 口腔アレルギー症 候群(OAS) 乳児〜成人 果物、野菜 寛解しにくい ± IgE依存性 特殊型 Hospitalist VOL.8 NO.1 2020.3

3.

臨床型 発症年齢 頻度の高い 食物 新生児・乳児 消化管アレルギー 新生児/乳児 牛乳(乳児用調整粉 乳) 耐性獲得 (寛解) アナフィラキ シーリスク 機序 多くは寛解 ± 主に非IgE依存性 主に非IgE依存性 Hospitalist VOL.8 NO.1 2020.3

4.

新生児・乳児消化管アレルギー ・新生児、乳児早期、主に牛乳が原因で嘔吐、血便など の消化器症状が生じ、皮膚症状、呼吸器症状はない ・通常のIgE依存性食物アレルギーとは異なり 摂取直後ではなく、24時間以内(主に1-4時間以内に) 生じる ・発熱やCRP陽性も多く感染症・敗血症と鑑別が難しい Hospitalist VOL.8 NO.1 2020.3

5.

新生児・乳児消化管アレルギー 国際的にはnon-IgE mediated gastrointestinal foof allergy 以下の3つに分類 FPIES(food protein-induced enterocolitis syndrome):嘔吐・下痢 FPIP (food protein-inducedproctocolitis) :血便 FPE (food protein-induced enteropathy) :下痢、体重減少 Hospitalist VOL.8 NO.1 2020.3

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小児科ですぐに戦えるホコとタテ

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小児科ですぐに戦えるホコとタテ

8.

小児科ですぐに戦えるホコとタテ

9.

新生児・乳児消化管アレルギー 国際的にはnon-IgE mediated gastrointestinal foof allergy という総称で以下の3つに分類 FPIES(food protein-induced enterocolitis syndrome):嘔吐・下痢 FPIP (food protein-inducedproctocolitis) :血便 FPE (food protein-induced enteropathy) :下痢、体重減少 Hospitalist VOL.8 NO.1 2020.3

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FPIES Food Protein Induced Enterocolitis Syndrome

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呼び方 FPIES:エフパイス 小児科ですぐに使えるホコとタテ

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1 sentence summary 消化管症状を主とする乳児期好発の IgE非介在性食物アレルギー J Allergy Clin Immunol Pract.2020 Jan;8(1):24-35.

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疫学 乳児累積発生率は0.015-0.7% 米国の乳児の集団有病率は0.51% 性差は小児ではなし、成人だと女性が多い J Allergy Clin Immunol Pract.2020 Jan;8(1):24-35. 最近10年ほどで報告数が増加しており 成人でも報告され始めている 総合診療 Vol.32 No.4 2022-April

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分類 Acute Chronic Atypical Adult

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分類 Acute Chronic Atypical Adult

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Acute FPIES 牛乳、大豆、米、麦、卵などの 間欠的、少量摂取で生じる 摂取後1-4時間以内(主には2時間) の反復性嘔吐⇨ショック症状が典型 その後6-8時間以内に下痢が生じ 24時間以内に症状は消失する 日本からのみ発熱の報告がある J Allergy Clin Immunol Pract.2020 Jan;8(1):24-35.

17.

Chronic FPIES 牛乳、豆乳の連日摂取で生じる 数日から数週にわたる断続的で進行性の 嘔吐を伴う頻回水様性下痢(血液や粘液を含む) が特徴、体重減少を伴うこともある 症状が消失するまでには数日から数週を要する ことがある 摂取を避けた後再び摂取すると、急性症状を 呈することがある J Allergy Clin Immunol Pract.2020 Jan;8(1):24-35.

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Atypical FPIES 誘因となる食物に対して皮膚テスト、特異的 IgEが陽性となるものがAtypical FPIES 牛乳によるものの5-30%、それ以外は稀 表現型は一般的なFPIESとなるが、25%では IgE依存性の反応を示す(皮膚、呼吸症状あり) 典型的なFPIESと比べて成人まで症状が 続くことが多い J Allergy Clin Immunol Pract.2020 Jan;8(1):24-35.

19.

診断:acute FPIES major+minor3つ以上で診断 1回のエピソードの時には経口負荷試験を積極的に考える 胃腸炎との違い持続時間(FPIESは数時間で完全に消失する) J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

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診断:chronic FPIES 最も重要なのは ・原因食物を除去してから数日以内に症状が消失する ・原因食物を再び摂取と症状が急性に再発する (摂取後1-4時間で嘔吐、24時間(通常は5-10時間)で下痢が始まる J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

21.

鑑別診断(acute FPIES) J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

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鑑別診断(acute FPIES) 特定の食品摂取後すぐではなく1-4時間で発症し、反復すること IgE依存性症状がでないこと(皮膚/呼吸器症状など) が重要 J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

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有用な検査(新生児乳児消化管アレルギー全体) 検査 診断価値 末梢血好酸球検査 20%以上で強い疑い 30%以上で高い診断価値 便粘膜細胞診 好酸球が石垣状に見られれば強い疑い 抗原特異的リンパ球刺激試験(LAST) FPIESでは70%、FPIAPでは50%で陽性⇨疑い TARC 基準値以上であれば疑い(感度30%) 基準値(pg/mL) 6-12ヶ月:1.367 1-2歳:998 2歳以上の小児:742 ※コントロール不良なアトピー性皮膚炎がないことが条件 ゴールドスタンダードは経口負荷試験だが、実際は軽症では生後8-10ヶ月、重症では1歳で 「耐性を確認」するための負荷試験を実施するのが安全 1歳までに52%、2歳までに88%、3歳までに94%が寛解するので、2-3歳まで待つのも選択肢 小児科ですぐに戦えるホコとタテ

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経口負荷試験の解釈 major+minor2つ以上で診断 小児科ですぐに戦えるホコとタテ

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治療:急性期 基本的には重症度に応じた 対症療法 嘔吐に対してオンダセトロン は弱く推奨 ステロイドはエビデンスなし アナフィラキシーを考慮しての アドレナリン使用は意識すべき J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

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治療:慢性期 根本治療はなし 誘因と考えられる食品を考慮して避ける ※約5%から10%の小児が3種類以上の食品に 対して症状を呈する(最多6種類) J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

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治療:慢性期 J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

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分類 Acute Chronic Atypical Adult

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Adult FPIES 典型的には魚介類摂取後1-4時間以内に急性症状を呈する 典型症状は激しい腹痛からの嘔吐、下痢 症状が強い場合には失神も報告されている 発症以前には問題なく摂取できていることが多い J Allergy Clin Immunol Pract.2020 Jan;8(1):24-35. 診断基準はないが、前述の小児のものでされることが多い 総合診療 Vol.32 No.4 2022-April 治療は小児同様 J Allergy Clin Immunol. 2017 Apr;139(4):1111-1126.e4.

30.

Adult FPIES 症状発現の中央値は29歳(22-45.8歳) 半数以上の患者がアレルギー疾患を併発しており アレルギー性鼻炎38.7%、喘息19.4%、湿疹3.2%であった J ALLERGY CLIN IMMUNOL PRACT MAY/JUNE 2014

31.

Adult FPIES 83.9%が単一の食品での報告 複数食材での報告もある 最も多く関与したのは魚介類 (甲殻類、軟体動物、魚) 2番目に卵 マッシュルームでの報告は特徴的 J ALLERGY CLIN IMMUNOL PRACT MAY/JUNE 2014

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魚介類アレルギーの中にFPEIS Mol Immunol. 2018 Aug;100:28-57.

33.

魚介類アレルギーの中にFPEIS 魚介類摂取後の消化器症状の鑑別 ・感染性腸炎、ヒスタミン中毒(不耐症)、アニサキスアレルギー Mol Immunol. 2018 Aug;100:28-57.