ふりかえりとKPTの話

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March 14, 23

スライド概要

スクラムの開発チームを数年間に渡り歩きながらKPTのやり方を試行錯誤してきた私の歴史を紹介します

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Webエンジニア Python、Go言語を使用したバックエンド開発の経験が長い​ スクラムを使った開発に通算7年携わり、デイリースクラム、スプリント計画、スプリントレビュー、振り返りなどのファシリテーターも担当していた​ 米国認定アドバンスドスクラムマスター(A-CSM)の資格も取得しており、スクラムやCI/CD、TDD、コードレビュー、ペアプロなどのアジャイル開発技術に詳しい​ AWSをはじめとしたクラウド・コンテナ化のトレンドにも追随しており、6年にわたってAWSを使ったインフラの運用に携わってきた経験あり​ 正確さや丁寧さが求められるデータ移行やシステムリプレイスなどの業務に強みあり

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各ページのテキスト
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ふりかえりとKPTの話 2023年3月14日 石田 武 Copyright © 2023 Takeshi Ishida All Rights Reserved.

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なぜ、ふりかえりをするのでしょう

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なぜ、ふりかえりをするのでしょう? (正解を選んでください) 1. コミュニケーションを活発にし、情報の透明性を高めるため 2. 問題を素早く共有し、チームとして解決に当たるため 3. プロセスを自分達で見直して改善するため 4. チームのナレッジを積極的に吸収・学習するため 5. 自律的に考えて行動するため

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なぜ、ふりかえりをするのでしょう? (実はぜんぶ正解です) 1. コミュニケーションを活発にし、情報の透明性を高めるため 2. 問題を素早く共有し、チームとして解決に当たるため 3. プロセスを自分達で見直して改善するため 4. チームのナレッジを積極的に吸収・学習するため 5. 自律的に考えて行動するため 出典 『アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック』 森一樹(著)

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良いふりかえりの状態とは? ①立ち止まる 立ち止まらないと場当たり的な対処をやめられない ②学びを加速させる 日ごろの様々な気づきや疑問を改めて考える ③プロセスを改善する 仕事のやり方・コミュニケーションの仕方を見直す ※①→②→③を順番通りやることが大事 出典 『アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック』 森一樹(著)

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ふりかえりの手法 (KPTだけがふりかえりの手法ではありません) • • • • • KPT(KEEP、PROBLEM、TRY) YWT(やったこと、わかったこと、次やること) Fun Done Learn(楽しかったこと、やったこと、学んだこと) Good & New(良い点、新たな学び・新しいタスク) セレブレーショングリッド(Management3.0の手法)

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KPTとの闘いの歴史

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KPTとの 闘いの歴史 • 2019年 プロブレム地獄」 • 2020年 Fun・Done・Learn時代 • 2021年 部署移動「KPTシーズン2」 • 2022年 転職、新天地へ「KPTシーズン3」

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2019年 「プロブレム地獄」 • • KEEPとTRYが出ない、代わりにPROBLEMが大量に出る KPTが時間通り終わらない • • • • • ひとつずつ付箋を読み上げて書いた人がしゃべる PROBLEMが他責→「もめる」 時間オーバーが常態化 問題の原因や対策を話す時間が取れず解散 上司の了承を取り、KPTを廃止 KEEP PROBLEM TRY 他責のプロブレムが大量に上がって収拾不可能に…

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KPTとの 闘いの歴史 • 2019年 プロブレム地獄」 • 2020年 Fun・Done・Learn時代 • 2021年 部署移動「KPTシーズン2」 • 2022年 転職、新天地へ「KPTシーズン3」

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2020年 「Fun・Done・Learn時代」 • • Fun(楽しかったこと)、Done(やったこと)、Learn(学んだこと) プロブレム地獄の頃より平和な時代が訪れる • 当初はPROBLEMの記載場所がないのに プロブレムを書く人もいたが、次第に消滅 • • • 平和な反面、課題共有やチームの学びに乏しい 時間より早く終わることが増える (必ずしも良いことではない) ふりかえりが苦痛ではなくなったが、 何かモヤモヤする Done Fun Learn このテンプレートにはプロブレムを書く場所が無い

12.

KPTとの 闘いの歴史 • 2019年 プロブレム地獄」 • 2020年 Fun・Done・Learn時代 • 2021年 部署移動「KPTシーズン2」 • 2022年 転職、新天地へ「KPTシーズン3」

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2021年 「KPTシーズン2」 • • 広告開発部からメディア本部へ異動した 異動先のチームはKPTをやっていた • • • いきなりKPTをやめろとは言いにくい より良いKPTを模索したい気持ちもあった 時間オーバーがやっぱりよく起きる • 重要度/緊急度マトリクスを導入 • • • • 重要かつ緊急 重要だが緊急ではない 緊急だが重要ではない 重要でも緊急でもない 重要かつ緊急→最優先 重要だが緊急ではない→次に優先 KPTが時間通り終わるようになった 書いた付箋が読まれない不公平感も解消 重要度・緊急度で分けた四つの象限のどこに付箋を配置 するかは書いた人の判断で決める

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KPTとの 闘いの歴史 • 2019年 プロブレム地獄」 • 2020年 Fun・Done・Learn時代 • 2021年 部署移動「KPTシーズン2」 • 2022年 転職、新天地へ「KPTシーズン3」

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2022年 「KPTシーズン3」 • • • • 転職して違う会社で働き始めた チームメンバーからKPTをやろうと提案される この頃になるとKPTの扱いにも慣れてきて、 時間オーバーは基本的に起きない 重要かつ緊急なプロブレムが殺到 • コントロール可能/不可能に分ける • コントロール可能=自分たちのアクション • KEEP少なめ • KEEPも書いてくださいとお願いする • K、P、Tの配分は状況によって変わる コントロール 可能 コントロール 不可能 コントロール不可能なプロブレムはすぐには解決できない ので、まずコントロール可能なものに絞る

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まとめ

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まとめ • ふりかえりはまず立ち止まることが大事 • 学習やプロセスの改善はその後にやること • • • KPT以外にもふりかえりの手法はある とはいえ、大事なのはファシリテーション ふりかえりの手法によってチームメンバーの反応は変わるが、 チームの活動が促進されなくては元も子もない (口封じの手法変更は無意味)

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以上