20220902 CKDの慢性期管理

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September 12, 22

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見習い芸人

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1.

CKDの慢性期管理

2.

慢性腎臓病に伴う⾻・ミネラ ル代謝異常(CKD-MBD)

3.

リンって何してるの︖ ⾻に約85% ⾻の構造と強度の維持 細胞に約15% 細胞膜や核酸の構成成分 情報伝達因⼦ 筋⾁のエネルギー源 ⾎液に0.1% 酸・塩基バランスの維持 腎と透析 83(1): 13-17, 2017

4.

リンは運命の⼥神 運命の⽷を紡ぐ⼥神クロト リンが⽼化を速める

5.

Klotho(クロト―)遺伝⼦を発⾒した ⿊尾先⽣

6.

リンが⾼いほど死亡率が⾼まる Am J Kidney Dis. 2014 Oct; 64(4): 567–573

7.

⾎管の⽯灰化 ⽼化 腎疾患の進⾏ 副甲状腺機能 亢進症 筋⾁の萎縮 ⼼⾎管障害 Kidney Int. 2016 Oct;90(4):753-63

8.

腎不全ではリンがたまる 腎不全 ビタミンD↓ 下げろ︕ 産⽣障害で減ってしまう Ca(カルシウム)↓ PTH:Ca↑、P↓ VitD:Ca↑、P↑ P(リン)↑ FGF23 排泄障害でたまってしまう 上げろ︕ PTH↑ 副甲状腺機能亢進症

9.

Ca↑ P↑ Ca↑ P↑ 活性型ビタミンD Ca↑ P↑ Ca↑ P↓ N Engl J Med 2008;359:391-403

10.

リンと運命の⼥神(Klotho) 運命の⽷を紡ぐ⼥神 FGF23がKlothoという 受容体に結合するこ とでリン排泄を促す

11.

Kidney Int. 2010 Feb;77(4):292-8

12.

Annu Rev Physiol. 2013;75:503-33

13.

P排泄低下 →P上昇 →FGF23上昇 →Klotho発現低下 リンが元凶 FGF23 ↑ Kidney Int. 2010 Feb;77(4):292-8

14.

加⼯⾷品には「隠れリン」がいっぱい︕ 種類 資源 例 腸管吸収 リン/蛋⽩質⽐ 利点 植物 植物性蛋⽩質 ナッツ、⾖類、チョコレート 20〜40% 5〜15mg/g 蛋⽩源 動物 動物性蛋⽩質 ⿂、動物の⾁、鶏⾁ 40〜60% 10〜20mg/g 卵⽩<5 卵⻩>20 蛋⽩、アミノ酸 が豊富 加⼯⾷品 ⾷品添加物 ソフトドリンク、ファーストフード 〜100% ⾮常に⾼い (>>50mg/g) なし • 植物性/動物性蛋⽩質には有機リンが含まれており、腸管からの吸収は50%程度 • 植物性が最も吸収率が低く好ましい • ⾷品添加物の含まれる加⼯⾷品には無機リンが含まれており、腸管からほぼ100%吸収 Semin Nephrol. 2013 Mar;33(2):180-90

15.

ゆでこぼし がいい ⾷品添加物(コーラ、チキンナゲットなどの加 ⼯⾁、加⼯チーズ、インスタントコーヒー) できるだけ避けるべき ナッツ、卵⻩、ハードチーズ(パルメザン、 チェダー、エメンタール、ペコリーノ) ⽉に2-3回まで 七⾯⿃、ソーセージ、内臓(肝臓や脳)、エビ、 イカ、サケ、ソフトチーズ(カッテージ、ク リーム、モッツァレラ) 週に1回まで 動物由来の⾷物(⼦⽺、兎、豚、マス、マグロ、 タラなどの⿂)、⽜乳、ヨーグルト 1⽇1回まで 穀類(⽩パン、パスタ、⽶、コーンフレーク)、 ⾖類(エンドウ⾖、そら⾖、⼤⾖) 1⽇に2-3回まで 砂糖、オリーブオイル、果物、野菜、卵⽩ 制限不要(糖尿病、肥満、透析患者は注意) D’Alessandro et al. BMC Nephrology 2015, 16:9

16.

⾎圧

17.

収縮機⾎圧110 mmHg未満には降圧しない︕(ESKDへの進展リスク) 腎硬化症によるCKDでは収縮機⾎圧120 mmHg未満にはしないことを推奨(AKIリスク) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018

18.

脂質

19.

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

20.

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

21.

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

22.

尿酸

23.

ガイドラインでは… • ⾼尿酸⾎症を有するCKD患者に対 する尿酸低下療法は腎機能悪化を 抑制し、尿蛋⽩を減少させる可能 性があり、⾏うよう提案する(エ ビデンスに基づくCKD診療ガイド ライン2018) ⾼尿酸⾎症・痛⾵の治療ガイドライン第3版

24.

腎保護の根拠は乏しい FEATHER Study • 20歳以上、痛⾵の既往のないstage 3 CKD、UA 7-10mg/dLの患者。Febuxostatは10mgより開始し、1ヶ⽉継続、その後20mg/dを1ヶ⽉、以後 40mg/dを継続 • eGFRは有意差はないが、Febuxostatで維持する傾向 Am J Kidney Dis. 72(6): 798-810 FREED trial • 患者は65歳以上のUA 7.0-9.0mg/dLを満たす群でかつ以下の1項⽬以上を満たす群; ⾼⾎圧症、2型DM、腎疾患(eGFR 30-60mL/min/1.73m2)、 脳・⼼⾎管疾患既往 • 上記患者群をFebuxostat群 vs Placebo群に割付け, 36ヶ⽉継続。 • アルブミン尿の増悪リスクが低下 European Heart Journal (2019) 40, 1778–1786 CKD-FIX • 腎機能増悪リスク:U-Alb/Cr ≥265mg/g CrもしくはeGFRが1年間で3.0mL/min/1.73m2以上低下した群 • 上記を満たす患者群を、Allopurinol(100-300mg/d) vs Placeboに割り付け104wk(2年間)継続。eGFRの変化をフォロー。 • Allopurinolは100mgより開始し、初期の12wkで増量。⾎清UA値には規定はなく、投与量調節においてもUA値を基準に調節することは禁⽌ • eGFRの低下(30%以上の低下)は両者で有意差なし、U-Alb/Cr⽐も両者で同等 N Engl J Med 2020;382:2504-13

25.

UA≦8の⾮CKDではCKDのリスク eGFR>60かつアルブミン尿のない患者 対象のコホート研究 尿酸降下薬の使⽤でUA≦8の患者では CKD(eGFR<60やアルブミン尿)のリス クが増⼤ JAMA Network Open. 2022;5(6):e2215878

26.

尿酸降下薬の実際(私⾒…) • 繰り返す痛⾵発作、尿管結⽯既往あればUA6未満⽬標に⼊れる • CKDだけならUA7台は様⼦⾒、8台はどっちでも(ガイドライン的 には⼊れる)、UA9台はさすがに⼊れる • 無症候性の⾮CKD、UA≦8は⼊れないほうがいい

27.

貧⾎

28.

貧⾎ HD患者: Hb 10以上, 12未満⽬標. Hb<10で治療開始. 保存期CKD, PD患者: Hb 11以上, 13未満⽬標. Hb<11 で治療開始. ⼼⾎管疾患ある患者はHb>12で減量・休薬考慮. CKD患者は鉄剤投与中は⽉1回, ⾮投与時には3か ⽉に1回程度測定. ESA未投与, フェリチン<50 mg/mLならESA製剤の 前に鉄剤補充. ESA投与下, フェリチン<100 mg/mL かつTSAT<20%なら鉄剤補充推奨. フェリチン≧300 となる鉄剤補充は推奨しない. 経⼝なら100-200 mg/⽇投与. 静注なら保存期 CKD・PD患者は通院時40-80 mgを緩徐に投与. HD 患者は40 mg週1回を透析終了時に緩徐に投与(13 回を区切りとする) 2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧⾎治療のガイドライン」

29.

2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧⾎治療のガイドライン」

30.

HD患者はRBC、MCHにも注⽬︕ Hb overshoot(過剰造⾎)︓Hb>12と定義 Hb値=RBC×平均⾚⾎球ヘモグロビン量(mean corpuscular hemoglobin︓MCH) MCH基準上限値を35 pgとするとHb値を12以下 に維持するためのRBCは約350万となる。 RBCが350万以上の患者は、クエン酸第⼆鉄 (FCH)服⽤によりHb overshootを起こす潜在 的⾼リスク患者。 RBCを350以下かつMCHを35 pg以下に維持すれ ば、理論的にHb overshootが起きない。 腎と透析 86(5): 645-649, 2019

31.

Hb overshootを回避したクエン酸第⼆鉄投 与の管理⽅法概要 • Hb値=RBC×MCH • RBC↑︓ESA⾜りている, MCH↑︓鉄⾜りている • RBCを350万以下かつMCHを35 pg以下に維持. • クエン酸第⼆鉄(FCH) 内服後Hb上昇前に, RDW-CV, MCVが上昇 (ヘモグロビンovershootの予測に使えるかも). • ⾎清フェリチン上昇はFCHの服⽤量ではなくRBCの減少(ESA製 剤投与量の減少)に依存(フェリチン⾼値はESA不⾜を疑う). 腎と透析 86(5): 645-649, 2019

32.

HD患者管理あんちょこ

33.

補正Ca(mg/dL) 透析患者の薬剤調整 炭酸カルシウム減量 ホスレノール・レナジェル・リオナ減量 オキサロール・ロカルトロール減量 10.0 8.4 炭酸カルシウム減量 ホスレノール・レナジェル・リオナへ切り替え オキサロール・ロカルトロール減量 オルケディア増量 炭酸カルシウム減量 ホスレノール・レナジェル・リオナ増量 オキサロール・ロカルトロール減量 オルケディア増量 P, Ca管理目標 ホスレノール・レナジェル・リオナ増量 炭酸カルシウム増量 オキサロール・ロカルトロール減量 オルケディア増量 ホスレノール・レナジェル・リオナ減量 炭酸カルシウム減量 オキサロール・ロカルトロール増量 ホスレノール・レナジェル・リオナ減量 炭酸カルシウム食間投与 オキサロール・ロカルトロール増量 オルケディア減量 PTH>240: オルケディア1日1回1mgで開始, 1-8mg(最大1日1回12mg)で調節 パーサビブ1回5mg週3回, 透析後静注(最大15mg/回, 週3回) P, Ca調整優先 炭酸カルシウム増量 炭酸カルシウムの食間投与 オキサロール・ロカルトロール増量 オルケディア減量 3.5 炭酸カルシウム増量 ホスレノール・レナジェル・リオナ増量 オルケディア減量 P(mg/dL) 炭酸Ca(食直後) Ca↑, PPIで効果減, 安価 1g(500mg2T)⇔1.5g(500mg3T)⇔2g(500mg4T)⇔3g(500mg6T)⇔⇔6g(500mg24T) レナジェル(食直前) 効果少, LDL↓, 便秘多, 穿孔注 250mg3T⇔250mg6T⇔250mg9T⇔250mg12T⇔⇔250mg36T ホスレノール(食直後) 便秘少, 悪心多, 重金属 250mg3T⇔250mg6T⇔250mg9T リオナ(食直後) 鉄分+, 下痢多, ≒ホスレノール 250mg3T⇔250mg6T⇔250mg9T⇔250mg12T⇔⇔250mg24T ※赤字は添付文書開始量 K(3.5-5.5 mEq/L): 高K血症なら アーガメイトゼリー3個/3 カリメート5g/3(便秘) ケイキサレート15g/3(時に低Ca) Mg: 血管石灰化を抑制. HD患者で 心血管死亡リスクは透析前血清 Mg 2.8-3.0 mg/dLを最低とするJ字 カーブとなる(Kidney Int. 85, 174– 181 (2014)). 6.0 食事摂取量・ 栄養状態は? Intact PTH(60-240 pg/mL): 健常者 上限の3倍程度(200 pg/mL)までは 許容範囲. PTHに対する感受性低 下のため骨回転を維持するために より多くのPTHが必要. 低すぎると 無形性骨のリスク. whole PTH×1.7=intact PTH 食事指導(P制限) 服薬確認 オキサロール:ロカルトロール=1:7(効力比) オキサロール2.5-10μg週3回(半減期短い) ロカルトロール0.5-1.5μg週1-3回 ロカルトロール0.5μ<オキサロール5μ<ロカルト ロール1μ<オキサロール10μ

34.

透析患者の貧⾎管理 貧⾎管理区分 エポエチン(U) 1 750 エポエチン週間投与量(U) 750 2 1500 750 3 2250 750 4 3000 1500 5 4500 1500 6 6000 3000 7 9000 3000 750 1500 3000 ダルべポエチン(μg)週1回 10 750 15 750 15 1500 20 1500 20 3000 30 3000 40 8 60 ※ESA低反応性(抵抗性)貧⾎(エポエチン3000単位×3/週やダルべポエチン60μg/週でも改善しないもの) は増量前に原因検索を︕ Hb値 ESA製剤 鉄剤投与基準 >12 g/dL 1段階減量, 1か⽉後評価 10-12 g/dL 変更なし 9-10 g/dL 1段階増量, 1か⽉後評価 フェリチン<100 mg/mL、TSAT<20%なら鉄剤補充 フェリチン≧300となる鉄剤補充は推奨しない RBC↑︓ESA⾜りている, MCH↑︓鉄⾜りている RBC≦350万かつMCH≦35 pgを維持 フェリチン⾼値はESA不⾜を疑う <8 g/dL 2段階増量, 1か⽉後評価 ESA低反応性の原因 出⾎・失⾎ 消化管出⾎, ⽉経などの出⾎, ダイアライザ残⾎ 造⾎障害 感染症(バスキュラーアクセス感染を含む), 炎症, ⾃ ⼰免疫疾患, アルミニウム中毒, 鉛中毒, ⾼度の副甲状腺 機能亢進症(線維性⾻炎), 透析不⾜, RAS阻害薬, 悪性 腫瘍 造⾎に必要な要素の不⾜ 鉄⽋乏, 銅⽋乏, ビタミンC⽋乏, 葉酸・ビタミンB12⽋乏 造血器腫瘍, 血液疾患 多発性⾻髄腫, 溶⾎, 異常ヘモグロビン症 その他 脾機能亢進症 抗EPO抗体 亜鉛・カルニチン⽋乏, ビタミンE⽋乏 HIF-PH阻害薬(ダーブロック) 慢性炎症の鉄利⽤障害で考慮 4mg1⽇1回経⼝投与で開始 4週毎に1mgずつ増減、最⼤24mg 投与前評価 ・悪性腫瘍・網膜病変の評価 ・虚⾎性⼼疾患、脳⾎管障害、末梢⾎管病へは適応を慎重に判断(⾎栓 塞栓症のリスク) 導⼊後評価 ・1か⽉後、鉄動態再評価 (HIF-PH 阻害薬適正使⽤に関する recommendation )