腎臓内科のCommon disease2例

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September 12, 22

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見習い芸人

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1.

腎臓内科の Common disease2例

2.

55歳男性 主訴:浮腫 【現病歴】 • 3年前糖尿病を指摘(それまで医療機関受診なし)。 • 2年前近医受診時、HbA1c 13.5%、⾎清Cr 0.85、尿蛋⽩(3+)、 尿潜⾎(+)、沈査異常なし。糖尿病性網膜症も指摘あり、通院 治療開始。腎機能障害の進⾏は緩徐であった。 • 5か⽉前、尿蛋⽩(4+)、尿蛋⽩/Cr 7.28 g/gCr • 1か⽉前、⾎糖管理良好(HbA1c 6.9%)なため糖尿病薬中⽌。 • ここ4か⽉で⾎清Cr 1.84(eGFR 32)から2.48(eGFR 23)と 急激に腎機能障害が進⾏、顔⾯や下腿浮腫も漸増。腎炎の合併 も疑われ当院紹介。

3.

【既往歴】 糖尿病 【家族歴】 ⽗:糖尿病、胃癌、姉:糖尿病(透析中) 【⽣活歴】 職業:住職 喫煙:25年前に禁煙(20本/⽇を10年間) 飲酒:ウイスキーや焼酎を1-2杯/⽇ 【薬剤】 エゼチミブ 10mg ピタバスタチン1mg カンデサルタン2mg 炭酸ランタン⽔和物500mg 球形吸着炭4g

4.

【⾝体所⾒】 体重 81.1kg(IBW 65kg) 体温 36.5℃、⾎圧 146/88 mmHg、脈拍 88bpm regular、呼吸数 16/min、 SpO2 96%(室内気) 意識清明 全⾝状態:良好 頭頚部:眼瞼結膜蒼⽩なし、眼球結膜⻩染なし、咽頭発⾚なし、扁桃腫 ⼤なし。眼瞼浮腫あり。 胸部:⼼⾳整、雑⾳なし。呼吸⾳清、左右差なし。 腹部:平坦、軟。圧痛なし。 四肢:両側下腿浮腫に圧痕性浮腫あり。関節腫脹・圧痛なし。

5.

尿定性 検査所⾒ ⽣化学 5.6 TP ALB 2.7 AST 52 ALT 38 ALP 212 γGTP 19 LDH 382 1548 CK 42.2 UN 2.74 Cr 139 Na 5.2 K 107 Cl Ca 8.1 IP 4.4 UA 7.2 T-Bil 0.4 g/dL g/dL U/L U/L U/L U/L U/L U/L mg/dL mg/dL mEq/L mEq/L mEq/L mEq/L mEq/L mg/dL mg/dL CRP TG LDL-Cho ⾎糖 HbA1c HBs抗原 HCV抗体 抗核抗体 ANCA 0.05以下 111 94 128 5.9 0.00 0.0 陰性 陰性 mg/dL mg/dL mg/dL mg/dL % IU/mL ⾎算 WBC RBC Hb Hct MCV Plt 6770 3.16 9.8 28.8 91 26.5 /μL ×106/μL g/dL % fl ×104/μL ⽐重 蛋⽩ 糖 ケトン体 潜⾎ Uro Bil WBC 尿沈査 RBC WBC 尿蛋⽩/Cr 円柱 1.018 4+ 2+ 2+ ± 1-4 1-4 8.61 脂肪円柱 蝋様円柱 空胞円柱 静脈⾎ガス pH 7.31 Pco2 49.8 HCO3 25.0 /HPF /HPF g/gCr mmHg mmol/L

6.

腹部CT • 腎萎縮なし(わずかに腫⼤) • ⽔腎所⾒なし

7.

経過 • 糖尿病罹患歴5年以内、尿潜⾎陽性、腎機能の急速な増悪を認 めており腎炎の合併の可能性もあり腎⽣検を施⾏

8.

病理所⾒

9.

症例1

10.

糸球体は腫大し、一部でボウマン嚢と癒着。メサンギウム基質の増加。

11.

びまん性病変: PAS陽性物質沈着によるメサンギウム基質の増加。

12.

びまん性病変: PAS陽性物質沈着によるメサンギウム基質の増加。

13.

ボウマン嚢基底膜へのPAS陽性物質の沈着

14.

細動脈の硬化、硝子化

15.

びまん性病変及び門部血管の増生

16.

糸球体の結節性硬化病変

17.

Fibrin cap 糸球体結節性病変(PAS染色)

18.

糸球体結節性病変(PAM染色)

19.

尿細管の萎縮及び間質の炎症。

20.

病理診断 Diabetic glomerulosclerosis 糖尿病性腎症

21.

経過 • その後、2か⽉で⾎清Cr 5.28(eGFR 10)まで急速に増悪、体 液管理も困難となり⾎液透析導⼊となった。

22.

eGFRの推移 80 74 70 60 56 52 50 40 30 29 23 20 9 10 0 2016.07 2016.12 2017.04 2017.09 eGFR 2018.02 2018.06

23.

HbA1cとHbの推移 16 13.5 14 13.6 13.1 13.3 11.8 12 10.4 10.3 5.7 5.9 10 8 7.1 7 6.9 6 GA 25.3% 4 2 0 2016.07 2016.12 2017.04 2017.09 HbA1c Hb 2018.02 2018.06

24.

考察 • 病理所⾒からは進展した糖尿病性腎症の所⾒を認め、その他腎 炎の合併を⽰唆する所⾒に乏しかった。 • 糖尿病性腎症の中には急速に進⾏するタイプがあることが知ら れている。 • 本症例は5年以内に末期腎不全に⾄っており、very fast typeの 糖尿病性腎症と考えられる。

25.

糖尿病性腎臓病

26.

DNとDKD エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018

27.

いつ腎⽣検するか?

28.

腎⽣検の適応 以下の場合は糖尿病性腎症以外の腎疾患の可能性があるため腎⽣ 検の適応がある。 1)腎機能低下または蛋⽩尿があるが、糖尿病網膜症を認めない 場合。 2)沈渣で多数の変形⾚⾎球や顆粒円柱などの活動性⽷球体疾患 を⽰唆する所⾒を認める場合。 3)腎症の時期に合致しない病態(尿蛋⽩の出現が糖尿病発症に 先⾏する、急激な尿蛋⽩の増加、急激な GFR の低下など)を認 める場合。 糖尿病性腎症と⾼⾎圧性腎硬化症の病理診断への⼿引き

29.

まず典型的経過を知ろう

30.

⽇本⼈のGFR低下速度は平均0.36/年 アメリカやノルウェイ(0.751.0/年)と⽐べて進⾏が緩徐 Hypertens Res. 2008 Mar;31(3):433-41

31.

加齢に伴う腎機能低下速度 太線は2倍以上の速さで腎機能が低下 70歳未満でGFR<50、70-79歳で GFR<40だと有意に低下速度が速い (末期腎不全のリスク) Hypertens Res. 2008 Mar;31(3):433-41

32.

⾼⾎圧、蛋⽩尿はGFR低下の増悪因⼦ Hypertens Res. 2008 Mar;31(3):433-41

33.

糖尿病性腎症の臨床経過 CKD診療ガイド2012

34.

⾮典型的な経過なら腎⽣検 • 糖尿病罹患期間が5年以内の腎機能増悪 • 糖尿病網膜症なしの腎機能増悪 • ⾼度⾎尿 • 臨床経過と合わない急速な腎機能増悪または蛋⽩尿増加

35.

DKD以外の腎疾患 糖尿病性腎症+αの可能性がある CKD診療ガイド2012

36.

予後不良なDKDは?

37.

糖尿病患者の尿潜⾎は腎予後と無関係 2型糖尿病患者で持続的な顕微鏡的⾎尿は腎⽣存率に 影響がなかった ⾎尿(-) ⾎尿(+) Nephrology (Carlton). 2013 Aug;18(8):563-8

38.

糖尿病患者のeGFR低下パターン 直線型 ほぼ直線型 加速型 減速型 Kidney Int. 2017 Jun;91(6):1300-1311

39.

約半数は2-10年で末期腎不全に⾄る 超急速悪化型:eGFR低下>15/年 急速悪化型: eGFR低下>10/年 中等度悪化型:eGFR低下>5/年 緩徐型:eGFR低下≦5/年 KDIGOガイドライン上の急速型 Kidney Int. 2017 Jun;91(6):1300-1311

40.

過剰濾過は急速悪化型のリスク eGFR>105でないと初期の急速 悪化は起こらない 急速な腎機能増悪は正常腎機能 時に突然起こり、⼤半はアルブ ミン尿も認めない Kidney Int. 2017 Jun;91(6):1300-1311

41.

2 3 4 1 糖尿病での⽷球体過剰濾過の機序 ①近位尿細管での過剰なグルコース・ Naイオン再吸収 ②下流の緻密斑へのNa/Cl/K濃度低下 ③輸⼊細動脈拡張 ④GFR増加、⽷球体過剰濾過 SGLT2阻害薬は過剰濾過を抑制 することで腎保護作⽤を発揮 Am J Kidney Dis. 2018 Aug;72(2):267-277

42.

急速悪化の機序 • ⽷球体、尿細管、間質、⾎管系いずれの影響が急速な腎機能低 下を引き起こすかは不明 • かつては腎機能低下は進⾏するアルブミン尿の結果と考えられ ていたが、急速な腎機能悪化は正常腎機能時に、しばしばアル ブミン尿もない時期に起こることからは否定的 Kidney Int. 2017 Jun;91(6):1300-1311

43.

急速悪化型を⾒分けるには? • 尿中アルブミン/Cr⽐やeGFRは両者の鑑別には使えない • ⾎清Crの推移をみていくしかないが、どのタイプか⾒分けるに は最低年に1回、3-5年間の観察が必要 Kidney Int. 2017 Jun;91(6):1300-1311

44.

TNFR1、尿中Alb/Cr ⾎清TNFR1>4.3 ng/mL、尿中Alb/Cr>1.9gだと 3年以内に70-80%が末期腎不全に移⾏(感度 72%) Kidney Int. 2017 Jun;91(6):1300-1311

45.

どれが予後不良? A. B. C. D. E. 結節性病変(Kimmelstiel-Wilson nodules) 結節性病変と分節性⽷球体硬化(⽮印はボウマン嚢との癒着) メサンギウム基質増加と上⽪細胞増殖を伴う分節性⽷球体硬化 ボウマン嚢との癒着を伴う分節性⽷球体硬化と管外細胞増殖 輸⼊細動脈の硝⼦化と管外細胞増殖を伴う分節性⽷球体硬化 分節性⽷球体硬化(SS)と 管外細胞増殖(EXHC) J Am Soc Nephrol. 2018 Feb;29(2):694-703

46.

SSとEXHCは予後不良 J Am Soc Nephrol. 2018 Feb;29(2):694-703

47.

尿細管間質病変も予後不良因⼦ Nephrology (Carlton). 2012 Jan;17(1):68-75

48.

オートファジー不全とポドサイト障害 Diabetes 2016 Mar; 65(3): 755-767

49.

糖尿病性腎症とオートファジー不全 オートファジー不全は⽷球体上⽪細胞障害、 尿細管間質障害の増悪因⼦ Pharma Medica 34(6): 51-54, 201

50.

早期介⼊で腎機能低下を減速できる Kidney Int. 2017 Jun;91(6):1300-1311

51.

薬剤 ⼀般名(商品名) CKD stage G1 eGFR≧90 ビグアナイド薬 メトホルミン(メトグルコ®) SU薬 グリベンクラミド(オイグルコン®) グリメピリド(アマリール®) グリクラジド(グリミクロン®) インスリン抵抗性改善薬 ピオグリタゾン(アクトス®) 速効型インスリン分泌促 進薬(グリニド薬) ナテグリニド(スターシス®、ファスティック®) ミチグリニド(グルファスト®) レパグリニド(シュアポスト®) α-GI アカルボース(グルコバイ®) ミグリトール(セイブル®) ボグリボース(ベイスン®) DPP-4阻害薬 シタグリプチン(ジャヌビア®、グラクティブ®) アログリプチン(ネシーナ®) ビルダグリプチン(エクア®) リナグリプチン(トラゼンタ®) テネリグリプチン(テネリア®) アナグリプチン(スイニー®) サキサグリプチン(オングリザ®) SGLT2阻害薬 インスリン イプラグリフロジン(スーグラ®)、ダパグリフロジン (フォシーガ®)、ルセオグリフロジン(ルセフィ®)、ト ホグリフロジン(アプルフウェイ®、デベルザ®)、カナグ リフロジン(カナグル®)、エンパグリフロジン(ジャ ディアンス®) G2 89-60 G3a 59-45 G3b 44-30 G4 29-15 G5 <15

52.

エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018

53.

Take home message 1 • 糖尿病性腎臓病では、その他腎疾患の合併に留意 • 糖尿病の中には蛋⽩尿もないまま超急速に腎機能が増悪する症 例がある。 • 早期予防が重要(⾷事、運動、⾎圧、脂質管理)

54.

33歳男性 主訴:浮腫 【現病歴】 • 2か⽉前の健診では尿検査、腎機能異常なし。⾎圧正常。 • 10⽇ほど前、1歳の⼦供が嘔吐(発熱、下痢なし)。 • 1週間ほど前から、咳、痰の症状が出現。咽頭痛なし。 • 5⽇前、⼯事現場作業中に全⾝倦怠感と頭痛、嘔吐(熱中症様の症 状)が出現。37℃台の発熱が持続。 • 3⽇前、下腿浮腫を⾃覚。 • 2⽇前、下腿浮腫が持続しており近医受診。尿蛋⽩(4+)、尿潜⾎ (2+)、⾎清Cr 1.39 mg/dLと上昇。 • 受診当⽇、急性腎炎疑いで当院紹介受診。

55.

【既往歴】 腹膜炎術後 【家族歴】 特記なし 【⽣活歴】 妻・1歳の⼦供と同居 職業:⼯事現場で働いている 喫煙:10本/⽇を13年間 飲酒:ビール350mLを2⽇に1回程度 【薬剤】 なし

56.

【⾝体所⾒】 体重 74.9kg(IBW 74kg) 体温 37.0℃、⾎圧 149/105 mmHg、脈拍 66bpm regular、呼吸数 16/min、SpO2 97%(室内気) 意識清明 全⾝状態:良好 頭頚部:眼瞼結膜蒼⽩なし、眼球結膜⻩染なし、咽頭発⾚なし、両側扁 桃腫⼤あり、⽩苔付着なし。眼瞼浮腫あり。頸部リンパ節腫脹・圧痛な し。 胸部:⼼⾳整、雑⾳なし。呼吸⾳清、左右差なし。 腹部:平坦、軟。圧痛なし。 四肢:両側下腿浮腫に圧痕性浮腫あり。関節腫脹・圧痛なし。 ⽪膚:⽪疹なし。

57.

検査所⾒ ⽣化学 6.4 TP ALB 3.8 AST 20 ALT 24 ALP 225 γGTP 26 LDH 206 92 CK 22.7 UN 1.26 Cr 138 Na 4.5 K 106 Cl 9.0 Ca 3.4 IP 8.7 UA g/dL g/dL U/L U/L U/L U/L U/L U/L mg/dL mg/dL mEq/L mEq/L mEq/L mEq/L mEq/L mg/dL CRP 抗核抗体 ANCA CH50 C3 C4 ASO ASK IgA ⾎算 WBC RBC Hb Hct MCV Plt 0.97 陰性 陰性 12 16 25.5 429 1280 228 8640 4.21 13.0 35.9 85 15.4 mg/dL U/mL mg/dL mg/dL IU/mL 倍 mg/dL /μL ×106/μL g/dL % fl ×104/μL 尿定性 ⽐重 蛋⽩ 糖 ケトン体 潜⾎ Uro Bil WBC 1.023 2+ ± 2+ ± 1+ 尿沈査 RBC WBC 尿蛋⽩/Cr 円柱 1-4 1-4 1.08 硝⼦円柱 /HPF /HPF g/gCr

58.

腹部CT • 腎萎縮なし(わずかに腫⼤) • ⽔腎所⾒なし • 胸腹⽔軽度貯留あり

59.

経過 • 補体低下、ASOの上昇を認め、急性感染後⽷球体腎炎が疑われ るが、明らかな先⾏感染の病歴もなく急速進⾏性⽷球体腎炎や IgA腎症の可能性も否定できず腎⽣検を施⾏。

60.

病理所⾒

61.

症例2

62.

びまん性に腫大した糸球体

63.

細胞増殖による富核及び好中球浸潤を示す。

64.

管内細胞増殖: 毛細血管係蹄内での細胞増多(PAS染色)。

65.

管内細胞増殖: 毛細血管係蹄内での細胞増多(PAM染色)。

66.

間質の浮腫。 尿細管萎縮を認めず。

67.

病理診断 Acute glomerulonephritis with endocapillary proliferation 感染後急性糸球体腎炎に合致

68.

経過 • ⾼⾎圧に対し、降圧薬を開始。 • 数⽇で浮腫は改善した。 • 2週間後の外来フォロー時には腎機能、尿蛋⽩は改善、ASOは 762 IU/mLとさらに上昇を認めていた。

69.

考察 • C3低下、ASO上昇を認め、病理所⾒、経過からも溶連菌感染後 急性⽷球体腎炎(PSAGN)と考えられる。 • 成⼈では先⾏感染の病歴が明らかではないケースも多く、その 際には腎⽣検も考慮される。

70.

急性⽷球体腎炎

71.

急性感染関連⽷球体腎炎 • ⾎尿、⾼⾎圧、浮腫、腎機能障害を呈する急性腎炎症候群 • C3がほとんどの症例で低下(6-8週で回復) • ⼩児の典型的な例はほとんどみられなくなり、⻩⾊ブドウ球菌のよ うな感染抗原に関連した⾼齢者の症例がしばしばみられる • 原因は溶連菌、ブ菌以外にもウイルス、真菌、寄⽣⾍など様々 • 腎⽣検は⼩児の例では必要となることはまれだが、成⼈、⾼齢者で は⾮典型例(急速進⾏性の腎不全、回復が遅い、6か⽉以上C3低値 持続、⾼度蛋⽩尿の持続など)であれば施⾏する • 治療は抗菌薬治療や対症療法 • 通常発症数⽇で改善傾向を⽰し数週で回復(顕微鏡的⾎尿は数か⽉ 持続し得る) J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

72.

急性腎炎症候群の鑑別 綜合臨牀 55(4): 1288-1293, 2006

73.

⼩児では溶連菌、⾼齢者はブドウ球菌が多い J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

74.

J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

75.

IgA-dominant 感染関連⽷球体腎炎 • 主にブドウ球菌感染に続発 • IgA優位の沈着(通常はC3とIgG優位) • IgAよりC3沈着のほうが⽬⽴つ(IgA腎症ではIgAが優位) • IgA κとλ鎖共に存在(IgA腎症ではλ鎖優位) • 60%が末期腎不全に移⾏ • 65歳以上の感染後⽷球体腎炎の20%の原因となる J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

76.

治療(基本は対症療法) • 乏尿・無尿、重症⾼⾎圧、腎不全を呈する急性腎炎症候群患者は⼊ 院適応 • 感染中であれば原疾患の治療 • ⽔分・塩分制限、利尿薬(フロセミドなど) • 利尿薬使⽤下でも拡張期⾎圧>100 mmHg持続する場合はCa拮抗薬、 ⾎管拡張薬、ACE阻害薬/ARB(⾼カリウム⾎症に注意)も考慮 • 重症の⾼⾎圧が持続し⾼⾎圧脳症のリスクがある場合は降圧薬静注 • 重症腎不全があれば腎代替療法 • 急性期治療は通常1-2週間を要する J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

77.

急性⽷球体腎炎の病理組織

78.

特徴的なパターン3つ • 星空パターン(Starry sky) • 花冠パターン(Garland) • メサンギウムパターン J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

79.

早期 A. び漫性の管内増殖、富核 B. メサンギウム領域、係蹄へのC3沈 着(starry skyパターン) C. 上⽪下の巨⼤ハンプ D. 管内増殖と複数のハンプ(garland パターン) J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

80.

後期 A. メサンギウム細胞増殖、B. メサンギウム領域へのC3沈着(メサンギウムパターン) J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

81.

IgA dominant deposits A. 好中球の浸潤を伴った管内細胞増殖、B. 係蹄とメサンギウム領域へのIgA沈着 J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

82.

Take home message 2 • 成⼈例では典型的な咽頭炎の病歴がないことも多い • 成⼈例で典型的な経過でなければ他疾患除外のため腎⽣検推奨 • ⼩児と異なり成⼈ではCKD、末期腎不全に移⾏するケースも少 なくないため侮れない

83.

参考

84.

EMPA-REG OUTCOME ジャディアンスでCr倍化、腎代替療法 開始、腎疾患による死亡率が低下 N Engl J Med. 2016 Jul 28;375(4):323-34

85.

CANVAS Program カナグルでeGFR低下、腎代替療 法の必要性、腎疾患による死亡 が減少 N Engl J Med. 2016 Jul 28;375(4):323-34

86.

Stage3b-4にも腎保護作⽤が期待 • CKD Stage3b-4(eGFR<45)に対しダパグリフロジン(フォ シーガ®) 5mg、10mgを使⽤ • プラセボと⽐較してHbA1cは低下しなかったが、アルブミン尿、 ⾎圧、体重は減少した • 有害事象は10mgで腎機能障害が増加したが、尿路感染症や脱 ⽔は増えなかった(尿路感染症はむしろ対照群で増加した) Stage3b以下では⾎糖降下作⽤は期待できないが、ACE阻害薬/ARBのような腎保護作⽤は期待できる Nephrol Dial Transplant. 2018 Jan 23

87.

Nephrol Dial Transplant. 2018 Jan 23

88.

カナグル フォシーガ ジャディアンス Nephrol Dial Transplant. 2018 Jan 23

89.

Nephrol Dial Transplant. 2018 Jan 23

90.

J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

91.

C3腎症との鑑別 • 成⼈の感染後⽷球体腎炎(PIGN)の1/3は感染徴候を⽰さない ため、急性腎炎症候群の鑑別のために腎⽣検が必要となること がある • C3腎症はPIGNと同様の組織像を呈するが、C3腎症はC3単独陽 性でメサンギウム細胞増殖は認めない • 感染がないこと、C3の持続的低下、2か⽉以上持続する尿沈渣 異常はPIGNよりC3腎症を⽰唆する J Nephrol. 2014 Jun;27(3):229-39

92.

C3腎症 • ⽷球体内に C3 単独または優位な沈着(免疫グロブリンとの強 度の差が 2 段階以上)があり、感染関連⽷球体腎炎やそのほか の⽷球体腎炎が除外された⽷球体腎炎 • 電顕上、特徴的な⽷球体基底膜緻密層の連続性⾼電⼦密度沈着 物が認められる場合は DDD(dense deposit disease)、ない 場合はC3腎炎(C3 glomerulonephritis)に分類 • MGUSなど単クローン性ガンマグロブリン⾎症の可能性があり、 M蛋⽩は評価する • 治療はステロイド薬やミコフェノール酸モフェチル(MMF) などの免疫抑制薬、RAS 阻害薬 腎と透析 83(4): 588-592, 2017

93.

腎と透析 83(4): 588-592, 2017

94.

腎と透析 83(4): 588-592, 2017