20170914 トキシックショック症候群

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September 12, 22

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1.

症例検討カンファレンス 2017.09.14 〜彼らはそれをリリィと名付けた〜

2.

症例 41歳 ⼥性 【主訴】発熱・関節痛 【現病歴】約1年前の7⽉から夏季限定で⽉経中に発熱、関節痛 を認めるようになった。1か⽉前の8⽉に39.8℃の発熱と関節痛 を認め、産婦⼈科を受診したが、エコー検査でも特に異常はなく 膠原病科紹介となった。膠原病科を受診したが、RFやACPA、抗 CPP抗体や抗核抗体は陰性であり、膠原病は否定的とのことで当 院紹介となった。 >>追加の病歴

3.

追加の病歴 • これまで同様の症状で救急受診し、急性胃腸炎や腎盂腎炎 として抗菌薬治療されたことがある。腎盂腎炎で⼊院の際 は、⾎圧が60程度まで下がった。 • 症状は毎回寒感から始まり、発熱・関節痛・頭痛が出現。 嘔吐下痢を伴う。体温は39-40℃まで上がる。 • ⽉経中(現在3⽇⽬)、量は変化なし、周期は整 • ⽣⾁、焼き⾁、鶏⾁、⽣卵、⿂介類摂取なし。 >>ROS

4.

Review of system • ROS(+)︓悪寒、全⾝倦怠感、⾷思不振、関節痛・筋痛、頭痛、 嘔吐、下痢 • ROS(-)︓戦慄、腹痛、⾎便・下⾎、喀痰、咳嗽、⿐汁、咽頭痛、 頻尿、残尿感、排尿時痛、⽪疹 >>既往歴・内服歴

5.

既往歴・⽣活歴 【既往歴】腎盂腎炎 【アレルギー】⾷事・薬︓なし 【内服薬】なし サプリ︓酵素(4-5か⽉前から) 【⽣活歴】夫、⼦供(2歳と⼩学校1年)と4⼈暮らし。喫煙 : なし(5-6年前まで30本/⽇)、飲酒:ビール350mL/⽇ >>⾝体所⾒

6.

⾝体所⾒ 【バイタル】 意識清明、BT38.0℃、BP125/64mmHg、PR91/min 整、RR20/min、 SpO2 100%(室 内気) 【全⾝状態】倦怠感あり 【⾝体所⾒】 頭頸部︓眼瞼結膜蒼⽩なし、眼球結膜⻩染・充⾎なし。頸部リンパ節腫脹・圧 痛なし。甲状腺腫⼤・圧痛なし。 胸部︓肺雑⾳なし、呼吸⾳左右差なし。⼼雑⾳なし、Ⅲ・Ⅳ⾳聴取されず。 腹部︓平坦、軟、圧痛なし。肝叩打痛なし、Murphy徴候陰性。腸蠕動⾳亢進減 弱なし。 四肢︓両⼿指PIP関節に可動時痛あり、腫脹・発⾚・圧痛なし。両短拇指伸筋、 ⻑拇指外転筋付着部付近に圧痛あり、腫脹・発⾚なし。両肩三⾓筋付着部付近 に圧痛・可動時痛あり。両下腿⾮圧痕性浮腫あり >>検査所⾒

7.

検査所⾒ ⾎液検査 ⽣化学 TP ALB AST ALT ALP γGTP LDH CK BUN Cre Na K Cl Ca IP 7.5g/dl 4.4g/dl 47U/L 18U/L 179U/L 19U/L 193U/L 857U/L 6.5mg/dl 0.61mg/dl 141mEq/L 3.9mEq/L 103mEq/L 8.6mEq/L 3.7mEq/L CRP 4.37mg/dl ⾎算 WBC RBC Hb Hct MCV Plt 18700/μL 4.35×106/μL 13.2g/dl 39.7% 91.3fl 31.5×104/μL 尿定性 pH ⽐重 蛋⽩ 糖 潜⾎ WBC 7.0 1.006 (±) (-) (3+) (2+) 尿沈渣 ⾚⾎球 ⽩⾎球 細菌 >100/HPF 20-29/HPF (-)

8.

What is your diagnosis.

9.

さらに追加で問診 • タンポン使⽤歴︓⾼校⽣(17歳)から使⽤。最も吸収性の⾼い ものを⽉経2⽇⽬から3、4⽇は使⽤する。交換はトイレのた びに⾏い、量が減ってきてかさかさした状態でも交換頻度は同 じ。外出時は頻度は減るかもしれないが、8時間以上交換しな いようなことはない。 • 夏の⽉経は前年が産後初めて

10.

トキシックショック症候群 • ⻩⾊ブドウ球菌や化膿連鎖球菌(GAS)による劇症型のグラム 陽性球菌感染症 • 発症率はブドウ球菌のTSS(SaTSS)で0.5/100000(0.0005%)、連 鎖球菌のTSS(SeTSS)で0.4/100000(0.0004%) • 死亡率はmenstrual SaTSSで5%以下、non-menstrual SaTSSで5-22%、 SeTSSで30-70% • 症状は⾮特異的(発熱、全⾝倦怠感、嘔吐・下痢、筋痛、意識 障害、低⾎圧) Intensive Care Med (2015) 41:1707–1710

11.

JAMA. 1981;246(19):2163-2167.

12.

斑丘疹状紅斑 Staphylococcal toxic shock syndrome - UpToDate

13.

斑状紅斑 Staphylococcal toxic shock syndrome - UpToDate

14.

結膜充⾎ Staphylococcal toxic shock syndrome - UpToDate

15.

落屑 Staphylococcal toxic shock syndrome - UpToDate

16.

落屑 IDCases. 2017;8:77-80.

17.

紅斑性粘膜 ↓ 点状出⾎ ↓ 斑状丘疹状⽪疹 ↓ 落屑 ↓ 髪や⽖の脱落 JAMA. 1981 Aug 14;246(7):741-8.

20.

タンポンとTSS Emerg Infect Dis. 1999 Nov-Dec; 5(6): 807–810.

21.

⽉経開始から発症まで平均3.8⽇ N Engl J Med 1980; 303:1436-1442

22.

⾼吸収より酸素と関連︖ J Clin Epidemiol. 1990;43(12):1379-85.

23.

JAMA. 1981;246(19):2163-2167.

24.

J Pediatr Adolesc Gynecol 25 (2012) e133-e137

25.

鑑別診断 J Am Board Fam Pract. 2001 Mar-Apr;14(2):131-6.

26.

• menstrual SaTSSではTSST-1産⽣ブドウ球菌の膣への定着 (colonization)とタンポンの使⽤と関連 • non-menstrual SaTSSでは術後創部への細菌の定着、⽇焼け、⿐ 腔タンポン、インフルエンザ罹患後の肺炎、産後感染、インス リン持続⽪下注⼊部位など原因となる • SeTSSでは90%以上で⾎液培養陽性(⽉経関連のSaTSSでは5%以 下、⽉経に関連しないSaTSSでは50%程度で陽性) • SeTSSでは壊死性筋膜炎、筋炎、蜂窩織炎と関連。肺炎、腹膜炎、 ⾻髄炎、⼦宮筋層炎でも起こり得る Intensive Care Med (2015) 41:1707–1710

27.

スーパー抗原がVβをも つT細胞に結合するこ とで、サイトカインス トームを引き起こす

28.

Clin Microbiol Rev. 1988 Oct; 1(4): 432–446.

29.

7⽉ 8⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉ 急性胃腸炎 急性胃腸炎 急性腎盂腎炎 7⽉ 8⽉ 9⽉ 急性胃腸炎 膠原病︖ 受診 9⽉ X-2年 X-1年 X年 11⽉ 出産

30.

治療 • 敗⾎症性ショックと同様の対応 • 培養の結果が出るまでは、バンコマイシン+クリンダマイシン かリネゾリド単剤 Intensive Care Med (2015) 41:1707–1710 • IVIGについてはcontroversial(RCTなし。観察研究ではSeTSSに対 し死亡率を下げる) Journal of Infection (2017) 74, S147—S152

31.

7Rs Journal of Infection (2017) 74, S147—S152

32.

• ⽉経時に発熱、筋痛を繰り返す⼥性をみたらタンポン使⽤歴を確認する • ショック、意識障害の⼥性をみたらタンポンを探すくせをつける