ほてり

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September 12, 22

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1.

ほてり

2.

ほてり(flushing) • 一過性の紅斑を伴う熱感 • 紅斑は顔が最も多いが、頚、耳、胸部、心窩部、腕やその他の 部位に起こることもある Approach to flushing in adults - UpToDate

3.

機序 • ほてりは血管拡張に続発する皮膚の血流の増加の結果 • 皮膚の血管平滑筋の様々な自律神経や血管拡張刺激への生理的 反応を現わしている • 血管平滑筋は自律神経と血管作動物質の両方に反応する • 自律神経はエクリン汗腺も支配しているため、自律神経系の障 害では発汗を伴う血管拡張を引き起こす傾向にあり、血管作動 物質ではほてりの反応だけを引き起こす傾向にある。 • 自律神経介在性の紅潮はしばしば“wet” flushと言われ、血管作 動物質介在性の紅潮は "dry" flushと言われる。 Approach to flushing in adults - UpToDate

4.

ほてりの原因として多いのは • 発熱 • 高体温 • 更年期 • 感情によるほてり • 酒さ

5.

ほてりの鑑別診断 自律神経介在性 血管作動物質介在性 体温調節性のほてり 発熱、運動、熱源への曝露 閉経(更年期) 感情によるほてり 神経性 中枢神経腫瘍 自律神経てんかん 群発頭痛 脊髄損傷 パーキンソン病 多発性硬化症 自律神経過緊張反射、起立性低血圧 耳介側頭神経症候群(Frey症候群) 三叉神経痛 片頭痛 酒さ 薬剤(カルシウム拮抗薬、ニコチン酸など) 食物摂取 アルコール カルチノイド症候群 全身性肥満細胞症 褐色細胞腫 甲状腺髄様癌 セロトニン症候群 アナフィラキシー VIPoma 腎細胞癌 ダンピング症候群 サルコイドーシス 甲状腺機能亢進症 気管支原性癌 男性のアンドロゲン欠乏症 Approach to flushing in adults - UpToDate

6.

更年期 • よくある不快な体温調節性のほてりは更年期にみられる • エストロゲンの血中濃度の低下に続発する • ほてりの反応は"hot flash"としてよく知られている • hot flashは間欠的な熱感、発汗、紅潮より成る • 推定50-80%の45歳以上の女性がこのような症状を経験している • 典型的なエピソードは3-4分持続し1日20回まで起こり得る • しばしばとても深いで不安により惹起され、睡眠や日常生活機 能を妨げる Approach to flushing in adults - UpToDate

7.

感情によるほてり(赤面) • 男性より女性で多い • しばしば動悸、口渇、認 知機能が落ちている感じ を伴う Approach to flushing in adults - UpToDate

8.

神経疾患 • 第三脳室を圧迫する腫瘍や腫瘤性病変 • 間脳自律神経性てんかん(Diencephalic autonomic epilepsy)ー 交感神経 や副交感神経亢進による発汗、ほてり、立毛、流涎、頻脈、高血圧などを 伴う全般性発作 • 群発頭痛ー 片側顔面の発汗、流涙、鼻漏、ホルネル徴候 • 脊髄損傷ー 自律神経過緊張反射 • パーキンソン病、多発性硬化症 • 自律神経過緊張反射、起立性低血圧 • 耳介側頭神経症候群(Frey症候群) • 三叉神経痛、片頭痛ー片側性のほてり(antidromic sensorineural flushing) • ハーレクイン症候群(Harlequin syndrome)ー頭頸部の片側性の多汗、ほてり を認めるまれな自律神経障害 Approach to flushing in adults - UpToDate

9.

耳介側頭神経症候群(Frey症候群) • 食事摂取で片側頬部から耳介にか けてほてり、紅潮、発汗 • 三叉神経第 3 枝の下顎神経の分枝 である耳介側頭神経への種々の傷 害に続発し、同神経に含まれる交 感神経線維と副交感神経線維が混 線することで生じる。 • 耳下腺摘出術、下顎関節突起骨折、 鉗子分娩、耳下腺炎、帯状疱疹 日内会誌 107:2183~2185,2018

10.

酒さ • 典型的な発症年齢は40-60歳 • 丘疹、膿疱と共に毛細血管拡張を認める • 感情、熱源、寒冷、刺激物の摂取、飲酒でほてりが誘発される Approach to flushing in adults - UpToDate

11.

薬剤 • 多くの薬剤がほてりを引き起こす • 機序は血管拡張、プロスタグランジン合成の増加、肥満細胞か らの化学伝達物質の放出、他の血管拡張物質の放出 Approach to flushing in adults - UpToDate

12.

血管拡張物質 • カルシウム拮抗薬、ニトログリセリン、PDE5阻害薬(シルデナ フィル、バルデナフィル、タダラフィル)を含む血管拡張薬が ほてりを起こす原因薬剤として最も多い。 • カルシウム拮抗薬の中ではジヒドロピリジン系(ニフェジピン、 ニソルジピン、アムロジピン)が非ジヒドロピリジン系(ジル チアゼム、ベラパミル)より多い。 • 頻度としてはニフェジピンで10.5-25.0%、ニソルジピンで7%、 アムロジピンで1.2-2.0% Approach to flushing in adults - UpToDate

13.

ニコチン酸(ビタミンB3) • ニコチン酸によるほてりはプロスタグランジンの増加により引 き起こされる • ほてりはアスピリンの同時投与で拮抗される Approach to flushing in adults - UpToDate

14.

その他の薬剤 • 降圧薬(βブロッカー、ACE阻害薬)、ホルモン治療薬(カルシ トニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、TRH、リュープロ リド、酢酸シプロテロン)、グルココルチコイド(高用量メチ ルプレドニゾロン点滴、トリアムシノロンの経口or滑膜投与)、 抗微生物薬(バンコマイシン、アムホテリシンB)、化学療法 (シクロスポリン、ドキソルビシン、シスプラチン、インター フェロンα2、タモキシフェン、ミトラマイシン、ダカルバジン、 フルタミド)、オピエートと関連薬剤(モルヒネ、その他の麻 薬物質、エンケファリン作動薬)、メトクロプラミド、金製剤、 麻酔導入(特にイソフルランとフェンタニルの組み合わせ)、 造影剤、NSAIDs、ブロモクリプチン、カテコラミン Approach to flushing in adults - UpToDate

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カルチノイド症候群 • • • • • • • • • ほてりと分泌性の下痢を来す 多量の発汗、腹痛、気管支痙攣も生じる 慢性経過では弁膜症(特に右心系)や顔面の毛細血管拡張を生じる 小腸や近位大腸(中腸)原発の転移性腫瘍に伴うことが多い 中腸カルチノイド(空腸、回腸、盲腸、虫垂)に伴う典型的なほてりは突 然始まり、30秒~30分持続する。 ほてりは頭頸部、上部胸部に生じ、赤~青紫~紫色を呈し、軽度の灼熱間 を伴う。 ほてりの最中は血圧低下、頻脈をしばしば伴う。 飲酒、チョコや牛肉摂取がほてりの誘因となる(カテコラミン、ガストリ ン放出) 24時間畜尿で尿中5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)を評価 Approach to flushing in adults - UpToDate

16.

カルチノイド症候群 Approach to flushing in adults - UpToDate

17.

肥満細胞症 • 組織浸潤を伴う肥満細胞増殖を来すまれな疾患 • 赤褐色の丘疹、色素斑、局面を呈し、患部の擦過により膨疹を生じ る(Darier徴候) • 全身性の症状や末梢血塗抹の異常は成人患者でよくみられる • 全身性の症状はヒスタミンやプロスタグランジンのような肥満細胞 の化学伝達物質の放出により生じ、血管拡張、ほてり、低血圧、頻 脈、アナフィラキシーを来す。 • 腹部疝痛、下痢、嘔気・嘔吐、発熱を認めることもある • 全身性の症状は麻薬性鎮痛薬や造影剤のようなアレルギー反応を誘 発する物質が誘因となり得る • 麻酔薬やアスピリン、その他NSAIDsも誘因となることがある Approach to flushing in adults - UpToDate

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褐色細胞腫 • • • • • • • • • クロム親和細胞の腫瘍 腫瘍は典型的には副腎髄質に由来し、間歇的なカテコラミンの放出を伴う。 よくある症状は頭痛、発汗、頻脈、高血圧 60%は持続性の高血圧や血圧不安定、40%は発作時のみ血圧上昇を認める 顔面蒼白や紅潮を認めることもある(ほてりは発作中よりは発作後に起こ るほうが特徴的) 不安感もまれではない 嘔気、嘔吐、胸痛、腹痛もしばしば認める 症状は発作性で数分から数時間持続する 診断は尿中カテコラミンと尿中分画メタネフリンによる Approach to flushing in adults - UpToDate

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甲状腺髄様癌 • 傍濾胞甲状腺細胞の悪性腫瘍 • 腫瘍細胞はカルシトニンやアミン、ACTH、CRHを産生 • 顔面や上肢のほてり、毛細血管拡張を生じる • 腫瘍はMEN症候群の一部か孤発性に生じる • 診断は甲状腺の穿刺吸引細胞診(FNA)とカルシトニンラジオイ ミュノアッセイ Approach to flushing in adults - UpToDate

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膵腫瘍/VIPoma • VIP腫瘍はVIP、プロスタグランジン、胃阻害性ポリペプチド、 膵ポリペプチドを分泌する非β細胞性の腫瘍 • 水様性の下痢、低K血症、塩酸欠乏achlorhydria(WDHA syndrome) が特徴 • ほてりは20%生じ、VIPの血管拡張作用による • 嘔吐、腹痛、脱力もよくある症状 Approach to flushing in adults - UpToDate

21.

腎細胞癌 • 血尿を認めることが多い • 古典的な三兆(血尿、触知する腹部腫瘤、側腹部痛)を示すの は10%以下 • 倦怠感、体重減少、発熱、貧血も認めることがある • ほてりを認める場合は腫瘍からのゴナドトロピン様ホルモンの 産生による Approach to flushing in adults - UpToDate

22.

その他 • ダンピング症候群 • サルコイドーシス • 甲状腺機能亢進症 • 気管支原性癌 • 男性のアンドロゲン欠乏症 • 上大静脈症候群(SVC症候群) Approach to flushing in adults - UpToDate

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ほてりもどき • 僧帽弁狭窄症ーチアノーゼによる慢性的な頬部の紅潮 • SLEー蝶形紅斑 • 光線過敏性反応 Approach to flushing in adults - UpToDate

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評価 • 詳細な病歴聴取と身体診察が重要 • 発汗を伴うほてりは自律神経介在性を示唆 • ほてり日記を2週間つけてもらう(食物摂取や薬剤、運動、感情的なスト レス、頭痛、気管支痙攣、腹痛、下痢、蕁麻疹など随伴症状を記録) • 大半のほてりを含む全身疾患は典型的な随伴症状で鑑別可能である。 • 病歴や身体診察で疾患が推定できなければ、ほてりの原因となる全身疾患 で最もよくある全身疾患であるカルチノイド症候群、肥満細胞症、褐色細 胞腫を評価すべきである。 • 初回の検査では血算、肝機能、24時間畜尿で5-HIAA(カルチノイド症候 群)、血清トリプターゼ(肥満細胞症)、24時間蓄尿でカテコラミン、分 画メタネフリン(褐色細胞腫)を含め評価するべきである。 • 初回評価で陰性の際には、VIPoma、甲状腺髄様癌、その他疾患を含めた評 価継続のため内分泌専門医へのコンサルトが望ましい Approach to flushing in adults - UpToDate

25.

診断アルゴリズム ①詳細な病歴聴取、身体診察、ほてり日記 ②発熱、曝露歴、閉経、薬剤、アルコール、食事、酒さ、感 情、神経性は? ③カルチノイド症候群は?(下痢、気管支痙攣、弁膜症) ④全身性肥満細胞症は?(血管拡張、低血圧、頻脈、腹痛、 嘔気・嘔吐、下痢) ⑤褐色細胞腫は?(頭痛、頻脈、発汗、高血圧) ⑥腎細胞癌(腎エコー)、VIPoma(血清VIP)、甲状腺髄様 癌(カルシトニン)は? Approach to flushing in adults - UpToDate