20220916 防水スプレーによる急性肺障害

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September 28, 22

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見習い芸人

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各ページのテキスト
1.

呼吸困難感

2.

59歳 男性 【主訴】呼吸困難感 【現病歴】 当⽇、20時頃より咳嗽、呼吸困難感があり、その後22時頃妻がよ だれを垂らして意識がもうろうとしている本⼈を発⾒し救急要請 となった。 意識はすぐに回復し、救急隊到着時は妻によると普段よりぼんや りはしているとのことだが歩⾏は可能となっていた。 ROS-:痰、胸痛、頭痛、嘔気嘔吐、腹痛、下痢、悪寒戦慄、排尿 時痛、残尿感、頻尿、関節痛、繰り返す発熱

3.

【既往歴】肺気腫、⾼⾎圧、睡眠時無呼吸症候群、前⽴腺肥⼤、 アレルギー性⿐炎 【アレルギー】⾵邪薬(詳細不明) 【薬剤】レザルタスHD1錠、ナトリックス1mg0.5錠、ルパフィン 10mg1錠、モンテルカスト10mg1錠 【⽣活歴】 職業︓会社員 喫煙︓20本/⽇、18歳〜 飲酒︓⽇本酒1合/⽇ ADL︓⾃⽴ ワクチン︓コロナ3回接種済み、肺炎球菌ワクチン不明、インフ ルエンザワクチン毎年接種

7.

追加の病歴 • ⿃との接触歴なし、ペットなし • sick contactなし、child contactなし • ⼭歩きは好きだが最終は3か⽉ほど前でダニに刺された覚えも ない。 • 植⽊は好きで庭で⼟の⼊れ替えはよくしている • 家は⽊造で20年以上住んでいる • ⽻⽑布団、加湿器使⽤なし

8.

追加の病歴 • マスクなしで当⽇20時前に防⽔スプレーを使⽤して、カッパや ⾃転⾞のカバーにかけていた。すごい臭いがした。 • その後、カセットコンロ(1-2か⽉前から使⽤している)で網で ホルモンを焼いたときにすごい煙が出た。変な臭いがした。 • その直後から変な咳が出て呼吸困難感が出現した。

9.

⼊院4⽇⽬

10.

防⽔スプレー吸⼊による 急性肺障害/ARDS

11.

防⽔スプレーによるALI/ARDS • 防⽔スプレー吸⼊による肺傷害では呼吸困難、咳嗽、発熱などの症状が吸⼊後⽐較的早 期に出現する • 胸部単純 X 線画像やCTでは中枢側優位のすりガラス様陰影を認めることが多く、病態的 には⾮⼼原性肺⽔腫と考えられる • 報告例の多くは喫煙者 • 防⽔スプレーに含まれているフッ素樹脂を加熱するとヒューム、パークロロイソブチレ ン、フッ化カルボニルが発⽣する 中毒研究 32:284-288,2019 • 防⽔スプレーによる肺障害の原因物質としてフッ素樹脂が関与 • フッ素樹脂の撥⽔作⽤が肺胞内の界⾯活性作⽤に拮抗してびまん性の肺胞虚脱を起こし、 ⼀部が肺炎に移⾏すると推定 ⽇⼤医誌 75 (2): 92–94 (2016) • 経過観察のみで軽快することやステロイドパルスまでした症例もある • 潜在化した肺機能障害を防ぐためステロイド投与は考慮すべき ⽇呼吸会誌 47(5),2009

12.

画像 肺⾨部優位の両側性のすりガラス陰影 14⽇にはすりガラス陰影は消失 中毒研究 32:284-288,2019

13.

36歳⼥性 ⽇⼤医誌 75 (2): 92–94 (2016)

14.

⾮喫煙者でもヒーター使⽤で起こる 32歳⾮喫煙男性、密室、ヒーターのそばで防⽔スプレーを 使⽤して1時間後に乾性咳嗽、呼吸困難感、頭痛 ヒーターでフッ素樹脂の熱分解産物が発⽣した可能性 末梢側がスペアされたびまん性のすりガラス陰影 Respirol Case Rep. 2021 Aug 5;9(9):e0825

15.

Take home message • 喫煙者の防⽔スプレー使⽤は要注意 • ⾮喫煙者でもヒーター使⽤中、焼⾁、焚き⽕で防⽔スプレーは やめましょう • 病歴⼤事