20220805 AKIの診かた

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September 12, 22

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1.

AKIの診かた

2.

AKIの分類 フレームワークで考える内科診断

3.

AKIは腎前性、腎性、腎後性 フレームワークで考える内科診断

4.

解剖 フレームワークで考える内科診断

5.

AKI(急性腎障害)診療ガイドライン 2016

6.

RIFLE基準、AKIN基準より ⽣命予後の予測に優れる AKI(急性腎障害)診療ガイドライン 2016

7.

AKI(急性腎障害)診療ガイドライン 2016

8.

腎前性AKIを⽰唆する⽣化学所⾒は︖ • BUN/Cr>20(近位尿細管での尿素の再吸収が増加) 注)⾼蛋⽩⾷、消化管出⾎、組織の異化亢進/崩壊時の尿素産⽣、ステロイ ド使⽤でも上昇 • FENa<1%(FENaは利尿剤の影響を受ける) 注)急性⽷球体腎炎、造影剤腎症、横紋筋融解症、溶⾎、腎移植後拒絶、 腎後性腎不全などでも<1%となり得る 腎後性腎不全では初期はFENa<1%、数⽇経過すると>1%となる • FEUN<35%(利尿剤使⽤中も使える) フレームワークで考える内科診断 ジェネラリストのための内科診断リファレンス

9.

静脈ドップラーによるうっ⾎の評価 Kidney Med. 4(7):100482

10.

⼼不全︖頚をみよう︕ JVD(頚静脈怒張)、AJR(腹部頚静脈 逆流)は⼼不全(PCWP⾼値)と相関 AJR: abdominojuglar reflex 10秒腹部圧迫で頚静脈圧が上昇し、圧迫解除後 に4 cm以上低下すれば陽性 J Am Coll Cardiol. 1993 Oct;22(4):968-74

11.

頚静脈の解剖 ExaminaLon of the jugular venous pulse - UpToDate

12.

内頚静脈の観察はけっこう難しい・・・

13.

外頚静脈も有⽤ ギャッジアップ約45度で観察 呼気終末に完全虚脱すれば溢⽔なし ミルキング後にも頚静脈拡張あれば溢⽔あり West J Emerg Med. 2008;9(4):201-205

14.

外頚静脈が完全虚脱しない場合 1) 弁硬化 2) 筋膜⽪弁による静脈の閉塞 3) 真のCVP上昇(溢⽔) ミルキング

17.

右房は胸⾻⾓から5cmはうそ︖ 体位 胸⾻⾓から右房までの距離 臥位 5 cm ギャッジアップ30度 8 cm ギャッジアップ45度以上 10 cm J Gen Intern Med. 2002;17(11):861-865

18.

エコーも有⽤(くちばしを探せ︕) 内頚静脈最⼤径︓仰臥位で鎖⾻より2cm頭側 で測定 内頚静脈の⾼さ︓坐位45度で測定 くちばし(頸静脈拡張が終わる部分)が⾒ えれば溢⽔かも 内頚静脈最⼤径≦1 cmなら脱⽔ Int J Clin Exp Med. 2015;8(7):10586-10594

19.

86歳⼥性 ⼼不全

21.

頚静脈の評価まとめ • 内頚静脈の怒張、AJR⾒づらければ外頚静脈、エコーで評価 • 外頚静脈で呼気終末に完全虚脱すれば溢⽔なし(座位45度) • ミルキング後にも外頚静脈拡張あれば溢⽔あり(座位45度) • エコーでくちばしが⾒えれば溢⽔あり(座位45度、⻑軸) • 内頚静脈最⼤径1cm以下なら脱⽔あり(鎖⾻2cm頭側、短軸)

22.

循環⾎漿量減少︖敗⾎症︖⼼腎症候群︖ A B C 頸静脈圧 (JVP) ⼼拍出量 (CO) 全末梢⾎管抵抗 (SVR) ↑ ↓ ↓ ↓ ↑ ↓ ↑ ↓ ↑ 循環⾎漿量減少はCのパターン(低JVP, 低CO, ⾼SVR), 敗⾎症はBのパターン(低JVP, ⾼CO, 低SVR), ⼼腎症候 群はAのパターン(⾼JVP, 低CO, ⾼SVR). フレームワークで考える内科診断

23.

NSAID, ACE-I/ARB, カルシニューリン阻害 薬(CI)による腎前性AKIの機序は︖ • NSAIDは輸⼊細動脈の拡張を阻害→輸⼊細動脈収縮 • CIは輸⼊細動脈の収縮を促進→輸⼊細動脈収縮 • ACE-I/ARBは輸出細動脈の収縮を阻害→輸出細動脈を拡張 →⽷球体内圧低下→AKI フレームワークで考える内科診断

24.

⾼Ca⾎症による腎前性AKIの機序は︖ • ⾼Ca⾎症は輸⼊細動脈を収縮させることで⽷球体濾過量を減少 させる. • また⾼Ca⾎症は腎性塩類喪失(renal salt wasting)のため循環⾎漿 量低下をもたらす. フレームワークで考える内科診断

25.

肝腎症候群(HRS)の2つの型の臨床的な違 いは︖ • Ⅰ型HRSは急速な経過をたどり, 発症から2週間以内にクレアチ ニンを倍化(2.5 mg/dL以下まで低下)し, 通常多臓器不全とな る. • Ⅱ型HRSはより緩徐で安定した経過をたどり, 難治性腹⽔を呈す ることが多い. • 乏尿はⅠ型HRSで多くみられる. フレームワークで考える内科診断

26.

腎動脈狭窄症(RAS)によるAKIの機序は︖ • RASは慢性経過であり, それ⾃体AKIの原因となることはない. • しかしながら, RASが存在することで腎灌流の低下からAKIとなる リスクは増⼤する. • 例えば, ACE-I/ARB導⼊後のAKIはRAS診断の⼿がかりとなる. フレームワークで考える内科診断

27.

Jpn J Med Ultrasonics Vol. 41 No. 3(2014)

28.

Jpn J Med Ultrasonics Vol. 41 No. 3(2014)

29.

腎動脈〜輸⼊細動脈の⾎管の名称は︖ 腎動脈→区域動脈→葉間動脈→弓状動脈→小 葉間動脈→輸入細動脈 ネッター

30.

腎動脈に影響する⾎管炎の種類は︖ • ⼤型⾎管炎(巨細胞性動脈炎, ⾼安病など) • 中型⾎管炎(結節性多発動脈炎, 川崎病など) フレームワークで考える内科診断

31.

コレステロール塞栓症の検査所⾒は︖ • 末梢⾎や尿中の好酸球増多や低補体⾎症 • 他の臓器病変(肝機能障害など)を認めることも フレームワークで考える内科診断

32.

AKIを来す⾎栓性微⼩⾎管症(TMA)の原因 は︖ • 原発性TMA(⾎⼩板減少性紫斑病, 溶⾎性尿毒症症候群, 薬剤誘 発性TMA) • 播種性⾎管内凝固(DIC) • 悪性⾼⾎圧 • HELLP症候群 • 強⽪症腎クリーゼ フレームワークで考える内科診断

33.

腎性AKIの原因となる⼩型⾎管炎は︖ • GPA • 好酸球性多発⾎管炎性⾁芽腫症(EGPA, Churg-Strauss症候群) • 顕微鏡的多発⾎管炎 • ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(IgA⾎管炎) フレームワークで考える内科診断

34.

急性尿細管壊死によるAKIの機序は︖ • 通常虚⾎性か腎毒性のために, 尿細管上⽪細胞に損傷を来し, 尿 細管障害が⽣じる フレームワークで考える内科診断

35.

⼊院患者でのATNの頻度は︖ • ATNは⼊院患者のAKIの原因として最多(すべてのAKIの原因の半 数程度) • 特にICU患者で多い(すべてのAKIの原因の半分以上). フレームワークで考える内科診断

36.

ATNの尿沈渣所⾒は︖ • ATNで典型的な尿沈渣所⾒は”泥茶⾊”の顆粒円柱. • 6個以上の顆粒円柱を認めればATNの可能性が⾼い “泥茶⾊”円柱(顆粒円柱の⼀種) ※蝋様円柱は顆粒円柱の変成が進⾏したもの フレームワークで考える内科診断 ジェネラリストのための内科診断リファレンス

37.

腎前性AKI︖ATNに進展︖ • 腎前性AKIに続発するATNでは, FENa<1%となり得るためあまり有 ⽤ではない. • 顆粒円柱の有無は有⽤. • 顆粒円柱がなければ腎前性AKIの尤度⽐4.5, ATNの尤度⽐0.2. • 少なくとも6か⽉間顆粒円柱が存在すれば, ATNの尤度⽐10, 腎前 性AKIの尤度⽐0.10. • 輸液チャレンジも有⽤(輸液負荷後に腎機能が回復すればATN より腎前性AKIを⽰唆) フレームワークで考える内科診断

38.

ATNの原因となる薬剤は︖ • • • • • • • • • • NSAID アミノグリコシド バンコマイシン ポリミキシン ペンタミジン アムホテリシンB フォスカルネット テノホビル シスプラチン メトトレキサート フレームワークで考える内科診断

39.

造影剤腎症発症時期と予後は︖ • 典型的には造影剤曝露後24-48時間後に発症. • ほとんどは7-10⽇で腎機能はベースラインまで回復. フレームワークで考える内科診断

40.

⾊素性腎症の典型的な尿所⾒は︖ • 尿定性で潜⾎陽性, 沈査で⾚⾎球を認めない. • 尿潜⾎は⾊素の存在(ミオグロビンやヘモグロビン)のため陽 性となる. フレームワークで考える内科診断

41.

⾊素性腎症や造影剤腎症でFENa<1%とな ることがあるのはなぜか︖ • 腎尿細管への毒性に加え, ⾊素や造影剤は輸⼊細動脈の収縮を 誘発し, 腎前性の病態となることがある. フレームワークで考える内科診断

42.

急性間質性腎炎の古典的三徴は︖ • AINの古典的臨床的三徴は発熱, 斑丘疹, 末梢⾎好酸球増多. • 三徴すべてが揃うことは多くない(約10-15%). • ある特定のAINでは三徴を認めやすい(メチシリン誘発性な ど) フレームワークで考える内科診断

43.

AINの尿沈渣所⾒の特徴は︖ • AINのほとんどの症例で膿尿や⽩⾎球円柱を認める • 尿中好酸球の意義については不明瞭である ⽩⾎球円柱 フレームワークで考える内科診断

44.

AINの治療は︖ • AIN治療の基本は基礎となる原因の除去である(⼤半の症例で は, 被疑薬の除去). • それでも腎機能が⼗分回復しない症例も多く, 中には全⾝ステ ロイド投与が有⽤となることもある. フレームワークで考える内科診断

45.

AINの原因は︖ • 75%以上が薬剤 • 約15%が感染症 フレームワークで考える内科診断

46.

AINの原因となる薬剤は︖ • 最も多いのはNSAIDと抗菌薬(ペニシリン, セファロスポリン, シプロフロキサシン, リファンピシン, サルファ剤, バンコマイ シンなど). • 次に多いのがアロプリノール, アシクロビル, ファモチジン, フ ロセミド, オメプラゾール, フェニトイン. フレームワークで考える内科診断

47.

AINはどのくらいで発症するか︖ • 薬物の曝露から発症までは平均7-10⽇程度 • 被疑薬へ繰り返し曝露している場合は特に, これより早いこと もある. フレームワークで考える内科診断

48.

AINの原因となる感染症は︖ • 細菌︓Brucella, Campylobacter, Escherichia coli, Legionella, Salmonella, Streptococcus, Staphylococcus, Yersinia • ウイルス︓サイトメガロウイルス, EBウイルス, HIV フレームワークで考える内科診断

49.

AINの原因となる⾃⼰免疫疾患は︖ • サルコイドーシス • シェーグレン症候群 • 全⾝性エリテマトーデス フレームワークで考える内科診断

50.

TINU症候群に罹患しやすいのは︖ • ぶどう膜炎を伴う尿細管間質性腎炎(tubulointerstitial nephritis and uveitis syndrome: TINU syndrome)は若年⼥性で最も罹患し やすい. • ぶどう膜炎, 尿細管間質性腎炎, 全⾝の⾮特異的症状を呈する疾 患. • 原因は不明であるが, ぶどう膜と尿細管間質に共通の要素に対 する⾃⼰免疫反応が関与していると考えられる. • 治療は全⾝ステロイド投与であり, 腎障害はしばしば回復する. フレームワークで考える内科診断

51.

尿細管障害マーカー

52.

尿中β2ミクログロブリン • 基準値︓0.2-0.25 mg/L以下 • pH≦5.5の酸性尿では採取から測定までの時間が⻑い場合、測定 値が実際より低下する • 解釈には⾝体的要因(激しい発汗後、空腹時、発熱時など尿の 酸性度が⾼くなりやすい状態)、測定までの時間を考慮 • 感染症、悪性腫瘍、RA、SLEなど抗サイトカイン⾎症をきたす 疾患では、産⽣亢進による⾎清β2MGの上昇をきたし、再吸収 機能正常でも排泄量増⼤する(オーバーフロー) ⼩児内科 44(2): 329-332, 2012

53.

尿中NAG • 基準値︓蓄尿で1-5 U/L、随時尿で0.9-2.4 U/gクレアチニン • 尿pHが8.0以上のアルカリ側になると急速にNAG活性が低下 • 明らかな膿尿の場合は⽩⾎球に由来するNAGの影響が無視でき ないため、尿路感染時には⾒かけ上⾼値となる可能性あり • ⽇内変動があり早朝で⾼値となる ⼩児内科 44(2): 329-332, 2012

54.

尿中α1ミクログロブリン • 基準値︓出⽣時5-10 mg/L、成⼈10-30 mg/L • pH4-8の範囲では4℃できわめて安定で、腎前性の増加による尿 中排泄量への影響がない点がβ2MGより優れている • 腎機能低下例など⾎中β2MGが上昇する病態では、尿中低分⼦ 蛋⽩の測定にはα1MGのほうがよい ⼩児内科 44(2): 329-332, 2012

55.

尿細管障害の評価にはα1MGがよい︖ • 尿中β2ミクログロブリンやNAGは尿pHや採⾎時間によって⼤き く影響を受ける • 尿細管障害の評価には⽣理的pHの範囲内では顕著な変化が認め られないα1MGの測定がよいかもしれない Japanese Journal of Clinical Laboratory AutomaLon 37(1): 155-159, 2012

56.

腎後性AKIの機序は︖ • 腎後性AKIは尿路閉塞が原因となる. • この閉塞によって尿細管内の圧が上昇し, その結果⽷球体濾過 量が低下する. フレームワークで考える内科診断

57.

腎後性AKIの予後は︖ • 腎機能が回復するかは閉塞の期間と重症度による. • 急性閉塞の患者では, 閉塞が1週間以内に解除されれば, ⼀般に 腎機能は完全に回復する. • 閉塞期間が12週を超える場合は, 腎機能の回復はほとんど望め ない. フレームワークで考える内科診断

58.

神経因性膀胱の原因となる薬剤は︖ • 抗コリン薬 • ⿇酔薬 • 鎮静薬 • 抗精神病薬 • 抗うつ薬 • 抗痙攣薬 • カルシウム拮抗薬 フレームワークで考える内科診断

59.

神経因性膀胱の原因は • 薬剤 • 糖尿病 • 脳卒中, 多発性硬化症, 脊髄損傷, パーキンソン病, 先天疾患(⼆ 分脊椎や脳性⿇痺など) フレームワークで考える内科診断

60.

復習です 透析、いつするの︖

61.

AKIでは透析は急がない 復習です • AKIで12時間以内の早期に透析を開始しても、72時間以上持続する時点で 開始しても、90⽇の死亡率は変わらない(STARRT-AKI)。 • 有意差はないが透析依存となるのは早期開始のほうが多い。 • 有害事象は早期開始群で有意に増加(低⾎圧、低P⾎症) N Engl J Med 2020;383:240-51 • 敗⾎症性ショックでも同様に早期開始(12時間以内)でも48時間以上持続 する際に開始でも死亡率変わらず。 N Engl J Med 2018;379:1431-42 • 過去の報告でも同様(早期導⼊vs72時間後でも死亡率変わらず) AKIKI study。敗⾎症患者が8割 N Engl J Med. 2016 Jul 14;375(2):122-33 • STARRT-AKI含め過去のRCTのメタ解析でも同様の結果 Lancet 2020; 395: 1506–15

62.

⼼外、外科術後、外傷では早期開始がよ いかも 早期介⼊(8時間以内vs12時間以内)で死亡率、腎 予後共によい結果(ELAIN Trial) 対象は⼼臓⾎管外科や腹部術後、外傷がほとんど で敗⾎症は少ない 復習です JAMA. 2016 May 24-31;315(20):2190-9. J Am Soc Nephrol. 2018 Mar;29(3):1011-1019

63.

透析、いつするの︖ 復習です • AKIでは以下のときに透析に踏み切る ØK>6.0-6.5、pH<7.15、体液過剰による重症肺⽔腫のいずれか Ø8時間以上持続する⼼臓⾎管外科・外科術後、外傷患者のAKI Ø72時間以上持続するAKI

64.

透析の適応 復習です Acidosis︓アシドーシス(pH<7.15) Blood urea︓尿毒症(BUN>100) Congestion︓⼼不全(利尿薬に反応なし) Drug︓急性薬物中毒(適応ありの重症例) Electrolyte abnormalities︓⾼K(介⼊後もK>6)