低カルシウム血症まとめ

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September 12, 22

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1.

低カルシウム⾎症

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概要 TCa[mg/dL] = 2 x Ca++[mmol/L] x 4 • Ca 基準値︓2.1-2.6 mmol/L(8.4-10.4 mg/dL) • PTH、ビタミンD、カルシトニンによって厳格に管理 • 低カルシウム⾎症︓補正Ca<2.12 mmol/L • ビタミンD不⾜や副甲状腺機能低下症やこれらホルモンの作⽤ 不全が原因として最も多い • 薬剤性も多い(ビスホス、シスプラチン、抗てんかん薬、アミ ノグリコシド、利尿薬、PPI) Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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ちなみに腎不全患者では PTH:Ca↑、P↓ VitD:Ca↑、P↑ 腎不全 VitD↓ 下げろ︕ FGF23 P↑ 排泄障害でたまってしまう 産⽣障害で減ってしまう Ca↓ PTH↑

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原因 Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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ビタミンD不⾜ • 25-hydroxyvitamin D<75 nmol/L • 腸管からのCa、Pの吸収が減る • 胃腸からのCa吸収は50%におさえられ、⾷事中のCaの10-15%しか吸収でき なくなる • ビタミンD不⾜は⽪膚からの合成低下でも起こる(⽇光への曝露不⾜、⾊ 素沈着、年齢による⽪膚の菲薄化による) • 吸収不良、異化亢進、肝不全、腎不全、ビタミンD代謝障害でも起こる • ビタミンDの需要は妊娠中と妊娠後に⾼まり、⺟親のビタミンD低下は乳 児の低カルシウム⾎症と関係する • 低カルシウム⾎症はビスホス投与後の不適切な25(OH)Dレベルでも起こる ため、特に造⾻性⾻転移病変のある患者では事前に低カルシウム⾎症がな いことを確認しておく必要がある Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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PTH不⾜ • PTH低下は過剰な尿中Ca排泄を来し、⾻のリモデリングと腸管からのCa吸 収を減らす • まれにPTH作⽤不全(偽性副甲状腺機能低下症)で同様の病態が起こるた め⾎清PTHの測定は必須 • 副甲状腺機能低下症の多くは甲状腺切除術中に誤って摘除してしまうこと や⾎流を絶ってしまうことで起こる。甲状腺切除術の0.5-6%で起こる • 術後6か⽉持続する低カルシウム⾎症は副甲状腺機能低下症と診断される • ⾃⼰免疫性副甲状腺機能低下症は単独か多腺性⾃⼰免疫症候群の⼀部とし て起こる • 遺伝性の代謝異常でも起こる • カルシウム受容体の変異が先天性の副甲状腺機能低下症の原因としては最 多 Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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他の原因 • DiGeorge症候群︓副甲状腺の発達不全。⼼疾患、異常な顔貌、 胸腺の低形成、⼝蓋裂、低カルシウム⾎症が特徴。 • 副甲状腺への重⾦属が鉄と共に浸潤(ヘモクロマトーシス) • サラセミア • 銅の副甲状腺への沈着(ウィルソン病) • Mgの低下や過剰(PTH分泌を障害) Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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症状 • 知覚異常、筋痙攣、テタニー、⼝周囲のしびれ、痙攣 • 喉頭痙攣、神経筋の興奮、認知機能障害、⼈格変化、QT延⻑、 ⼼筋梗塞のような⼼電図変化、⼼不全も起こる Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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問診 • 低カルシウム⾎症の家族歴 • 頭頸部の⼿術歴 • 精神遅滞、先天異常、聴覚障害 Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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⾝体所⾒ • 頸部の⼿術痕 • Chvostek(クヴォステク)徴候 • Trousseau徴候(低カルシウム⾎症の94%でみられ、健常者では 1%しかみられない) Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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Chvostek's and Trousseau's Signs N Engl J Med 2012; 367:e15

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検査 基本項⽬ • ⾎清Ca(アルブミンで補正)、P、Mg、電解質、Cr、ALP、PTH、 25-hydroxyvitamin D、⾎清pH、⾎算 追加項⽬ • イオン化Ca、24時間畜尿でのP、Ca、Mg、Cr • 1,25-dihydroxyvitamin D、腎エコー(腎結⽯評価) • DNAシークエンス(遺伝⼦変異検索)、⼀親等の家族の⽣化学 検査 Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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副甲状腺機能低下症では • 低カルシウム⾎症、PTHは正常か低値、⾼リン⾎症、⾼Ca尿症、 1,25-dihydroxyvitamin D3低下 • 重症患者ではイオン化Caの測定を推奨(⾎清pHの変動がアルブ ミンに結合したカルシウムに影響するため) Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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急性期治療 • ⾎清Ca<1.9 mmol/L(7.6 mg/dL)やイオン化Ca<1 mmol/Lあるいは症候性であれば 経静脈的にカルシウムを補充 • ⾎管外漏出や周囲の組織の損傷を避けるため中⼼静脈からのグルコン酸カルシウ ム投与が望ましい • 10%グルコン酸カルシウム1-2A(10-20mL)を5%Tz50-100mLに混ぜて5-10分かけて • カルシウム塩の沈殿を避けるためリン酸塩や重炭酸塩とカルシウムは混合しない • 必要に応じカルシウムやカルシトリオール(0.25-1μg/⽇)も経⼝投与 • Mg不⾜やアルカローシスがあれば補正する • 末梢のPTH抵抗性は数⽇は持続するため、Mgを補充してもPTHはすぐには上がら ない • 急速なCa補正は不整脈を来し得る。経静脈的にCa投与をする場合は必ず⼼電図モ ニターを装着する(特にジゴキシン服⽤中の患者は注意) Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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慢性の低カルシウム⾎症の⻑期的管理 • 低Mg⾎症の補正に加えて、カルシウムとビタミンDとその代謝産物 の経⼝投与が必要 • カルシウム炭酸塩やカルシウムクエン酸塩がカルシウム含有率が⾼ く(それぞれ40%と28%)、吸収されやすい • カルシウムの補充は1-2g1⽇3回 • 500-1000mg1⽇3回から開始し、増量していく • 無症候性の⼼電図変化は通常カルシウムとカルシトリオールの補充 で正常化する • ビタミンD補充の合併症として⾼Ca尿症がある。特に副甲状腺機能 低下症ではPTH不⾜が尿中Ca排泄を促すため起こりやすい • 低カルシウム⾎症の原因がビタミンDの吸収不良であれば原疾患を 治療する(セリアック病に対しグルテンフリー療法のように) Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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ビタミンD不⾜ • エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)かコレカルシフェロー ル(ビタミンD3)での補正が必要 • エルゴカルシフェロールは5万IUを週に1-2回投与。3か⽉後に⾎ 中濃度を測定し正常の25(OH)Dレベルになるまで増量していく • エルゴカルシフェロール3万IU筋注も選択肢。初回2回は3か⽉ 毎、その後は6か⽉毎。 • コレカルシフェロールはより強⼒。10万IUを3か⽉毎に投与。 Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162

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副甲状腺機能低下症 • Ca 2.00-2.12 mmol/LとなるようにカルシウムとビタミンDを補充 • ⾎清P正常範囲内、カルシウムリン酸塩4.4 mmol2/L2(55 mg2/dL2)とし⾼Ca尿症、腎結⽯、 カルシウムリン酸塩の組織への沈着がないようにする • ビタミンD類似体のカルシトリオールやアルファカルシドールが使える。カルシトリオー ル0.5μgやアルファカルシドール1μg/⽇で開始。基準値内低めに⾎清Caがなるように4-7⽇ 毎に増量。 • カルシトリオールが⽐較的強⼒であり半減期が短いために好ましい • Ca sensing受容体のgain-of-function変異の患者に対するビタミンD治療ではさらなる⾼Ca尿 症や腎結⽯、腎障害を来しうる。したがって、無症候性の患者ではシンプルに下記の治 療でもよい。 • サイアザイド系利尿薬。遠位尿細管でのカルシウム再吸収を増やし尿中Ca排泄を減らし てくれる。 • 利尿薬と減塩、低P⾷、P吸着薬の組み合わせは有⽤ • ⾎清Ca、P、Crを治療開始初期は毎週〜毎⽉測定し、安定したら年に4〜2回は測定する Can Fam Physician. 2012 Feb; 58(2): 158–162