ME2種電気回路まとめ -交流-

8K Views

June 15, 22

スライド概要

ME2種から出題される電気回路(交流)の内容をまとめた資料です.臨床工学技士の国家試験対策にも使えます.公立小松大学臨床工学科の学生向けの資料ですが,皆さんのお役に立てると幸いです.

profile-image

コンピュータを使って色々やっています. 公立小松大学臨床工学科准教授

シェア

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

ME2種電気回路まとめ -交流藤⽥ ⼀寿

2.

抑えるポイント • 正弦波𝑉 = 𝑉! sin(2𝜋𝑓𝑡 + 𝜃) • 振幅𝑉! ,周波数𝑓, 位相𝜃,⾓周波数𝜔 = 2𝜋𝑓,周期𝑇 = 1/𝑓 • 正弦波𝑉" = 𝑉! sin(2𝜋𝑓𝑡 + 𝜃" )と正弦波𝑉# = 𝑉! sin(2𝜋𝑓𝑡 + 𝜃# )の位相差 • 𝜃" − 𝜃# • これが正なら𝑉!が𝑉"より 𝜃! − 𝜃"位相が進んでいる. • これが負なら𝑉!が𝑉"より |𝜃! − 𝜃"|位相が遅れている. • 実効値 • 正弦波交流 $ • 全波整流 # $ • 半波整流 # $ #

3.

抑えるポイント • 複素数表⽰ ̇ • 𝑉̇ = 𝑍̇ 𝐼が成り⽴つ. • 抵抗のインピーダンス𝑅,コンデンサのインピーダンス " %&' ,コイルのイン ピーダンス𝑗𝜔𝐿 • 合成インピーダンスは直流のときの合成抵抗と同じように計算できる. • 複素数表⽰を使えば交流でも直流と同じように計算できる. • しかし,交流回路の電圧と電流は各素⼦の電圧,電流の合成で得られる. • つまり,複素平⾯(フェーザ図)で考える. • 複素平⾯上(フェーザ図)で書かれたベクトルの⾓度が位相である. 𝑰̇ • RLC直列回路,RLC並列回路 • 共振のときはRだけの回路とみなせる(LCは無視できる). 𝑽̇ 𝜃" 𝜃! フェーザ図

4.

抑えるポイント VR • コンデンサ,コイルの特性 • CRフィルタ • コンデンサの電圧はローパス,抵抗の電圧はハイパス • コンデンサは周波数が低いとインピーダンスが上がるから. • コンデンサの電圧は積分,抵抗の電圧は微分 • 変化が急なところは周波数が⾼い.ハイパスは微分に⾒える. • グラフでイメージを掴む • コンデンサは電荷を徐々に貯めるから,徐々に電圧が上がる. ' ! " ' ! " • 充電時の電圧変化は𝑉% = 𝑉& (1 − 𝑒 ), 𝑉( = 𝑉& 𝑒 ,放電時は逆 • LRフィルタはコンデンサと逆 • カットオフ周波数 • CRフィルタ:𝑓! = • LRフィルタ:𝑓! = " #$%& " #$'/& • 時定数 • CRフィルタ:𝜏 = 𝐶𝑅 • LRフィルタ:𝜏 = 𝐿/𝑅 ⼊⼒Vi R C Vc

5.

交流

6.

位相

7.

位相と位相差 𝐸, 𝑒* 𝑒) 𝑒+ 𝜋/4 𝜋/3 𝜋 2𝜋 • sin内のωt,ωt+π/3,ωt-π/4を位相と呼ぶ. • e1を基準とした時,+π/3,-π/4を位相差と呼ぶ. • e2はe1より位相がπ/3進んでいる. • e3はe1より位相がπ/4遅れている.

8.

問題解説 • 時刻t[s]における交流電流の瞬時値が以下の式で与えられるとき,周 期[s]はいくらか.(第39回ME2種) • 𝑖 𝑡 = 20 sin(40𝜋𝑡 − 𝜋/4) 1. 0.025 2. 0.05 3. 0.5 4. 20 5. 40

9.

問題解説 • 時刻t[s]における交流電流の瞬時値が以下の式で与えられるとき,周 期[s]はいくらか.(第39回ME2種) • 𝑖 𝑡 = 20 sin(40𝜋𝑡 − 𝜋/4) 1. 0.025 2. 0.05 3. 0.5 4. 20 5. 40 波の式は次のとおりである. 𝐼 𝑡 = 𝐴 sin(2𝜋𝑓𝑡 − 𝜙) よって周波数は 𝑓 = 20Hz 周期は " 𝑇 = = 0.05s #!

10.

実効値

11.

実効値(資格試験・国家試験のために覚える) • 交流 • $ # • 全波整流(計算で2乗するため,交流と同じ値となる) • $ # • 半波整流 " (/# $ • 𝑃= = ∫! ( • = • = $) #(. $) /(. 𝑡− ) *+,) &- . " #& ×𝑇 = /. = (/# " 𝑑𝑡 = ∫ (. ! (/# $) sin 2𝜔𝑡 $) $) $ $ #. # • よって実効値はV/2 ! = # ( #(. # = 𝐼0 𝑉0 1 − cos 2𝜔𝑡 𝑑𝑡 − " #& sin 𝜔𝑇 + " #& sin 0

12.

問題解説 • 図は50Hz正弦波交流の全波整流波形である.実効値は何Vか.(第34 回ME2種) 1. 140 2. 100 3. 71 4. 50 5. 32

13.

問題解説 • 図は50Hz正弦波交流の全波整流波形である.実効値は何Vか.(第34 回ME2種) 1. 140 2. 100 3. 71 4. 50 5. 32 全波整流交流は正弦波交流と同じ実効値である. よって実効値は 𝑉= !## " ≅ 70.7V

14.

問題解説 + • 𝑖 𝑡 = 10 2 sin(40𝜋𝑡 − )[mA]で表される交流について誤っているのは , どれか.(第34回ME2種) 1. 振幅:14.1mA 2. 周波数:40Hz 3. 位相遅れ:30° 4. ⾓周波数:126rad/s 5. 実効値:10mA

15.

問題解説 + • 𝑖 𝑡 = 10 2 sin(40𝜋𝑡 − )[mA]で表される交流について誤っているのは , どれか.(第34回ME2種) 1. 振幅:14.1mA 2. 周波数:40Hz 3. 位相遅れ:30° 4. ⾓周波数:126rad/s 5. 実効値:10mA 波の式は次のとおりである. 𝐼 𝑡 = 𝐴 sin(2𝜋𝑓𝑡 − 𝜙) よって周波数は 𝑓 = 20Hz 周期は ) 𝑇 = *- = 0.05s 位相は 𝜋 𝜙 = − = −30° 6 与式から振幅は 𝐴 = 10× 2 ≅ 14.1mA 与式から⾓周波数は 𝜔 = 40𝜋 ≅ 126rad/s 実効値は 𝑉= )- * * = 10mA

16.

フェーザ図と複素数表⽰

17.

正弦波 • 正弦波交流の電圧(瞬時値)を次の式で表す. • 𝑣 = 𝑉- sin(𝜔𝑡 + 𝜃. ) • 𝑖 = 𝐼- sin(𝜔𝑡 + 𝜃/ ) • 電圧と電流の値は時間変化するが,その特性は最⼤値Vm,Im,⾓周波 数ω,位相θV,θIの3つのパラメタで表現できる. Vm Im v 𝜃/ 𝜃. i

18.

フェーザ図 • 下図のように,電圧や電流を,⻑さを実効値,⾓度を位相とした⽮印 (ベクトル)で表したものをフェーザ図と呼ぶ. Vm Im 𝑰̇ v 𝜃/ 𝜃. 𝑽̇ i 𝜃/ 𝜃. フェーザ図

19.

複素数表⽰ • フェーザ図を複素平⾯として捉えれば,電圧や電流のベクトルは複素 数で表現できる. • これを複素数表⽰と呼ぶ. • 電気・電⼦回路では虚数単位をjで表す. 𝑰̇ Im 𝑽̇ 𝜃/ 𝜃. 𝑽̇ 𝜃. 𝑉1 𝑉̇ = 𝑉! + 𝑗𝑉" 𝑉0 Re

20.

問題解説 • 最⼤値10Vの正弦波交流電圧を誘導リアクタンス2.0Ωのインダクタに 加えた.交流電圧の瞬時値が-10Vのときにインダクタを流れる交流の 瞬時値[mA]として正しいのはどれか.(第41回ME2種) 1. -5.0 2. -3.5 3. 0.0 4. 3.5 5. 5.0

21.

問題解説 • 最⼤値10Vの正弦波交流電圧を誘導リアクタンス2.0Ωのインダクタに 加えた.交流電圧の瞬時値が-10Vのときにインダクタを流れる交流の 瞬時値[mA]として正しいのはどれか.(第41回ME2種) 1. -5.0 2. -3.5 3. 0.0 4. 3.5 5. 5.0 電圧の位相は0だとすると電圧は次の式でかける. 𝑉 = 10 sin 𝜔𝑡 V=-10だから sin 𝜔𝑡 = −1 𝜋 𝜔𝑡 = − 2 電圧の位相は0だとすると電流は次の式でかける. 𝜋 𝐼 = 𝐼, sin(𝜔𝑡 − ) 2 0 𝜔𝑡 = − * だから I=0

22.

問題解説 • 最⼤値10Vの正弦波交流電圧を誘導リアクタンス2.0Ωのインダクタに 加えた.交流電圧の瞬時値が-10Vのときにインダクタを流れる交流の 瞬時値[mA]として正しいのはどれか.(第41回ME2種) 1. -5.0 2. -3.5 3. 0.0 4. 3.5 5. 5.0 別解 𝑉̇ = 𝑍̇ 𝐼̇ 𝑉̇ 𝑉̇ 𝑉 𝐼̇ = = = −𝑗 𝜔𝐿 𝑍̇ 𝑗𝜔𝐿 0 よって電流は電圧に対し− * ほど位相がずれている. + 電圧が-10Vのとき,電圧の位相は1 𝜋だから(−10 = + 10 sin 1 𝜋),電流の位相は𝜋なので,電流10 sin 𝜋 = 0で ある.

23.

RLC回路

24.

RLC直列回路

25.

RLC直列回路 • 抵抗,インダクタ,コンデンサを直列につないだものをRLC直列回路 という. • ab間のインピーダンスは • 𝑍̇ = 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 + " 023 = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − " ) 23 • インピーダンスの⼤きさは • 𝑍̇ = 𝑅# + 𝜔𝐿 − " # 23 • インピーダンスの⼤きさが最⼩となるのは " • 𝜔𝐿 = 23のとき • このときの⾓周波数は 𝜔! = " 43

26.

RLC直列回路 • ⾓周波数が𝜔! = " のときインピーダンスが最⼩となる. 43 • つまり,ab間を流れる電流は最⼤となる. • また,このとき,インピーダンスの虚数成分はゼロとなり電圧と電流 は同位相となる. • インピーダンスが最⼩となるときを共振という. • RLC直列回路が共振のとき • インピーダンスは最⼩で,Rのみ • 𝜔! = " 1' • 電圧と電流の位相は0

27.

RLC直列回路 • ab間の合成インピーダンスは • 𝑍̇ = 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 + " 023 = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − • 各素⼦にかかる電圧は 5 • 𝑉5̇ = 𝐸̇ ̇ 7 024 𝐸̇ ̇ 7 • 𝑉4̇ = • 𝑉3̇ = 𝐸̇ " 0237̇ • 各素⼦に流れる電流は等しい. ̇ 8 • 𝐼̇ = ̇ 7 " ) 23

28.

問題解説 • 正弦波交流電源に抵抗器,インダクタ,キャパシタ各1個を直列に接続 した.各素⼦の両端電位差(実効値)を測定したところ,抵抗器は 10V,インダクタとキャパシタは5Vであった.電源電圧の実効値は何 Vか.(第39回ME2種) 1. 5 2. 10 3. 15 4. 20 5. 25

29.

問題解説 • 正弦波交流電源に抵抗器,インダクタ,キャパシタ各1個を直列に接続 した.各素⼦の両端電位差(実効値)を測定したところ,抵抗器は 10V,インダクタとキャパシタは5Vであった.電源電圧の実効値は何 Vか.(第39回ME2種) 1. 5 2. 10 3. 15 4. 20 5. 25 抵抗の電圧をVR,コンデンサの電圧をVC,インダクタの電圧を VLとする. 1 ̇ 𝑉%̇ = ̇ 𝑉2̇ = 𝑗𝜔𝐿𝐼 ̇ 𝑉(̇ = 𝑅𝐼, 𝐼, 𝑗𝜔𝐶 Rを基準としたそれぞれの位相差は 𝑉2̇ 𝑗𝜔𝐿 𝑉%̇ 1 𝜃2( = ∠ =∠ = 90,𝜃%( = ∠ = ∠ −𝑗 = −90 𝑉( 𝑅 𝑉( 𝜔𝐶𝑅 よって,フェーザ図は右図のようになる. 電源電圧はすべてのベクトルを⾜したものになるので, 10V 𝑉#̇ 𝑉!̇ 𝑉"̇

30.

問題 • 図の交流回路で𝑅, 𝐿, 𝐶の両端電圧(実効値)がそれぞれ3V, 6V, 2Vで あった.電源電圧𝐸(実効値)は何Vか.(第37回ME2種) 1. 2 2. 5 3. 7 4. 9 5. 11

31.

問題 • 図の交流回路で𝑅, 𝐿, 𝐶の両端電圧(実効値)がそれぞれ3V, 6V, 2Vで あった.電源電圧𝐸(実効値)は何Vか.(第37回ME2種) 1. 2 2. 5 3. 7 4. 9 5. 11 各素⼦に流れる電流は同じなので,各素⼦の 電圧は次のように書ける. 𝑉(̇ = 𝑅𝐼 ̇ 𝑉2̇ = 𝑗𝜔𝐿𝐼 ̇ 1 𝑉(̇ = 𝐼̇ 𝑗𝜔𝐶 つまり,抵抗に掛かる電圧に対し,インダク タは𝜋/2,コンデンサは−𝜋/2位相がずれてい る. それぞれの電圧をフェーザ図でかくと図のよ うになる. よって電源電圧は 𝐸 = 𝑉(̇ + 𝑉2̇ + 𝑉%̇ = 3* + 6 − 2 * = 9 + 16 = 25 = 5𝑉 𝑉2̇ 𝐸̇ 𝑉2̇ + 𝑉%̇ 𝑉%̇ 𝑉(̇

32.

RLC並列回路

33.

RLC並列回路 • 抵抗,インダクタ,コンデンサを並列につないだものをRLC直列回路とい う. • この回路の合成アドミタンス(インピーダンスの逆数)は • J K̇ = J L + J MNO + 𝑗𝜔𝐶 = J L + 𝑗(𝜔C − J ) NO • アドミッタンスの⼤きさは • 𝑍̇ = 𝑅P + 𝜔𝐶 − J P NO • アドミタンスの⼤きさが最⼩となるのは • 𝜔𝐿 = J のとき NQ • このときの⾓周波数は 𝜔R = J OQ • このとき,並列回路は共振しているという.

34.

RLC並列回路 • この回路の合成アドミタンス(インピーダンスの逆数)は • " 7̇ = " 5 + " 024 + 𝑗𝜔𝐶 = " 5 + 𝑗(𝜔C − • 各素⼦にかかる電圧は等しい. • 各素⼦に流れる電流は ̇ . • 𝐼5̇ = • 𝐼4̇ = 5 .̇ 024 • 𝐼3̇ = 𝑗𝜔𝐶 𝑉̇ " ) 24

35.

問題解説 • 図の回路が共振状態にある時,抵抗器に流れる電流は何Aか.ただし, 𝑅 = 200Ω,𝐿 = 1.6mH,𝐶 = 100μF,𝐸 = 100V(実効値)とする.( 第38回ME2種) • 0.5 • 1.0 • 1.5 • 2.0 • 5.0

36.

問題解説 • 図の回路が共振状態にある時,抵抗器に流れる電流は何Aか.ただし, 𝑅 = 200Ω,𝐿 = 1.6mH,𝐶 = 100μF,𝐸 = 100V(実効値)とする.( 第38回ME2種) 1. 0.5 2. 1.0 3. 1.5 4. 2.0 5. 5.0 この回路のアドミタンスは 1 1 1 1 1 = + 𝑗𝜔𝐶 + = + 𝑗(𝜔𝐶 − ) 𝑗𝜔𝐿 𝑅 𝜔𝐿 𝑍̇ 𝑅 1 1 " + 𝜔𝐶 − 𝑅" 𝜔𝐿 これが最⼩の時,共振している. 1 = 𝑍̇ ! ! 最⼩値は ̇ = となる.すなわち, & ' Rのみの回路と⾒なせる. よって,抵抗器に流れる電流は 100/200=0.5A

37.

問題 • 図の回路に置いて,電源を流れる電流Iが10A,LとCを流れる電流がそ れぞれ2A,8Aであった.抵抗Rに流れる電流は何Aか.(第42回ME2種) 1. 0 2. 6 3. 8 4. 10 5. 20

38.

問題 • 図の回路に置いて,電源を流れる電流Iが10A,LとCを流れる電流がそ れぞれ2A,8Aであった.抵抗Rに流れる電流は何Aか.(第42回ME2種) 1. 0 2. 6 3. 8 4. 10 5. 20 各素⼦に流れる電流は 𝑉̇ 𝑅 𝑉̇ 𝐼2̇ = 𝑗𝜔𝐿 𝐼%̇ = 𝑗𝜔𝐶 𝑉̇ であるから,抵抗を流れる電流 𝐼(̇ に対し,コイルを流れる電 流𝐼2̇ は−𝜋/2,コンデンサを流れる電流は 𝐼%̇ は 𝜋/2位相がずれて いる.これをフェーザ図で書くと図のようになる. ̇ 回路を流れる電流𝐼は各素⼦に流れる電流の合成なので, 抵抗 を流れる電流 𝐼(̇ は 𝐼!̇ + 𝐼#̇ |𝐼(̇ | = |𝐼 ̇ − (𝐼%̇ + 𝐼2̇ )| = 10* − 8 − 2 * = 64 = 8 である. 𝐼(̇ = 𝐼!̇ 𝐼̇ 𝐼#̇ 𝐼"̇

39.

過渡現象

40.

コンデンサの充電

41.

過渡現象(充電) • 図のような直流回路を考える. • コンデンサに電荷が溜まっていないとする. • スイッチを充電側に移動させると,コンデンサに電流が流れ,電荷が 溜まっていく.これは,コンデンサの両端電位差が電源電圧𝑉になる まで続く. • コンデンサに電荷を貯めることを充電という. 𝑉. 充電 放電 𝑉 𝑅 𝑉. 𝑖 𝐶 𝑉 𝑉2 𝑅 𝐶 𝑖 𝑉2

42.

過渡現象 (充電) • 抵抗にかかる電圧は • 𝑉5 = 𝑉𝑒 * 9+,: • コンデンサにかかる電圧は • 𝑉3 = 𝑉 − 𝑉𝑒 * 9+,: =𝑉 1−𝑒 𝑉. 𝑉 * 9+,: 𝑅 𝐶 𝑖 𝑉2 資格試験内で計算は 不可能だから,時定 数はCRと覚える.

43.

過渡現象 (充電) • 抵抗とコンデンサに加わる電圧は図のように変化する. • コンデンサに電荷が蓄積されるに伴いコンデンサの電圧𝑉3 も増加する. • ⼀⽅抵抗の電圧𝑉5 は減衰する. 𝑉 𝑉. 𝑉2 𝑉 𝑉. 時間 𝑅 𝐶 𝑖 𝑉2

44.

コンデンサの放電

45.

過渡現象(放電) • スイッチを充電側にし,⼗分に時間がたつとコンデンサに𝑄 = 𝐶𝑉ほど 電荷が蓄積される. • そこで,スイッチを放電の⽅に⼊れると,コンデンサにたまった電荷 が消費され,減少していく. • コンデンサが電源の代わりになる. 𝑉. 充電 放電 𝑉 𝑅 𝑖 𝑉. 𝑅 𝐶 𝐶 𝑖 𝑉2 𝑉2

46.

過渡現象 (放電) • コンデンサに掛かる電圧は • 𝑉; = 𝑉 𝑒 * 9+,: • 抵抗にかかる電圧は • 𝑉5 = −𝑉; = −𝑉 𝑒 * 9+,: • 𝜏 = 𝐶𝑅としたとき,τを時定数と呼ぶ. 資格試験内で計算は不可 能だから,時定数はCR と覚える. 電圧の時間変化もよく出 ているので,余裕がある 人はVcの式も覚える. 覚えられない人は指数関 数的に変化することを覚 えておく. 𝑉. 𝑅 𝐶 𝑖 𝑉2

47.

過渡現象 (放電) • 抵抗とコンデンサに加わる電圧は図のように変化する. • コンデンサの電荷が放電されるとともに,コンデンサの電圧Vcは指数 関数的に減衰していく. • 抵抗の電圧は,コンデンサによりもたらされるので,𝑉3 とともに0に近 づく. 𝑉 𝑉2 𝑉. 𝑅 𝐶 時間 𝑉. −𝑉 𝑖 𝑉2

48.

問題 • 図の回路において,スイッチSを閉じてから20ms後の抵抗両端電圧[V] に最も近いのはどれか.ただし,スイッチを閉じる前のコンデンサは 充電されていないものとし,⾃然対数の底eは2.7とする.(第42回ME2 種)

49.

問題 • 図の回路において,スイッチSを閉じてから20ms後の抵抗両端電圧[V] に最も近いのはどれか.ただし,スイッチを閉じる前のコンデンサは 充電されていないものとし,⾃然対数の底eは2.7とする.(第42回ME2 種) 抵抗の電圧は指数関数的に減衰するの で 𝑉. = 2𝑒 3-/4 時定数は 𝜏 = 𝐶𝑅 = 1×1035 ×20×106 = 2×103# 𝑠 = 0.02𝑠 よって20ms後の抵抗の電圧は 𝑉. 0.02 = 2×𝑒 3" ≅ 0.74

50.

問題 • 図の直流定電流電源は1mAである.𝑡 = 0でスイッチSを閉じて10μs 経過した後の1μFのキャパシタの両端の電圧はいくらか.ただし,ス イッチSを閉じる前にキャパシタの両端の電圧はゼロとする. (29ME)

51.

問題 • 図の直流定電流電源は1mAである.𝑡 = 0でスイッチSを閉じて10μs 経過した後の1μFのキャパシタの両端の電圧はいくらか.ただし,ス イッチSを閉じる前にキャパシタの両端の電圧はゼロとする. (29ME) 電荷と電流の関係は 𝑑𝑄 𝑑𝑉 𝐼= =𝐶 𝑑𝑡 𝑑𝑡 よって 𝑉 1×10-.× = 1×10-/ -. 10×10 𝑉 = 0.01𝑉

52.

フィルタ

53.

フィルタの種類 • ローパスフィルタ(LPF) • 低周波数成分のみを通過させるフィルタ • ハイパスフィルタ(HPF) • ⾼周波数成分のみを通過させるフィルタ • バンドパスフィルタ(BPF) • ある周波数領域の成分のみ通過させるフィルタ

54.

LCRを使ったフィルタの例 • ローパスフィルタ(低域通過フィルタ) • 信号の低周波数成分を通過させるフィルタ • ハイパスフィルタ(⾼域通過フィルタ) • 信号の⾼周波数成分を通過させるフィルタ 典型的なフィルタ回路 ローパスフィルタ ハイパスフィルタ キャパシタとインダクタの場所が⼊れ替わっている.キャパシタとインダクタの電流の周波 数に対する性質が逆だから.

55.

フィルタの直感的理解 Vr ⼊⼒Vi Vr R C Vc ⼊⼒Vi Vc C ⼊⼒ViはVrとVcに分けられる(分圧). VcはCのインピーダンスの⼤きさが⼤きければ⼤ きいほど⼤きくなる. Vr ⼊⼒Vi R Vr R Vc C Cのインピーダンスは1/jωCなので,Viの周波数が 低ければ低いほどCのインピーダンスの⼤きさは⼤ きくなる.つまり,Viの周波数が低ければ低いほ どVcは⾼い. ⼊⼒Vi R Vc=出⼒Vo C 出⼒VoはVcは並列の関係なので等しい.つまりVoもViの周波数が⾼ ければ⾼いほど⼤きくなる.Voは周波数が⾼ければ⼤きく,低けれ ば⼩さい.⾒⽅を変えると,この回路は周波数が低い⼊⼒を通しや すいといえる(ローパスフィルタ).

56.
[beta]
)AM23*!+ VNtOe 50 [email protected]/ 50PFlmCHno!UKLM10H
N1O 50W N2O 100W N3O 180W N4O 250W N5O 350W

演習解説

)AM29*[email protected]

(1)

(2)

(4)

(5)

)AM39*
»
N1
N2
N3
N4
N5

(3)

)AM40*D6<E2!Uzt{|}3H~6zt{6€t^K‚ J 0H
N1O
N2O
N3O
N4O
N5O

)AM34*
<
µ
N1

"#[W]

2.5
5
100
25図のフィルタは,ローパスフィルタである.選択肢の中でローパスフィルタは4である.
500
2000
0

50

$%[ms]

!"+$%"
)AM21*
N1
N2
N3
N4
N5

)AM22*

57.

RCローパスフィルタのゲインの計算 • RCローパスフィルタはRC直列回路となっているので,Voutは ̇ = • 𝑉<=: * 012 * 5>01+ 𝑉[email protected]̇ = " 𝑉̇[email protected] ">0253 • Voutに対するVinの⽐をゲインGとすると •𝐺= ̇ .345 ̇ .67 = * 01+ * 5>01+ = " ">0253 = " ">28 58 3 8 • Voutの位相のずれθoutは • 𝜃<=: = − tan9" 𝜔𝑅𝐶 = − tan9" 2𝜋𝑓𝑅𝐶 • ゲインGがフィルタの特性を表す.

58.

問題解説 • 図の回路に正弦波(実効値2.8V,⾓周波数1×10A rad/s)を⼊⼒した. 出⼒電圧(実効値)はおよそ何Vか.(第42回ME2種) 1. 0.5 2. 0.7 3. 1.0 4. 1.4 5. 2.0

59.

問題解説 • 図の回路に正弦波(実効値2.8V,⾓周波数1×10A rad/s)を⼊⼒した. 出⼒電圧(実効値)はおよそ何Vか.(第42回ME2種) 1. 0.5 2. 0.7 3. 1.0 4. 1.4 5. 2.0 ̇ 𝑉345 1 1 𝑗𝜔𝐶 = 1 1 + 𝜔𝐶𝑅 𝑅 + 𝑗𝜔𝐶 よって出⼒電圧Voutの実効値は ̇ 𝑉345 = 𝑉&6̇ 1 𝑗𝜔𝐶 = 𝑉&6̇ × 𝑅 + 𝑗𝜔𝐶 * = 2.8 2 ≅ 1 1 + (1×10+ ×10'7 ×10+ ) 2.8 =2 1.4 = 1 1+1 = 1 2

60.

問題解説 • 図の交流回路で,R,Cの両端の電圧(実効値)は図の⽰す値であっ た.電源電圧𝑒(実効値)は何Vか.(第36回ME2種)

61.

問題解説 • 図の交流回路で,R,Cの両端の電圧(実効値)は図の⽰す値であっ た.電源電圧𝑒(実効値)は何Vか.(第36回ME2種) 抵抗の電圧は𝑉(̇ = ( (8 # $%& 𝑉̇ コンデンサの電圧は𝑉%̇ = # $%' # (8 $%& 𝑉̇ ( .̇ それぞれの電圧の位相差は (̇ .& = # $%& # $%' # () $%& () = 𝑗𝜔𝑅𝐶だから, 90度である. フェーザ図を書くと右図のようになる. よってeの実効値は 2 2 𝑉̇ 𝑉"̇ 𝑉"̇ 𝑉!̇ 𝑉!̇

62.

問題解説 • 図の回路で,ある周波数fでの減衰量は-40dBであった.fの10倍の周 波数における減衰量[dB]はどれか.(第39回ME2種) 1. -4 2. -20 3. -60 4. -80 5. -400

63.

問題解説 • 図の回路で,ある周波数fでの減衰量は-40dBであった.fの10倍の周 波数における減衰量[dB]はどれか.(第39回ME2種) 1. -4 2. -20 3. -60 4. -80 5. -400 20 log$% 𝑉&̇ 1 = = 100 𝑉'(̇ 1 + 2𝜋𝑓𝐶𝑅 ) = 10000 𝑉&̇ = −40 𝑉'(̇ 1 1 + 2𝜋𝑓𝐶𝑅 ) 9999 4𝜋 ) 𝑓 ) 任意の周波数fʼのときのゲインは 𝑉&̇ 1 = 𝑉'(̇ 9999 1 + 𝑓 *) ) 𝑓 よって fʼ=10fのときのゲインgは 𝑉&̇ 1 1 1 1 = = ≅ = 𝑉'(̇ 1 + 999900 999901 1000000 1000 1 𝑔 = 20log$% = −60 1000 𝐶𝑅 ) = 今回は 2𝜋𝑓𝐶𝑅 ) が⼗分⼤き いから分⺟の1を無視して計 算しても良い.