Power BIから始まる、着物屋のDXへの挑戦

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October 19, 22

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1.

2022 Power BIから始まる 着物屋のDXへの挑戦 10月19日 15:00~ • 株式会社鈴花 • 井上 司 OT5

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注意事項 資料作成に作成したアイコン・イラスト ・いらすとや ・マイクロソフト Doc 2022

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目次 1.会社紹介・自己紹介 2.まず最初に 3.課題1 複合機カウンタ分析(Power BIを始めたきっかけ) 4.課題2 「和服の日」 社内イベント共有(Power Platform活用) 5.県のDX事業へ挑戦 6.まとめ 2022

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会社紹介 株式会社 鈴花 創業:1900年(明治33年) 本社:佐賀県 業種:小売業(和服業) グループ会社 株式会社ちづる(和服業) 株式会社白水(和服業) 株式会社鈴花商事(卸売業) 伝統を重んじる非IT・平均年齢60歳以上の中小企業 2022

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自己紹介 名前:井上 司(40歳) 職種:情シス 出身:佐賀県 現在は2名体制 PC約300台の資産管理、 約80拠点のネットインフラ管理 業務システムの運用・開発・ヘルプデスク コミュニティ:Power BI勉強会 情シスコミュニティ IT資格 なし 非IT資格 日商簿記1級 どこにでもいる情シス兼市民開発者 新茶の入札価格推移 (Power BIで作成) 2022

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まず最初に 地方の中小企業で、ITとはかけ離れた業界で、 ITリテラシーがとても低い企業でも Power BIをきっかけに、Power Platform を継続して勉強し、様々な課題を失敗 しながらも、取り組んでいたら・・・ 2022

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まず最初に いつの間にか県のDXフラッグシップモデルなってしま った話をしていきたいと思います。 2022

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まず最初に 複合機カウンタ分析 Power BIを始めたきっかけ 2022

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1つ目の課題 カラー印刷が可能になったことによる 店舗の不必要なカラー印刷・コピーの増大 店舗の複合機利用状況の可視化 約5年前 FAX機(感熱紙) 約4年前 複合機 へ入替 モノクロプリンタ 約5年前は、複合機本社1台のみで、 FAXは感熱式を使用していた。 2022 ペーパーレスの効果測定 カウンタ情報を取得す れば店舗のペーパーレ スの状況を把握できる のでは?

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カウンタ情報を取得することには成功したが・・・・・ 複合機管理ツールからカウンタ情報を取り出しデータベース に格納するのは成功したが、 多店舗の複合機の利用状況をどう分析するかを 調べたところ、Power BIが見つかり 使用してみることに。 Microsoft Power BI Power BIを選んだ理由 ・業務システムがマイクロソフト製品を使用している ・Power BI Desktopが無料で利用できたため。 2022

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Power BI 勉強会へ申し込み 2021年1月 Power BIの使い方を覚えるため、Power BI勉強会に参加 2021年1月にPower BI勉強会に初参加 2022

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Power BI カウンタ分析で最初に学んだこと 間違い部分 カウンタ情報(CSV)の列をそのまま使用していたため、 メジャー(計算式)を作成するのがとても大変になってしまう。 最初に設定したファクトテーブル(カウンタ情報) このままのフォーマットで利用すると メジャー(計算式)の作成が大変 2022

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Power BI カウンタ分析で最初に学んだこと ファクトテーブルは、テーブル(複合機のカウンタ情報のまま)を持ってくるのではな く、分析に適した形に整える必要がある 印刷料金 = sumx( D_counter, D_counter[単価] * 'D_counter'[印刷枚数] ) Power Queryにて分析に適したファクト テーブルにする必要がある。 2022 カラー料金 = CALCULATE( [印刷料金], M_prtkbn[印刷区分]="カラー" )

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Power BI 複合機分析の効果 レポート Metrics(印字上限管理) Data in Space ・カラー料金の削減は成功(印字枚数が多い店舗の確認) ・Metricsにて、印字枚数の制限を自動チェック ・コスト削減が伸び悩んでいるため、 複合機にカウンタ状況を表示してみる。 2022

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ひとり情シスにいったん戻る ひとり情シス状態に一旦戻る 途中入社で、1年間勤めていた情シス社員(男性)が 半年間の育休をとることとなり、ひとり情シス時代に一旦戻る。 (時間に余裕があったら、Power BI勉強を伝えておく) 社内でIT勉強会を月1回行う。 Power BI,Power Query,Power Automate for Desktop等 の社内勉強会を実施し、少しでもいいので社内のIT リテラシーを向上を目指す。 2022

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課題3 和服の日の社内イベント共有 「和服の日」 社内イベント共有 2022

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和服の日とは 2020年に、創業120周年に合わせて 日本記念日協会に申請し認定をもらう。 日付は10と29で「いい(1)わ(0)ふ(2) く(9)=良い和服」と読む語呂合わせから 和服の日には、社員が和服姿で街なかを歩き、 和服のPRを行っています。 https://www.saga-s.co.jp/articles/-/596055 参照 サガテレビより(2020年和服の日) 2022

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課題3 2021年 和服の日の実施について 2021年は、コロナの影響もあり、グループを分けて行うことに・・・・ 別々に行動するため、一体感が欠けてしまう。 離れていてもイベントが共有できるような仕組みを考えてみる。 2022

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Power BI以外のPower Platformも活用 Power BI以外のPower Platformも活用しようと考える・・・ 「和服の日 実行委員会」にPower Platformを活用したサービスを提案 社内イベント共有のアプリ 写真の画像分析 社内イベント状況の可視化 2022

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Power Appsにて社内イベント共有を解決 イベント写真アプリ Power Appsでイベント場所の写真を登録 離れているグループ同士でもイベント状況を共有 一元管理することにより、広報(SNS)で使用する際 に、写真を集める作業もなくなる。 別々の場所だがアプリでイベントを共有 Power Apps 2022 イベントで撮影した写真 を登録・共有する

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イベント写真管理での課題点と今後の改善 Power Appsでイベント場所の写真で 縦写真・横写真が混合してしまう。 横写真をベースで作成していたので 少し見づらくなってしまった。 縦写真がなぜ多い理由としては、 着物の着姿は縦写真で撮ることが多いため 縦写真で撮影 横写真で撮影 横写真で撮ってほしい 場合は、ラベルに表記 2022

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写真はPower Automateで分析しデータ利活用 Power Apps側で登録した写真を画像分析 Power Automateにて撮影した写真の分析を行って Power BI側で可視化して見れるようにする。 Power Appsにて 撮影した写真 2022 Power Automate Face APIと コンピュータビジョンAPI で画像分析 Power BIで活用

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画像分析の課題点 着物の写真を分析すると、「ドレス」との判定 ドレスの定義をWikipediaで検索すると、確かに「ドレス」の認識で相違ないと気付く Wikipediaより 2022

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分析した結果をPower BIにて表示 「和服の日」BIレポート全体図 Power Apps・ Power Automateで得た 情報を元にPower BIにて可視化 「和服の日」の社内イベント 状況を可視化し一体感を高める 「和服の日」レポート明細画面 2022

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撮影した写真をフォルダ分けを行いアルバムに 写真・画像分析のバラバラなデータ 画像分析データ Power apps写真データ 顔認識データ 画像分析のデータをPower Queryにて 加工・変換を行った後、 Power appsにて撮影した写真に ファイル名をつけ、画像を開かなくて も分かるようにする。 2022 Power Queryにて、データを取得・加工・ 変換しPower Automateのフローを簡単に

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撮影した写真をフォルダ分けを行いアルバム 失敗したところ 広報用やSNSで活用するにはファイルサイズが小さい(少し粗目に表示されてしまう) Power Appsの設定 「アップロード用に イメージを最適化する」 にチェックが入っていた ため 2022

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社内の小さなDX取り組みを記事にする。 Power Platformを使用した 社内で行っている小さなDXを記事に書く 地方で非IT企業でも、 市民開発することが出来ることを思いに発信 https://note.com/tkchan/ 2022

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私だけではなく、他の社員も利活用 勉強会の成果もあり、社内でツールを活用し始める。 業務システムから Power Queryにて、加工・変換 する社員も現れる。 Power Query で加工・変換 Forms にて アンケート 2022 Power BI にて 結果を表示 紙でアンケートを取っていた のが、Formsでアンケートを 取り、Power BIで結果表示

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2022年 和服の日 2022年 和服の日も実施予定 2022年は、佐賀県を飛び出して下関で実施予定 アプリやBIレポートも 改良を加えている最中 使用するかどうかは未定 2022

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県のDX補助事業へ挑戦 県のDX補助事業への挑戦 2022

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県のDX補助事業へ挑戦 半年間育休をとってた情シス社員が戻り、2名体制に戻る。 Power BIの勉強は、子育てが忙しく全く出来なかったのは残念だが、 2名体制に戻ることにより心の余裕が出来る。 新しいことに挑戦しようと思ったが、 経費面でなかなかすすまず・・・ 半分あきらめていたところ、県から救いの手が舞い降りた。 https://gyokai-search.com/ 業界動向.comを参照 2022

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県がDXを取り組もうとしてる企業に支援を行う。 小売業は1社という狭い門ではあるが応募してみる。 2022

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課題 営業社員とお客様が密接な関係になっており、 営業社員が辞めた際にお客様も離れてしまう可能性がある。 お客様の情報は営業社員の手帳に登録が多く、 業務システムには登録されていない場合が多い。 パソコンが苦手な社員が多く、タブレットを 導入しようと思っても、予算面やシステム自体が レガシーシステム(データ連携等)のため、現状難しい 2022

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課題 お客様とのイベントの写真について チャットにて写真を無造作に上げているだけなので、 お客様の情報との紐付がされていない。 よく来店されるお客様は把握できるが、 この頃来店されていないお客様(離反客) の把握が難しい。 オフライン(電話・DM)等の接点は十分だが、 接点(データ)登録がない。 オンライン(SNS等)の接点は不十分(ほとんどない) 2022

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社内アプリやデータ分析は内製開発を行う 店舗アプリとSNSマーケティングは外部に開発を依頼するが、 社内アプリとデータ分析基盤は内製開発を行う。 営業社員でも比較的簡単に 接点登録できるアプリを構築 お客様の誕生日や離反の可能性 がある顧客を通知する 売上分析のみではなく、 接点(オフライン・オンライン)も 加味して分析する仕組み データ利活用するためのデータ基盤 2022

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Power Appsにてお客様の接点管理(内製開発) 顧客電子カルテ(内製開発) お客様との接点強化のため、 パソコンが苦手な営業社員でも 利用可能なようにタブレットを導入 し、Power Appsにて接点管理を行う。 業務データを活用するするため Power Platformデータフロー を利用する。 Dataverse Power Apps 2022 お客様・日付・ イベント単位で 写真を管理 業務 システム

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Power Appsの現在 6月中旬に発注したタブレット が10月になっても納品されない 6月中旬に発注 (100台) Power Platformデータフローにて キー選択を未選択にしていたので、テー ブルのレコード数がとんでもないことに マスタ(約8,000レコード) なのにレコード数が膨大に キーの選択がされていなかった。 10月になっても まだ未納品 (1台も納品されない) 10月18日 (昨日)に納品 現在 テスト端末4台で運用中 2022 データフローを利用する際は、Dataverseでキー作成は忘れずに

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構想2 Power Automate 誕生日顧客や離反顧客の通知(内製開発) 誕生日・離反客の通知(内製開発) 誕生日 通知 誕生日を迎えるお客様について Power Automate経由でTeamsに通知 Teams お客様へ アクション お客様 カルテ 業務 システム 2022 離反顧客 通知 お客様に アクション Power Automate Dataverse また、離反しそうなお客様についても Teamsに通知が行くように考える Teams Power Automate (DAXクエリ) Power BI

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現在の顧客分析について 現在のデータ分析基盤(顧客) ファクトテーブル 売上 ディメンション 顧客・店舗・担当者・日付・商品 による分析 RFM分析・デシル分析 新規顧客分析・年代分析等 Power BIを使えるのが、現在私のみ で、ほとんど活用出来てない。 社内勉強会で出来る人を増やす。 2022

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Power BI 接点情報(オフライン・オンライン)と顧客分析 内製開発 既存の顧客分析に加え、Power Appsで登録したオフライン上の接点+店舗アプリ・SNS でのオンライン上の接点を新たに加える。 売上分析のみではなく、顧客との接点情報も分析対象として含める。 顧客・売上データ オンライン上の接点 SNS、店舗アプリ での接点履歴 オフライン上での接点 来店、イベントの参加履歴 Power Appsで登録 2022

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県からのDXフラッグシップモデル事業採択 今年の6月に 県のDXフラグシップモデルとして採択されました。 2022

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そして現在 ・システム内製と外注との打合せとの両立 締切までにアプリ(外注)との打合せをしつつ、 内製開発も行う。 ・情シスの通常業務 社員のリソース補充に対する補助は対象外のため、通常の情シス 業務も合わせて行う必要がある。 2022

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そして現在 県のDX事例紹介用のPR動画を11月に動画撮影予定 情報システム部門として出演するため、台本を覚える必要がある。 台本を覚えない といけない。 佐賀県のDX事例紹介(EDITORS SAGA) https://editors-saga.jp/editors/sagadx.html 2022

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まとめ 県のDX補助事業は進行中であり、まだまだアナログ面が多いが ITとは程遠い地方の企業であっても、 コツコツ勉強を続け、失敗しつつも課題を解決していけば、 おのずと結果が出てくる 2022

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まとめ 頑張れた要因 最初はデジタルやDXはほど遠いと思っていたが・・・ Power BI勉強会を始め、様々なコミュニティにて 刺激を受け、私でも出来るのではないかと思い、 頑張ってこれたのが一番の要因だと思います。 2022

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ご清聴ありがとうございました。 2022